JPH03107907A - 光ファイバ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光ファイバに関する。特に保護膜で被覆された
石英ガラス等から成る光ファイバに関する。

〔従来の技術〕

光ファイバには耐水性および耐熱性を向上するために、
第２図に示すように、ファイバ素線１を例えばアルミニ
ウムのような金属の被膜２で被覆したものがある０石英
ガラスファイバをアルミニウム等の金属で被覆するには
、加熱延伸した石英ガラスファイバを、溶融金属を充た
したダイス中に通す方法が用いられる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしアルミニウム被膜は石英ガラスとの熱膨張係数の
差が著しく大きいため（石英ガラス５．７Ｘ　１０−’
　ｄｅｇ　−’　、アルミニウム　２．３Ｘ１０−’ｄ
ｅｇ　−’）　、ファイバに熱履歴を与えると、石英ガ
ラスとアルミニウム膜との界面でのズレまたは剥離によ
り石英ガラス表面に小さい傷が生じ、ファイバの強度が
大幅に低下する。アルミニウム以外の金属でも同様であ
った。

また溶融アルミニウムを充たしたダイス中に石英ガラス
ファイバを通す際、溶融アルミニウム中に混在する微小
アルミニウム粒と接触することにより石英ガラスファイ
バの外面に傷がつくため、ファイバが折れ易いという問
題があった。

従って本発明の目的は、熱履歴を与えても保護膜の剥離
が生ぜず、強度が保たれる石英ガラス光ファイバを提供
することである。

本発明の他の目的は、保護膜の被覆の工程でのファイバ
表面の傷に起因する光ファイバの折れが生じない石英ガ
ラス光ファイバを提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本発明では、石英ガラスファ
イバ素線の外面をカーボン被膜で被覆し、さらに金属被
膜で被覆するようにした。カーボン被膜は石英ガラスフ
ァイバ素線の外面に直接接して設けられ、さらにその外
側に金属被膜が設けられる。カーボン被膜と金属被膜の
間に他の耐熱性保護層を設けてもよい。

本発明の光ファイバは下記諸要素から成る。

（１）石英ガラスファイバ素線 （２）石英ガラスファイバ素線外面に設けたカーボン被
膜 （３）さらにその外側に設けた金属被膜以下に各要素に
ついて詳しく説明する。

（１）石英ガラスファイバ素線 石英ガラスファイバ素線は、コア及びコアの外周に設け
られたコアよりも低屈折率のクラッドからなり、通常Ｍ
ＣＶＤ法、ＶＡＤ法等の製造方法により無水合成された
石英ガラス母材を温度約２０００℃の線引炉により細く
延伸して作られる。

外径は一般的に１００〜１５０μｍ程度である。

（２）石英ガラスファイバ素線の外面に設けたカーボン
被膜 カーボン被膜は石英ガラスファイバ素線の外面に設けら
れる。

カーボン被膜は、有機物、例えばベンゼン等の環式炭化
水素の熱分解で形成させることができる。

カーボン被膜の厚さは通常約２００Å以上、約１０００
Å以下が適当である。

（３）カーボン被膜の外側に設けた金属被膜石英ガラス
ファイバ素線の外側のカーボン被膜の上に、さらに金属
被膜を設ける。金属被膜を構成するのに好適な金属は、
例えばアルミニウム、インジウム、チタン、錫、鉛、ビ
スマス等である。

金属被膜は、加熱延伸した石英ガラスキャピラリをダイ
ス内に充たした溶融金属に通すことにより、形成させる
ことができる。カーボン被膜を陰極として金属塩溶液中
で、電気メツキにより金属被膜を形成させてもよい。

金属被膜の厚さは通常約１０μｍ以上、３０μｍ以下が
適当である。

本発明は石英ガラスファイバに限らず、多成分ガラスフ
ァイバにも適用できる。また結晶光ファイバにも適用可
能である。

〔作用〕

本発明による光ファイバは、金属被膜が石英ガラスとの
接着性のよいカーボン被膜を介して石英ガラスの上に設
けられているので、金属被膜を単独で用いた場合より、
保護膜がガラスファイバに対し遥かに優れた密着性を有
する。金属被膜と石英ガラスとの熱膨張係数の差が大き
いのに係わらず、両者の間に介在するカーボン被膜が緩
衝層として働くため、熱履歴を与えられても石英ガラス
との界面で被膜の部分的なずれや剥離を生ずることがな
く、ガラスファイバ表面に傷が生じないので、破断強度
が低下しない。すなわちカーボン被膜単独の場合より優
れた耐熱性を示す。

