JPH0312428Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ダイセツトに着脱可能に取り付けら
れる鍛造用ポンチの取付装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

後方押出し加工、あるいは穴開け加工等に利用
される鍛造用ポンチの位置決め方法としては、一
般に固定ストリツパ方式と、可動ストリツパ方式
がある。

第３図は固定ストリツパ方式のポンチ位置決め
機構を備えた後方押出し加工用金型を示す。同図
において、１はプレスのスライド部２に取り付け
られた上型で、上ダイセツト３、上インサートプ
レート４及びポンチ５を有し、ポンチ５は取付部
５ａと、この取付部５ａに同軸に連設されこれよ
り小径のガイド部５ｂと、このガイド部５ｂの先
端に同軸に連設されこれより小径のシヤンク部５
ｃ及びシヤンク部５ｃの先端に形成したベアリン
グランド５ｄとから構成されている。なお、ラン
ド５ｄはガイド部５ｂの径より小さい。

このようにしたポンチ５は、その取付部５ａを
ポンチホルダ６内に嵌合し、さらにポンチプレー
ト７を取付部５ａに重ね合わせてポンチホルダ６
内に嵌合したものを上インサートプレート４の下
面に押し当てると共に、ポンチホルダ６に係合し
たポンチ取付プレート８を複数のボルト９により
上ダイセツト３に締め付けることで、上ダイセツ
ト３に取り付けられている。

また、１０はボルスタ１１上に設置される下型
で、下ダイセツト１２、下インサートプレート１
３及び下インサートプレート１３上にアンビル１
４を介して載置したダイ１５を有し、このダイ１
５は、その外周に係合したダイ取付プレート１６
を複数のボルト１７により下ダイセツト１２に締
め付けることで、アンビル１４と一体に下ダイセ
ツト１２に固定されている。１８はアンビル１４
の中心部に上下動可能に嵌合されたカウンタポン
チで、その上端部はダイ１５の製品成形穴１５ａ
内に挿入され、その下端はボルスタ１１に設けた
ノツクアウトピン１９に係合されている。

また、２０は上記ダイ１５上に固定された断面
門型の固定ストリツパで、ポンチ５とダイ１５に
より後方押出し成形された製品２３の高さ寸法よ
り大きい製品取出スペース高さｈを有し、そして
ポンチ５の貫通部分には、そのガイド部５ｂが摺
動可能に嵌合するガイドブツシユ２１が嵌め込ま
れ、スナツプリング等の止め部材２２により保持
されている。

上記のように構成された金型において、ポンチ
５を取り外す場合は、プレススライド部２を上死
点まで上昇させる。このとき、ポンチ５のベアリ
ングランド５ｄはガイドブツシユ２１内に埋設さ
れた状態におかれている。従つて、ボルト９を緩
めて上ダイセツト３から抜き取れば、ポンチ取付
プレート８を含めたポンチ５はポンチホルダ６と
共に上ダイセツト３から外れる。その後、ポンチ
ホルダ６をガイド部５ｂに沿つて押し下げ、ポン
チプレート７を取り去つた後、ポンチ５のシヤン
ク部５ｃをガイドブツシユ２１から抜き取れば、
ポンチ５は固定ストリツパ２０からも分離される
ことになる。その後は、ポンチ５とポンチホルダ
６とを分離する。

また、ポンチ５を上ダイセツト３に取り付ける
場合は、上記取外し操作と逆に行なえば良い。

第４図は可動ストリツパ方式のポンチ位置決め
機構を備えた後方押出し加工用金型の例を示すも
ので、第３図と同一符号は同一部分を表してい
る。第３図と異なるところは、上型１のポンチ５
は取付部５ａと、この取付部５ａの下端に連設し
たシヤンク部５ｃ及びシヤンク部５ｃの先端に形
成したベアリングランド５ｄとから構成され、ポ
ンチ５の取付部５ａは、これを包囲する２つ割の
第２ポンチホルダ６Ａを介して第１ポンチホルダ
６に嵌合されている点と、ポンチ５の位置決めが
可動ストリツパプレート２４で行なわれる点にあ
る。

