JPH0312407B2 - - Google Patents
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- JPH0312407B2 JPH0312407B2 JP1926781A JP1926781A JPH0312407B2 JP H0312407 B2 JPH0312407 B2 JP H0312407B2 JP 1926781 A JP1926781 A JP 1926781A JP 1926781 A JP1926781 A JP 1926781A JP H0312407 B2 JPH0312407 B2 JP H0312407B2
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Description
この発明はクラフト絶縁紙とプラスチツクテー
プとからなる複合絶縁テープを使用した油浸電力
ケーブルに関するものである。 送電電圧の超高圧化にともない、電力ケーブル
の絶縁についても種々の研究がなされているが、
発明者はつとに、プラスチツクテープの両面に低
密度の紙テープを貼着して形成した複合絶縁テー
プを、巻回して絶縁層とした超高圧電力ケーブル
を開発した(特公昭44−10978)。その後材料の開
発、ラミネート方法の改善などにより各種の発明
がなされているが、前記発明者の開発したものは
基本的なものの一つであるが、これを更に改良研
究を行なつた結果500kV以上の超々高圧用に好適
な電力ケーブルの実現に到達したものである。 即ち、この発明の要旨は、第一の発明に於ては
融点150℃以上のポリオレフインテープの両面に、
0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テープが接着
された複合ラミネートテープで、しかもクラフト
紙テープの2枚の合計厚さが、完成された複合ラ
ミネートテープの厚さの45%以下にするようにし
た複合ラミネートテープを巻回して構成された絶
縁層を有するような油浸絶縁電力ケーブルであ
り、第二の発明はこの様な絶縁層と他の絶縁層即
ちクラフト紙絶縁層もしくは他のラミネート絶縁
層を組合せて持つような油浸絶縁電力ケーブルで
ある。第三の発明は複合ラミネートテープが60〜
80℃の温度で結晶化処理されたものを用いた油浸
絶縁電力ケーブルである。 このような油浸絶縁電力ケーブルの特徴は、先
づ融点150℃以上のポリオレフインテープを使用
しているため、εやtanδが極めて小さく、破壊電
圧をかなり高くすることができ、ポリオレフイン
の汎用性と比重が小さいことおよび、コスト的に
有利なことに加えて金属シースの熱加工に充分耐
えることである。又、0.70g/cm3以下の密度クラ
フト紙を用いてクラフト紙成分は一層低くなる
が、ここに使用される低密度クラフト紙の厚さは
通常45μm以下の脱イオン紙にして、薄いラミネ
ート紙を構成するに適した絶縁性能の高い薄紙の
開発に伴ない得られたものである。 即ちこの発明を図面により説明すれば、 第1図はこの発明で使用される絶縁紙の一部拡
大断面図にて、融点150℃以上のポリオレフイン
テープ1の両面に、0.70g/cm3以下のクラフト紙
テープ2が接着された複合ラミネートテープ3′
であつて、クラフト紙テープ2の合計厚は完成さ
れた複合ラミネートテープ3′の厚さの45%以下
となつている。 第2図はこの発明の油浸電力ケーブルの一例を
示す断面図で、導体4の外側に内部半導電層6を
設け、その外側に第1図に示した複合ラミネート
テープ3′を纒巻し油含浸した絶縁層3が設けら
れ、更にその外側に外部半導電層6、遮蔽層7、
金属シース8が順次設けられている。9は導体中
心に設けられている絶縁油の油通路である。 そして、前記の第2図の絶縁層3は例えば大部
分を第1図に示した如き複合ラミネートテープ
3′により構成し、他の一部をクラフト紙か他の
複合ラミネートテープ巻層とすることができ、特
に弗素樹脂テープの両側に第1図同様にクラフト
紙をラミネートしたものと併用することができ
る。 これらについて更に詳細に述べれば、プラスチ
ツクテープ材料としては、ポリオレフイン類、ポ
リエステル類、弗素樹脂等多種のものの使用可能
性があることが、前述の特公昭44−10978号にも
示されているが、500kV以上のケーブル用に特に
適したものとしてはポリオレフイン類と弗素樹脂
にほぼ限定される。この中で弗素樹脂は高価格
