JPH0311387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、刈払機におけるエンジンの調速装置
に関する。

〔従来の技術〕

従来の刈払機においては、ハンドル側のスロツ
トルレバーによりスロツトルワイヤーを引き操作
しながら調速する状態で、エンジン側より逆にス
ロツトルワイヤーが引かれて減速する場合には、
急速な引き戻しとなる構造になつていたためにエ
ンジンが不整燃焼するとともに振動を起したり、
燃費も悪くなるといつた問題点を有していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、その問題点を解決したもので、スロ
ツトルレバーにより良好に減速できるとともに、
減速時にはスロツトルワイヤーの戻りがゆるやか
に行われることになつてエンジンの不整燃焼が行
われないよう、また燃費も良好となるように減速
させることができ、確実良好に作動する簡単な構
造にして好適に実施できるよう提供するものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

そのため、本考案では、ハンドルに回動自在に
枢支したスロツトルレバーの近傍のシリンダー内
には両端面にかけて貫通する逆止弁付きの小孔ま
たは単なる小孔を有したピストンを摺動自在に嵌
装し、シリンダーの開放側となる前記ピストンの
一方側端面と前記スロツトルレバーの回動先端側
とをワイヤー等の連結部材を介して連動連繋する
とともに、シリンダーの閉塞側より延出するスロ
ツトルワイヤーの端部を前記ピストンの他方側端
面に連動連繋して構成したものである。

〔作用〕

この構成により、スロツトルレバーを握りピス
トンを介しスロツトルワイヤーを引くと、増速時
は従来同様に安定した調速ができることになり、
減速時には、スロツトルレバーから手を離すと、
ピストンが所定の速度でゆるやかにシリンダー内
を移動しながらエンジン側にスロツトルワイヤー
が引かれるようにしてゆるやかに減速させること
ができることになる。

〔実施例〕 次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図は刈払機の斜視図を示し、駆動軸を内装
した操作桿８の一端側にはエンジンＥを連設し、
操作桿８の他端側に連設したギヤケース９の下方
には刈刃１０を軸架し、前記エンジンＥの近くと
なる操作桿８の部分には両端にグリツプ１１ａ，
１１ｂを有するハンドル１の中間部を連結金具１
２を介して固設し、前記エンジンＥよりハンドル
１の一方側にスロツトルワイヤー７を延設して従
来形構造同様に構成する。

パイプ形前記ハンドル１の一端側内部には一端
が端面１３で閉塞されて他端が開放するシリンダ
ー３を嵌着し、両端面に貫通する小孔４を適当数
有したピストン５をシリンダー３内に摺動自在に
嵌入し、その小孔４の内方端部には減速操作時に
閉となる逆止弁４ａを装着し、前記端面１３には
エンジンＥ側より延出するスロツトルワイヤー７
のアウター７ａ端部を衝合させるとともに端面１
３より内方に延出するスロツトルワイヤー７の端
部を前記ピストン５の他方側端面中央に連動連結
し、ピストン５の一方側端面中央に連結したワイ
ヤー６を外方に延設して構成するが、逆止弁４ａ
をつけない適当数の小孔４のみを形成したり、ま
た、逆止弁４ａ付きの小孔４と単なる小孔４とか
らなるように構成することもできる。

一方側端面１４の近傍外周に透孔１５を有する
円筒形の前記グリツプ１１ａをハンドル１の一端
側外周に嵌着し、前記シリンダー３の端部より前
記透孔１５を通して外方に突出する支持片１６の
先端部にはスロツトルレバー２の中間側部分をピ
ン１７を介して回動自在に枢着し、該ピン１７よ
り先方のスロツトルレバー２の先端部２ａ側を前
記透孔１５を通してグリツプ１１ａの先端内方に
延出できるように屈曲形成し、その先端部２ａ先
端に前記ワイヤー６の他端側を連動連結して構成
する。

したがつて、ハンドル１を握つて刈払機を操作
する状態で、スロツトルレバー２を握りグリツプ
１１ａ側へ矢印イで示すように回動させると、第
１図に示す状態から第３図に示す状態に変化し、
スロツトルレバー２の回動とともにワイヤー６を
介して引かれるピストン５は逆止弁４ａが開かれ
た状態でシリンダー３内を移動し、そこで、ピス
トン５によりスロツトルワイヤー７が引かれてエ
ンジンＥの回転数を上げ調速できることになる。

また、エンジンＥを減速させる場合には、スロ
ツトルレバー２から手を離すと、エンジンＥ側に
引き戻されるスロツトルワイヤー７がピストン５
を従動させることになるが、シリンダー３の閉塞
側に移動するピストン５は逆止弁４ａが閉じて隙
間から僅かにエアーが抜ける状態で抵抗を受けな
がらゆるやかに移動することになつてスロツトル
ワイヤー７もゆるやかに引き戻されることにな
り、そのため、従来のように急速に減速してエン
ジンＥが不整燃焼したり振動することなく減速で
きることになる。

第４図および第５図は他の実施例を示し、前記
実施例とは同一符号で示すように略同様に構成す
るが、閉塞側となるシリンダー３の内端側内周面
にはピストン５が全周接触する状態となる円形内
周面３ａを形成するとともに、開放側内周面には
ピストン５が嵌合できるがそれより大径となるス
プライン状溝３ｂを形成して構成する。

したがつて、減速時に、スロツトルワイヤー７
によりピストン５が移動させられる状態で、始め
にスプライン状溝３ｂ内を移動する際には移動抵
抗がなくて従来同様に早く移動することになり、
次いで、円形内周面３ａ内では前記実施例と同様
に移動抵抗が多くなつて遅くなり、そのために、
始めは早くて次いで遅くなる２段階の減速が行わ
れることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、スロツトルレバー２を握
りピストン５を介しスロツトルワイヤー７を良好
に引きながら従来同様に安定した調速ができるこ
とになり、減速時には、スロツトルレバー２から
手を離すと、程良い抵抗がかかつてシリンダー３
内をピストン５がゆるやかに移動しながらエンジ
ン側にスロツトルワイヤー７が引かれ、従来のよ
うに急速に引かれてエンジンが不整燃焼したり振
動を起すことなく、ゆるやかに減速できることに
なり、そのため燃費も良くなり、確実良好に作動
する簡単な構造で好適に実施できる特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の断面図、
第２図は刈払機の斜視図、第３図は第１図の作動
説明図、第４図は他の実施例の断面図、第５図は
第４図の−線における断面図を示す。 １……ハンドル、２……スロツトルレバー、３
……シリンダー、４……小孔、４ａ……逆止弁、
５……ピストン、６…ワイヤー、７……スロツト
ルワイヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドル１に回動自在に枢支したスロツトルレ
   バー２の近傍のシリンダー３内には両端面にかけ
   て貫通する逆止弁４ａ付きの小孔４または単なる
   小孔４を有したピストン５を摺動自在に嵌装し、
   シリンダー３の開放側となる前記ピストン５の一
   方側端面と前記スロツトルレバー２の回動先端側
   とをワイヤー６等の連結部材を介して連動連繋す
   るとともに、シリンダー３の閉塞側より延出する
   スロツトルワイヤー７の端部を前記ピストン５の
   他方側端面に連動連繋して構成したことを特徴と
   する刈払機におけるエンジンの調速装置。