JPH0312590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の床面上に敷設して、履物等
に付着した泥や塵埃或いは雨水などで床面が汚損
されるのを防止する自動車用床マツトに関するも
のである。

（従来の技術） 従来から、この種の床マツトとしては、表面を
凹凸面に形成したゴム製のマツトや表面に多数の
パイルを突設している合成樹脂製マツトなどが広
く使用されているが、いずれのマツトにおいても
履物等に付着している泥や塵埃が該マツト表面に
付着した場合、マツトの汚れが著しく目立つて美
観を損するばかりでなく、履物をマツト上で擦つ
た際に、マツト表面の泥等がマツト外に排出され
て床面を汚損するという問題点がある。

このため、例えば、実開昭51−22332号公報に
記載されているように、内底面に一定高さのクツ
シヨンリブを縦横に突設している基板上に多数の
突起と貫通孔を設けた上面板を着脱自在に重ね合
わせて、泥や塵埃等を前記貫通孔から基板上のク
ツシヨンリブで囲まれた方形状凹所内に収容する
ように構成した床マツトが考案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、このような床マツトでは、上面
板に突設している突起の基端周辺、即ち、貫通孔
の開口上端周辺は上面板の内底面として存在する
から、泥や塵埃等が貫通孔に直接流入せずに該貫
通孔周囲の内底面に付着、堆積して汚れが目立
ち、車内の美観を著しく損するばかりでなく、基
板上に上面板を重ね合わせた際に、クツシヨンリ
ブの上面が上面板の下面に全面的に密着した状態
となつて、例えば、傘等からの雨水や泥水等がマ
ツト上に滴下した場合、クツシヨンリブで囲まれ
た一部の凹所内に集中的に貯溜し、貫通孔を通じ
て外部に溢れ出て床面を汚損するという問題点が
あつた。

本考案はこのような問題点をなくし、泥や塵埃
或いは雨水等を内部全体に均一に貯溜するように
してマツト表面を常に美麗に保持しておくことの
できる自動車用床マツトの提供を目的とするもの
である。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の自動車用
床マツトは、実施例に対応する図面に示すよう
に、矩形状の底部１ａの四方周縁に一定高さの周
壁１ｂを一体に設けてなる皿形状の下部マツト１
と、この下部マツト１内に着脱自在に嵌め込む上
部マツト２とからなる床マツトであつて、下部マ
ツト１はその内底面に互いに斜めに交差した同一
高さを有する多数条の斜行突条３，４を突設して
これらの斜行突条３，４で囲繞された部分に多数
の菱形状凹所５，５…５を設けてあり、上部マツ
ト２は方形状の周枠２ａの対向内面間に前記下部
マツト１の斜行突条３，４の長さ方向と異なる方
向にして多数条の交差条体６，７を一体に設ける
ことによりこれらの条体６，７で囲まれた部分に
表裏面間に貫通する多数の方形状透孔８，８…８
を形成してなる構造を有するものである。

（作用） 上部マツト２は周枠２ａの対向内面間に多数の
交差条体６，７を一体的に設けてこれらの条体
６，７で囲まれた部分に表裏面間に貫通する多数
の方形状透孔８，８…８を形成してなるものであ
るから、該マツト２上に落下する塵埃や雨天時に
おける傘等から滴下する雨水等は、方形状透孔８
を通じて直接、下部マツト１の多数の凹所５内に
収容される。

又、下部マツト１の内底面に設けられた上記凹
所５は同一高さを有する多数条の斜行突条３，４
で囲まれた部分により菱形状に形成され、一方、
上部マツト２に設けられた方形状透孔８は、前記
下部マツト１の斜行突条３，４の長さ方向と異な
る方向の交差条体６，７で囲まれた部分により形
成されているので、上部マツト２の方形状透孔８
の開口下端が下部マツト１の隣接する菱形状凹所
５，５間に連通する状態となり、従つて、一部の
菱形状凹所５に雨水等が集中的に滞留して該凹所
５から溢れ出た場合には上部マツト２の方形状透
孔８の開口下端を介して隣接する凹所５内に流入
移動させることができ、上部マツト２の表面側に
溢れる虞れがない。

又、上部マツト２の方形状透孔８を形成した交
差条体６，７の下端面が下部マツト１の菱形状凹
所５，５を形成した斜行突条３，４の上端面に交
差するように受止され、上部マツト２が下部マツ
ト１上に全面均一的に強固に支持されて下方に撓
むことがなく、安定した使用が可能となる。

（実施例） 本考案の実施例を図面について説明すると、１
は矩形状の底部１ａの四方周縁に周壁１ｂを一体
に設けてなる皿形状の下部マツトで、その内底面
に同一高さを有する多数の交差した突条３，４を
一体の突設してあり、これらの突条３，４で囲繞
された空間部を多数の凹所５，５…５に形成して
ある。又、突条３，４は周壁１ｂの高さよりも低
く形成されていると共に一定の小間隔毎に並列し
た一方の突条３，３…３と、これらの突条３に交
差して同様に一定の小間隔毎に並列した他方の突
条４，４…４とは周壁１ｂの長さ方向に対して斜
め方向に延びる斜行突条に形成されてあり、従つ
て、前記多数の凹所５は平面菱形状に形成されて
いるものである。

２は下部マツト１内に嵌め込み可能な方形状の
上部マツトで、矩形状の周枠２ａで囲まれた空間
内を、周枠２ａの対向内壁間に適宜小間隔毎に架
設した横方向の条体６，６…６と縦方向の条体
７，７…７とにより表裏面間に貫通する多数の方
形状透孔８，８…８に分割形成してなり、さら
に、これらの縦横に設けた多数条の条体６，７の
下面及び周枠２ａの下面は同一平面に形成されて
いると共に縦方向に設けられた条体７の高さを横
方向に設けられた条体６よりもやゝ高く形成して
その上半部を横方向の条体６の上端面から突出さ
せてある。又、この上部マツト２を下部マツト１
内に嵌め込んだ場合、上部マツト２の上面よりも
下部マツト１の周壁１ｂが上方に突出するように
周壁１ｂを高く形成していると共に、下部マツト
１の斜行突条３，４と上部マツト２の縦横条体
６，７とは交差する状態で重合するものである。

