JPH0312743Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、重いコンバイン袋を所定高さ位置に
傾斜状となるよう自動的に持ち上げ運搬して各種
穀物乾燥機への穀物張込作業を省力化のもとに正
確に達成できる穀物張込機における危険防止装置
に関する。

従来技術 従来、収穫した穀物を穀物乾燥機に張込ませて
穀物乾燥作業を行わせる場合にあつては該穀物を
収容した重いコンバイン袋を作業員により昇降機
下部に付設されたホツパ高さと同高の荷受台まで
一個宛持ち上げ運搬せしめた後、コンバイン袋を
開くと同時に逆さに立ててホツパ内に落し込む穀
物張込作業が必要であることは本出願前例えば実
公昭58−17004号公報に記載されていて公知であ
る。

ところで、上記公知の穀物張込手段によれば、
30〜45Kg重量のコンバイン袋を作業員により略70
cm高さ位置の荷受台上に１個宛持ち上げ運搬させ
る作業が必要である許りか、さらに荷受台上に搭
載されたコンバイン袋は、その排出量の増加に伴
ないいちいち作業員により逆さに立てて収納され
た穀物を排出させる作業が不可欠となつていたの
で、穀物張込作業に際して作業者は重労働を強い
られ、省力化を容易に行うことができないは勿論
のこと張込作業能率の向上も期待できない欠点が
生じた。

そこで上記欠点を解決し、重いコンバイン袋を
いちいち持ち上げ運搬する作業およびコンバイン
袋を逆さに立てる作業を総て機械的作業により行
わしめて作業者の著しい省力化を達成させるため
に、本出願人は、さきに、本体の一側に上端側を
回動自在に支架した傾斜支持枠を斜め下向き傾斜
状に配設し、上記傾斜支持枠は、下部側が基台に
軸架に装着した収納ケース内に収納され、しかも
基台に軸架された駆動プーリーよりの動力で正逆
回転されるプーリー付き回転駒と螺合されて昇降
動作せられる作動螺杆により斜め上向き傾斜状に
支架部を軸として昇降回動せしめた構成の穀物乾
燥機における穀物張込装置を開発し、これが発明
を特願昭60−116150号として出願した。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記の穀物張込装置において
は、傾斜支持枠を昇降回動させるための作動螺杆
の下端部には何等の緩衝用部材が装着されていな
かつたので、穀物張込作業中において不測の故障
発生により、傾斜支持枠が所定高さ位置以上に上
昇回動されたり或は所定下降位置以下に下降回動
された際には、作動螺杆がプーリー付き回転駒よ
り抜けて重いコンバイン袋を搭載したまま傾斜支
持枠を落下させ、思わぬ傷害事故を引き起す危険
が発生する許りか、作動螺杆の下端部が収納ケー
ス底部に衝突して螺子がロツク状態となり、作動
螺杆の回転が不能となるは勿論のこと作動螺杆に
刻設した螺子を傷つけ以後における穀物張込作業
を連続して行わせることができない問題が生ず
る。

そこで本考案は、下部側を収納ケースに収納し
た作動螺杆の下端部に、固定金具を介してプーリ
ー付き回転駒の内面、又は収納ケースの底壁と
夫々当接できる緩衝用弾性体を取外し自在に装着
せしめて、例え傾斜支持枠が所定高さ位置以上に
上昇回動されたり、或は所定下降位置以下に下降
回動された場合にあつても作動螺杆がプーリー付
き回転駒より抜き出たり或は作動螺杆の下端部が
急激に収納ケース底部に衝突して螺子がロツク状
態となることを防止できる目的をもつた穀物張込
装置における危険防止装置を提供して、上記の問
題を解決したものである。

問題を解決するための手段 したがつて、本考案の技術的課題は、作動螺杆
がプーリー付き回転駒より抜き出たり、或は作動
螺杆の下端部が収納ケース底部に強く衝突するの
を未然に防止して、その安全化を図ることにあ
る。

