JPH0312280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は家具の台輪の構造に関し、詳しくは台
輪を利用して簡単容易に踏み台を構成するととも
にこの踏み台の支持強度を高め、かつ使用状態の
踏み面は広くしながらその収納状態では狭くして
コンパクトにして、コンパクトに収納しようとす
る技術に関する。

［背景技術］ 従来、家具の高所に物品を収納したり取り出し
を行うのに、家庭においては踏み台を利用してい
るのであるが、この踏み台の収納場所に苦慮する
とともに、必要時に直ちに見付けにくく、又、踏
み台を所定の家具のもとに持ち運ばなければなら
ず、全体として使い勝手が悪いという問題があつ
た。

［考案の目的］ 本考案はこのような点に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは、家具に付いてい
る台輪を利用し、合理的な工夫により使い勝手の
よい踏み台を有する家具の台輪の構造を提供する
とともに、このように構成するのにその支持強度
を高め、かつ使用状態の踏み面は広くしながらそ
の収納状態では狭くしてコンパクトにして、コン
パクトに収納することができる家具の台輪の構造
を提供することにある。

［考案の開示］ 本考案は、家具本体１の下方に構成した収納部
２に台輪本体３を取り出し自在に収納し、台輪本
体３にその上方に開口する収納凹所４を形状し、
この収納凹所４内に収納される一方の脚５の基端
部を起倒自在に枢着し、一方の脚５の遊端部に上
記収納凹所４に収納される他方の脚６の遊端部を
開閉回動自在に枢支連結し、台輪本体３に起立回
動させた上記一方に脚５に対して開き回動させた
他方の脚６の基端部を起立保持させる保持手段を
台輪本体３に設けた家具の台輪の構造であつて、
上記一方の脚５の基端部を台輪本体３に枢着する
のに、台輪本体３の対向する側壁１８内面に凹所
２９を対向させて形成し、台輪本体３の側壁１８
と底板３０とのコーナ部に取り付けられるコーナ
金具３２に軸孔３１を設けるとともに軸孔３１周
部にバーリング加工により一連に軸保持筒３３を
形成し、軸保持筒３３を凹所２９に挿入し、上記
一方の脚５に設けた軸棒２０の端部を軸保持筒３
３に回転自在に挿通支持させ、一方の脚５に踏板
半体８を固定し、他方の脚６に残りの踏板半体８
が回動自在に枢着され、上記固定された踏板半体
８の踏み面９に残りの踏板半体８ａの踏み面９が
略面一になるように踏板半体８ａを保持する保持
部１０が形成され、残りの踏板半体８ａの下面に
は、その収納時に台輪本体３の奥の側壁１８の上
端部に当接してこの踏板半体８ａを上方に収納回
動させるためのカム面１２が形成されて成る家具
の台輪の構造に係るものであり、このように構成
することによつて、上記目的を達成できるに至つ
た。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

流し台のような家具本体１の下方に台輪１３を
設けてある。台輪１３は家具本体１に固定される
台輪外箱１４とこの台輪外箱１４に構成した収納
部２に収納取り出し自在に設けた台輪本体２とか
ら構成してある。台輪外箱１４は三方に側板１５
を連結し、その前方開口を上部幅決め金具１６に
て連結するとともに下部幅決め金具１７にて連結
したものである。台輪本体３は底板３０の外縁部
に四側壁１８を連ね、後部側壁１８に引き出し並
びに収納が容易なようにキヤスター輪１９を取り
付けてある。このキヤスター輪１９はばね（図示
せず）にて台輪本体３から下方に突出付勢されて
いて、人の体重がかかる程度の荷重がかかると引
退して、安定的に床に付くようにしてある。