で、汎用性に欠け、かつ比重が大きくケーブル重
量を10%以上増大させるために長尺ケーブルの製
造(布設時の接続個所の低減のために)には難点
がある。弗素樹脂テープが最適といい難いもう一
つの理由は、この種の樹脂の溶融温度が高いた
め、ラミネート加工時の加熱温度が高く、クラフ
ト紙が劣化し易いためである。特にクラフト紙分
率が45%以下では弗素樹脂テープが厚くなり、よ
り高温に加熱する必要があるためクラフト紙の劣
化が起り、実用上の困難があることによる。 また融点の低いポリエチレンは、常用温度近く
において、絶縁油への溶解が顕著で、実用上好ま
しくない。従つてこれらの諸点を考え併せると、
現状では融点の高いポリオレフインであるポリプ
ロピレン、ポリメチルペンテンあるいはそれらの
樹脂の変成物、混合物、共重合物にほぼ限定され
る。加うるに、ケーブルは製造時および布設時に
おいて金属シースの端部の密封あるいは接続作業
に際し、局部加熱を受けるために、ラミネートテ
ープが相互に融着して一体化するようなものがあ
つてはならないが、このためには少くとも145℃
の温度に30分以上耐えるものを選択する必要があ
り、その安全側から融点150℃以上のポリオレフ
インが要求されるところである。 一方プラスチツクテープに貼着される低密度紙
テープは、OFケーブルにおいて、日常起り得る
油圧変動に応ずる油の移動に対して、油通路を形
成し、かつ絶縁体のε、tanδおよび破壊電圧に関
与するために、その特性は極めて重要である。従
来技術に於ては、貼着される紙テープとしては厚
さ25〜75μm、密度0.71〜0.75g/cm3程度のもの
が使用されているが、その理由は0.70g/cm3以下
の密度とし場合、必要な絶縁破壊強度が得られな
かつたためである。 その後、原料パルプやパルプの叩解方法等の改
良など抄紙技術の改良研究によつて、ε、tanδの
低域が、絶縁破壊電圧の低下なしに可能となり、
低密度薄紙の採用が実現した。 この特性を従来の絶縁紙と対比して表示すれば
表1の通りである。
プとからなる複合絶縁テープを使用した油浸電力
ケーブルに関するものである。 送電電圧の超高圧化にともない、電力ケーブル
の絶縁についても種々の研究がなされているが、
発明者はつとに、プラスチツクテープの両面に低
密度の紙テープを貼着して形成した複合絶縁テー
プを、巻回して絶縁層とした超高圧電力ケーブル
を開発した(特公昭44−10978)。その後材料の開
発、ラミネート方法の改善などにより各種の発明
がなされているが、前記発明者の開発したものは
基本的なものの一つであるが、これを更に改良研
究を行なつた結果500kV以上の超々高圧用に好適
な電力ケーブルの実現に到達したものである。 即ち、この発明の要旨は、第一の発明に於ては
融点150℃以上のポリオレフインテープの両面に、
0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テープが接着
された複合ラミネートテープで、しかもクラフト
紙テープの2枚の合計厚さが、完成された複合ラ
ミネートテープの厚さの45%以下にするようにし
た複合ラミネートテープを巻回して構成された絶
縁層を有するような油浸絶縁電力ケーブルであ
り、第二の発明はこの様な絶縁層と他の絶縁層即
ちクラフト紙絶縁層もしくは他のラミネート絶縁
層を組合せて持つような油浸絶縁電力ケーブルで
ある。第三の発明は複合ラミネートテープが60〜
80℃の温度で結晶化処理されたものを用いた油浸
絶縁電力ケーブルである。 このような油浸絶縁電力ケーブルの特徴は、先
づ融点150℃以上のポリオレフインテープを使用
しているため、εやtanδが極めて小さく、破壊電
圧をかなり高くすることができ、ポリオレフイン
の汎用性と比重が小さいことおよび、コスト的に
有利なことに加えて金属シースの熱加工に充分耐
えることである。又、0.70g/cm3以下の密度クラ
フト紙を用いてクラフト紙成分は一層低くなる
が、ここに使用される低密度クラフト紙の厚さは
通常45μm以下の脱イオン紙にして、薄いラミネ
ート紙を構成するに適した絶縁性能の高い薄紙の
開発に伴ない得られたものである。 即ちこの発明を図面により説明すれば、 第1図はこの発明で使用される絶縁紙の一部拡
大断面図にて、融点150℃以上のポリオレフイン
テープ1の両面に、0.70g/cm3以下のクラフト紙
テープ2が接着された複合ラミネートテープ3′
であつて、クラフト紙テープ2の合計厚は完成さ