上記可動ストリツパプレート２４は、下型１０
の下ダイセツト１２に垂直に固定した複数のスト
リツパポスト２５（図面では１本のみを示す）に
ブツシユ２６を介して上下動可能に支持され、ブ
ツシユ２６と下ダイセツト１２間には圧縮ばね２
７を介在してストリツパプレート２４を常時上方
へ付勢するようになつていると共に、ストリツパ
プレート２４のポンチ貫通部分には、２つ割のポ
ンチガイドブツシユ２８が嵌合され、スナツプリ
ング等の止め部材２９により抜止め保持されてい
る。

また、上記上型１の上ダイセツト３には流体圧
シリンダ３０が装着されており、そのピストンロ
ツド３０ａは可動ストリツパプレート２４に当接
され、この流体圧シリンダ３０によつてガイドブ
ツシユ２８をダイ１５に押し付け、その製品成形
穴１５ａを上端から閉塞するようになつている。

上記のように構成された可動ストリツプ式の金
型において、ポンチ５を上ダイセツト３に取り付
ける場合は、ベアリングランド５ｄがシヤンク部
５ｃの径より0.06〜0.10mm程度大きいため、２つ
割ガイドブツシユ２８でポンチ５のシヤンク部５
ｃを両側から挟み込み、これをストリツパプレー
ト２４の中心穴内に圧入した後、その圧入端に止
め部材２９を係合して抜止めする。

次に、ポンチ５が組み込まれたストリツパプレ
ート２４のガイドブツシユ２６をストリツパポス
ト２５に嵌合し、抜止めナツト２５ａを螺着す
る。その後、ポンチ５の取付部５ａをポンチ取付
プレート８と共に第１ポンチホルダ６内に下方か
ら挿通し、その取付部５ａを２つ割の第２ポンチ
ホルダ６Ａで挟んだ後、第２ポンチホルダ６Ａ全
体を第１ポンチホルダ６内に完全に嵌合される。
そして、ポンチプレート７をポンチホルダ６内に
挿入した後、ポンチホルダ６に係合したポンチ取
付プレート８をボルト９によつて上ダイセツト３
に締付け固定する。

また、ポンチ５の取外しは、上記取付時と逆に
行なえば良い。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記固定ストリツパ式の金型にあつては、ポン
チガイド部５ｂの径がベアリングランド５ｄの径
より大きいから、ガイドブツシユ２１を分解する
ことなしにポンチ５をガイドブツシユ２１から抜
き取ることができ、従つて、プレススライド部２
を上死点まで上昇させてポンチ取付プレート８を
取り外せば、ポンチ５は上ダイセツト３から分離
されることになり、ポンチ５の取付け、取外しが
容易になるほか、ポンチガイド部は円形であるた
め、ベアリングランド５ｄ及びシヤンク部５ｃが
角形等の異形であつても、そのガイドが容易とな
る。しかし、固定ストリツパ２０は門型をなし、
その内側に製品取出しのためのスペース及び高さ
が必要であるため、その分だけポンチ５の長さが
長くなると共に、製品を成形するベアリングラン
ド５ｄの位置がポンチ５をガイドするブツシユ位
置から比較的遠くなるため、ポンチ先端の芯ずれ
精度が悪くなり、これが製品に影響する問題があ
る。

