JP3575489B2 - ケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ル - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は中空糸膜を用い気体や液体を分離する中空糸膜モジュ−ルに関し、さらに詳細には円筒状ケ−スハウジングに収納した中空糸膜モジュ−ルをさらに複数集合させたケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に中空糸膜モジュ−ルは一定容積内のろ過膜面積が大きくとれ装置を小型化できるため、種々の膜分離用の用途に利用されている。中空糸膜モジュ−ルは通常複数の中空糸膜から成る中空糸膜束を中空糸膜相互間とケ−スハウジングとを樹脂などにより接着封止させ、中空糸膜の少なくとも片端端部面を開口した状態で構成させている。これらの中空糸膜モジュ−ルは、大量処理を必要とする用途には2本以上の中空糸膜モジュ−ルを並列に配管し、大きなろ過膜面積を有するようにして対応するか、あるいは1本の中空糸膜モジュ−ルを単に大型化することで対応している。また、これら以外にもプラスチックネットなどの流路材で中空糸膜束を保護し、中空糸膜束の両端部を流路材と共に接着封止したカ−トリッジを多数本ケ−スハウジングに納めたカ−トリッジ型の大型モジュ−ルなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記配管による場合には多数本の中空糸膜モジュ−ルを連結するために、多くの配管が必要となり装置も複雑になる上、コスト的にも不利益を生じ、単に大型化した中空糸膜モジュ−ルでは操作上の不都合がある。またカ−トリッジ型の大型モジュ−ルの場合には、製造上の技術的な困難さや製造時の取扱いの困難さがあり、加えて品質の均一な信頼性のある中空糸膜モジュ−ルを供給するには高い技術を要し、コスト的にも高いものとなる。さらに、ケ−スハウジング中に構造上の多量の空間ができ、これは中空糸膜を洗浄あるいは殺菌する際に、薬剤などのモジュ−ル内への充填あるいは逆に薬剤を完全に除去するのに長い時間を必要とするという種々の問題がある。したがって、本発明の目的は、中空糸膜モジュ−ルを大型化するにあたり、装置の配管を複雑にせず、ケ−スハウジング内の空間を極力小さく抑えた、品質が均一で、かつ操作性に優れた中空糸膜モジュ−ルを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記目的を達成させるため鋭意検討の結果、円筒状ケースハウジングを多数本集合させ特異に連結させることで、ケース内の空間を抑え、操作性の優れた中空糸膜モジュールを得ることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、「内部に中空糸膜が装填され、2列で4本以上が平行に集合された円筒状ケースハウジングの両端が各1つの成形体ヘッドに連結、かつ、固定されているケースハウジング集合型分離膜モジュールであって、少なくとも1方の成形体ヘッドが液体またはガスの出入りのためのポートを有し、かつ、各円筒状ケースハウジング内の中空糸中を液体またはガスが各々平行して流れ、1段ろ過されるように流体分配機能を有する流路を該ヘッド内部に具備し、かつ円筒状ケースハウジングの側面に有するポートが、列ごとに同一方向を向いて1つに集合されているか、あるいは1つの集液または集ガス体に連結されてなるケースハウジング集合型分離膜モジュール」および「少なくとも1つの内部には中空糸膜束を含む分離膜が装填され、2列で4本以上が平行に集合された円筒状ケースハウジングの両端が各1つの成形体ヘッドに連結、かつ、固定されているケースハウジング集合型分離膜モジュールであって、少なくとも1方の成形体ヘッドおよび円筒状ケースハウジングの側面には液体またはガスの出入りのためのポートを少なくとも1つ有し、円筒状ケースハウジングの側面に有するポートの1つが1つの集液または集ガス体と連結されていると共に、少なくとも1つの円筒状ケースハウジングの分離膜によりろ過された透過液またはガスが他の円筒状ケースハウジングの供給原液またはガスとなるように、成形体ヘッド内部に流体分配機能を有する供給原液またはガスの流路、及び1つの集液または集ガス体を設定することにより2段ろ過を可能としたケースハウジング集合型分離膜モジュール」
を提供するものである。以下、詳細に本発明を説明する。
【0005】
本発明に使用する円筒状ケ−スハウジングの本数は4つ以上であれば数に制限はないが、4〜20本を集合させることが好ましく、より好ましくは4〜10本である。これらの数の円筒状ケ−スハウジングを集合させることで、モジュ−ル中に供給される原水も均一に分配され取扱い上も簡便であり、しかも大型化による効果も充分に得ることができる。
【0006】
本発明の円筒状ケ−スハウジングの集合状態としては、各円筒状ケ−スハウジングが並列に集合し、4本以上集合させた場合には個々の円筒状ケ−スハウジングが2列で平行に集合され、この列ごとに円筒状ケ−スハウジング側面に用意されたポ−トが同一方向を向くように設置させることが好ましい。この設置形態であれば、列ごとに1本の配管で円筒状ケ−スハウジング側面のポ−トを全て接続することができ、例えば2列で構成される場合には2本の配管で4本以上の円筒状ケ−スハウジング側面のポ−トを全て接続できることになる。ただし、円筒状ケ−スハウジングを集合させる場合に、ケ−スハウジング列は完全に平行でなくても良く、多少ねじれていても構わないし、長さ方向に多少ずれていても構わないが、平行であれば単位容積当たりの収納効率が高くなり、より好ましい。
