JPH03118944A - 薄肉鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、たとえば双ドラム方式のように、冷却ドラム
等の移動鋳型の周面の一部に湯溜り部を形成し、そこに
注入された溶融金属を冷却、凝固させて薄肉鋳片を製造
する連続鋳造機において、前記移動鋳型の表面に摺接す
るブラシ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

最近、溶鋼等の溶融金属からｌ　ｍｍないし１０ｍｍ程
度の肉厚をもつ薄肉鋳片を連続鋳造機によって直接製造
する方法が注目されている。この連続鋳造法によれば、
従来のように厚肉のスラブから多段階の熱延工程を経て
薄板を製造する必要がなくなり、鋳片を最終の厚さに成
形する冷延も軽度のもので済む場合もあり、工程や設備
の簡略化によって大きな経済的効果が得られ、金属の組
織の面からみても好ましい場合が多い。

この種の連続鋳造法としては、互いに逆方向に回転する
一対の冷却ドラムの間に湯溜り部を形成する双ドラム方
式、冷却ドラムとベルトとの間に湯溜り部を形成するド
ラム−ベルト方式、１個の冷却ドラムを用いる単ドラム
方式等がある。

これらの方式においては、いずれも湯溜り部の溶融金属
が冷却ドラムの表面に接触する部分で冷却されて表皮か
ら凝固しはじめ、凝固シェルを形成しつつ厚さの中心に
向って次第に凝固が進行して行く。そのため、冷却ドラ
ムの表面に溶融金属の酸化物等が部分的に付着している
と、付着物の厚さに応じて薄肉鋳片の表面にくぼみが残
る（転写される）ばかりでなく、付着物のある部分とそ
れがない部分とでは熱の伝導率が異なるから、鋳片の面
上での冷却の進行が不均一となり、それらが原因となっ
て鋳片の厚さが不均一となったり、場合によっては、し
わや割れを生じることがある。

そこで、冷却ドラムの表面の付着物をブラシロールによ
ってかき落とすことが考えられ、特開昭６０−１８４４
４９号公報や特開昭６２−１７６６５０号公報に記載さ
れた発明などが提案されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来技術によるブラシロールは、冷却ドラムの表面の付
着物をかき落とすことを目的として設けられているが、
かならずしも鋳片の割れなどを確実に防止することがで
きるとは限らず、むしろ、ブラシロールによるかき落し
が完全に行なわれないで筋目状に残った付着物による鋳
片の縦割れや、ブラシロールの偏心などによって冷却ド
ラムの表面に軸方向の帯のように残った付着物により鋳
片上に現われる周期的なしわや横割れなどの欠陥を生じ
ること、及びブラシロールにより冷却ドラム表面のメツ
キ層に摩耗や損傷、更にそれによる鋳片表面の欠陥など
を生じること等が、ブラシロールシステムの新たな問題
点となって来ている。

本発明が解決しようとする課題は、ブラシロールシステ
ムが抱えているこの新たな問題点を解消し、欠陥のない
薄肉鋳片を効率よく生産することができるように改善す
ることである。

〔課題を解決するための手段〕

発明者らは、実験プラントにおいて多くの試作・実験を
積み重ねた結果、前記の問題点はブラシロールシステム
にとって必ずしも宿命的なものではなく、前記問題点を
解消し得る方策があり、それは、冷却ドラムに付着する
溶融金属の酸化物の層をなるべく多くかき落としてドラ
ムのメツキ面を露出させようとしていた従来の行き方と
は逆に、付着物を冷却ドラム上で均等にならして薄い一
定厚さの膜状にする方が、却って一様で欠陥のない表面
性状を有する薄肉鋳片が得られるという事実を見出し、
それに立脚して、ブラシロールシステムによって付着物
を均等にならし、且つ余分の付着物をかき落とすにはど
のような条件を与える必要があるかを細かに調べた結果
、本発明の手段を創出するに至った。