この技術的課題を解決するため、その構成を、
本体の一側に、上端側を回動自在に支架した傾斜
支持枠を斜め下向き傾斜状に配設し、上記傾斜支
持枠は、下部側が基台に装着した収納ケース内に
収納され、しかも基台に軸架された駆動プーリー
よりの動力で正逆回転されるプーリー付き回転駒
と螺合されて昇降動作せられる作動螺杆により斜
め上向き傾斜状に支架部を軸として昇降回動せし
めたものにおいて、下部側を収納ケース内に収納
した作動螺杆の下端部には固定座金を介して緩衝
用弾性体を取外し自在に装着したことを特徴とす
る穀物張込機における危険防止装置としたもので
ある。

作 用 次に本考案の技術的手段は次のように作用する
（図面参照）。

今、コンバイン袋１２内に収容された穀物を省
力化のもとで安全に張込ホツパ３５に張込ませた
い場合には、先ず一側に傾斜支持枠７を備えた本
体１を昇降機３４下部に付設された張込ホツパ３
５近傍位置に移動設置させ、次いで第１図示の如
く、下向き傾斜された傾斜支持枠７上にコンバイ
ン袋１２を立てかけ状に搭載せしめた後、駆動プ
ーリー１８を回転させれば、これと連動状態にあ
るプーリー付回転駒２０が一方に向け回転し、プ
ーリー付回転駒２０と螺合状態の作動螺杆２２を
斜め上方に向け長く突出させる。その結果傾斜支
持枠７は重いコンバイン袋１２を搭載したまま、
支架部を軸として張込適正位置まで持ち上げられ
れば駆動プーリー１８が自動的に停止し、傾斜支
持枠７をその位置に停止する。そこでコンバイン
袋１２を開袋すれば、収容された穀物は円滑に張
込ホツパ３５内に落入して穀物の張込作業を終了
する。この様にして一個の張込作業が終了した
ら、駆動プーリー１８を逆回転させれば連動状態
にあるプーリー付回転駒２０も逆回転され、作動
螺杆２２を順次下降せしめる。そして傾斜支持枠
７が適正下限位置まで下降されると駆動プーリー
１８の回転が自動的に停止され、次の穀物張込作
業に備える。

ところで、上述のような穀物張込作業中におい
て傾斜支持枠７を適正な斜め上向き傾斜位置およ
び適正な斜め下向き傾斜位置において駆動プーリ
ー１８の回転を自動的に停止させるスイツチ２
７，２９が何等かの原因で故障し、駆動プーリー
１８が傾斜支持枠７の適正位置を過ぎてもその回
転が停止されない事態が発生する。

この様な場合には、下部側を収納ケース２５内
に収納された作動螺杆２２の下端部には固定座金
３１を介して緩衝用弾性体３２が取外し自在に装
着されているので、作動螺杆２２の上昇移動時に
は固定座金３１を介して緩衝用弾性体３２がプー
リー付き回転駒２０の内面に当接され、弾縮作用
で急激な衝撃力が吸収され螺子部がロツク状態と
なることなく静かに停止される。

又作動螺杆２２の下降移動時にあつては、収納
ケース２５の底壁に緩衝用弾性体３２が直接、当
接して、弾縮作用により急激な衝撃力が吸収され
て、その場に静かに停止せられる許りか、作動螺
杆２２は螺子効率が高いため、緩衝用弾性体３２
の反発力で作動螺杆２２が少し逆転されロツク状
態となることが避けられ、穀物張込作業を常に安
全に達成できる。

実施例 本考案に係る穀物張込機における危険防止装置
の構成を添附図面に示された一実施例について説
明する。

第１図ないし第６図において、１は内部に昇降
回動装置２を収納した本体であつて、該本体１
は、前面側および後面側を互いに反対方向に向
け、斜め下向きに傾斜した形状に形成され、しか
も前面側には上端部を把手５となし、かつ下方の
先端部を水平接地部４に形成した枠体３を一体に
装着すると共に、後面側の本体１の下部には、地
上面Ａとの間に僅かな間隔８が形成されるように
転動コロ６が回転自在に軸架されている。