一方の脚５の基端部を起倒自在に台輪本体３の
対向する側壁１８間に軸棒２０にて回動自在に枢
着して、一の脚５を収納凹所４に収納並びに起立
自在にしてある。この一方の脚５の遊端部に上記
収納凹所４に収納することができる他方の脚６の
遊端部を開閉回動自在に枢支連結してある。具体
的には一方の脚５に取り付けたブラケツト２１と
他方の脚６に取り付けたブラケツト２１とをピン
２２にて回動自在に枢支連結したものである。台
輪本体３に起立回動させた上記一方の脚５に対し
て上記ピン２２回りに開き回動させた他方の脚６
の基端部を起立保持させる保持部７を台輪本体３
に設けてある。具体的には他方の脚６の下端部に
回転自在に挿通したスライド軸２３を台輪本体３
の側壁１８に形成したスライドガイド溝２４にス
ライド自在に嵌入し、このスライドガイド溝２４
の端部において、一方の脚５に対して開き回動さ
せた他方の脚６側のスライド軸２３をそれ以上ス
ライド移動しないように保持して、一対の脚５，
６を一定の開き角度に保持することができるよう
にしてある。このように他方の脚６の基端部を起
立保持させる構成を保持手段と総称する。一方の
脚５の遊端部のブラケツト２１に踏板半体８を固
定してある。他方の脚６の遊端部のブラケツト２
１に残りの踏板半体８ａを回動自在に枢着してあ
る。上記固定された踏板半体８の踏み面９に残り
の踏板半体８ａの踏み面９ａが略面一になるよう
に踏板半体を保持する保持部１０を設けてある。
具体的には踏板半体８ａの下面に係合凹所２５を
形成し、他方の脚６に保持棒２６を設けて、この
保持棒２６に踏板半体８ａの係合凹所２５を係合
させることによつて、踏板半体８ａを保持させる
ことができるようにしてある。一方の脚５に他方
の脚６を近接させたとき他方の脚６の踏板半体８
ａを押し上げ回動させる押し棒１１を一方の脚５
に突設してある。この押し棒１１にて押し上げ回
動される上記踏板半体８ａの下面に台輪本体３の
奥の側壁１８の上端部に当接してこの踏板半体８
ａを上方回動させるカム面１２を設けてある。図
中２７は把手、２８は戻りスプリングであり、脚
５，６の開き操作を軽く行うことができようにし
てある。しかして台輪本体３を引き出して、一対
の脚５，６を立て、保持棒２６にて踏板半体８ａ
を保持して、一対の踏板半体８，８ａにて充分に
広い踏み面９，９を得て、安定的な使用が簡易に
行うことができるものである。そして収納に当た
つては、他方の脚６を一方の脚５に近付けて折り
畳むのであるが、かかる場合、押し棒１１にて踏
板半体８ａが押し上げられて上方に回動し、次に
一方の脚５，６を回動させて台輪本体３内に収納
するのに、踏板半体８ａのカム面１２が奥の側壁
１８に当接して、一層踏板半体８ａが回動されて
踏み面９，９の幅を小さくした状態で収納される
のである。

そして上記スライドガイド溝２４の脚立開き方
向終端部を略水平にしてあり、このことで脚６の
開き操作が円滑に行なえ、しかも使用状態で脚６
が不測に収納されようとすることがなく、安心し
て使用することができるものである。

そして上記一方の脚５の基端部を台輪本体３に
枢着するのに以下のように構成してある。即ち台
輪本体３の対向する側壁１８内面に凹所２９を対
向させて形成してある。台輪本体３の側壁１８と
底板３０とのコーナ部に取り付けられるコーナ金
具３２に軸孔３１を設けるとともに軸孔３１周部
にバーリング加工により一連に軸保持筒３３を形
成してある。しかして底板３０と側壁１８とのコ
ーナ部に取付孔３４を介してコーナ金具３２を取
付けて軸保持筒３３を凹所２９に挿入する。そし
て上記一方の脚５の孔に回転自在に挿通させた軸
棒２０の端部を軸保持筒３３に回転自在に挿通支
持させるのである。