本発明による光ファイバは、金属被膜を光ファイバの外
面に付けるために石英ガラスファイバを溶融金属に通し
た場合でも、カーボン層があるため金属被覆の工程で石
英ファイバの表面に傷が付かないので、破断強度の低い
部分が生じない。

本発明の光ファイバは保護膜の接着性が優れ、熱履歴に
対しガラス表面の傷が生じないので、コイル巻き取り等
の取扱及び光伝送路として使用時に容易に切断しない。

保護膜はまた耐水性である。

以上は、多成分ガラス、あるいは結晶ファイバの場合で
も同様である。

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。

〔実施例１〕 石英ガラスファイバ母材を温度約２０００°Ｃの線引炉
により、直径１２５μｍの石英ファイバに延伸した。延
伸に続いて、下記のようにして外面をカーボン被膜およ
び金属被膜で被覆し、第１図に示す断面を有する光ファ
イバを得た。ｌは石英ガラスファイバ、３はカーボン被
膜、２はその上に設けた金属被膜である。

温度１２００℃の加熱炉中で、外径２０ｍｍ。

内径１６ｍｍの石英マツフル中に上方から石英ファイバ
を送り込み、石英マツフルの上部に設けた窒素ガス供給
口から窒素ガスを供給しつつ、石英マツフルの中央部に
設けた混合ガス供給口からベンゼンを含む窒素ガス気流
を供給して、ベンゼンを熱分解し、石英ファイバの表面
に厚さ５００人のカーボン層を形成させた。

石英ファイバをカーボン被覆に続き、温度６６０°Ｃの
溶融アルミニウム中に通して、デイツプ法により厚さ２
０μｍのアルミニウムで被覆した。

カーボンとアルミニウムで被覆された石英ガラス光ファ
イバを引張り試験した。その結果、平均で９．７ｋｇｆ
、最低で８．２ｋｇｆの強度を示し、強度の低い部分が
見られなかった。

温度−３０°Ｃと６０°Ｃの間で１０時間で５回の温度
周期変化を与えても、ファイバの強度は変化しなかった
。

〔実施例２〕 実施例１と同様にしてカーボン被覆した石英ガラスファ
イバの外面を、カーボン被膜を陰極として塩化錫溶液の
電気メツキにより、錫被膜で被覆した。膜厚はカーボン
被膜が５００人、錫被膜が２０μｍであった。引張り試
験の結果、実施例１と同じ引張り強度が得られた。

〔比較例１〕 実施例１においてカーボンの被覆を省略し、石英ガラス
の外表面に直接にアルミニウム被覆した。

膜厚は実施例１と同じ＜２０μｍとした。

実施例１と同様にして引張り強度試験をした結果、比較
例１の光ファイバは２ないし３ｋｇｆ程度の強度の低い
部分を有していた。実施例１との比較から、石英ガラス
と金属被膜との間に介在するカーボン被膜の効果が明ら
かである。

〔発明の効果〕

本発明による光ファイバは耐水性で且つ耐熱性がすぐれ
ている。特に温度変化の繰り返し等熱履歴を受けたとき
にも、金属被膜を直接ガラスファイバの上に設けた場合
のように保護層の剥離やガラス表面の傷により強度が低
下しない。特に、局部的に強度の低い部分が生じない。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の光ファイバの一実施例の断面図である
。第２図は従来の金属被覆光ファイバの断面図である。 符号の説明

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）光ファイバ素線がカーボン被膜と、その外側に設
   けられた金属被膜により被覆されたことを特徴とする光
   ファイバ。
2. （２）前記金属被膜がアルミニウム、インジウム、チタ
   ン、錫、鉛およびビスマスから選択された少なくとも一
   つの金属から成る請求項第１項の光ファイバ。