JP2847757B2 - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JP2847757B2 JP1144475A JP14447589A JP2847757B2 JP 2847757 B2 JP2847757 B2 JP 2847757B2 JP 1144475 A JP1144475 A JP 1144475A JP 14447589 A JP14447589 A JP 14447589A JP 2847757 B2 JP2847757 B2 JP 2847757B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はターボチャージャなどに直結されて超高速駆
動される回転電機の回転子に関する。
(従来の技術) 近年、エンジンの排気エネルギーにより駆動されて吸
気を過給するターボチャージャが実用化されている。そ
してターボチャージャの回転軸に電動−発電機となる回
転電機を接続して、排気エネルギーを電機エネルギーと
して回収したり、またエンジンの低速高負荷時には回転
電機に電力を供給して過給気の増大を計ろうとする試み
が種々なされている。
この種の回転電機の回転子として、遠心力による破壊
防止用の外筒を有する単体の永久磁石を用い、永久磁石
と回転軸との間に断熱部分を構成したターボチャージャ
用発電機が本出願人によって提案され、特開昭62−2546
49号公報に開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上述の公開公報に開示された提案においては、回転子
の外筒として強度の大きいチタン合金が用いられるが、
縦弾性係数(ヤング率)の高い希土類磁石を使用した回
転子では超高速回転になるとチタン合金の縦弾性係数
が、磁石材のそれより小さいため、自身に加わる遠心力
により外側に変形し、希土類磁石との間に隙間を生じて
しまう。このため、強度の弱い希土類磁石にかかる遠心
力の引張応力によって破壊するという問題が生じてい
る。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであ
り、その目的は希土類磁石を用いた回転磁極を備えた回
転電機にて、超高速回転に駆動されてもその遠心力に十
分耐えられる回転電機の回転子を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、回転磁極の磁気物質として希土類元
素を含む磁石素材からなる永久磁石を用い、その外周に
金属パイプを嵌合させた回転電機の回転子において、回
転磁極となる永久磁石の中心にパイプ状の磁性体を介し
て取付けられる回転軸と、前記回転磁極となる永久磁石
の外周面に嵌合された窒化珪素リングからなる張力リン
グと、前記張力リングの外周面に嵌合される断熱リング
と、前記断熱リングの外周面を覆うチタン合金製の外周
リングと、前記永久磁石の両側面を覆う断熱側板と、前
記断熱側板の外側に配置され、前記外周リングの周縁の
端部と溶接により結合されている外側板と、を具備して
なる回転電機の回転子が提供される。
(作用) 希土類磁石の外周に窒化珪素の張力リング、その外周
に断熱リング、またその外周にチタン合金の外周リング
をそれぞれ嵌合し、永久磁石の両側面には断熱側板を介
してチタン合金の外側板にて覆い、さらに外周リングと
外周板とを双方の当接する外周壁の端部にて溶接したの
で、超高速回転時には強力な遠心力によって外周リング
が変形しても永久磁石の変形は抗張力の大きい第1リン
グによって抑えられて永久磁石の破壊は防止され、ま
た、外周リングと外側板との溶接時の高熱は内側の断熱
素材により遮断され、永久磁石への熱伝導は防止され
る。
(実施例) つぎに本発明の実施例について図面を用いて詳細に説
明する。
第1図は本発明の一実施例の構成を示す断面図であ
り、第2図は本実施例が適用される回転電機付ターボチ
ャージャの断面図である。
第1図において、1は高強度鋼材を用いた回転軸で、
後述するターボチャージャのタービンとコンプレッサの
回転軸となるもので、第2図のように例えば左方にはベ
アリングを介してタービンが配置され、右方にはコンプ
レッサが取付けられて超高速に回転するものである。
2は肉厚の円筒状の永久磁石で、例えばサマリウム−
コバルトのような希土類元素を含んだ磁石材からなるも
のが使用され、強力な保持力を有する回転磁極として、
対応する固定子と電磁的に作動し、効率の高い電動機ま
たは発電機を構成するものである。
3は高透磁率のパイプ状の磁性体で、永久磁石2の内
壁と回転軸1の外周との間に介在し、永久磁石2の中心
部分の磁束の通路となって、固定子に対する有効磁束を
増大させるものである。
4は永久磁石2の外周に嵌め込まれた張力リングであ
り、希土類磁石の有する縦弾性係数2×104(kg/mm2
と同等、または大きい値を有する例えば窒化珪素からな
るセラミックスのリングが採用されている。
5は断熱リングであり、前述の張力リング4の外周に
嵌合され、軽量で断熱性を有する素材が使用されてい
る。
6は外周リングであり、高抗張力材の例えばチタン合
金のパイプが使用され、回転子全体の外周を覆って強固
に固着されて内部を保護している。
7は断熱側板で、前述の断熱リング5と同様な軽量で
断熱性を有する素材が使用され、永久磁石2の両側面に
設けられている。
8は外側板であり、高抗張材として例えばチタン合金
が用いられ、断熱側板7の外側に配置されるとともに、
外周リング6の周縁の端部と当接する外側板8の周縁部
とはレーザビームの照射による高密度熱源によって溶接
されて接合されている。したがって、両側の外側板8と
外周リング6は内部に永久磁石、セラミックスのリン
グ、断熱材を収納して一体化され、強靭な回転子として
回転軸1に固着されている。
つぎに第2図について説明すると、ターボチャージャ