［考案の効果］ 以上要するに本考案は、家具本体の下方に構成
した収納部に台輪本体を取り出し自在に収納し、
台輪本体に上方に開口する収納凹所を形成し、こ
の収納凹所内に一対の脚を収納並びに起立回動自
在に設けてあるから、必要時に台輪本体を引き出
し、これに収納してある一対の脚を起立させて脚
立にでき、台輪を利用した踏み台を簡単容易に構
成でき、踏み台の利用を簡単容易に行なうことが
でき、全体として使い勝手が大幅に向上させるこ
とができるという利点がある。そのうえ台輪本体
の対向する側壁内面に凹所を対向させて形成し、
台輪本体の側壁と底板とのコーナ部に取り付けら
れるコーナ金具に軸孔を設けるとともに軸孔周部
にバーリング加工により一連に軸保持筒を形成
し、軸保持筒を凹所に挿入し、上記一方の脚に設
けた軸棒の端部を軸保持筒に回転自在に挿通して
あるから、側壁と底板とのコーナ部の強度を高め
ることができるものでありながら、コーナ金具に
一連に形成した軸保持筒に軸棒を回転自在に保持
させることで、軸棒の支持強度を大幅に高めるこ
とができ、一方の脚に踏板半体を固定し、他方の
脚に残りの踏板半体が回動自在に枢着され、上記
固定された踏板半体の踏み面に残りの踏板半体の
踏み面が略面一になるように踏板半体を保持する
保持部が形成され、残りの踏板半体の下面には、
その収納時に台輪本体の奥の側壁の上端部に当接
してこの踏板半体を上方に収納回動させるための
カム面が形成されているから、両方の脚を起立さ
せた使用状態においては、他方の脚の踏板半体は
回動して保持部に保持されて、両方の踏板半体同
士の踏み面が略面一になつて充分に広い踏み面を
得るものでありながら、その収納状態において
は、他方の脚の踏板半体のカム面が台輪本体の奥
の側壁の上端部に当接して踏板半体を回動させ
て、踏み面の幅を小さくした状態で収納できると
いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の家具の使用状態の
斜視図、第２図は同上の折り畳み状態の台輪本体
の斜視図、第３図は同上の収納状態の家具の斜視
図、第４図は同上の台輪外箱の斜視図、第５図は
同上の幅決め金具の側面図、第６図は同上の台輪
本体の斜視図、第７図は同上の踏み台の使用状態
の一部省略した側面図、第８図は同上の一部省略
した平面図、第９図は同上の一部省略した正面
図、第１０図は同上の斜視図、第１１図は同上の
分解斜視図、第１２図ａ，ｂ，ｃ，ｄは同上の作
用を示す側面図、第１３図は同上のコーナ金具の
斜視図、第１４図は同上のコーナ金具の断面図、
第１５図は同上の一部省略した断面図である。１
は家具本体、２は収納部、３は台輪本体、４は収
納凹所、５は一方の脚、６は他方の脚、１８は側
壁、２０は軸棒、２９は凹所、３０は底板、３１
は軸孔、３２はコーナ金具、３３は軸保持筒であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 家具本体の下方に構成した収納部に台輪本体を
   取り出し自在に収納し、台輪本体にその上方に開
   口する収納凹所を形状し、この収納凹所内に収納
   される一方の脚の基端部を起倒自在に枢着し、一
   方の脚の遊端部に上記収納凹所に収納される他方
   の脚の遊端部を開閉回動自在に枢支連結し、台輪
   本体に起立回動させた上記一方に脚に対して開き
   回動させた他方の脚の基端部を起立保持させる保
   持手段を台輪本体に設けた家具の台輪の構造であ
   つて、上記一方の脚の基端部を台輪本体に枢着す
   るのに、台輪本体の対向する側壁内面に凹所を対
   向させて形状し、台輪本体の側壁と底板とのコー
   ナ部に取り付けられるコーナ金具に軸孔を設ける
   とともに軸孔周部にバーリング加工により一連に
   軸保持筒を形状し、軸保持筒に凹所に挿入し、上
   記一方の脚に設けた軸棒の端部を軸保持筒に回転
   自在に挿通支持させ、一方の脚に踏板半体を固定
   し、他方の脚に残りの踏板半体が回動自在に枢着
   され、上記固定された踏板半体の踏み面に残りの
   踏板半体の踏み面が略面一になるように踏板半体
   を保持する保持部が形成され、残りの踏板半体の
   下面には、その収納時に台輪本体の奥の側壁の上
   端部に当接してこの踏板半体を上方に収納回動さ
   せるためのカム面が形成されて成る家具の台輪の
   構造。