JPH0311950A - 回転電機の回転子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はターボチャージャなどに直結されて超高速駆動
される回転電機の回転子に関する。

（従来の技術） 近年、エンジンの排気エネルギーにより駆動されて吸気
を過給するターボチャージャが実用化されている。そし
てターボチャージャの回転軸に電動−発電機となる回転
電機を接続して、排気エネルギーを電機エネルギーとし
て回収したり、またエンジンの低速高負荷時には回転電
機に電力を供給して過給気の増大を計ろうとする試みが
種々なされている。

この種の回転電機の回転子として、遠心力による破壊防
止用の外筒を有する単体の永久磁石を用い、永久磁石と
回転軸との間に断熱部分を構成したターボチャージャ用
発電機が本出願人によって提案され、特開昭６２−２５
４６４９号公報に開示されている。

また、カップ状のケースと蓋部とを用い内部に永久磁石
を収納した回転子におけるケースと蓋部との接合を嵌合
とし、該嵌合にネジを刻設したり、または逆テーパ一部
を形成したターボチャージャ用電動機構の提案が昭和６
３年特許願第２７５３０５号に本出願人からなされてい
る。

（発明が解決しようとする課題） 上述の公開公報に開示された提案においては、回転子の
外筒として強度の大きいチタン合金が月いられるが、縦
弾性係数（ヤング率）の高い希土類磁石を使用した回転
子では超高速回転になるとチタン合金の縦弾性係数が、
磁石材のそれより小さいため、自身に加わる遠心力によ
り外側に変形し、希土類磁石との間に隙間を生じてしま
う。このため、強度の弱い希土類磁石にかかる遠心力の
引張応力によって破壊するという問題が生じている。

また、後者の特許願における提案ではケースと蓋部との
外周部の嵌合は良好でも、超高速回転時の干渉や強力な
遠心力などで、回転軸とケースや蓋部との取付が弛むと
、外周部の嵌合に悪影舌が及ぼし、永久磁石の保護が不
良となる欠点が生ずる。

本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、
その目的は希土類磁石を用いた回転磁極を備えた回転電
機にて、超高速回転に駆動されてもその遠心力に十分耐
えられる回転電機の回転子を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、永久磁石からなる回転磁極と、該回転
磁極と回転軸との間に介在して固着され前記永久磁石の
磁石素材より大なる透磁率を有する磁性円筒体と、前記
回転磁極の外周に嵌合され高強度材からなる外周円筒と
、前記回転磁極の両側面に配置され軸穴近傍を前記磁性
円筒体に蝋付けされるとともに周縁に形成された折曲部
により前記外周円筒の外周に嵌合し係着せしめる高強度
側板とを有する回転電機の回転子が提供される。

（作用） 本発明では永久磁石の外周に嵌合した外周円筒を、軸穴
の部分を回転軸上の磁性円筒体に蝋付けされた高強度側
板の周縁に形成した折曲部によって両側から嵌合係着さ
せて永久磁石を内部に封止したので、超高速回転におけ
る強力な遠心力が回転子に加わっても、高強度のセラミ
ックスからなる外周円筒は、外方向への引張応力に耐え
て永久磁石との間に隙間を生ずることなく、また高強度
側板との係着も弛むことなく保持されるため、内部に封
止された永久磁石は変形や破損を生ずることなく安定に
保持される。

（実施例） つぎに本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明
する。

第１図は本発明の一実施例の構成を示す断面図であり、
第２図は本実施例が適用される回転電機付ターボチャー
ジャの断面図である。

第１図において、１は高強度鋼材を用いた回転軸で、後
述するターボチャージャのタービンとコンプレッサの回
転軸となるもので、第２図のように例えば左方にはベア
リングを介してタービンが配置され、右方にはコンプレ
ッサが取付けられて超高速に回転するものである。

２は肉厚の円筒状の永久磁石で、例えばサマリウム−コ
バルトのような希土類元素を含んだ磁石材からなるもの
が使用され、強力な保磁力を有する回転磁極として、対
応する固定子と電磁的に作動し、効率の高い電動機また
は発電機を構成するものである。

３は磁性円筒体となる高透磁率のバイブ状の１ｉｆｉ性
体で、永久磁石２の内壁と回転軸１の外周との間に介在
させて固着させ、永久磁石２の中心部分の磁束の通路と
なって、固定子に対する有効磁束を増大させるものであ
る。

４は永久磁石２の外周に嵌め込まれた外周円筒であり、
希土類磁石の有するヤング率２Ｘ１０’（にｇ／　ｍｓ
”）と同等、または大きい値を有する例えば窒化珪素か
らなるセラミックスの円筒が採用されている。

５は高強度側板となる外側板であり、高抗張力材として
例えばチタン合金が用いられて永久磁石２の両側面にそ
れぞれ配置されるもので、軸穴・５１を有する円板状の
周縁部には折曲部となる係止部５２が形成されている。

そして、外周円筒４の嵌合された永久磁石２の側面に配
置時には、係止部５２を外周円筒４の端部の外周に嵌合
させて係止するとともに、磁性体３に挿通した軸穴５１
の部分を銀線づけによって磁性体３と接合し、外側板５
が強固に回転軸１上に固着されるように構成されている
。