また、上記可動ストリツパ式の金型にあつて
は、ストリツパが可動するため、製品取出しのた
めのスペースが不要となり、しかもポンチ５の長
さを短くできるため、ポンチ先端の芯ずれが減少
し、製品の芯ずれ精度も良くなる。しかし、ポン
チシヤンク部５ｃの径がベアリングランド５ｄの
径より小さいため、ガイドブツシユ２８をストリ
ツパプレート２４から分解しなければ、ポンチ５
を分離することができず、これに伴いポンチ５の
取付け、取外しが固定ストリツパ方式に比し困難
となる。また、ポンチ５の取付部５ａはシヤンク
部５ｃより大径になつているため、シヤンク部５
ｃが角形等となつて取付部５ａと異なる形状にな
ると、シヤンク部及び取付部の通し加工ができな
くり、別々の加工により芯ずれが生じ、可動スト
リツパプレート２４によるポンチのガイドに支障
を来すほか、芯ずれが生じないような加工方式を
とると、加工コストが上昇する問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記のような問題点を解決するために
なされたもので、ポンチの取付け、取外し及び異
形ポンチのガイドを容易にした可動ストリツパ方
式の鍛造用ポンチの取付装置を提供することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る鍛造用ポンチの取付装置は、先端
にベアリングランドを形成したシヤンク部を有す
るポンチが着脱可能に組み付けられる上型と、こ
の上型のポンチに対応したダイ及び上記ポンチの
位置決め用可動ストリツパプレートを有する下型
とを備えた金型において、上記ポンチの一端に形
成されたポンチ取付部をシヤンク部と同一もしく
はこれより小さい断面形状に成形し、かつ該ポン
チ取付部の外周には抜止め溝を形成すると共に、
このポンチ取付部に係合する第２のポンチホルダ
と、該第２のポンチホルダが嵌合する第１のポン
チホルダ及び該第１のポンチホルダに係合するポ
ンチ取付プレートにより上記ポンチを上型のダイ
セツトに固定するようにしたものである。

〔考案の作用〕

本考案においては、ポンチ取付部がポンチシヤ
ンク部と同一もしくはそれより小さい断面形状に
形成されているから、ポンチ取付部を含むシヤン
ク部の通し加工が可能になり、かつポンチ取付部
からのシヤンク部の可動ストリツパプレートへの
抜き差しが可能になるほか、異形ポンチのガイド
も容易になし得る。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
ついて説明する。

第１図は本考案にかかるポンチ取付装置を可動
ストリツパ式の後方押出し加工用金型に適用した
場合の例を示すもので、第３図及び第４図と同一
の部分には同一符号を付して、その説明を省略
し、従来の異なる部分を重点に述べる。

即ち、本実施例の従来と異なる部分は、ポンチ
５の取付部３１及びそのホルダ３３にあり、上記
ポンチ取付部３１は、第２図からも明らかな如く
ポンチシヤンク部５ｃと同一の断面形状もしくは
これより小さい断面形状に成形され、そして、そ
の外周面には抜止め用の溝３２がリング状に形成
されている。また、上記ポンチ取付部３１を把持
する第２のポンチホルダ３３は、ポンチ取付部３
１を両側から挟み込む２つ割構造になつていると
共に、ポンチホルダ３３の内周面には、上記ポン
チ取付部３１の抜止め用溝３２に係合する凸部３
４がリング状に形成されている。なお、ストリツ
パプレート２４に装着されるガイドブツシユ２８
は、第４図と同様に２つ割構造でも一体構造のも
のでも良い。

上記のように構成された本実施例の可動ストリ
ツパ式金型において、ポンチ５を上型１の上ダイ
セツト３に組み付ける場合は、まず、プレススラ
イド部２を上死点まで上昇させておく。この時、
ストリツパプレート２４は抜止めナツト２５ａに
当接した上昇端位置にあり、ストリツパプレート
２４と下型１０のダイ１５との間には十分なスペ
ースが生じている。

