JPH031111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は外圧過式の限外過モジユールを用
いた無菌水供給装置に関するものである。

従来より電子工業、医薬品製造業等で使用する
水の中には微粒子数や細菌数を厳しく管理しなけ
ればならない水があり、超純水あるいはパイロジ
エンフリー水（以下無菌水という）と呼ばれてい
る。このような無菌水は通常逆浸透、イオン交
換、0.22〜0.45μのミクロフイルター、紫外線
（UV）ランプなどを組み合せた用水センンター
で製造され供給配管を通つて各クリーンベンチ
（ユースポイント）へ給水される。クリーンベン
チで使われなかつた残りの無菌水は回収配管で用
水センターへ送り返されイオン交換、ミクロフイ
ルター、UVを通つて再純化されてからクリーン
ベンチに送られる。クリーンベンチではチエツク
フイルターとして限外過中空糸膜を収納した内
圧循環過式の限外過モジユールが使われてお
り一度クリーンベンチのバルブを閉めても再び開
けてフラツシユアウトすれば直ちに比抵抗の高い
良質の無菌水を使うことができる。しかしながら
内圧循還過式の限外過モジユールでは、中空
糸を透過した液が中空糸の外部と筐体の内部に
滞溜することは避けられずクリーンベンチのバル
ブを長時間閉じた状態にしておくと限外過モジ
ユール内に滞溜した無菌水の比抵抗が下がつてし
まい再びバルブを開いても無菌水の比抵抗が正常
な値にもどるまでには長時間フラツシユアウトし
なければならない。外圧全過式の限外過モジ
ユールでは膜を透過した高価な無菌水を多量に捨
てることになり実用上大きな問題であつた。

本考案者らは上記問題点を解消するため鋭意検
討した結果従来限外過モジユールの負荷が増大
する恐れがあるために全く検討されていなかつた
限外過モジユールで過された液を用水セン
ターに返送する方式に着目し、更に検討した結果
本考案に到達したものである。すなわち本発明は
用水センターよりクリーンベンチへ無菌水を供給
する配管と、クリーンベンチへ供給された無菌水
の一部を回収して用水センターへ返送する配管と
の間に、先端が封止された多数の中空糸の他端
を、各中空糸が開口するように接着剤で集束固定
した中空糸カートリツジを筐体内に収納した、中
空糸の外部と連通する原水入口および中空糸の内
部と連通する液出口を有する外圧全過式の限
外過モジユールを配置するともに、該モジユー
ルの原水入口を、クリーンベンチへ無菌水を供給
する配管に設けられた支管に接続し、かつ液出
口を、無菌水の一部を回収して用水センターへ返
送する配管に設けられた支管に接続し、さらに該
支管にバルブを介して液出口管を連結して、該
限外過モジユール内に収納された中空糸の壁膜
を透過した液を用水センターへ返送させつつ、
液を該返送配管に設けられた支管に連結された
バルブを介して液出口管から排出するよう構成
したことを特微とする無菌水供給装置である。

本考案装置では原水を全量過し、かつ液を
用水センターへ返送しつつ、バルブを介して液
を排出するため常時限外過モジユール内に流れ
が生じて該モジユール内に無菌水が滞溜すること
がないため、わずかにフラツシユアウトすれば再
使用することができる。

次に本考案装置の一実施例を図面にて説明す
る。第１図に示すように用水センターより供給配
管１で送られてきた無菌水は支管３を通つて外圧
式の限外過モジユール２の原水入口よりモジユ
ール内に供給される。限外過膜を透過した過
水は液出口に接続された支管４に設けられた
液出口管７より取り出されて使われる。使用され
ずに残つた無菌水は回収配管５から用水センター
へもどされる。バルブ６を閉にしておくと限外
過された液水の全量が回収配管に集められて用
水センンターへもどつていくことになる。上記
液管から取り出す無菌水の流量を調整するために
支管４にバルブを取着し、使用時にこのバルブを
閉止し、不使用時にバルブを開けるようにしても
よい。

限外過膜を内蔵した外圧式のモジユール２の
一例を第２図に示す。該モジユールは下端が実質
的に封止され、上端が開口した多数の中空糸１７
の上端を接着剤８で集束固定した中空糸束を、上
端に開口を有する筐体９内に収容し、かつ該中空
糸束の集束固定部に接続固定されたキヤツプ体１
０を、相互間隔をおいて配置された少くとも２つ
のパッキン１１を介して、底壁に原水入口及び
液出口と連通する２つの開口を有する蓋体１２の
液出口側の開口内に液密に挿入している。そし
て上記筐体を蓋体に液密に取着して、中空糸束の
集束固定部に接続固定されたキヤツプ体の挿入状
態を保持している。また、上記蓋体の側壁には複
数のパツキンの間に開口する洩出液出口１３が穿
設されている。上記モジユールの原水入口より筐
体内に供給された原水は全量過されて中空糸の
内側からキヤツプ体を通つて液出口から導出さ
れる。限外過モジユールにおいて原水の液水
側への洩れは絶対に避けなければならないが第２
図のモジユールではシール部材の欠陥によつて洩
出した原水は洩出液出口より外部へ導出されるた
め原水が液水側へ洩れることはない。

上記モジユールに収容される中空糸は限外過
オーダーの例えばポリスルホン系、ポリプロピレ
ン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリ
イミド系、ポリフツ化ビニリデン系、ポリアクリ
ロニトリル系、ポリビニルアルコール系などから
なる中空糸を用いることができる。

以上のように本考案装置は限外過モジユール
に常に流れを生じさせることによりわずかにフラ
ツシユアウトするだけで使用することのできる実
用上極めて有用な装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の無菌水供給ラインの一例であ
り、第２図は限外過モジユールの一例を示す断
面図である。 １……無菌水供給配管、２……限外過モジユ
ール、３……支管、４……支管、５……返送配
管、６……バルブ、７……液出口管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 用水センターよりクリーンベンチへ無菌水を供
   給する配管１と、クリーンベンチへ供給された無
   菌水の一部を回収して用水センターへ返送する配
   管５との間に、先端が封止された多数の中空糸の
   他端を、各中空糸が開口するように接着剤で集束
   固定した中空糸カートリツジを筐体内に収納し
   た、中空糸の外部と連通する原水入口および中空
   糸の内部と連通する液出口を有する外圧全過
   式の限外過モジユール２を配置するとともに、
   該モジユールの原水入口をクリーンベンチへ無菌
   水を供給する配管に設けられた支管３に接続し、
   かつ液出口を無菌水の一部を回収して用水セン
   ターへ返送する配管に設けられた支管４に接続
   し、さらに該支管４にバルブ６を介して液出口
   管７を連結して、該限外過モジユール内に収納
   された中空糸の壁膜を透過した液を用水センタ
   ーへ返送させつつ、その一部を該返送配管５に設
   けられた支管に接続されたバルブ６を介して液
   出口管から排出するよう構成したことを特微とす
   る無菌水供給装置。