JPH031215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は木工用超仕上げ鉋盤の刃物支持部材に
備える替刃を揺動作動の刃物押え板により押えて
切削中に移動または脱落しないようにすると共
に、替刃交換が簡単に出来るようにする利用分野
を持つものである。

（従来の技術） 木工用超仕上げ鉋盤には、刃口と、刃物を取付
けた刃物支持部材（本刃とも謂う）を装着したナ
イフストツクを送材テーブルに設けた溝に差込ん
で固定し、又は外し出す機種、及び本刃に代わる
替刃を刃物支持部材に取付けて刃口と共にナイフ
ストツクに装着し、或るいは送材テーブルに直接
に装着する機種があるが、いずれの場合も切削中
に刃物押え板によつて刃物が動揺しないように挟
着しているものである。しかるに刃物押え板は替
刃の交換作業には邪魔物になるからこれを外した
り替刃から遠ざける前置的作業を行う必要があ
り、これは極く面倒ではあるが止むを得ないこと
として改良を施したものはない。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、止むを得ないとして放置されて来た
替刃用の刃物押え板を、刃物支持部材の斜面に植
込む数個のボルトにより、該斜面との間に遊びを
持たせて揺動可能に取付けて、ボルトを中心にし
て揺動させると共に、刃物押え板の挟着と挟着解
放の作動を刃物支持部材側から制御できる構成と
し、替刃を使用する木工用超仕上げ鉋盤の替刃の
交換を容易にできる構成を得ようとするものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は木工用超仕上げ鉋盤における刃物挟着
固定装置は、前項に述べた問題点を解決すること
を目的とするもので、刃口６と、該刃口に対応す
る面を送材方向の斜面８とし、かつ斜面先端に替
刃ａを着脱自由に嵌める刃物支持部材７とを、送
材方向と交差させ配置してなる木工用超仕上げ鉋
盤に於いて、前記の刃物支持部材７の斜面８に送
材方向と直交する一線状に並べてねじ込む数個の
ボルト１２により該斜面８との間に遊びを持た
せ、かつ該各ボルト１２を中心にして斜面８の傾
斜方向への揺動可能にした刃物押え板９を取付
け、その刃物押え板９の数個のボルト１２より下
方内面に圧接して、該刃物押え板９の先端を替刃
ａに圧接する揺動を生じさせる押付部材１７と、
前記数個のボルト１２と刃物押え板９の先端の間
で該刃物押え板９の先端を替刃ａから引き離すば
ね１６を刃物支持部材７に設けたことを特徴とす
るものである。

本考案は好適な一実施例を添付図面について説
明する。

（実施例） 第１図は替刃式木工用超仕上げ鉋盤１を例示し
たもので、ハンドル２により昇降する送材テーブ
ル３の上面によつて送材面４を構成し、該テーブ
ル３に送材方向と交叉する溝５を設け、この溝５
の送材方向前側に刃口６を取付け、送材方向後側
に刃物支持部材７を取付け、該刃物支持部材７の
下面において刃口６に対応させて構成される斜面
８を設け、刃物支持部材７の先端に設けた替刃嵌
込み溝１０に替刃ａを嵌めて、その替刃の刃先縁
を送材面４から突出する。

第１図は、刃口６と刃物支持部材７とを送材テ
ーブル３に直接に取付けた態様によつて示した
が、溝５に対して差込み固定及び取外しを自由に
した公知のナイフストツクに刃口６と刃物支持部
材７とを微間溝を隔てて対立状に取付ける場合に
も本考案を使用できる。

第２図は本考案の第１実施例を示し、刃物支持
部材７を溝５の送材方向後側に於いて底部から突
出する低い支持底板１１上に取付ける。

本考案は、第１実施例及び第２〜５実施例とも
に刃物押え板９を刃物支持部材７の斜面８に送材
方向と交叉させて一線状に取付ける複数個のボル
ト１２を植込み、ボルト１２には六角頭部の下方
に刃物押え板９の厚さを少し超えて斜面８に接す
る鍔１３を設け、その鍔１３から背方に突出する
ねじ１４を刃物支持部材７に緊密に螺合する。

本第１実施例は刃物押え板９の先端９ａと後端
９ｂとの間にボルト１２に少し緩やかに嵌まる透
孔１５を設け、ボルト１２の鍔１３の周りにおい
て透孔１５に拡大孔１５ａを形成し、前記のよう
に送材方向と交叉させて一線状に並べた複数個の
ボルト１２によつて刃物押え板９を第２図のとお
りに刃物支持部材７に遊びを持たせて揺動可能に
取付け、その取付により刃物押え板９を斜面８の
傾斜方向への揺動を可能にする。ボルト１２の前
上側において刃物支持部材７に嵌めたばね１６を
弾接する。

刃物支持部材７には刃物押え板９の後端９ｂ付
近に対応させて押圧部材１７を装置する。本実施
例は刃物支持部材７の上面から斜めの操作孔１８
を形成し、それに続けて斜めの螺孔１９を斜面８
まで透設し、押圧部材１７のねじ部２０を螺孔１
９に螺合し先端突部２１を刃物押え板９の後端９
ｂ上面に接触し、頭部２２を操作孔１８の内部に
位置させたもので、操作孔１８の上端に蟻溝２３
を送材面４と交叉させて設け、台形の蓋２４を蟻
溝２３に摺動自由に嵌め、その蓋２４の上面を送
材面４の一部としたものである。