【0007】
集合させた円筒状ケースハウジング内には、少なくともその1つの内部に中空糸膜束を含んでいればよい。また、中空糸膜の種類についても、集合させた円筒状ケースハウジングの全てに同一の中空糸膜が入っている必要もない。しかし全ての円筒状ケースハウジングに同じ種類の中空糸膜が装着されているものは一般的で、使用しやすい。
【0008】
本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールでは、円筒状ケースハウジング内に用いる中空糸膜の孔径に関しては逆浸透膜領域における数オングストロームから数100μm程度のラフなろ過までどのような孔径のものでも使用可能である。また、それらの材質としても制限はなく、例えば、酢酸セルロース系樹脂、ポリエーテルスルホンやポリスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、フッ素基含有樹脂、セルロース系樹脂、AS樹脂、セラミックス、ステンレススチールなどが例示され、さらにこれらが複合的に組み合わされているような複合膜でもよい。ろ過の目的に合わせ適宜選択することが可能である。
【0009】
本発明に用いる中空糸膜モジュ−ルの大きさは特に制限はないが、長さとして10〜300cmが好ましく、より好ましくは50〜200cmである。また、太さに関してはどのような太さでも特に制限はないが、1本の円筒状ケ−スハウジングに装填される中空糸膜束としては、直径1〜30cmが好ましく、さらには直径3〜20cmの太さがより好ましい。
【0010】
本発明に用いる円筒状ケ−スハウジングの内層ならにび外装の材質としては特に制限はなく、例えばポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレ−ト系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、AS樹脂、4−フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素基含有樹脂、鉄、ステンレルスチ−ル、セラミックス、ガラスなどを例示することができ、供給原水や設置環境などにより適宜選択することができる。
【0011】
中空糸膜束の円筒状ケースハウジングへの装着方法としては、例えば、中空糸膜束をU字に曲げて端面の中空糸膜相互間と円筒状ケースハウジングとを接着封止させ後に中空糸膜を開孔させる方法、あるいは中空糸膜束の両端の中空糸膜相互間と円筒状ケースハウジングとを樹脂により接着封止あるいはO−リングにより固定させ後に中空糸膜を開口させる方法などを用いることができる。これらの内、特に後者はクロスフロー方式による水処理運転において濁質成分の除去を行うような場合に、中空糸膜モジュールの洗浄ならびに殺菌処理を行い易く、本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールとして特に好ましい。
【0012】
本発明における円筒状ケ−スハウジングには、側面に液体またはガスの出入のためのポ−トを有する。このポ−トは直接配管接続されていても良いが、個々のポ−トが全て1つの集水体に連結されていることが好ましい。これにより個々のポ−トを連結した集水体として配管すれば、本発明の中空糸膜モジュ−ルをつなぐ配管はより簡素化される。この様な集水管を用いた配管においても円筒状ケ−スハウジングは2本以上平行に集合させれば良く、大型化の効果を有効に得るには4本以上集合していることがより好ましい。
【0013】
本発明における1つの集水体としては、ケ−スハウジングの側面の1つのポ−トを連結する部分が1つの部品でできており、配管状の継ぎ部分がないものが好ましく用いられる。また、集水体とケ−スハウジング側面のポ−トの連結としては、薬剤による接着や溶接でもよく、ガスケットやO−リングによって封止しても良い。
【0014】
本発明における1つの成形体ヘッドとは、図2および図5に示すように4本以上の円筒状ケースハウジングの両端部を連結させる部分であり、成形体ヘッドと円筒状ケースハウジングを連結させる部分は1つの部品で構成され、配管状の継ぎ部分がないものが好ましい。しかし、成形体ヘッド全体としては1つの部品のみで構成される必要はなく、付属する部品が取り付けてあっても、また複数の部品が取り外し不可能なように接着あるいは固定されていてもよい。
【0015】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールに使用される成形体ヘッドの円筒状ケースハウジング両端への連結および固定方法は、例えば差し込み後、接着剤による接着や溶接が可能であり、あるいは円筒状ケースハウジング端部にガスケットやO−リングを備え、成形体ヘッドとの間を封止してもよい。固定はボルトやタイロッドにより行ってもよい。
【0016】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールに使用される円筒状ケースハウジングの両端を連結する成形体ヘッドの形状としては、これら成形体ヘッドを有する円筒状ケースハウジングをさらに複数集合させたときに、ゆるみなく固定できる形状であることが好ましく、円柱状あるいは直方体状が好ましい。しかしこの要件を満たせば、例えば、直方体の8つある隅の全てを大きく切り落とした8角柱状などでもよいが、本発明においては直方体状の成形体ヘッドであることが特に好ましい。