れた複合ラミネートテープ3′の厚さの45%以下
となつている。 第2図はこの発明の油浸電力ケーブルの一例を
示す断面図で、導体4の外側に内部半導電層6を
設け、その外側に第1図に示した複合ラミネート
テープ3′を纒巻し油含浸した絶縁層3が設けら
れ、更にその外側に外部半導電層6、遮蔽層7、
金属シース8が順次設けられている。9は導体中
心に設けられている絶縁油の油通路である。 そして、前記の第2図の絶縁層3は例えば大部
分を第1図に示した如き複合ラミネートテープ
3′により構成し、他の一部をクラフト紙か他の
複合ラミネートテープ巻層とすることができ、特
に弗素樹脂テープの両側に第1図同様にクラフト
紙をラミネートしたものと併用することができ
る。 これらについて更に詳細に述べれば、プラスチ
ツクテープ材料としては、ポリオレフイン類、ポ
リエステル類、弗素樹脂等多種のものの使用可能
性があることが、前述の特公昭44−10978号にも
示されているが、500kV以上のケーブル用に特に
適したものとしてはポリオレフイン類と弗素樹脂
にほぼ限定される。この中で弗素樹脂は高価格
で、汎用性に欠け、かつ比重が大きくケーブル重
量を10%以上増大させるために長尺ケーブルの製
造(布設時の接続個所の低減のために)には難点
がある。弗素樹脂テープが最適といい難いもう一
つの理由は、この種の樹脂の溶融温度が高いた
め、ラミネート加工時の加熱温度が高く、クラフ
ト紙が劣化し易いためである。特にクラフト紙分
率が45%以下では弗素樹脂テープが厚くなり、よ
り高温に加熱する必要があるためクラフト紙の劣
化が起り、実用上の困難があることによる。 また融点の低いポリエチレンは、常用温度近く
において、絶縁油への溶解が顕著で、実用上好ま
しくない。従つてこれらの諸点を考え併せると、
現状では融点の高いポリオレフインであるポリプ
ロピレン、ポリメチルペンテンあるいはそれらの
樹脂の変成物、混合物、共重合物にほぼ限定され
る。加うるに、ケーブルは製造時および布設時に
おいて金属シースの端部の密封あるいは接続作業
に際し、局部加熱を受けるために、ラミネートテ
ープが相互に融着して一体化するようなものがあ
つてはならないが、このためには少くとも145℃
の温度に30分以上耐えるものを選択する必要があ
り、その安全側から融点150℃以上のポリオレフ
インが要求されるところである。 一方プラスチツクテープに貼着される低密度紙
テープは、OFケーブルにおいて、日常起り得る
油圧変動に応ずる油の移動に対して、油通路を形
成し、かつ絶縁体のε、tanδおよび破壊電圧に関
与するために、その特性は極めて重要である。従
来技術に於ては、貼着される紙テープとしては厚
さ25〜75μm、密度0.71〜0.75g/cm3程度のもの
が使用されているが、その理由は0.70g/cm3以下
の密度とし場合、必要な絶縁破壊強度が得られな
かつたためである。 その後、原料パルプやパルプの叩解方法等の改
良など抄紙技術の改良研究によつて、ε、tanδの
低域が、絶縁破壊電圧の低下なしに可能となり、
低密度薄紙の採用が実現した。 この特性を従来の絶縁紙と対比して表示すれば
表1の通りである。
【表】
これらの他に紙テープとプラスチツクテープと
の貼着加工技術も、その後の研究によつて、ε、
tanδの低減に有効な方法が確立された。 その成果の一例を表2に示す。
の貼着加工技術も、その後の研究によつて、ε、
tanδの低減に有効な方法が確立された。 その成果の一例を表2に示す。
【表】
但し、
A:20μm低密度紙テープ
50μmポリプロピレンテープ
20μm低密度紙テープのラミネート
B:20μm低密度紙テープ
50μmポリカーボネート
20μm低密度紙テープのラミネート
ここにTダイ押出圧着方式とは、Tダイから溶
融押出されたプラスチツクフイルムを、上下2枚
の紙シートで保持し、適当な温度圧力に調整され
たロール間隙を通過させて一体化することであ
る。 また、熱圧着とは、あらかじめ用意された延伸
または無延伸のプラスチツクフイルムを前記押出
接着のように、2枚の紙シートの間に保持して、
加熱された圧力ロールの間隙を通過させ一体化す
ることである。 またこれらのラミネート工程あるいは更に、こ
れらのラミネート工程につづく工程おいて、加
熱、加圧、冷却等の加工を行なつて、接着力を増
大させ、更に、プラスチツクの結晶化を促進させ
ることも可能である。ポリオレフイン樹脂のう
ち、ポリプロピレンやポリメチルペンテンは立体