かかる状態において、ポンチ５をその取付部３
１側からストリツパプレート２４に装着したガイ
ドブツシユ２８に下面側より差し込み、上方へ突
出させる。次に、ポンチ５の上方突出部を、ポン
チ取付プレート８に組み付けた第１のポンチホル
ダ６に挿通した後、そのポンチ取付部３１に２つ
割の第２ポンチホルダ３３を、取付部３１を両側
から挟み込むようにして係合させ、かつ凸部３４
を抜止め用溝３２に係合させる。この状態で第１
のポンチホルダ３３を含めたポンチ５全体を押し
下げて、該ポンチホルダ３３を第１のポンチホル
ダ６内に嵌合させ、さらにポンチプレート７を挿
嵌する。しかる後、ポンチ取付プレート８をボル
ト９により上ダイセツト３に締付け固定すること
でポンチ５の取付けが完了する。

また、ポンチ５を取り外す場合は、上記取付け
時の逆の操作を行なえば良い。

よつて、上記のような本実施例にあつては、ポ
ンチ５の取付部３１をポンチシヤンク部５ｃと同
一の断面形状もしくはそれより小さい断面形状に
したため、ポンチ５の上型１への組付け、分解に
際し、ガイドブツシユ２８をストリツパプレート
２４から分解しなくとも容易に行なうことがで
き、ポンチの取付け、取外しが容易になる。ま
た、ポンチ取付部３１はポンチシヤンク部５ｃと
同一もしくはそれより小さい断面形状になつてい
るため、取付部３１を含めたポンチシヤンク部５
ｃの通し加工が可能になり、これに伴いポンチシ
ヤンク部５ｃが角形等の異形状であつても、その
加工が容易で、しかもポンチ取付部３１を含めた
ポンチシヤンク部５ｃの加工精度を上げ得るほ
か、可動ストリツパプレート２４による異形ポン
チのガイドが容易になし得る。

なお、上記実施例では、後方押出し加工用金型
の場合について説明したが、これに限定されず、
穴開け加工等のポンチにも適用できることは勿論
である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、先端にベアリン
グランドを有するポンチのダイセツトへの取付部
を、ポンチシヤンク部と同一もしくはこれより小
さい断面形状に成形し、かつ該ポンチ取付部の外
周にはポンチホルダに係合する抜止め溝を形成し
たものであるから、ポンチ取付部を含むポンチシ
ヤンク部の通し加工が可能になり、シヤンク部の
異形可も容易になるほか、可動ストリツパプレー
トによる異形ポンチのガイドが容易になり、さら
にポンチのダイセツトに対する取付け、取外しも
容易になると言う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のポンチ取付装置を適用した可
動ストリツパ方式後方押出し加工用金型の断面
図、第２図はその要部の拡大断面図、第３図は従
来の固定ストリツパ方式後方押出し加工用金型の
断面図、第４図は同じく従来の可動ストリツパ方
式後方押出し加工用金型の断面図である。 １……上型、３……上ダイセツト、５……ポン
チ、５ｃ……シヤンク部、５ｄ……ベアリングラ
ンド、６……第１のポンチホルダ、７……ポンチ
プレート、８……ポンチ取付プレート、９……ボ
ルト、１０……下型、２４……可動ストリツパプ
レート、２５……ストリツプポスト、２７……圧
縮ばね、２８……ポンチガイドブツシユ、３１…
…ポンチ取付部、３２……抜止め溝、３３……第
２のポンチホルダ、３４……凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端にベアリングランドを形成したシヤンク部
   を有するポンチが着脱可能に組み付けられる上型
   と、この上型のポンチに対応したダイ及び上記ポ
   ンチの位置決め用可動ストリツパプレートを有す
   る下型とを備えた金型において、上記ポンチの一
   端に形成されたポンチ取付部をシヤンク部と同一
   もしくはこれより小さい断面形状に成形し、かつ
   該ポンチ取付部の外周には抜止め溝を形成すると
   共に、このポンチ取付部に係合する第２のポンチ
   ホルダと、該第２のポンチホルダが嵌合する第１
   のポンチホルダ及び該第１のポンチホルダに係合
   するポンチ取付プレートにより上記ポンチを上型
   のダイセツトに固定するようにしたことを特徴と
   する鍛造用ポンチの取付装置。