【0017】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールに使用される成形体ヘッドには中空糸膜束へ供給する液体またはガスの出入口を配置することができ、その配置はどのような部位にあっても良いが、側面に配置してあれば取扱の上で特に好ましい。本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールは、大きなろ過膜面積を有するためその重量も大きくなる。従って、液体またはガスの出入口が直方体状ヘッドの側面にあれば、平坦な場所に設置されたケースハウジング集合型分離膜モジュールを移動させることなく、その側面に簡便に配管を取り付けあるいは取り外すことができる。また、成形体ヘッドの側面に配置された出入口から供給あるいは排出される液体またはガスの通路としては、それぞれの円筒状ケースハウジングに通じるように各円筒状ケースハウジングの上部に連絡させることも、また4本の集液または集ガス体に直接連結させることもできる。
【0018】
本発明における成形体ヘッドならびに集液または集ガス体の材質としてはプラスチックやセラミックス、金属などの有機、無機素材を使用することができる。プラスチック材料としてはポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ4−フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素基含有樹脂などを例示することができる。また無機材料としては前記セラミックスのほか、鉄、ステンレススチールなどを使用することができ、ケースハウジング集合型分離膜モジュールに供給される液体またはガスに応じて選択すればよい。
【0019】
本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールにおいては、それぞれの円筒状ケースハウジングに供給する原液またはガスを同一の方向に流すことも、あるいは異なる方向に流すことも可能である。例えば図6(a)および図6(b)に示したように成形体ヘッド側面の出入口から供給された原液またはガスをそれぞれ別の円筒状ケースハウジング中の中空糸膜束に供給できるように原液またはガスの通路を配置する。4本の円筒状ケースハウジングからなるケースハウジング集合型分離膜モジュールの場合には、例えば成形体ヘッドの内部を図6(b)のように、3つのケースハウジングに同一方向に原液を供給する。4本の円筒状ケースハウジングの中の中空糸膜モジュールに対する原液またはガスの流れは、入口6−5から入った原液またはガスが3本のケース中にある中空糸膜6−8の内側から外側へ向かってろ過される。このろ過液またはガスは集液または集ガス体を通りさらに残った1本のモジュールの中空糸膜モジュールによって外側から内側にろ過され出口6−6から2段ろ過された液またはガスとして出ていくことになる。このように供給原液またはガスの流路を設定することにより2段ろ過も可能となる。
【0020】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールにおいては、円筒状ケースハウジング内の中空糸膜外側の空間を少なくし、大きな膜面積を収納することができる。本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールでは通常のカートリッジ型大型モジュールにはない、中空糸膜外側の空間容積が小さいモジュールを得ることができる。
【0021】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールは、どのような分野の用途にも適用することができる。例えば、河川水、湖水のろ過や原子力発電、火力発電用水のろ過、復水のろ過、水の除菌、廃液のろ過回収、食品のろ過、有機溶剤のろ過や分離、液体の脱ガス、液液抽出など種々の用途に利用できる。これらの内では、膜の洗浄や、殺菌を定期的に行う必要のある用途、例えば河川水や湖水のろ過、クラッド類(コロイドや微粒子成分)のろ過、水の除菌などに特に適している。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
内径800μm、外径1300μmの酢酸セルロース製中空糸膜4700本からなる中空糸膜束を、内径11.8cm、外径12.2cmの円筒状ネットに挿入し、さらに内径12.7cm、外径13.7cm、長さ110cmのアクリル製円筒状ケースハウジングに挿入した後、ウレタン接着剤を用いて中空糸膜束と円筒状ネットの両端部を、中空糸膜束の有効長さが100cmになる様に遠心接着した。硬化後、両端部の中空糸膜を開口させた。この様にして合計4本の中空糸膜束を含む円筒状ケースハウジングを得た。次にこれらを図8に示したような構造の集水体および成形体ヘッドにとりつけ、さらに成形体ヘッドの両端部に補助ヘッドを取り付け、タイロッドで両補助ヘッド間を締め付け、中空糸膜モジュールを完成させた。このモジュールの中空糸膜の有効部分の外側表面の膜面積Bは768,000cm2であった。次にこのモジュールに純水を透過させ、モジュール内の全てに純水を満たし、完全にエアーを抜いた。次いでモジュールの中空糸外側の空間にあたる部分の純水のみを抜いてこれを測定したところ、中空糸膜の外側の空間容積Aは27,000cm3であった。次にこのモジュールの中空糸膜外側の空間にあたる部分に付いている1個のノズルから流量10m3/hrで食塩水を全量ろ過したところ、ろ過液の濃度がろ過前の液の濃度の97%以上になるのに20秒を要した。