規則性高分子であり、置換基Rの配置によつて結
晶化の難易が生ずる。置換基がすべて分子平面の
上または下の一方を側にのみ存在する配置の場合
には、結晶化が起り易い。 油浸ケーブルの絶縁体としては、結晶化が進行
した方が絶縁油のフイルムへの滲透が困難にな
り、溶解量や膨潤量が少くて、より安定な絶縁体
を構成できるため好ましい。この発明において
も、この種の樹脂を使用し、更に結晶化促進のた
めの二次加工(熱変形温度以下好ましくは60〜80
℃における再加熱とその後の冷却速度調節)を複
合テープにあらかじめ施しておくことは、一層高
品質の絶縁体の実現に有力な手段となるものであ
る。次に結晶化促進によるポリプロピレン(PP)
ラミネート複合テープの絶縁油による275KVケ
ーブルの油流抵抗と屈曲性の改善効果を表3に示
す。
融押出されたプラスチツクフイルムを、上下2枚
の紙シートで保持し、適当な温度圧力に調整され
たロール間隙を通過させて一体化することであ
る。 また、熱圧着とは、あらかじめ用意された延伸
または無延伸のプラスチツクフイルムを前記押出
接着のように、2枚の紙シートの間に保持して、
加熱された圧力ロールの間隙を通過させ一体化す
ることである。 またこれらのラミネート工程あるいは更に、こ
れらのラミネート工程につづく工程おいて、加
熱、加圧、冷却等の加工を行なつて、接着力を増
大させ、更に、プラスチツクの結晶化を促進させ
ることも可能である。ポリオレフイン樹脂のう
ち、ポリプロピレンやポリメチルペンテンは立体
規則性高分子であり、置換基Rの配置によつて結
晶化の難易が生ずる。置換基がすべて分子平面の
上または下の一方を側にのみ存在する配置の場合
には、結晶化が起り易い。 油浸ケーブルの絶縁体としては、結晶化が進行
した方が絶縁油のフイルムへの滲透が困難にな
り、溶解量や膨潤量が少くて、より安定な絶縁体
を構成できるため好ましい。この発明において
も、この種の樹脂を使用し、更に結晶化促進のた
めの二次加工(熱変形温度以下好ましくは60〜80
℃における再加熱とその後の冷却速度調節)を複
合テープにあらかじめ施しておくことは、一層高
品質の絶縁体の実現に有力な手段となるものであ
る。次に結晶化促進によるポリプロピレン(PP)
ラミネート複合テープの絶縁油による275KVケ
ーブルの油流抵抗と屈曲性の改善効果を表3に示
す。
【表】
プ絶縁
以上の改良されたラミネート化工程において
は、低密度紙とプラスチツクテープ以外の第三の
物質を使用しないため、ε、tanδに対する悪影響
はない。 この発明の複合絶縁テープは、前記したよう
に、0.70g/cm3以下の密度の低密度クラフト紙テ
ープをプラスチツクテープとの熱融着によつて構
成し、更に使用される紙テープの厚さをできるだ
け薄くしてクラフト紙分率を小にしてε、tanδを
極度に小さくし、500kV以上の用途への適性を付
与している。 すなわち表1に示されている改良された低密度
クラフト紙を用いた複合ラミネートテープについ
て、油浸絶縁層のε、tanδとクラフト紙分率との
関係を第3図に示す。ε、tanδの値は、クラフト
紙分率を45%以下とすることにより、500kVの長
亘長ケーブル線路で電力会社が要求しているε<
2.8、tanδ<0.08%を保持することができる。 ちなみに500kV電力ケーブルで許容される誘電
体の送電損失として、約130(W/m・1回線)が
示されている。この損失レベルに対して、前記の
クラフト紙分率45%ではε2.7、tanδ<0.08%
が得られるので、誘電体の送電損失は約125(W/
m・1回線)となり、前記の要求レベルを満足で
きる。また次に示す表4の実施例2に示したε=
2.63、tanδ=0.075%では誘電体の送電損失は約
115(W/m・1回線)となり、勿論要求を満たす
ものである。 なお、表4は改良されたこの発明における複合
テープの例と、これを使用して製造された500kV
ケーブルのε、tanδ、破壊電圧と、その送電容量
の例を従来のケーブルと比較したものである。
以上の改良されたラミネート化工程において
は、低密度紙とプラスチツクテープ以外の第三の
物質を使用しないため、ε、tanδに対する悪影響
はない。 この発明の複合絶縁テープは、前記したよう
に、0.70g/cm3以下の密度の低密度クラフト紙テ
ープをプラスチツクテープとの熱融着によつて構
成し、更に使用される紙テープの厚さをできるだ
け薄くしてクラフト紙分率を小にしてε、tanδを
