JPH0312821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 イ 産業上の利用分野 道路路面が嵩上げ舗装（オーバレー）等によ
り、マンホールの位置が下り、このためマンホー
ル首部が凹んだ状態となり、同一レベルとしなけ
れば交通障害等の問題が生じる。嵩上げ工法には
様々な方法が考えられる。マンホール設置時、将
来の路面レベル変動を考慮し、嵩上げ可能とした
ものもあるが、大半のものは嵩上げを考慮してい
ない構造であり、特に後者に対し本考案装置を利
用することにより、経済面，施工期間の短縮など
大きな利点をもつており、電力及び通信ケーブル
あるいは上，下水道のマンホールの嵩上げ利用分
野である。

ロ 従来の技術とその問題点 従来、マンホール建設時から路面レベル変動を
考慮し、嵩上げ舗装（オーバレー）等に対応でき
る構造のもの（スライド型マンホール鉄枠等）も
あるが、大半のものはマンホール蓋の台座がコン
クリートで凝固されている。以下、後者に対する
従来の工法についてその内容を記す。

（ａ） マンホール蓋の台座コンクリートを破壊
し、台座ごと持ち上げレベルを調整する工法。

（ｂ） マンホール蓋にレベル調整用板（耐磨耗
性硬質ゴムで形成したもの）を取付けてレベル
を調整する工法。がある。

しかし、上記ａ工法については一応下記の如き
問題点を指摘することができる。

第１ コンクリート工が主たる作業であるため、
養生を含めて工期は２週間程度を要し、交通障
害及び地域住民に多大な迷惑をかけている。

第２ 舗装工事の同時施工は工期的に不可能であ
るため、嵩上げ舗装とは別期間にマンホール口
周辺の舗装を切断し、マンホール嵩上げ後、単
独に実施するため他の個所と舗装が一体化して
いないため、舗装面が早く破損する。

また、上記ｂ工法については下記の問題を指摘
できる。

第１ 本考案と同様、短期間施工が可能である
が、材質が硬質ゴムで成形されているため、過
酷な輪荷重に対する耐久性及びスパイクタイヤ
等による耐摩耗性に問題がある。

第２ 施工費が高い。

これに対し、本装置は従来の嵩上げ工法を改善
するもので、以下の事項について改善できる。本
装置を使用すればａ工法に対する第１の問題点に
対して、工期は大幅に減少し、半日程度で済み、
また、工事用敷地も狭いため、交通渋滞あるいは
地域住民に対する迷惑等の心配はほとんどない。
ａ工法に対する第２の問題点に対して、工期が短
いため同時施工が可能となり、マンホール首回り
の舗装が他の個所と一体化したものとなり、舗装
寿命が長くなり、保守上有利である。ｂ工法の第
１の問題点に対しては、本考案によるものは従来
製品と同質の鉄あるいは鋳鉄であること。また、
外周リングで輪荷重に対してマンホール蓋を保護
しているた、耐久性，耐摩耗性に対して問題がな
い。ｂ工法の第２の問題点に対して、２〜３割安
価で施工できる。

Ｂ 考案の構成 イ 問題を解決しようとする手段 本願では下記の構成のものによつて上述した問
題を解決しようとするものである。すなわち、嵩
上げ処理を所望する台座２の上方から嵌着できる
よう構成された嵩上げ用外周リング４の上面には
当該外周リング４と上記台座２の上面とを連結す
べき縦ボルト５を、また、当該嵩上げ用外周リン
グ４の側面には上記台座２の外周面に対して圧着
する横ボルト６が所定間隔をもつて螺着され、か
つ、上記台座上に装着されるべきマンホール蓋７
の厚さは嵩上げ用外周リングの上面レベルと一致
するよう構成されたマンホール嵩上げ装置であ
る。

ロ 考案の実施例 １は本案のマンホール嵩上げ装置である。２は
改修前からあるコンクリートで凝固された公知の
台座で、この台座にはマンホール蓋３が着脱自在
に嵌着できるよう構成されている。４は嵩上げ用
外周リングで、平面円輪状に構成されたリング体
４Ａの内周面下方には上記台座２の上面２Ａと外
周面２Ｂに対して上方から対応する断面■状の段
部４Ｂが形成され、当該リング体４Ａの上面には
取付けを所望する台座２の上端面に開設した受穴
２Ｃに貫入連結すべき縦ボルト５が所定間隔をも
つて螺着されていると共に、上記リング体４Ａの
外周面には取付けを所望する台座２の外周面に対
して圧着作用する横ボルト６が螺着されている。
７は嵩上げ用マンホール蓋であるが、その厚さ７
Ａは上記台座２の水平受部２Ｄのレベルと上記嵩
上げ用外周リング４の上面レベルとを結ぶ長さＨ
に一致するよう構成されている。図中、８は嵩上
げ前のレベル、９は嵩上げ後のレベル、１０は止
水パツキングをそれぞれ示す。なお、本装置を利
用した施工例として、特別高圧ケーブルマンホー
ルの嵩上げ工事で実施したが、施工個所が道路の
ほぼ中央に位置し、交通量も比較的多い所であつ
たが、工事敷が狭くすみ（4m₂程度）、また、一
ケ所当りの全作業が半日程度で済んだこと、舗装
工事が一般個所と同時施工ができたことで仕上が
りもきれいである。経済面でも従来のコンクリー
トを破壊し、マンホール蓋の台座を持ち上げ、レ
ベル調整する工法に比較して２〜３割安く施工で
きた事から、この種設置時、嵩上げに対応してい
ない構造のマンホールに対して、電力，弱電ケー
ブル用マンホールの他、上、下水道についても適
用が可能であることが確認された。

ハ 作動 効果と共に説明する。

Ｃ 考案の効果 前期構成よりなる本考案は嵩上げ高さを従来の
マンホール蓋の厚みを増すことで対処し、また、
マンホール蓋を保護するため外周リングを取付
け、マンホール蓋の台座に穴明け加工し、上部よ
りボルト留すると共に、側面からもボルトで締め
つけ、マンホール蓋に加わる輪荷重に対して損傷
を生じない構造としたものであり、また、材質も
鉄あるいは鋳鉄製品であり、耐久性，耐摩耗性は
施工前と変わりがない。このように本案のものに
よれば下記の通りの効果を発揮することができ
る。

(イ) 作業時間が大幅に短縮することができること
から、交通障害あるいは地域住民に対する迷惑
を解消できる。

(ロ) 舗装工事に合わせて同時施工か可能であり、
強度面での切れがなく、保守面も改善される。

(ハ) 耐久性，耐摩耗性など改修前と変わらない。

(ニ) 経済的に安上がりである。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の略図的平面図、第２図は縦断面
図、第３図は同上の要部拡大図、第４図は公知の
台座とマンホール蓋の縦断面図である。 １……マンホール嵩上げ装置、２……台座、３
……マンホール蓋、４……嵩上げ用外周リング、
５……縦ボルト、６……横ボルト、７……嵩上げ
用マンホール蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 嵩上げ処理を所望する台座２の上方から嵌着で
   きるよう構成された嵩上げ用外周リング４の上面
   には当該外周リング４と上記台座２の上面とを連
   結すべき縦ボルト５を、また、当該嵩上げ用外周
   リング４の側面には上記台座２の外周面に対して
   圧着する横ボルト６が所定間隔をもつて螺着さ
   れ、かつ、上記台座上に装着されるべきマンホー
   ル蓋７の厚さは嵩上げ用外周リングの上面レベル
   と一致するよう構成されていることを特徴とする
   マンホール嵩上げ装置。