【0024】
(比較例1)
実施例で使用したものと全く同一の中空糸4700本の中空糸膜束と、円筒状ケースハウジングの両端部を実施例と同様にしてウレタン接着剤を用いて遠心接着した。この様な中空糸膜束を同様にして4束作成した後、これらをコンパクトに束ねて内径29.8cm、外径31.8cm、長さ140cmのポリ塩化ビニル製パイプに挿入した後、中空糸膜束の有効長さが100cmになるように4束をパイプに接着封止して、中空糸膜束を確保した。さらにこのパイプの両端部にキャップヘッドを取り付けて、大型の中空糸膜モジュールとした。このモジュールの中空糸膜の有効部分の外側表面の膜表面積Bは768,000cm2であった。次に実施例1と同様にして、中空糸膜の外側の空間容積Aを測定したところ、44,800cm3であった。次に実施例1と同様にして、ろ過液の濃度がろ過前の液の濃度の97%以上になるのに要する時間を測定したところ45秒を要した。すなわち、同じ膜面積を有する実施例と比較例1におけるモジュールとを比較した場合、実施例におけるモジュールの方が空間容積が小さくてデッドスペースが少ないことが明かである。
【0025】
【発明の効果】
本発明のケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ルを用いることで、モジュ−ルの出入口をつなぐ配管をシンプルにでき、コスト的にも有利になる。さらに中空糸膜の外側容積が小さく、ケ−スハウジング内に構造上の無駄な空間のない大型大量処理用モジュ−ルができる。しかもこのケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ルを用いれば定期的な洗浄、殺菌を行う際にも操作性良く実施することができる。加えて、ケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ル内の流路の設定により、2段階ろ過も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが同一方向を向き、各ポートからの液体を1個に集合させたケースハウジング集合型分離膜モジュールの横断面図。
【図2】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが同一方向を向き、かつ、成形体ヘッドの形状が直方体状の本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールの全体斜視図。
【図3】図2に示したケースハウジング集合型分離膜モジュールの縦断面図。
【図4】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが1つの集水体に連結されているケースハウジング集合型分離膜モジュールの横断面図。
【図5】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが1つの集水体に連結され、かつ、成形体ヘッドの側面に液体またはガスの出入口を設けた、成形体ヘッドの固定にタイロッドを用いて2つの成形体ヘッドで円筒状ケースハウジングを締め付けている本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールの全体斜視図。
【図6】(a):4本の円筒状ケースハウジングの中の中空糸膜に対する液体の流れが中空糸膜の内側から外側へとろ過する円筒状ケースハウジングと外側から内側へとろ過する円筒状ケースハウジングからなり2段階ろ過が可能になるケースハウジング集合型分離膜モジュールの縦断面図。
(b):(a)のヘッド内部の平面図。
【図7】図5に示した円筒状ケースハウジングの保護とモジュール全体のイメ−ジ向上のため外パネルで覆ったケースハウジング集合型分離膜モジュールの全体斜視図。
【図8】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させたケースハウジング側面のポートが1つの集水体に連結され、この集水体上部から液体またはガスが成形体ヘッド側面へ通じるよう通路ならびに出入口を配置したケースハウジング集合型分離膜モジュールの縦断面図。
【産業上の利用分野】
本発明は中空糸膜を用い気体や液体を分離する中空糸膜モジュ−ルに関し、さらに詳細には円筒状ケ−スハウジングに収納した中空糸膜モジュ−ルをさらに複数集合させたケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に中空糸膜モジュ−ルは一定容積内のろ過膜面積が大きくとれ装置を小型化できるため、種々の膜分離用の用途に利用されている。中空糸膜モジュ−ルは通常複数の中空糸膜から成る中空糸膜束を中空糸膜相互間とケ−スハウジングとを樹脂などにより接着封止させ、中空糸膜の少なくとも片端端部面を開口した状態で構成させている。これらの中空糸膜モジュ−ルは、大量処理を必要とする用途には2本以上の中空糸膜モジュ−ルを並列に配管し、大きなろ過膜面積を有するようにして対応するか、あるいは1本の中空糸膜モジュ−ルを単に大型化することで対応している。