極度に小さくし、500kV以上の用途への適性を付
与している。 すなわち表1に示されている改良された低密度
クラフト紙を用いた複合ラミネートテープについ
て、油浸絶縁層のε、tanδとクラフト紙分率との
関係を第3図に示す。ε、tanδの値は、クラフト
紙分率を45%以下とすることにより、500kVの長
亘長ケーブル線路で電力会社が要求しているε<
2.8、tanδ<0.08%を保持することができる。 ちなみに500kV電力ケーブルで許容される誘電
体の送電損失として、約130(W/m・1回線)が
示されている。この損失レベルに対して、前記の
クラフト紙分率45%ではε2.7、tanδ<0.08%
が得られるので、誘電体の送電損失は約125(W/
m・1回線)となり、前記の要求レベルを満足で
きる。また次に示す表4の実施例2に示したε=
2.63、tanδ=0.075%では誘電体の送電損失は約
115(W/m・1回線)となり、勿論要求を満たす
ものである。 なお、表4は改良されたこの発明における複合
テープの例と、これを使用して製造された500kV
ケーブルのε、tanδ、破壊電圧と、その送電容量
の例を従来のケーブルと比較したものである。
【表】
【表】
(注) クラフト紙はすべて脱イオン水処理のもの
前記表4の要点を整理し、この発明の実施例と
比較例との相違点を明らかにしこれを表5に示
す。
前記表4の要点を整理し、この発明の実施例と
比較例との相違点を明らかにしこれを表5に示
す。
【表】
【表】
* 送電損失費=〓送電損量相当設備建設費
+〓推定負荷率における送電損失費〓
表5の比較から、この発明はケーブルの絶縁性
を阻害することなく、500kVにおける送電損失を
顕著に低減し得ることがわかる。この効果は、次
第に送電距離の長大化の方向に進んでいるわが国
において、大きな経済効果をもたらすもので、例
えば500kV2000cm21回線、50Km亘長では、従来の
ものに比して年間約1億円の節減をも可能とする
ものである。 なお、この発明では前述のように融点150℃以
上のポリオレフインテープの両面に、0.70g/cm3
以下の密度のクラフト紙テープを接着した複合ラ
ミネートであつて、クラフト紙テープの2枚の合
計厚が、完成複合ラミネートテープの厚さの45%
以下で構成された複合ラミネートテープ絶縁層
を、他の紙テープもしくはラミネートテープ絶縁
層を組合せて使用した場合は前記の特別な複合ラ
ミネートテープの使用厚さに相応した性能の油浸
電力ケーブルとなるので、例えば絶縁層の一部に
従来のクラフト紙分率の大きい複合テープなどを
使用すれば、εやtanδを調節して、より短距離、
より低電圧用として、材料費の合理化を図ること
が可能である。 更に又、導体側や金属シース側などの絶縁層の
一部に、コストの高い弗素樹脂テープを採用した
複合テープ巻層とし、部分的かつ一時的な温度上
昇に耐える構成の油浸電力ケーブルとすることが
できる。
+〓推定負荷率における送電損失費〓
表5の比較から、この発明はケーブルの絶縁性
を阻害することなく、500kVにおける送電損失を
顕著に低減し得ることがわかる。この効果は、次
第に送電距離の長大化の方向に進んでいるわが国
において、大きな経済効果をもたらすもので、例
えば500kV2000cm21回線、50Km亘長では、従来の
ものに比して年間約1億円の節減をも可能とする
ものである。 なお、この発明では前述のように融点150℃以
上のポリオレフインテープの両面に、0.70g/cm3
以下の密度のクラフト紙テープを接着した複合ラ
ミネートであつて、クラフト紙テープの2枚の合
計厚が、完成複合ラミネートテープの厚さの45%
以下で構成された複合ラミネートテープ絶縁層
を、他の紙テープもしくはラミネートテープ絶縁
層を組合せて使用した場合は前記の特別な複合ラ
ミネートテープの使用厚さに相応した性能の油浸
電力ケーブルとなるので、例えば絶縁層の一部に
従来のクラフト紙分率の大きい複合テープなどを
使用すれば、εやtanδを調節して、より短距離、
より低電圧用として、材料費の合理化を図ること
が可能である。 更に又、導体側や金属シース側などの絶縁層の
一部に、コストの高い弗素樹脂テープを採用した
複合テープ巻層とし、部分的かつ一時的な温度上
昇に耐える構成の油浸電力ケーブルとすることが
できる。
第1図はこの発明に使用される複合ラミネート
テープの拡大断面図にして、第2図はこの発明の