９は下部マツト１の内底面四隅部に穿設してい
る係止穴で、上部マツト２の周枠２ａの下面四隅
部に突設している係合突起１０を着脱自在に係止
させるものである。

１１は下部マツト１の内底面両側端部に突設し
た規制突片で、上部マツト２の両側端部の透孔
８，８に挿通、係止させるものである。

１２は下部マツト１の外底面に全面に亘つて多
数突設した小突子で、床面との摩擦力を増大させ
るものである。

なお、上下部マツト１，２は全体をゴム製また
は柔軟性を有する塩化ビニール等の合成樹脂材料
で形成されてある。

このように構成した実施例の自動車用床マツト
は、下部マツト１の規制突片１１に上部マツト２
の両端部の透孔８，８を挿入しながら上部マツト
２を下部マツト１内に嵌め込み、係合突起１０を
係止穴９に挿嵌、係止させて下部マツト１に上部
マツト２を固定し、自動車の床面上に載置して使
用するものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の自動車用床マツトは、矩
形状の底部１ａの四方周縁に一定高さの周壁１ｂ
を一体に設けてなる皿形状の下部マツト１と、こ
の下部マツト１内に着脱自在に嵌め込む上部マツ
ト２とからなる床マツトであつて、下部マツト１
はその内底面に互いに斜めに交差した同一高さを
有する多数条の斜行突条３，４を突設してこれら
の斜行突条３，４で囲繞された部分に多数の菱形
状凹所５，５…５を設けてあり、上部マツト２は
方形状の周枠２ａの対向内面間に前記下部マツト
１の斜行突条３，４の長さ方向と異なる方向にし
て多数条の交差条体６，７を一体に設けることに
よりこれらの条体６，７で囲まれた部分に表裏面
間に貫通する多数の方形状透孔８，８…８を形成
してなるものであるから、上部マツト２の形状
は、周枠２ａの対向内面間に多数の交差条体３，
４を一体的に設けてこれらの条体６，７で囲まれ
た部分に表裏面間に貫通する多数の方形状透孔
８，８…８を形成した構造となつているので、該
マツト２上に落下する塵埃や雨天時における傘等
から滴下する雨水等を方形状透孔８を通じて直
接、下部マツト１の多数の凹所５内に収容するこ
とができると共に上部マツト２に付着した泥等も
履物などによるマツト面との摺擦によつて剥離さ
せて同様に下部マツト１の凹所５内に落下、収容
させることができ、上部マツト２の表面を常に清
潔且つ美麗に保持しておくことができるものであ
る。

さらに、下部マツト１の内底面に設けられた上
記凹所５は同一高さを有する多数条の斜行突条
３，４で囲まれた部分により菱形状に形成されて
いる一方、上部マツト２に設けられた方形状透孔
８は前記下部マツト１の斜行突条３，４の長さ方
向と異なる方向の交差条体６，７で囲まれた部分
により形成されているので、上部マツト２の方形
状透孔８の開口下端が下部マツト１の隣接する菱
形状凹所５，５間に連通する状態となり、従つ
て、一部の菱形状凹所５に雨水等が集中的に滞留
して該凹所５から溢れ出た場合には、上部マツト
２の表面側に溢れさせることなく上部マツト２の
方形状透孔８の開口下端を介して隣接する凹所５
内に斜行突条３，４を越えて流入移動させること
ができ、足下や床面が汚損するのを防止できるも
のである。

又、上部マツト２の方形状透孔８を形成した交
差条体６，７の下端面が下部マツト１の菱形状凹
所５，５を形成した斜行突条３，４の上端面に交
差するように受止されるので、上部マツト２の下
面を全面に亘つて下部マツト１上に強固に支持さ
せることができ、そのため、乗り降り時等におけ
る履物の踏み締めに対しても上部マツト２が下方
が撓むことがなく、安定した使用が可能となるも
のである。

又、使用後において下部マツト１の菱形状凹所
５から雨水や塵埃等の排除を行う際に、下部マツ
ト１をその一辺から対向辺に向かつて傾斜させれ
ば、全ての菱形凹所５の角部が上下方向に指向し
て該角部先端から雨水や泥水等を円滑且つ確実に
排出させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その分解斜視図、第２図及び第３図は下部マツト
内に上部マツトを収納した状態の一部拡大断面図
である。 １……下部マツト、２……上部マツト、３，４
……斜行突条、５……菱形凹所、６，７……交差
条体、８……方形状透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形状の底部１ａの四方周縁に一定高さの周壁
   １ｂを一体に設けてなる皿形状の下部マツト１
   と、この下部マツト１内に着脱自在に嵌め込む上
   部マツト２とからなる床マツトであつて、下部マ
   ツト１はその内底面に互いに斜めに交差した同一
   高さを有する多数条の斜行突条３，４を突設して
   これらの斜行突条３，４で囲繞された部分に多数
   の菱形状凹所５，５…５を設けてあり、上部マツ
   ト２は方形状の周枠２ａの対向内面間に前記下部
   マツト１の斜行突条３，４の長さ方向と異なる方
   向にして多数条の交差条体６，７を一体に設ける
   ことによりこれらの条体６，７で囲まれた部分に
   表裏面間に貫通する多数の方形状透孔８，８…８
   を形成してなることを特徴とする自動車用床マツ
   ト。