JPH0310759B2 - - Google Patents

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JPH0310759B2
JPH0310759B2 JP59165743A JP16574384A JPH0310759B2 JP H0310759 B2 JPH0310759 B2 JP H0310759B2 JP 59165743 A JP59165743 A JP 59165743A JP 16574384 A JP16574384 A JP 16574384A JP H0310759 B2 JPH0310759 B2 JP H0310759B2
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Japan
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wax
moisture
paper
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JP59165743A
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JPS6147896A (ja
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Hideo Goto
Akira Igarashi
Toshiharu Okumichi
Hisayoshi Naka
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は防湿、防水性シートの製造方法に関
し、更に詳細には耐すべり性の改善された、故紙
の回収容易な防湿、防水性シートの製造方法に関
するものである。 〔技術的背景〕 紙を構成する紙層に対して、皮膜形成性を有す
る高分子化合物を塗工、貼合あるいは内部添加し
て一体となし、皮膜層の機能を利用して湿分ある
いは水分に対する抵抗性を付与せしめることは一
般に広く知られた事実である。しかし、この種の
構造の紙は皮膜層が強固であり、防湿防水の機能
を充分に発揮できるものの、故紙回収の際に、紙
層を形成するパルプが単繊維に充分に離解せずに
結束繊維状フロツクのまゝで回収紙料中に存在
し、また皮膜の小片がそのまゝ残存して、故紙回
収の大きな障害となつていた。 例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフイン系、あるいは塩化ビニル、塩化ビ
ニリデンなどを含んだコポリマー系、などの高分
子化合物を使用して紙層に塗工、貼合あるいは内
部添加をした製品は充分なる防湿性防水性を有す
るが、故紙回収に際して充分に離解することな
く、これらが通常の故紙中に混入する時は回収紙
料中に結束繊維状フロツクが生じて回収効率を非
常に阻害する原因となり、そのため、省資源、有
効利用の面から考えて大きな問題点となつてい
る。 また、ワツクス系エマルジヨンを、高分子熱硬
化剤あるいは紙用湿潤強力剤、サイズ剤、硫酸バ
ンドなどとバルブ中に添加して定着せしめた後、
抄紙して耐水性紙を製造する方法についても既に
知られた事実であるが、これらの方法で製造した
耐水性紙も機能的に充分満足すべきものではな
い。 故紙回収の点を考慮に入れなければ、従来から
防湿性、防水性の紙は存在する。しかるに、最近
の省資源および公害対策の点から、故紙回収不能
な樹脂成分を含んだ加工紙や焼却処理に対して有
害ガスを発生するが如き加工紙は今後商品として
事実上使用不可能の情況下にあるので、これらに
対応するべく無公害で故紙回収可能であり、しか
も高性能の加工紙の出現は各方面から強く要求さ
れていた。 その解決手段として本発明者らは先に合成ゴム
系ラテツクス固形分100重量部に対してワツクス
系エマルジヨン固形分5〜200重量部を配合して
なる水性エマルジヨンを、常法により原紙表面上
に塗布し、加温下で乾燥することを特徴とする防
湿、防水性紙の製造法(特開昭51−115677号公報