本発明は前記の課題を解決するための手段として、溶融
金属を冷却して成形する移動鋳型と、前記移動鋳型に摺
接して回転することによって前記移動鋳型の表面に均一
な厚さの付着物層が形成されるように表面をかき均すブ
ラシロールとを備えており、前記ブラシロールは、外径
が１５０〜２５０ｍｍ、素線径が０．０５〜０．３關で
波形に形成された硬鋼線材が植設されていて、前記移動
鋳型の表面に対し軸方向に均一な０．０５〜０．２ｋｇ
／ｍｍの力で押圧され、５００〜２０００ｒｐｍの回転
速度で前記移動鋳型の回転方向と同一の方向に駆動され
るようになっていることを特徴とする移動鋳型による薄
板連続鋳造機用ブラシ装置を提供する。

〔作　用〕

本発明のブラシ装置は、移動鋳型の表面に不規則に付着
する溶融金属の酸化物などをかき落とす代りに、逆にそ
れらが移動鋳型の表面にまんべんなく付着するように、
ブラシロールの外径、素線径、材質、押付力、及び回転
速度を選び、付着物の均一な厚さの薄層を移動鋳型の表
面に形成するので、移動鋳型の表面で冷却され凝固シェ
ルを形成する溶融金属は、部分的に熱伝導率が異なる個
所がないため一様に冷却され、部分的に厚さが変化した
り歪んだりすることがなく、割れやくぼみ、しわ等が発
生せず、一定の断面形を有する欠陥のない薄肉鋳片が連
続的に生産される。

〔実施例〕

次に本発明を双ドラム方式において実施して満足すべき
結果が得られた例を具体的に説明する。

第１図は該方式の連続鋳造機の要部を示す。１及び２は
移動鋳型の例としての冷却ドラムで、直径１，０００ｍ
ｍ、軸方向長さ８００ｍ＋ｎの寸法を有する。

両者は薄肉鋳片の厚さを決定する数ｍｍ程度の間隔を保
って図示しない軸受上に支持され、且つ毎分２６．５回
転の速さで、矢印のように互いに逆向きに回転駆動され
る。３及び４は冷却ドラム１，２の両端面に接して設け
られるサイド堰で、これらによって冷却ドラム１．２の
間隙の上部には、溶鋼が注入される湯溜り部５が形成さ
れる。６は連続鋳造によって得られる薄肉鋳鋼片である
。冷却ドラム１及び２は、図示しない配管等によって冷
却水の供給を受け、その表面が軸方向に均一の温度とな
るように冷却される。

７及び８は冷却ドラム１及び２の背後においてそれらの
表面に摺接して回転するブラシロールで、長さは８００
１１１１０．直径は１５０鉗とする。それらの回転軸９
及び１０のそれぞれは、ブラシロールの基台１１．１２
上で支点軸１３により枢着され相互に連結された各一対
の腕１４．１４によって、公転することができるように
支持されている。腕１４の多対を連結する横杆には、基
台１１．１２上に一端を支持された圧縮スプリング１６
．１７の各他端が係合し、５０〜１５０ｋｇの範囲から
選択された最適の押圧力をブラシロール７．８に及ぼす
ようになっている。

押圧力の大きさは本発明の場合は非常に重要であって、
ブラシロールの構造や寸法、冷却ドラム１゜２とブラシ
ロール７・８の相対速度等をも勘案し、冷却ドラム１．
２の表面に付着物が均されてその薄層が均一に形成され
るような大きさとする。この状態は、ブラシロール７．
８と冷却ドラム１゜２の接触線上で、０．０５〜０．２
　ｋｇ／　ｍｍの範囲にある面圧を与えたときに得られ
ることが判明している。

ブラシロール７．８は、第２図（ａ）のように、細いワ
イヤ１８を植設したブラシ帯１９をフランジ２０上にス
パイラル状に巻きつけた上、ところどころを点溶接２１
で固定してできる第２図（ｂ）のようなものがよいが、
ディスク状のブラシを多数積層したものでも、またフラ
ンジ２０上に直接ワイヤを植設したものでもよい。

植毛されるワイヤ１８は５ＷＲＨ７２Ａ等の硬鋼線で、
付着物をかき落とすよりも、かき均すのが目的であるか
らなるべく細いものがよいので、ワイヤ１８の径は０．
１５　ｍ＋ｎとし、植設する前に波形又はジグザグ形に
細かな曲折を形成したものを使用する。