10は図示していないエンジンの排気エネルギーにより駆
動されて空気を圧縮し、この圧気をエンジンに過給気と
して供給するものである。
11はタービンで排気管12からの排気ガスにより駆動さ
れるもの、13はコンプレッサで回転軸1によりタービン
11と連結されて回転駆動され、吸入空気口14からの空気
を圧縮してエンジンに送気するものである。
15はベアリングで、回転軸1を軸支するものであり、
該ベアリング15とコンプレッサ13との間の回転軸1上に
前記の永久磁石2が回転子として取付けられている。
9は固定子で、永久磁石2の回転子に電磁的に対応す
るものであり、コアー91とコイル92とを有している。そ
してエンジンからの排気エネルギーが大きくターボチャ
ージャ10の過給作動に余力のあるときは、超高速に駆動
される永久磁石2による磁束の変化によって、固定子9
のコイル92に誘起される電力を電源としてバッテリを充
電したり、一方、エンジンが低速高負荷の状態にて排気
エネルギーが少なく、十分な過給圧がターボチャージャ
10から得られないときは、バッテリからの電気エネルギ
ーを固定子9に供給して回転子を力行させ、コンプレッ
サ13の過給作動を付勢してエンジンへのブースト圧を上
昇させるように構成されている。
つぎに、このように構成された本実施例の作動を説明
する。
本実施例における回転子は第1図に示すように永久磁
石2の外周には張力リングとしてヤング率が永久磁石2
と同等程度でも引張強度が十数倍のセラミックスが嵌合
されており、超高速回転時の遠心力による永久磁石2の
外方向への変形が抑えられ、したがって永久磁石2の破
損が防止できることになる。
また、張力リング4とチタン合金からなる外周リング
6の間、または永久磁石2の側面部とチタン合金の外側
板8の間にはそれぞれ断熱材からなる断熱リング5、ま
たは断熱側板7が介在されており、本実施例の製造時に
おける外周リング6と外側板8との合せ部をレーザ溶接
する際は、溶接部分は高温となるが、この高温は断熱リ
ング5と断熱側板7によって遮断されて、内部の永久磁
石2の温度上昇が防止される。したがって永久磁石2の
高温による磁気特性の劣化が防止できることになる。
以上、本発明を上述の実施例によって説明したが、本
発明の主旨の範囲内で種々変形が可能であり、これらの
変形を本発明の範囲から排除するものではない。
(発明の効果) 本発明によれば、希土類磁石の外周に窒化珪素からな
る張力リングを嵌合させ、その外周に断熱リング、さら
にその外周をチタン合金の外周リングにて覆設するとと
もに、永久磁石の両側面には断熱側板を介してチタン合
金の外側板にて覆い、さらに、外周リングと外側板とが
当接する外周壁にてレーザ溶接して永久磁石を内封する
ので、超高速回転にて外側のチタン合金が変形しても、
強度の小さい永久磁石はセラミックスの張力リングの強
力な抗張力によりその変形が抑えられて破壊が防止さ
れ、超高速回転でも安定した性能の回転子が得られる利
点がある。
また本発明によれば、外周リングと外側板とをレーザ
溶接する際の高熱は、チタン合金の素材の内側には、と
もに断熱材が介在されているので、高熱に弱い希土類磁
石が高温度となることなく、したがって希土類磁石の優
れた磁気特性の劣化が防止され、効率のよい回転電機と
なる効果が生ずる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示す断面図、第2図
は本実施例が適用される回転電機付ターボチャージャの
断面図である。 1……回転軸、2……永久磁石、4……張力リング、5
……断熱リング、6……外周リング、7……断熱側板、
8……外側板、10……ターボチャージャ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 芳弘 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内 (72)発明者 村治 宏 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−254649(JP,A) 特開 昭60−13456(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 1/27 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転磁極の磁気物質として希土類元素を含
    む磁石素材からなる永久磁石を用い、その外周に金属パ
    イプを嵌合させた回転電機の回転子において、 回転磁極となる永久磁石(2)の中心にパイプ状の磁性
    体(3)を介して取付けられる回転軸(1)と、 前記回転磁極となる永久磁石(2)の外周面に嵌合され
    た窒化珪素リングからなる張力リング(4)と、 前記張力リング(4)の外周面に嵌合される断熱リング
    (5)と、 前記断熱リング(5)の外周面を覆うチタン合金製の外
    周リング(6)と、 前記永久磁石(2)の両側面を覆う断熱側板(7)と、 前記断熱側板(7)の外側に配置され、前記外周リング
    (6)の周縁の端部と溶接により結合されている外側板
    (8)と、 を具備してなる回転電機の回転子。
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DE10060121A1 (de) * 2000-12-04 2002-06-06 Alstom Switzerland Ltd Verfahren zur Herstellung eines Permanentmagnete enthaltenden Rotors einer Synchronmaschine und nach diesem Verfahren hergestellter Rotor

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