本実施例において蓋２４を摺動して操作孔１８
を開き、ドライバーの類を該操作孔１８に差込ん
で押圧部材１７のねじ部２０を廻し、刃物押え板
９を数個のボルト１２を中心にして揺動させ、該
板９の後端９ｂの押圧を緩めてばね１６により替
刃嵌込溝１０を少し開き、またはねじ部２０を前
記と反対にねじつて第２図のとおりに刃物押え板
９の先端９ａを替刃ａに押し付ける挟着固定を施
す。

第３図の第２実施例は刃物押え板９の後端に水
平部９ｃを設け、第２図の操作孔１８、螺孔１９
及びねじ部２０と同じ部材を垂直にして水平部９
ｃ上に対応させる押圧部材１７を構成した態様を
示し、その他の構成及び刃物押え板９に及ぼす押
圧部材１７の作用は第１実施例と均等である。

第４図の第３実施例は刃物支持部材７の送材方
向と交叉する両端の間に、回転操作を可能にした
回転軸２５を通して刃物押え板９の後端９ｂ上面
に対応させて置に設けた穴２７に偏心カム２６を
固定し、軸２５と偏心カム２６とによつて押圧部
材１７を構成した態様を示す。その他は第１実施
例と同じである。偏心カム２６は90゜程度の回転
により刃物押え板９の後端９ｂを図示のように押
し又は図示と反対に緩める作用をする。

第５図の第４実施例は押圧部材１７は刃物支持
部材７の斜面８の後側方に穴２８とねじ孔２９と
を連続形成し、六角孔３１を設けたヘツド３０を
穴２８に嵌め、ねじ部３２を、ねじ孔２９に螺合
すると共に、六角孔３１に通す操作孔３３を刃物
押え板９に設けた実施例からなり、その他は第１
実施例と同じである。本実施例は刃物押え板９の
操作孔３３からドライバーを六角孔３１に通して
ねじ部３２を回転し、それによつてヘツド３０を
斜面８から出入させるもので、作用は第１実施例
の第２図と同じである。

（考案の作用） 本考案の各実施例の使用法は、各実施例につい
て説明したとおりであつて、刃物支持部材７の斜
面８に送材方向と直角な一線状に並べてねじ込む
数個のボルト１２により該斜面８との間に遊びを
持たせ、かつ該各ボルトを中心にして斜面８の傾
斜方向への揺動可能にした刃物押え板９を取付け
た構成と、各ボルト１２の前部で斜面に嵌めて刃
物押え板９に弾接したばね１６及び各ボルト１２
の後方で斜面８から前端を出没する押圧部材２０
とにより、刃物押え板９の先端を替刃ａに圧接し
て刃物支持部材との間に替刃を挟着する作動を生
じさせ、または前記先端を替刃ａから引き離して
替刃ａの挟着固定及び交換ができるようにするも
のである。

（考案の効果） 本考案は刃口６と、該刃口に対応する下面を送
材方向の斜面８としかつ斜面先端に替刃ａを着脱
自由に嵌める刃物支持部材７とを、送材方向と交
差させた溝内に対応させて配置してなる木工用超
仕上げ鉋盤に於いて、前記の刃物支持部材７の斜
面８に送材方向と直角な一線状に並べてねじ込む
数個のボルトにより該斜面８との間に遊びを持た
せ、かつ該各ボルトを中心にして斜面の傾斜方向
への揺動可能にした刃物押え板９を取付け、その
刃物押え板９のボルト１２より下方内面に圧接し
て、該刃物押え板９の先端を替刃ａに圧接する揺
動を生じさせる押圧部材１７を、刃物支持部材７
に設けたことを特徴とした構成作用により、送材
方向と直交する一線状の数個のボルト１２によつ
て刃物支持部材７の斜面８に替刃ａを先端を挟着
したり、挟着を解放する揺動を生じさせるの他、
刃物支持部材７側で押圧部材１７を操作して刃物
押え板９の先端により替刃を挟着固定し、若しく
はその挟圧を緩めるものであつて、切削中の替刃
の挟圧固定及び替刃交換のときに施す替刃挟圧の
緩めを、刃物押え板９に直接に手又は工具を触れ
ることがなく、しかも数個のボルト１２による刃
物押え板９の前記の特異な取付構造により簡易に
施し得て替刃ａの交換時に刃物押え板９を邪魔も
のにすることなくできる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１図は概要正面図、第２図は本考案の第１実
施例の一部縦断正面図、第３図は本考案の第２実
施例の一部縦断正面図、第４図は本考案の第３実
施例の一部縦断正面図、第５図は本考案の第４実
施例の一部縦断正面図である。 １……替刃式木工用超仕上げ鉋盤、６……刃
口、７……刃物支持部材、８……斜面、９……刃
物押え板、１２……ボルト、１６……ばね、１７
……押圧部材、ａ……替刃。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刃口６と、該刃口に対応する面を送材方向の斜
   面８とし、かつ斜面先端に替刃ａを着脱自由に嵌
   める刃物支持部材７とを、送材方向と交差させ配
   置してなる木工用超仕上げ鉋盤に於いて、 前記の刃物支持部材７の斜面８に送材方向と直
   交する一線状に並べてねじ込む数個のボルト１２
   により該斜面８との間に遊びを持たせ、かつ該各
   ボルト１２を中心にして斜面８の傾斜方向への揺
   動可能にした刃物押え板９を取付け、 その刃物押え板９の数個のボルト１２より下方
   内面に圧接して、該刃物押え板９の先端を替刃ａ
   に圧接する揺動を生じさせる押付部材１７と、前
   記数個のボルト１２と刃物押え板９の先端の間で
   該刃物押え板９の先端を替刃ａから引き離すばね
   １６を刃物支持部材７に接けたことを特徴とする
   木工用超仕上げ鉋盤における刃物挟着固定装置。