また、これら以外にもプラスチックネットなどの流路材で中空糸膜束を保護し、中空糸膜束の両端部を流路材と共に接着封止したカ−トリッジを多数本ケ−スハウジングに納めたカ−トリッジ型の大型モジュ−ルなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記配管による場合には多数本の中空糸膜モジュ−ルを連結するために、多くの配管が必要となり装置も複雑になる上、コスト的にも不利益を生じ、単に大型化した中空糸膜モジュ−ルでは操作上の不都合がある。またカ−トリッジ型の大型モジュ−ルの場合には、製造上の技術的な困難さや製造時の取扱いの困難さがあり、加えて品質の均一な信頼性のある中空糸膜モジュ−ルを供給するには高い技術を要し、コスト的にも高いものとなる。さらに、ケ−スハウジング中に構造上の多量の空間ができ、これは中空糸膜を洗浄あるいは殺菌する際に、薬剤などのモジュ−ル内への充填あるいは逆に薬剤を完全に除去するのに長い時間を必要とするという種々の問題がある。したがって、本発明の目的は、中空糸膜モジュ−ルを大型化するにあたり、装置の配管を複雑にせず、ケ−スハウジング内の空間を極力小さく抑えた、品質が均一で、かつ操作性に優れた中空糸膜モジュ−ルを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記目的を達成させるため鋭意検討の結果、円筒状ケースハウジングを多数本集合させ特異に連結させることで、ケース内の空間を抑え、操作性の優れた中空糸膜モジュールを得ることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、「内部に中空糸膜が装填され、2列で4本以上が平行に集合された円筒状ケースハウジングの両端が各1つの成形体ヘッドに連結、かつ、固定されているケースハウジング集合型分離膜モジュールであって、少なくとも1方の成形体ヘッドが液体またはガスの出入りのためのポートを有し、かつ、各円筒状ケースハウジング内の中空糸中を液体またはガスが各々平行して流れ、1段ろ過されるように流体分配機能を有する流路を該ヘッド内部に具備し、かつ円筒状ケースハウジングの側面に有するポートが、列ごとに同一方向を向いて1つに集合されているか、あるいは1つの集液または集ガス体に連結されてなるケースハウジング集合型分離膜モジュール」および「少なくとも1つの内部には中空糸膜束を含む分離膜が装填され、2列で4本以上が平行に集合された円筒状ケースハウジングの両端が各1つの成形体ヘッドに連結、かつ、固定されているケースハウジング集合型分離膜モジュールであって、少なくとも1方の成形体ヘッドおよび円筒状ケースハウジングの側面には液体またはガスの出入りのためのポートを少なくとも1つ有し、円筒状ケースハウジングの側面に有するポートの1つが1つの集液または集ガス体と連結されていると共に、少なくとも1つの円筒状ケースハウジングの分離膜によりろ過された透過液またはガスが他の円筒状ケースハウジングの供給原液またはガスとなるように、成形体ヘッド内部に流体分配機能を有する供給原液またはガスの流路、及び1つの集液または集ガス体を設定することにより2段ろ過を可能としたケースハウジング集合型分離膜モジュール」
を提供するものである。以下、詳細に本発明を説明する。
【0005】
本発明に使用する円筒状ケ−スハウジングの本数は4つ以上であれば数に制限はないが、4〜20本を集合させることが好ましく、より好ましくは4〜10本である。これらの数の円筒状ケ−スハウジングを集合させることで、モジュ−ル中に供給される原水も均一に分配され取扱い上も簡便であり、しかも大型化による効果も充分に得ることができる。
【0006】
本発明の円筒状ケ−スハウジングの集合状態としては、各円筒状ケ−スハウジングが並列に集合し、4本以上集合させた場合には個々の円筒状ケ−スハウジングが2列で平行に集合され、この列ごとに円筒状ケ−スハウジング側面に用意されたポ−トが同一方向を向くように設置させることが好ましい。この設置形態であれば、列ごとに1本の配管で円筒状ケ−スハウジング側面のポ−トを全て接続することができ、例えば2列で構成される場合には2本の配管で4本以上の円筒状ケ−スハウジング側面のポ−トを全て接続できることになる。ただし、円筒状ケ−スハウジングを集合させる場合に、ケ−スハウジング列は完全に平行でなくても良く、多少ねじれていても構わないし、長さ方向に多少ずれていても構わないが、平行であれば単位容積当たりの収納効率が高くなり、より好ましい。
【0007】
集合させた円筒状ケースハウジング内には、少なくともその1つの内部に中空糸膜束を含んでいればよい。また、中空糸膜の種類についても、集合させた円筒状ケースハウジングの全てに同一の中空糸膜が入っている必要もない。しかし全ての円筒状ケースハウジングに同じ種類の中空糸膜が装着されているものは一般的で、使用しやすい。
【0008】
本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールでは、円筒状ケースハウジング内に用いる中空糸膜の孔径に関しては逆浸透膜領域における数オングストロームから数100μm程度のラフなろ過までどのような孔径のものでも使用可能である。また、それらの材質としても制限はなく、例えば、酢酸セルロース系樹脂、ポリエーテルスルホンやポリスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、フッ素基含有樹脂、セルロース系樹脂、AS樹脂、セラミックス、ステンレススチールなどが例示され、さらにこれらが複合的に組み合わされているような複合膜でもよい。ろ過の目的に合わせ適宜選択することが可能である。
