JPH0311796Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は無停電で高圧カツトアウトのヒユー
ズ筒または高圧カツトアウト自身の取替え工事が
でき、構造が簡単で容易かつ確実に通電ができる
高圧カツトアウト用活線バイパス器具に関するも
のである。

（従来技術） 近時変圧器の一次側に取り付けられる高圧カツ
トアウトは保守の軽減、停電の回避等の要求が強
くなり、これに対処すべくヒユーズエレメント部
を２本化したダブルヒユーズがある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このダブルヒユーズの場合にし
ても１本のヒユーズエレメントが溶断したときに
はこれを取替えるために一時的に電路を開放しな
ければならず、ヒユーズを２本にしたことによつ
て停電時間は減少するにしてもヒユーズ取替時の
停電は避けがたいものであつた。

これを解決するために無停電型ダブルカツトア
ウトが開発されたが構造が複雑となり、信頼性に
やや難点があり、さらに高価になる欠点があつ
た。

また、カツトアウトの場合も長期間使用後のヒ
ユーズ劣化の点検，取替え、内部の汚染状態の調
査、その他の補修点検時にはやはりカツトアウト
を開放しなければならず停電させなければならな
い場合が数多くあつた。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は前記のような高圧カツトアウトのヒ
ユーズ筒の交換又は高圧カツトアウト自身の取替
え作業等における停電作業の問題点を解消するた
めになされたものであつて、この考案の高圧カツ
トアウト用バイパス器具は、良導体からなる筐体
の上部には電線挿通溝を有するフツク部を設ける
とともに、同筐体には前記電線挿通溝に挿通され
る電線に対して上下方向に進退可能な通電端子を
設け、該通電端子が進出時にあつては前記電線の
芯線と電気的に接続するように構成した一対の取
付部と、両取付部間を電気的に接続するケーブル
と、前記ケーブルに設けられ、電柱等のアームに
対して接地する接地部とから構成したことを要旨
とするものである。

（作用） 前記構成により、高圧カツトアウトの上部口出
線に接続される上側引下線及び高圧カツトアウト
の下部口出線に接続される下側引下線に対して、
この一対の取付部を取着して電気的に接続する。
そうすることにより、上下両引下線は短絡され、
この結果、高圧カツトアウトのヒユーズ筒の交
換，保守点検作業等が無停電のまま行える。

（実施例） 以下、この考案を円筒形カツトアウトに具体化
した一実施例を第１図〜第３図に従つて説明す
る。

バイパス器具１は電線に取着する一対の取付部
２と、両取付部２間を接続するケーブル３と、前
記ケーブル３の中間部に設けられる接地部４とよ
り構成されている。

取付部２は同一構成のため一方の取付部２につ
いて説明すると、一側が開放形成されるとともに
良導体からなる四角箱状の筐体５の上壁５ａ上面
には一側部からフツク部６が断面逆Ｕ字状に突設
され、同フツク部６と筐体５との間には電線挿通
溝７が電線を挿通可能に形成されている。前記筐
体５の上下両壁５ａ，５ｂには一対の棒状の通電
端子８ａ，８ｂが貫通され、その先端部が電線挿
通方向に並ぶように前記電線挿通溝７に対応配置
されている。

すなわち、同通電端子８ａ，８ｂはその上部が
筐体５の上壁５ａに対し回動かつ上下動可能に支
承されるとともに、その下部に雄ネジ９ａ，９ｂ
が刻設されて筐体５の下壁５ｂに対し螺合により
進退可能になつている。なお、一方の通電端子８
ａの雄ネジ９ａは右ネジに形成されており、又、
他方の通電端子８ｂの雄ネジ９ｂは左ネジに形成
される。

筐体５内において両通電端子８の中央部には互
いに噛合う歯車１０ａ，１０ｂがそれぞれビス１
１着されている。そして、筐体５から下方に露出
した下方の通電端子８ａの下端部には操作つまみ
１２が設けられている。又、筐体の上壁５ａから
突出した両通電端子８ａ，８ｂの上端部には先端
部が尖つた円錐状の接続部１３が形成されてい
る。

従つて、一方の通電端子８ａの操作つまみ１２
をＰ矢印方向に回動すると、通電端子８ａは上動
される。そして、通電端子８ａの歯車１０ａがＰ
矢印方向に回動されると、歯車１０ａに噛合う歯
車１０ｂがＱ矢印方向に回動することにより、他
方の通電端子８ｂも同矢印方向に回動されるた
め、同通電端子８ｂも上動する。

前記筐体５の反開放側面にはケーブル３の一端
に設けられた圧縮端子１４がボルト１５着により
接続されている。なお、１５ａは座金である。前
記筐体５はケーブル３の一端が前記のように接続
された状態で前記電線挿通溝７及び筐体５の上面
を除いて絶縁性の合成樹脂により絶縁モールド１
６されている。

接地部４について説明すると、ケーブル３の中
央部には接地金具１７が取着され、接地金具１７
の先端部には取付金具１８がボルト１９着されて
いる。同取付金具１８は水平部２０と垂直部２１
とによりＬ字状に形成されており、その水平部２
０の基端部側には長孔２２が透設されている。前
記取付金具１８にはＬ字状をなす締付棒２３の基
端部が前記長孔２２に対し挿通され、基端部に螺
合したナツト２３ａ（第３図参照）により長孔２
２から抜け防止が図られているとともに、長孔２
２に対し水平移動可能になつている。