参照)を提案し、ワツクス系エマルジヨンとして
は特にパラフインワツクスとマレイン化石油樹脂
を主体とする水性エマルジヨン(特開昭50−
36711号公報参照)が好適であり、合成ゴム系ラ
テツクスとしてはメチルメタクリレート−ブタジ
エン系ラテツクス、スチレン−ブタジエン系ラテ
ツクス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテツ
クス等の未変性タイプ、変性タイプが皮膜形成性
及び機械的な離解作用に対して水中で分散し易い
ので好適である。特にメチルメタクリレート−ブ
タジエン系ラテツクスは優れている。ことを提案
した。 このものは、防湿性、防水性、故紙の回収容易
性(離解性)を十分に満足する製品であるが、耐
すべり性の点に関しては問題があり、特に新聞用
紙の巻取等のロール状重量物の移送時のすべり性
に問題があり、その防止方法として、有機質、二
酸化ケイ素、コロイダルシリカ、水酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛等の無機質粉体等を紙面に塗布ま
たは散布する方法が知られているが満足すべき状
態ではなく、防湿、防水性を満足し、かつ耐すべ
り性(動摩擦係数で0.33〜0.35以上)をも満足す
る防湿防水性紙の開発が要望されていた。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、上記した欠点を改良し、防湿
性、防水性および故紙回収性に秀れた紙の製造方
法を提供することである。又他の目的は耐すべり
性、耐ブロツキング性の改善された防湿、防水性
紙を提供することであり、更に他の目的は新規な
防湿、防水包装用紙の製造方法を提供することで
あり、更に別の他の目的は新規な防湿、防水性紙
用ワツクスエマルジヨン組成物を提供することで
あり、又他の別の目的は以下の記載から明らかに
なるであろう。 〔発明の構成〕 本発明は、 1(a) 融点が55℃以上のパラフインワツクス10〜
50重量部、 (b) マレイン化もしくはフマール化ロジンと多
価アルコールとのエステル化物であつて、軟
化点が90〜110℃、かつ酸価が15以下である
もの30〜70重量部、 (c) 38℃における動粘度が5〜1000cstでかつ
流動点が−70〜−15℃である液状ポリブテン
2.5〜30重量部、 (d) ロジン0〜10重量部、 (e) ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテ
ル1〜10重量部、 および (f) エチレングリコールモノアルキルエーテル
1〜15重量部、 を主成分として含有するワツクスエマルジヨン
を常法によりセルロースを主体とする繊維質基
材表面上に塗布し、加温下で乾燥することを特
徴とする防湿防水性紙の製造方法、及び 2 合成ゴム系ラテツクスの固形分100重量部に
対して、上記ワツクスエマルジヨンを、固形分
として5〜200重量部配合してなる水性エマル
ジヨンを常法によりセルロースを主体とする繊
維質基材表面上に塗布し、該ワツクスの融点ま
たはそれ以上の温度で乾燥することを特徴とす
る防湿、防水性シートの製造方法 である。 紙に所望の防湿性、撥水性および耐すべり性を
具備せしめるには、単に塗被紙への塗工量を増加
させるのみでは足りず、紙表面へワツクス系エマ
ルジヨンができるだけ均一に被覆され、ピンホー
ルの存在が少ないことが要求される。特に乾燥時
に塗被剤の浸透を抑え表面歩留の向上を図りうる
ものでなければならない。更には、えられた防湿
防水性紙の折曲げ等によつても性能の低下が少な
いことが要求されるためワツクス系エマルジヨン
にも膜の均一性および柔軟性が要求される。 しかるに、従来公知の各種ワツクス系エマルジ
ヨンは、上記の諸条件を満足しうるものではな
く、結果として塗被紙に優れた防湿性、撥水性お
よび耐すべり性を有する防湿防水性紙を得ること
はできない。 しかして、本発明者等は前記諸要件に着目し
て、防湿性および耐すべり性に優れた防湿防水性
紙を収得すべく鋭意研究を行なつた結果、比較的
融点の高いパラフインワツクス、二塩基酸変性ロ