油浸絶縁電力ケーブルの一例を示す横断面図、第
3図は油浸絶縁層のε、tanδとクラフト紙分率と
の関係を示すグラフである。 1……融点150℃以上のポリオレフインテープ、
2……0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テー
プ、3′……複合ラミネートテープ、3……絶縁
層、4……導体。
テープの拡大断面図にして、第2図はこの発明の
油浸絶縁電力ケーブルの一例を示す横断面図、第
3図は油浸絶縁層のε、tanδとクラフト紙分率と
の関係を示すグラフである。 1……融点150℃以上のポリオレフインテープ、
2……0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テー
プ、3′……複合ラミネートテープ、3……絶縁
層、4……導体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 融点150℃以上のポリオレフインテープの両
面に、0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テープ
が接着された複合ラミネートテープであつて、前
記ラミネートされている2枚のクラフト紙テープ
の合計厚さが、完成された複合ラミネートテープ
の厚さの45%以下であるように構成されている複
合ラミネートテープを巻回して構成した絶縁層を
有することを特徴とする油浸絶縁電力ケーブル。 2 融点150℃以上のポリオレフインテープの両
面に、0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テープ
が接着された複合ラミネートテープであつて、前
記ラミネートされている2枚のクラフト紙テープ
の合計厚さが、完成された複合ラミネートテープ
の厚さの45%以下であるように構成されている複
合ラミネートテープの巻回絶縁層と、他のテープ
巻絶縁層とから構成された絶縁層を有することを
特徴とする油浸絶縁電力ケーブル。 3 融点150℃以上のポリオレフインテープの両
面に、0.70g/cm3以下の密度のクラフト紙テープ
が接着された複合ラミネートテープであつて、前
記ラミネートされている2枚のクラフト紙テープ
の合計厚さが、完成された複合ラミネートテープ
の厚さの45%以下であるように構成され、かつ60
〜80℃の温度で結晶化処理されている複合ラミネ
ートテープの巻回絶縁層を有することを特徴とす
る油浸絶縁電力ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1926781A JPS57134808A (en) | 1981-02-12 | 1981-02-12 | Oil-immersed insulated power cable |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1926781A JPS57134808A (en) | 1981-02-12 | 1981-02-12 | Oil-immersed insulated power cable |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57134808A JPS57134808A (en) | 1982-08-20 |
JPH0312407B2 true JPH0312407B2 (ja) | 1991-02-20 |
Family
ID=11994659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1926781A Granted JPS57134808A (en) | 1981-02-12 | 1981-02-12 | Oil-immersed insulated power cable |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57134808A (ja) |
-
1981
- 1981-02-12 JP JP1926781A patent/JPS57134808A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57134808A (en) | 1982-08-20 |
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