JPH05284704A - ブラシレス回転電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーバーハング部の軸方向長さを短くして振
動発生の懸念を無くすると共に軽量、小形化したブラシ
レス回転電機を実現する。 【構成】 主同期機の軸受台（２）の外側で主同期機回
転軸（１）にオーバーハングして直結された回転電機子
形交流励磁機の電機子（３）と回転整流装置（８）と永
久磁石発電機とを備えたブラシレス回転電機において、
永久磁石発電機の回転子（２０）をアウタロータ形とし
て交流励磁機の電機子鉄心（５）の取付胴（４０）の内
周部に装着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主同期機の回転軸にオー
バーハングされた永久磁石発電機の構造を改良したブラ
シレス回転電機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のブラシレス回転電機について図４
を参照して説明する。主同期機回転軸（１）は主同期機
軸受台（２）から突出しており、回転電機子形交流励磁
機の電機子（３）をオーバーハングしている。電機子
（３）は電機子巻線（４）を装着した電機子鉄心（５）
がスリーブ（６）に焼ばめされ、そのスリーブ（６）が
主同期機回転軸（１）に嵌着されている。外側の鉄心押
え板（７）のつばの内周部には回転整流装置（８）が組
込まれている。

【０００３】励磁機界磁巻線（９）はマグネットフレー
ム（１０）の内側に取付けられた界磁鉄心（１１）に組
込まれている。マグネットフレーム（１０）は軸受台
（２）にオーバーハングされた励磁機台（１２）に取付
けられ、また、マグネットフレーム（１０）の両端には
励磁機の電機子（３）と整流装置（８）と永久磁石発電
機の回転子（２０）とを覆う励磁機カバー（１３）が取
付けられている。

【０００４】冷却ガスは図４中の矢印のように、主同期
機固定子枠内の冷却器（図示せず）から出たところか
ら、励磁機台（１２）を介して取り入れ、励磁機と回転
整流装置および後述の永久磁石発電機等を冷却して排気
ダクト（１４）を経て主同期機固定子枠（１５）内に戻
す。

【０００５】励磁機軸端部に永久磁石発電機の回転子
（２０）が継シャフト（２１）を介して組立てられてい
る。永久磁石発電機は回転子（２０）の内側に永久磁石
（２２）が取付けられ、固定子（２３）がその内側に挿
入されアウタロータ形となっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の構
造においては軸方向寸法が長くなり、継シャフトや永久
磁石発電機の回転子の重量がオーバーハング先端にかか
り、軸の撓みが大となり、回転周波数とオーバーハング
部の曲げ固有振動数が近くなり、振動問題の発生が懸念
された。

【０００７】本発明の目的は永久磁石発電機を励磁機鉄
心取付胴内に組込むことにより、オーバーハング部の軸
方向長さを短くして振動発生の懸念をなくすると共に、
軽量、小形化したブラシレス回転電機を提供することに
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、主同期機の軸受台の外側で主同
期機回転軸にオーバーハングして直結された回転電機子
形交流励磁機の電機子と回転整流装置と永久磁石発電機
とを備えたブラシレス回転電機において、永久磁石発電
機の回転子をアウタロータ形として交流励磁機の電機子
鉄心の取付胴の内周部に装着する。

【０００９】

【作用】上記のように構成されたものは、永久磁石発電
機の回転子を交流励磁機の電機子鉄心と一体化したか
ら、構成部品も少なく、製造性、経済性に優れ、また、
オーバーハング部の軸方向寸法を短縮し、固有振動数が
高く振動発生の恐れが無いため、信頼性の高い小形化し
たブラシレス回転電機を提供することができる。

【００１０】また、永久磁石間に永久磁石の内径面より
若干内周面の径の小さい非磁性の櫛形リングを櫛付根部
を軸端側に配置して介在させた場合は、固定子鉄心を挿
入する際に鉄心が永久磁石に直接ぶつかることを防いで
おり、組立性を向上している。さらにまた、磁性リング
を取付けるボルトの位置を短冊状永久磁石の同方向幅の
中央背部にすれば、磁気抵抗の増加の影響を受けなく
て、永久磁石発電機の効率を向上する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１ないし
図３を参照して説明する。図１において、主同期機回転
軸（１）は主同期機軸受台（２）から出たところで、交
流励磁機の電機子（３）が直結されている。電機子
（３）は励磁機鉄心取付胴（４０）に電機子鉄心（５）
が焼ばめされ、鉄心（５）に電機子巻線（４）が納めら
れ、巻線（４）の両端の鉄心（５）から出たところは、
鉄心押え板（７）で受け、バインド線（４２）で固定さ
れている。