ジンエステルを主要成分とし、特定の液状ポリブ
テンを可塑剤として用い、これらを特定のノニオ
ン系乳化剤を用い、必要に応じてロジン石鹸を併
用して水に乳化せしめて水系エマルジヨンとな
し、更に成膜性を向上させるべくエチレングリコ
ールモノアルキルエーテルを加えてえた特定のワ
ツクス系エマルジヨンを用いることにより初めて
上記諸問題を解決しうることを見出し、本発明を
完成するに至つた。 また、上記ワツクス系エマルジヨンを合成ゴム
系ラテツクスに配合して用いるときは、上記性質
を保有する外皮膜形成性に優れた塗被剤が得られ
ると共に機械的解離作用に対しても悪影響を及ぼ
さないことを見出だした。 つぎに本発明で用いる合成ゴム系ラテツクス及
びワツクス系エマルジヨンについて詳しく説明す
る。 (合成ゴム系ラテツクス) 合成ゴム系ラテツクスの具体例としては、メチ
ルメタクリレート−ブタジエン系ラテツクス、ス
チレン−ブタジエン系ラテツクス、アクリロニト
リル−ブタジエン系ラテツクス等の未変性タイプ
もしくは変性タイプがあげられる。合成ゴム系ラ
テツクスとワツクス系エマルジヨンとを併用する
場合の配合比率(固形換算として)は、100:5
〜100:200、好ましくは100:50〜100:150とす
るのがよい。ワツクス系エマルジヨンの配合比率
が上記範囲に満たないときは、防湿性、耐水性が
低下するので好ましくない。後述の如くしてえら
れたワツクス系エマルジヨンもしくはこれと合成
ゴム系ラテツクスを併用してえられるエマルジヨ
ンは、いずれも常法により原紙に対して1〜30
g/m2となるよう塗布される。塗布量が1g/m2
に満たないときは、紙表面の被覆が不十分とな
り、充分な防湿撥水効果がえられず、また30g/
m2を越える場合はコスト面で不利となる。 本発明のワツクス系エマルジヨンは上記のよう
にして使用されることにより、防湿性、撥水性お
よび耐すべり性に優れた防湿防水性紙を提供する
ことができる。 ワツクス系エマルジヨン 本発明に用いるパラフインワツクスは、融点が
55℃以上、好ましくは65℃以上であることを要
し、55℃に満たない場合は乾燥過程でワツクスの
浸透がおこるため好ましくない。また、上記パラ
フインワツクスと併用する主要成分としては、特
定の二塩基酸変性ロジンエステルでなければなら
ない。ここでロジン物質としては、ガムロジン、
ウツドロジン、トール油ロジンをいう。二塩基酸
としては、無水マレイン酸、フマール酸等をい
い、多価アルコールとしてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、トリメチロールプロパン等があ
げられる。エステル化物としてフマール化ロジン
のグリセリンエステルが好ましい。またエステル
化物の軟化点は、併用するパラフインワツクスの
軟化点およびポリブテンの動粘度を考慮して適宜
決定され、その軟化点が90〜110℃、好ましくは
95〜105℃、かつ酸価が15以下であるものでなけ
ればならない。軟化点が90℃に満たない場合は、
塗被ワツクス系エマルジヨンの固形分が乾燥過程
で紙中に浸透しやすくなるため好ましくなく、ま
た110℃を越える場合は乳化性に難をきたすため
好ましくない。酸価は、エステル化物の軟化点に
着目して決定されるべきであり、通常15以下であ
ればよい。15を越える場合は、防湿性、耐水性に
劣る傾向にあるため好ましくない。 本発明においては、前記成分(a)、(b)の成膜性に
寄与しうる特定の可塑剤を必須とし、該可塑剤は
成膜性およびその粘度に着目して決定されるもの
である。従つて、充分な可塑効果を有するととも
に、乾燥過程での塗被紙への浸透を最小限に抑え
る必要があるために、えられるワツクス系エマル
ジヨンの溶融粘度を過度に低下させるものであつ
てはならない。従来のワツクス系エマルジヨンに
使用されていた可塑剤として流動性パラフイン等
が知られていたが、これらは上記要件を満足しえ
ないため好ましくない。かかる理由により、本発
明においては38℃における動粘度が5〜1000cst、
かつ流動点が−70〜−150℃である液状ポリブテ