【0009】
本発明に用いる中空糸膜モジュ−ルの大きさは特に制限はないが、長さとして10〜300cmが好ましく、より好ましくは50〜200cmである。また、太さに関してはどのような太さでも特に制限はないが、1本の円筒状ケ−スハウジングに装填される中空糸膜束としては、直径1〜30cmが好ましく、さらには直径3〜20cmの太さがより好ましい。
【0010】
本発明に用いる円筒状ケ−スハウジングの内層ならにび外装の材質としては特に制限はなく、例えばポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレ−ト系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、AS樹脂、4−フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素基含有樹脂、鉄、ステンレルスチ−ル、セラミックス、ガラスなどを例示することができ、供給原水や設置環境などにより適宜選択することができる。
【0011】
中空糸膜束の円筒状ケースハウジングへの装着方法としては、例えば、中空糸膜束をU字に曲げて端面の中空糸膜相互間と円筒状ケースハウジングとを接着封止させ後に中空糸膜を開孔させる方法、あるいは中空糸膜束の両端の中空糸膜相互間と円筒状ケースハウジングとを樹脂により接着封止あるいはO−リングにより固定させ後に中空糸膜を開口させる方法などを用いることができる。これらの内、特に後者はクロスフロー方式による水処理運転において濁質成分の除去を行うような場合に、中空糸膜モジュールの洗浄ならびに殺菌処理を行い易く、本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールとして特に好ましい。
【0012】
本発明における円筒状ケ−スハウジングには、側面に液体またはガスの出入のためのポ−トを有する。このポ−トは直接配管接続されていても良いが、個々のポ−トが全て1つの集水体に連結されていることが好ましい。これにより個々のポ−トを連結した集水体として配管すれば、本発明の中空糸膜モジュ−ルをつなぐ配管はより簡素化される。この様な集水管を用いた配管においても円筒状ケ−スハウジングは2本以上平行に集合させれば良く、大型化の効果を有効に得るには4本以上集合していることがより好ましい。
【0013】
本発明における1つの集水体としては、ケ−スハウジングの側面の1つのポ−トを連結する部分が1つの部品でできており、配管状の継ぎ部分がないものが好ましく用いられる。また、集水体とケ−スハウジング側面のポ−トの連結としては、薬剤による接着や溶接でもよく、ガスケットやO−リングによって封止しても良い。
【0014】
本発明における1つの成形体ヘッドとは、図2および図5に示すように4本以上の円筒状ケースハウジングの両端部を連結させる部分であり、成形体ヘッドと円筒状ケースハウジングを連結させる部分は1つの部品で構成され、配管状の継ぎ部分がないものが好ましい。しかし、成形体ヘッド全体としては1つの部品のみで構成される必要はなく、付属する部品が取り付けてあっても、また複数の部品が取り外し不可能なように接着あるいは固定されていてもよい。
【0015】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールに使用される成形体ヘッドの円筒状ケースハウジング両端への連結および固定方法は、例えば差し込み後、接着剤による接着や溶接が可能であり、あるいは円筒状ケースハウジング端部にガスケットやO−リングを備え、成形体ヘッドとの間を封止してもよい。固定はボルトやタイロッドにより行ってもよい。
【0016】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールに使用される円筒状ケースハウジングの両端を連結する成形体ヘッドの形状としては、これら成形体ヘッドを有する円筒状ケースハウジングをさらに複数集合させたときに、ゆるみなく固定できる形状であることが好ましく、円柱状あるいは直方体状が好ましい。しかしこの要件を満たせば、例えば、直方体の8つある隅の全てを大きく切り落とした8角柱状などでもよいが、本発明においては直方体状の成形体ヘッドであることが特に好ましい。
【0017】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールに使用される成形体ヘッドには中空糸膜束へ供給する液体またはガスの出入口を配置することができ、その配置はどのような部位にあっても良いが、側面に配置してあれば取扱の上で特に好ましい。本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールは、大きなろ過膜面積を有するためその重量も大きくなる。従って、液体またはガスの出入口が直方体状ヘッドの側面にあれば、平坦な場所に設置されたケースハウジング集合型分離膜モジュールを移動させることなく、その側面に簡便に配管を取り付けあるいは取り外すことができる。また、成形体ヘッドの側面に配置された出入口から供給あるいは排出される液体またはガスの通路としては、それぞれの円筒状ケースハウジングに通じるように各円筒状ケースハウジングの上部に連絡させることも、また4本の集液または集ガス体に直接連結させることもできる。
【0018】