７は穀物を収容したコンバイン袋１２を傾斜状
態のもとに搭載させることができる傾斜支持枠で
あつて、該傾斜支持枠７は全体を杆材等により斜
め下向きに傾斜された長方形枠状に形成され、下
部の先端側には地上面Ａ近傍に位置された水平の
載置部９を一体に設けると共に、上端側は枠体３
の上部に横設した支持軸１０へ枢着金具１１を介
して自由に昇降回動ができるように支架されてい
る。したがつて、前記傾斜支持枠７は枠体３の前
面側に昇降回動が自由にできるように配設されて
いる。１３は、傾斜支持枠７全体を斜め下向き傾
斜させたり或は斜め上向き傾斜させるためのリフ
トアームであつて、該リフトアーム１３は傾斜支
持枠７の裏側中央に位置され、基端側は傾斜支持
枠７の上端側に枢着金具１４を介して自由に回動
ができるように枢着されている。１５は傾斜支持
枠７の上部側表面過半部に配設した穀物投入用の
シユートである。

前述した昇降回動装置２は次の様に構成されて
いる。すなわち、本体１内に、左右方向に回動で
きるよう軸架配設された基台１６上の一側には駆
動プーリー１８を正逆回転させる正逆回転モータ
１７を設置し、又他側には、軸受金具１９を介し
てプーリー付き回転駒２０を回転自在に軸架配設
せしめると共に、上記駆動プーリー１８とプーリ
ー付き回転駒２０のプーリーとには伝動ベルト２
１を懸回してプーリー付き回転駒２０を正逆回転
せしめる。そして内面に螺子を刻設したプーリー
付き回転駒２０と螺合された作動螺杆２２の上端
をリフトアーム１３に設けた複数個の調節孔２３
の何れか一つにロツドピン２４を介し係着せしめ
て作動螺杆２２をプーリー回転駒２０の正逆回転
作動で昇降移動せしめリフトアーム１３を介して
傾斜支持枠７全体を支架部を軸として斜め上向き
に傾斜させたり或は斜め下向きに傾斜せしめるよ
うに昇降回動せしめる。

２５は、上端側をプーリー付き回転駒２０直下
の基台１６に装着した収容ケースであつて、該収
容ケース２５内には作動螺杆２２が出没自在に収
納されている。２６は、正逆回転モータ１７を正
転或は逆転させる切替操作スイツチ、２７はリフ
トアーム１３の下限位置すなわち傾斜支持枠７の
下限適正位置を規制するための下限スイツチであ
つて、該下限スイツチ２７はリフトアーム１３の
先端側に付設したスイツチ板２８との当接作用で
開路されることで昇降回動装置２の運転を停止せ
しめる。２９はリフトアーム１３の上限適正位
置、すなわち傾斜支持枠７の上限位置を規制する
ための上限スイツチであつて、該上限スイツチ２
９はリフトアーム１３および傾斜支持枠７が所定
の上向き傾斜位置に上昇回動されたことで自動的
に時計方向に回動した基台１６との当接作用で開
路され、昇降回動装置２の運転を自動的に停止せ
しめる。

前述した作動螺杆２２の下端部にはプーリー付
き回転駒２０の下部側に凹設した凹陥部３０内に
嵌入係止される大きさの固定座金３１が固着され
ると共にこれが固定座金３１の表面側にはウレタ
ンゴム材料で塑成された緩衝用弾性体３２が緊定
部材３３を介して取外し自在に装着されている。
３４は適宜型式の穀物乾燥機（図示せず）の一側
に付設された昇降機であつて、該昇降機３４の下
部一側には穀物張込用の張込ホツパ３５が付設さ
れている。