【００１２】界磁巻線（９）はマグネットフレーム（１
０）内の界磁鉄心（１１）に装着されている。

【００１３】回転整流装置（８）は鉄心押え板（７）の
内側に取付けられ、電機子巻線（４）の交流出力を直流
に変換する。回転整流装置（８）からの直流出力は接続
導帯（４３）を介して主同期機の界磁巻線（図示せず）
と接続される中心孔導体（４４）に接続する。

【００１４】永久磁石発電機の回転子（２０）は磁性リ
ング（４５）と、短冊状永久磁石（４６）から成り、磁
性リング（４５）は励磁機鉄心取付胴（４０）の内側に
はめ込まれ、６角ボルト（４７）で固定され、アウタロ
ータ形に形成されている。

【００１５】永久磁石発電機の固定子巻線（４８）は固
定子鉄心（４９）に納められて回転子の内側に挿入さ
れ、固定子鉄心（４９）は固定子支持用のパイプ（５
０）に取付けられており、パイプ（５０）は架台（５
１）に固定されている。

【００１６】励磁機、回転整流装置、永久磁石発電機全
体は励磁装置カバー（５２）に覆われており、主同期機
の冷却ガスをバイパスさせて冷却している。

【００１７】永久磁石発電機について図２、図３を参照
して更に詳しく説明する。磁性リング（４５）の内側に
複数（この場合は８個）の短冊状永久磁石（４６）が円
周方向に所定の間隔をおいて高温高強度接着剤で貼付け
られており、この磁石（４６）の間にはアルミニウム製
の非磁性櫛形リング（５３）が圧入されている。櫛形リ
ング（５３）の内径は短冊状永久磁石（４６）の内周面
より直径で０．２〜１．０ｍｍ小さくする。磁性リング
（４５）は短冊状永久磁石（４６）の周方向幅の中心線
（５５）上にボルト穴（５４）が４個所設けられてい
る。

【００１８】次に上記実施例の作用を説明する。本実施
例によれば永久磁石発電機を交流励磁機の電機子の内径
部に組込んだので、ブラシレス回転電機を小形化し、固
有振動数が大になり、高信頼性となる。また、非磁性櫛
形リング（５３）の内径を短冊状永久磁石（４６）の内
周面より若干小さくすることにより、固定子挿入時や分
解時に、固定子鉄心（４９）が短冊状永久磁石（４６）
に直接ぶつかることを防いでおり、特に櫛形リング（５
３）の櫛付根部（５３ａ）がリング状を成しており、こ
の櫛付根部（５３ａ）を軸端側に配置することにより、
固定子鉄心（４９）挿入時に特に衝撃が加えられやすい
が、短冊状永久磁石（４６）の端面全体を覆い、機械的
に保護している。また磁性リング（４５）のボルト穴
（５４）は、短冊状永久磁石（４６）の周方向幅の中央
背部に設けたので、ボルト穴（５４）を通る磁束量が少
なく、磁気抵抗の増加の影響を受けなくて、永久磁石発
電機の効率を向上する。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、永
久磁石発電機の回転子を交流励磁機の電機子の内径部に
組込んで電機子鉄心と一体化したから、構成部品も少な
く、製造性、経済性に優れ、また、オーバーハング部の
軸方向寸法を短縮し、固有振動数が高く振動発生の恐れ
が無いため、信頼性の高い軽量、小形化したブラシレス
回転電機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の要部を示す縦断面図。

【図２】図１の永久磁石発電機の回転子の要部を示す縦
断面図。

【図３】図２のＡ矢視立面図。

【図４】従来例の要部縦断立面図。

【符号の説明】

１…主同期機回転軸 ２…主同期機軸受台 ３…回転電機子形交流励磁機の電機子 ５…電機子鉄心 ８…回転整流装置 ２０…永久磁石発電機の回転子 ４０…取付胴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主同期機の軸受台の外側で主同期機回転
   軸にオーバーハングして直結された回転電機子形交流励
   磁機の電機子と回転整流装置と永久磁石発電機とを備え
   たブラシレス回転電機において、永久磁石発電機の回転
   子をアウタロータ形として交流励磁機の電機子鉄心の取
   付胴の内周部に装着したことを特徴とするブラシレス回
   転電機。