本発明における成形体ヘッドならびに集液または集ガス体の材質としてはプラスチックやセラミックス、金属などの有機、無機素材を使用することができる。プラスチック材料としてはポリスルホン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ4−フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素基含有樹脂などを例示することができる。また無機材料としては前記セラミックスのほか、鉄、ステンレススチールなどを使用することができ、ケースハウジング集合型分離膜モジュールに供給される液体またはガスに応じて選択すればよい。
【0019】
本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールにおいては、それぞれの円筒状ケースハウジングに供給する原液またはガスを同一の方向に流すことも、あるいは異なる方向に流すことも可能である。例えば図6(a)および図6(b)に示したように成形体ヘッド側面の出入口から供給された原液またはガスをそれぞれ別の円筒状ケースハウジング中の中空糸膜束に供給できるように原液またはガスの通路を配置する。4本の円筒状ケースハウジングからなるケースハウジング集合型分離膜モジュールの場合には、例えば成形体ヘッドの内部を図6(b)のように、3つのケースハウジングに同一方向に原液を供給する。4本の円筒状ケースハウジングの中の中空糸膜モジュールに対する原液またはガスの流れは、入口6−5から入った原液またはガスが3本のケース中にある中空糸膜6−8の内側から外側へ向かってろ過される。このろ過液またはガスは集液または集ガス体を通りさらに残った1本のモジュールの中空糸膜モジュールによって外側から内側にろ過され出口6−6から2段ろ過された液またはガスとして出ていくことになる。このように供給原液またはガスの流路を設定することにより2段ろ過も可能となる。
【0020】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールにおいては、円筒状ケースハウジング内の中空糸膜外側の空間を少なくし、大きな膜面積を収納することができる。本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールでは通常のカートリッジ型大型モジュールにはない、中空糸膜外側の空間容積が小さいモジュールを得ることができる。
【0021】
本発明のケースハウジング集合型分離膜モジュールは、どのような分野の用途にも適用することができる。例えば、河川水、湖水のろ過や原子力発電、火力発電用水のろ過、復水のろ過、水の除菌、廃液のろ過回収、食品のろ過、有機溶剤のろ過や分離、液体の脱ガス、液液抽出など種々の用途に利用できる。これらの内では、膜の洗浄や、殺菌を定期的に行う必要のある用途、例えば河川水や湖水のろ過、クラッド類(コロイドや微粒子成分)のろ過、水の除菌などに特に適している。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
(実施例1)
内径800μm、外径1300μmの酢酸セルロース製中空糸膜4700本からなる中空糸膜束を、内径11.8cm、外径12.2cmの円筒状ネットに挿入し、さらに内径12.7cm、外径13.7cm、長さ110cmのアクリル製円筒状ケースハウジングに挿入した後、ウレタン接着剤を用いて中空糸膜束と円筒状ネットの両端部を、中空糸膜束の有効長さが100cmになる様に遠心接着した。硬化後、両端部の中空糸膜を開口させた。この様にして合計4本の中空糸膜束を含む円筒状ケースハウジングを得た。次にこれらを図8に示したような構造の集水体および成形体ヘッドにとりつけ、さらに成形体ヘッドの両端部に補助ヘッドを取り付け、タイロッドで両補助ヘッド間を締め付け、中空糸膜モジュールを完成させた。このモジュールの中空糸膜の有効部分の外側表面の膜面積Bは768,000cm2であった。次にこのモジュールに純水を透過させ、モジュール内の全てに純水を満たし、完全にエアーを抜いた。次いでモジュールの中空糸外側の空間にあたる部分の純水のみを抜いてこれを測定したところ、中空糸膜の外側の空間容積Aは27,000cm3であった。次にこのモジュールの中空糸膜外側の空間にあたる部分に付いている1個のノズルから流量10m3/hrで食塩水を全量ろ過したところ、ろ過液の濃度がろ過前の液の濃度の97%以上になるのに20秒を要した。
【0024】
(比較例1)
実施例で使用したものと全く同一の中空糸4700本の中空糸膜束と、円筒状ケースハウジングの両端部を実施例と同様にしてウレタン接着剤を用いて遠心接着した。この様な中空糸膜束を同様にして4束作成した後、これらをコンパクトに束ねて内径29.8cm、外径31.8cm、長さ140cmのポリ塩化ビニル製パイプに挿入した後、中空糸膜束の有効長さが100cmになるように4束をパイプに接着封止して、中空糸膜束を確保した。さらにこのパイプの両端部にキャップヘッドを取り付けて、大型の中空糸膜モジュールとした。このモジュールの中空糸膜の有効部分の外側表面の膜表面積Bは768,000cm2であった。次に実施例1と同様にして、中空糸膜の外側の空間容積Aを測定したところ、44,800cm3であった。次に実施例1と同様にして、ろ過液の濃度がろ過前の液の濃度の97%以上になるのに要する時間を測定したところ45秒を要した。すなわち、同じ膜面積を有する実施例と比較例1におけるモジュールとを比較した場合、実施例におけるモジュールの方が空間容積が小さくてデッドスペースが少ないことが明かである。