つぎに第２図について説明すると、ターボチャージャ１
０は図示していないエンジンの排気エネルギーにより駆
動されて空気を圧縮し、この圧気をエンジンに過給気と
して供給するものである。

１１はタービンで排気管１２からの排気ガスにより駆動
されるもの、１３はコンプレッサで回転軸１によりター
ビン１１と連結されて回転駆動され、吸入空気口１４か
らの空気を圧縮してエンジンに送気するものである。

１５はベアリングで、回転軸１を軸支するものであり、
該ベアリング１５とコンプレッサ１３との間の回転軸１
上に前記の永久磁石２が回転子として取付けられている
。

６は固定子で、永久磁石２の回転子に電磁的に対応する
ものであり、コアー６１とコイル６２とを有している。

そしてエンジンからの排気エネルギーが大きくターボチ
ャージャ１０の過給作動に余力のあるときは、超高速に
駆動される永久６１石２による磁束の変化によフて、固
定子６のコイル６２に誘起される電力を電源としてバッ
テリを充電したり、一方、エンジンが低速高負荷の状態
にて排気エネルギーが少なく、十分な過給圧がターボチ
ャージャ１０から得られないときは、バッテリからの電
気エネルギーを固定子６に供給して回転子をカ行させ、
コンプレッサ１３の過給作動を付勢してエンジンへのブ
ースト圧を上昇させるように構成されている。

つぎに、このように構成された本実施例の作動を説明す
る。

上述の構成の回転子が排気エネルギーによって超高速に
回転駆動されると、外周円筒４や永久磁石２などに遠心
力によって中心軸から外方向に向う強力な引張応力が加
わることになる。

そして、まず外周円筒４はその両端部が両側の外側板５
の係止部５２によって外周から嵌合係止されており、さ
らに係止している外側板５はその軸穴５１の部分は回転
軸１に固着された磁性体３に蝋付けされているため、遠
心力が加わっても外側に開くことがなく、したがって外
側板５によって外周円筒４は確実に支持されることにな
る。

つぎにこの外周円筒４は、ヤング率は希土類磁石以上、
引張強度は希土類磁石の士数倍の値を有する窒化珪素材
のセラミックスが使用されており、遠心力による強力な
引張応力が外周円筒４に作用しても、変形して永久磁石
２との間に隙間を生ずることなく、したがって永久磁石
２に密着してその変形を保護し破損を防止することにな
る。

また一方、回転軸１の外周の磁性体３は高透磁率を有す
るものを用いたため、永久磁石２の中心部分の磁路は磁
性体３内を通過することになり、したがって回転軸１や
永久磁石２自身の内部を通過する場合に比して磁気抵抗
が減じ、このため回転磁極に対応する固定子への有効１
ｉ７１束が増加することになる。

以上、本発明を上述の実施例によって説明したが、本発
明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらの
変形を本発明の範囲から排除するものではない。

（発明の効果） 本発明によれば、回転軸の外周に高透磁率のｔｉｎ性円
筒体を嵌合して固着させ、その外周に回転磁極として希
土類磁石を嵌合させ、さらに回転磁極の外周を高強度材
からなる外周円筒にて覆うとともに、軸穴の部分が前記
磁性円筒体に蝋付けされ周縁に係上部を有する高強度側
板によって外周円筒を両側から嵌合係着したので、超高
速回転により強力な遠心力が回転磁極に加わった場合、
回転軸の磁性円筒体に蝋付けで固着の高強度側板の係上
部により、弛みなく係着された外周円筒のため、嵌合部
に隙間があくことなく永久磁石の外周が保護され、引張
強度の弱い希土類磁石が変形や破損することなく、超高
速回転にも安定して耐えられるという効果が得られる。

また本発明によれば、回転磁極の外周円筒と高強度側板
とは高温による接合を行わずに機械的嵌合に止め、高強
度側板の軸穴の部分のみを銀線付けにより固着したので
、銀線付の温度は高くても６５０℃程度の温度ですむこ
とになり、希土類磁石に影響を及ぼす７００℃には達せ
ず、したがってその磁気特性を劣化させることなく、強
力な回転磁極が得られるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を示す断面図、第２図
は本実施例が適用される回転電機付ターボチャージャの
断面図である。 １・・・回転軸、２・・・永久磁石、３・・・磁性体、
４・・・外周円筒、５・・・外側板、１０・・・ターボ
チャージャ。 第 図 第２図 ０

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）永久磁石からなる回転磁極と、該回転磁極と回転
   軸との間に介在して固着され前記永久磁石の磁石素材よ
   り大なる透磁率を有する磁性円筒体と、前記回転磁極の
   外周に嵌合され高強度材からなる外周円筒と、前記回転
   磁極の両側面に配置され軸穴近傍を前記磁性円筒体に蝋
   付けされるとともに周縁に形成された折曲部により前記
   外周円筒の外周に嵌合し係着せしめる高強度側板とを有
   することを特徴とする回転電機の回転子。
2. （２）前記永久磁石は希土類元素を含んだ磁石素材から
   なることを特徴とする請求項（１）記載の回転電機の回
   転子。
3. （３）前記外周円筒に窒化珪素系のセラミックスを用い
   たことを特徴とする請求項（１）記載の回転電機の回転
   子。
4. （４）前記高強度側板にチタン合金を用いたことを特徴
   とする請求項（１）記載の回転電機の回転子。