従つて、上述した如く、下部側を収納ケース２
５内に収納した作動螺杆２２の下端部には固定座
金３１を介して緩衝用弾性体３２を取外し自在に
装着してあるので、穀物張込作業中において、下
限スイツチ２７或は上限スイツチ２９等の故障の
ため、駆動プーリー１８が、傾斜支持枠７の適正
上昇回動位置或は適正下降回動位置を過ぎても停
止されない状態が発生しても、固定座金３１を介
して緩衝用弾性体３２をプーリー付き回転駒２０
の凹陥部３０内面へゆるやかに当接せしめて衝撃
力を緩和させながら静かに作動螺杆２２の上昇移
動を停止させ、作動螺杆２２がプーリー付き回転
駒２０より抜き出ることによる傾斜支持枠７の脱
落事故や急激な衝撃停止作動によつて螺子がロツ
ク状態に陥り、以後、作動螺杆２２の回転が不能
となることを防止させたり、或は緩衝用弾性体３
２がゆるやかに収納ケース２５底壁に当つて螺子
部を傷つけることなく静かに作動螺杆２２の下降
移動を停止させる許りか、緩衝用弾性体３２の弾
縮力で作動螺杆２２を停止時に少し自動的に逆転
させ螺子ロツク状態に陥いることを防止し、何時
でも穀物張込作業を安全に行わせることができ
る。

考案の効果 要するに本考案は、前述の如き技術的手段と作
用を有するものであるから、重いコンバイン袋１
２を作業者によつていちいち高い処まで持ち上げ
運搬することなく、コンバイン袋１２を搭載した
傾斜支持枠７を駆動プーリー１８よりの動力で正
逆回転されるプーリー付き回転駒２０と螺合され
て昇降動作せられる作動螺杆２２により斜め上向
き傾斜状に昇降回動せしめて穀物の張込作業を省
力化のもとに能率よく行わせることができる許り
でなく、上述の穀物張込作業中において、何等か
の故障により駆動プーリー１８の回転が停止せ
ず、作動螺杆２２が必要以上に上昇或は下降され
る事態が発生しても、該作動螺杆２２を固定座金
３１を介して装着された緩衝用弾性体３２の当接
作用で衝撃力を緩和させながらプーリー付き回転
駒２０或は収納ケース２５底壁にゆるやかに当接
せしめ、もつてそれ以上の上昇或は下降動作を停
止させ、作動螺杆２２がプーリー付き回転駒２０
より脱落したり螺子がロツク状態に陥つて作動螺
杆２２が回転不能となつたり、さらに螺子部を傷
つけることなく穀物張込作業を安全に行わせるこ
とができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物張込機における危険防
止装置の一実施例を示すものであつて、第１図は
傾斜支持枠上にコンバイン袋を搭載した状態を示
す側面図、第２図はコンバイン袋内の穀物を張込
ませる状態を示す側面図、第３図は一部を破断し
て要部を現わした斜視図、第４図は一部を破断し
た要部の正面図、第５図は作動螺杆の上昇限時に
おける一部切欠した縦断正面図、第６図は作動螺
杆の下降限時における一部切欠した縦断正面図で
ある。 １……本体、７……傾斜支持枠、１６……基
台、１８……駆動プーリー、２０……プーリー付
き回転駒、２２……作動螺杆、２５……収納ケー
ス、３１……固定座金、３２……緩衝用弾性体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の一側に、上端側を回動自在に支架した傾
   斜支持枠を斜め下向き傾斜状に配設し、上記傾斜
   支持枠は、下部側が基台に装着した収納ケース内
   に収納され、しかも基台に軸架された駆動プーリ
   ーよりの動力で正逆回転されるプーリー付き回転
   駒と螺合されて昇降動作せられる作動螺杆により
   斜め上向き傾斜状に支架部を軸として昇降回動せ
   しめたものにおいて、下部側を収納ケース内に収
   納した作動螺杆の下部には固定座金を介してプー
   リー付き回転駒の内面又は収納ケースの底壁と
   夫々当接できる緩衝用弾性体を取外し自在に装着
   した穀物張込機における危険防止装置。