【0025】
【発明の効果】
本発明のケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ルを用いることで、モジュ−ルの出入口をつなぐ配管をシンプルにでき、コスト的にも有利になる。さらに中空糸膜の外側容積が小さく、ケ−スハウジング内に構造上の無駄な空間のない大型大量処理用モジュ−ルができる。しかもこのケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ルを用いれば定期的な洗浄、殺菌を行う際にも操作性良く実施することができる。加えて、ケ−スハウジング集合型分離膜モジュ−ル内の流路の設定により、2段階ろ過も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが同一方向を向き、各ポートからの液体を1個に集合させたケースハウジング集合型分離膜モジュールの横断面図。
【図2】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが同一方向を向き、かつ、成形体ヘッドの形状が直方体状の本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールの全体斜視図。
【図3】図2に示したケースハウジング集合型分離膜モジュールの縦断面図。
【図4】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが1つの集水体に連結されているケースハウジング集合型分離膜モジュールの横断面図。
【図5】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させ、ケースハウジング側面のポートが1つの集水体に連結され、かつ、成形体ヘッドの側面に液体またはガスの出入口を設けた、成形体ヘッドの固定にタイロッドを用いて2つの成形体ヘッドで円筒状ケースハウジングを締め付けている本発明によるケースハウジング集合型分離膜モジュールの全体斜視図。
【図6】(a):4本の円筒状ケースハウジングの中の中空糸膜に対する液体の流れが中空糸膜の内側から外側へとろ過する円筒状ケースハウジングと外側から内側へとろ過する円筒状ケースハウジングからなり2段階ろ過が可能になるケースハウジング集合型分離膜モジュールの縦断面図。
(b):(a)のヘッド内部の平面図。
【図7】図5に示した円筒状ケースハウジングの保護とモジュール全体のイメ−ジ向上のため外パネルで覆ったケースハウジング集合型分離膜モジュールの全体斜視図。
【図8】4本の円筒状ケースハウジングを2列平行に集合させたケースハウジング側面のポートが1つの集水体に連結され、この集水体上部から液体またはガスが成形体ヘッド側面へ通じるよう通路ならびに出入口を配置したケースハウジング集合型分離膜モジュールの縦断面図。
Claims (7)
- 内部に中空糸膜が装填され、2列で4本以上が平行に集合された円筒状ケースハウジングの両端が各1つの成形体ヘッドに連結、かつ、固定されているケースハウジング集合型分離膜モジュールであって、少なくとも1方の成形体ヘッドが液体またはガスの出入りのためのポートを有し、かつ、各円筒状ケースハウジング内の中空糸中を液体またはガスが各々平行して流れ、1段ろ過されるように流体分配機能を有する流路を該ヘッド内部に具備し、かつ円筒状ケースハウジングの側面に有するポートが、列ごとに同一方向を向いて1つに集合されているか、あるいは1つの集液または集ガス体に連結されてなるケースハウジング集合型分離膜モジュール。
- 円筒状ケースハウジング内の中空糸膜束の両端部の中空糸膜相互間が接着されて各々円筒状ケースハウジング内面に接着封止またはO−リングにより封止され、かつ中空糸膜両端面が開口している請求項1記載のケースハウジング集合型分離膜モジュール。
- 成形体ヘッドの形状が直方体である請求項1または2に記載のケースハウジング集合型分離膜モジュール。
- 円筒状ケースハウジングの側面に有するポートが1つの集液または集ガス体に連結され、成形体ヘッドの側面には更に集液または集ガス体と連通するポートが設けられている請求項1から3のいずれかに記載のケースハウジング集合型分離膜モジュール。
- 少なくとも1つの内部には中空糸膜束を含む分離膜が装填され、2列で4本以上が平行に集合された円筒状ケースハウジングの両端が各1つの成形体ヘッドに連結、かつ、固定されているケースハウジング集合型分離膜モジュールであって、少なくとも1方の成形体ヘッドおよび円筒状ケースハウジングの側面には液体またはガスの出入りのためのポートを少なくとも1つ有し、円筒状ケースハウジングの側面に有するポートの1つが1つの集液または集ガス体と連結されていると共に、少なくとも1つの円筒状ケースハウジングの分離膜によりろ過された透過液またはガスが他の円筒状ケースハウジングの供給原液またはガスとなるように、成形体ヘッド内部に流体分配機能を有する供給原液またはガスの流路、及び1つの集液または集ガス体を設定することにより2段ろ過を可能としたケースハウジング集合型分離膜モジュール。
- 成形体ヘッドの形状が直方体状である請求項5記載のケースハウジング集合型分離膜モジュール。
- 成形体ヘッドの側面には更に中空糸膜に連通する流路に連通するポートが設けられている請求項5または6記載のケースハウジング集合型分離膜モジュール。
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