ブラシロール７・８のワイヤ１８の植設は粗密のむらが
あってはならず、均一に分布している必要がある。ワイ
ヤ１８の長さは実施例では４４．８ｍｍであり、冷却ド
ラム１．２にブラシロール７．８が所定の押圧力で押し
付けられて相対回転するときに、ワイヤ１８がなじみ方
向に僅かに曲がって、冷却ドラム１，２の表面を傷つけ
ない程度の長さとする。

ブラシロール７．８の回転数は、第４図に示すようにあ
まり大きくすると植設されたワイヤ１８が遠心力で磨き
ブラシの有効径が小さくなり、冷却ドラム１，２０表面
から離れる結果、付着物の膜の厚さが大になったり不均
一になったりするので、磨き量を極力小さくしなければ
ならない。実施例の場合はスパイラルタイプのブラシロ
ールであって、回転数は６００ｒｐｍとしている。回転
方向は、第３図に示すようにそのブラシロール７又は８
が摺接する相手の冷却ドラムの回転方向と同じ方向を選
び、冷却ドラム１．２上に均一に均されたあと、余分と
なる付着物が下方にかき落されるようにする。

ブラシロール７．８の駆動は、第１図に示されている実
施例では、ブラシロール７．８の軸９゜１０に取付けら
れたプーリ２２と支点軸１３上で遊転する複合プーリ２
３との間にベルト２４を掛け、更にモータ２５の回転軸
に取付けられたプーリ２６と前記複合プーリ２３との間
にベルト２７を掛けて構成した伝動装置によって行なっ
ているが、勿論性の伝動装置でもよい。

図示実施例では、移動鋳型として冷却ドラム１゜２を有
する双ドラム方式のものをとり上げたが、本発明はその
他の方法の移動鋳型についても適用することができる。

〔発明の効果〕

本発明を実施することによって、ステンレス鋼のように
薄肉の連続鋳造が難かしいとされていた金属でも、１〜
１０加程度の均一な厚さを有する薄肉鋳片を容易に製造
することができ、しかも縦割れ、横割れ、しわ、くぼみ
、などの欠陥を殆んど完全に防止することができる。

また、本発明のブラシロールは従来のブラシロールシス
テムのように移動鋳型の表面の付着物をかき落とすのが
主目的ではなく、表面を強く擦らないから、鋳型表面の
メツキ層を傷つけるようなこともなく、鋳型の寿命を長
くすることができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はツインドラム方式の連続鋳造機の要部構造を示
す斜視図、第２図はスパイラルタイプのブラシロールの
製造過程を示す斜視図で、（ａ）は巻きつけ工程を、（
ｂ）は完成品を示す。第３図は冷却ドラムとブラシロー
ルの摺接状況と各回転方向を示す概念図、第４図はブラ
シロールの回転数とブラシの毛先の浮上り量との関係を
実測して示す線図である。 １．２・・・冷却ドラム（移動鋳型）、３・４・・・サ
イド堰、　　５・・・湯溜り部、６・・・薄肉鋳（鋼）
片、　７．訃・・ブラシロールベ１３・・・支点軸、　
　　　　１４・・・腕、１６．１７・・・圧縮スプリン
グ、 １８・・・ワイヤ、　　　　　１９・・・ブラシ帯、２
０・・・フランジ、　　　　２１・・・点溶接、２５・
・・モータ。 （ｂ） ２〕 （ａ） 第１図 第３図 ２５・・・モータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 溶融金属を冷却して成形する移動鋳型と、前記移動鋳型
   に摺接して回転することによって前記移動鋳型の表面に
   均一な厚さの付着物層が形成されるように表面をかき均
   すブラシロールとを備えており、前記ブラシロールは、
   外径が１５０〜２５０ｍｍ、素線径が０．０５〜０．３
   ｍｍで波形に形成された硬鋼線材が植設されていて、前
   記移動鋳型の表面に対し軸方向に均一な０．０５〜０．
   ２ｋｇ／ｍｍの力で押圧され、５００〜２０００ｒｐｍ
   の回転速度で前記移動鋳型の回転方向と同一の方向に駆
   動されるようになっていることを特徴とする移動鋳型に
   よる薄板連続鋳造機用ブラシ装置。