前記締付棒２３の先端部は取付金具１８の垂直
部２１に対し挿通されており、垂直部２１から突
出したネジ部２３ｂには蝶ナツト２４が螺合され
ている。

なお、締付棒２３の先端部において蝶ナツト２
４と垂直部２１との間には締付け板３５が挿通さ
れている。従つて、蝶ナツト２４を締付けること
により、締付棒２３は長孔２２を水平移動させて
締付棒２３と取付金具１８間に挿入される電柱の
アーム等を両者１８，２３で挟着する。

第３図について説明すると、高圧線（図示しな
い）から分岐されて引下げされた上側引下線２５
は電柱の高圧引下線用アーム２６に設けられた引
留碍子２７を介して筒形カツトアウト２８の上部
口出線２９に接続されている。筒形カツトアウト
２８の下側口出線３０は本体碍子２８ａの下部外
周から導出され、下方に配置される変圧器（図示
しない）に接続される下側引下線３１に接続され
ている。

なお、３２は上側引下線２５と上部口出線２９
とを接続するPDコネクタ直線用、３３は下側引
下線３１と下部口出線３０とを接続するPDコネ
クタ直線用である。

さて、上記のように構成されたバイパス器具１
の使用方法について説明する。

このバイパス器具１はダブルヒユーズにおいて
一本のヒユーズが溶断して、２本目のヒユーズに
よつて通電中にこれを取替えようとする場合と
か、同じくダブルヒユーズや単独ヒユーズのカツ
トアウトスイツチの場合のヒユーズ劣化時の点
検、取替、その他の補修点検時に使用する。

例えば第３図に示すように筒形カツトアウト２
８が通電されている状態で内装されたヒユーズ
（図示しない）が劣化している場合にこれを無停
電で取替えるには、まず、バイパス器具１の接地
部４をその取付金具１８と締付棒２３との間に引
下線用アーム２６を挿通して蝶ナツト２４を締付
けることにより取付けする。

次に、両取付部２の電線挿通溝７に対しそれぞ
れ上側引下線２５及び下側引下線３１を挿通した
後、それぞれ各取付部２の一方の通電端子８ａを
操作つまみ１２を介して第２図に示すようにＰ矢
印方向に回動する。すると、通電端子８ａは上動
され、通電端子８ａの歯車１０ａがＰ矢印方向に
回動されると、歯車１０ａに噛合う歯車１０ｂが
Ｑ矢印方向に回動することにより、他方の通電端
子８ｂも同矢印方向に回動されるため、同通電端
子８ｂも上動する。

この操作つまみ１２の回動により、両通電端子
８ａ及び８ｂの接続部１３が上下両引下線２５，
３１の絶縁被覆を破り、芯線（図示しない）に対
し直径方向に接続される。

この結果、上下両引下線２５，３１間はバイパ
ス器具１により短絡されてバイパスの電路が形成
されるので、無停電のまま前記筒形カツトアウト
２８内のヒユーズを引き外して取替えたり、点検
したり、補修したりすることができる。

そして、ヒユーズの取替作業を終了して筒形カ
ツトアウト２８が通電状態になつたとき、前記取
付部２は操作つまみ１２を介して前記とは反Ｐ矢
印方向に回動することにより、取外せばよい。

なお、前記実施例では筒形カツトアウト２８の
ヒユーズの取替え、保守点検の場合を説明した
が、筒形カツトアウト２８自身の取替作業を前記
手順によつて行なえば簡単に無停電で取替作業を
行なうことができる。又、箱形カツトアウトのヒ
ユーズ筒又は箱形カツトアウト自身の取替え作業
についても前記と同様に行なうことができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば異相間の短絡事故を未然に防止
するために、検相器付きとしてもよい。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案は構造が簡単でか
つ確実に電線に取着することができるとともに、
無停電のままカツトアウトのヒユーズの取替え作
業，劣化点検，補修作業等を行なうことができ、
また、高圧カツトアウト自身の無停電の取替工事
ができるという効果を奏するので産業利用上優れ
た考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例のバイ
パス器具の全体斜視図、第２図は取付部の切欠斜
視図、第３図はこのバイパス器具を取付けた状態
の斜視図である。 １……バイパス器具、２……取付部、３……ケ
ーブル、４……接地部、５……筐体、６……フツ
ク部、７……電線挿通溝、８ａ，８ｂ……通電端
子、９ａ，９ｂ……雄ネジ、１０ａ，１０ｂ……
歯車、３……接続部、１４……圧縮端子、１６…
…絶縁モールド、１７……接地金具、１８……取
付金具、２２……長孔、２３……締付棒、２４…
…蝶ナツト、２５……上側引下線、２６……アー
ム、２８……筒形カツトアウト、２９……上部口
出線、３０……下部口出線、３１……下側引下
線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 良導体からなる筐体５の上部には電線挿通溝７
   を有するフツク部６を設けるとともに、同筐体５
   には前記電線挿通溝７に挿通される電線に対して
   上下方向に進退可能な通電端子８ａ，８ｂを設
   け、該通電端子８ａ，８ｂが進出時にあつては前
   記電線の芯線と電気的に接続するように構成した
   一対の取付部２と、 両取付部２間を電気的に接続するケーブル３
   と、 前記ケーブル３に設けられ、電柱等のアームに
   対して接地する接地部４と から構成したことを特徴とする高圧カツトアウト
   用活線バイパス器具。