ンが最適である。 本発明のワツクス系エマルジヨンは、前記の固
形分(成分(a)〜(c))を特定の乳化剤を用いて水に
乳化させる必要がある。ここで使用する乳化剤と
しては、乳化性能は勿論のこと、えられたワツク
ス系エマルジヨンの合成ゴム系ラテツクスに対す
る相溶性およびえられた防湿紙の撥水性、耐水性
の点から決すべきである。しかして本発明におい
て用いる乳化剤としては、ポリオキシアルキレン
モノアルキルエーテルが最適である。その具体例
としては、炭素数が10〜18のアルコール1モルと
エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド2〜
14モル、好ましくは4〜10モルを反応させてえら
れる各種のものがあげられる。また必要により、
上記乳化剤に加えて、ロジンとアルカリ金属水酸
化物等とを中和してえられるいわゆるロジン石鹸
(前記成分(d)および中和剤)を併用することがで
き、かかる場合は乳化性、機械的安定性に寄与す
るものである。また本発明においては、成膜助剤
としてのエチレングリコールモノアルキルエーテ
ルが必須となる。該成膜助剤は、ワツクス系エマ
ルジヨンに含有される前記成分(a)および(b)の成膜
性、水への分散性を考慮して選択される。具体例
としては、メチルセロソルプ、エチルセロソル
プ、プロピルセロソルプ、ブチルセロソルプ等が
あげられるが、特にブチルセロソルプが好まし
い。更に本発明においては、前記成分(b)および前
記成分(d)を中和してワツクス系エマルジヨンの機
械的安定性等を改良するために水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムおよびジエタノールアミンよ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の中和剤が
用いられる。 本発明のワツクス系エマルジヨン組成物の製造
は、例えば以下のようにして行なわれる。前記成
分(a)、(b)および前記成分(c)を加熱溶融下に撹拌混
合し、更にロジン(前記成分(d))を加えて均一に
混合する。その後、前記成分(e)、前記成分(f)およ
び中和剤を加えて混合し、撹拌下に所定量の水を
添加して粗エマルジヨンをえることができる。つ
いで、該エマルジヨンをホモジナイザーに通すこ
とにより、微細エマルジヨンとなすことができ
る。 また本発明において、前記諸成分の使用量は、
えられるワツクス系エマルジヨンおよびえられた
防湿防水性紙の諸性能に影響を及ぼす為、慎重に
決定されなければならない。前記成分(a)の使用量
は10〜50、好ましくは15〜40重量部であり、この
量が10重量部に満たない場合は、防湿性、耐水性
が低下するため、また50重量部を越える場合は、
防湿性、耐水性が低下するとともに耐すべり性も
低下するためいずれも好ましくない。前記成分(b)
の使用量は30〜70重量部、好ましくは40〜60重量
部であり、この量が30重量部に満たない場合は、
防湿性、耐水性が低下するとともに耐すべり性も
低下するため、また70重量部を越える場合は、防
湿性、耐水性が低下するためいずれも好ましくな
い。前記成分(c)の使用量は2.5〜30重量部、好ま
しくは5〜25重量部であり、この量が2.5重量部
に満たない場合は、防湿性、耐水性が低下するた
め、また30重量部を越える場合も同様に、防湿
性、耐水性が低下するためいずれも好ましくな
い。前記成分(d)の使用量は0〜10重量部、好まし
くは5重量部以下であり、この量が10重量部を越
える場合は、防湿性、耐水性が低下するため好ま
しくない。前記成分(e)の使用量は1〜10重量部、
好ましくは2〜7.5重量部であり、この量が1重
量部に満たない場合は、防湿性、耐水性が低下す
るため、また10重量部を越える場合も同様の結果
となるため、いずれの場合も好ましくない。前記
成分(f)の使用量は1〜15重量部、好ましくは2〜
10重量部であり、この量が1重量部に満たない場
合は、防湿性、耐水性が低下するため、また15重
量部を越える場合は、防湿性、耐水性が低下する
とともにワツクス系エマルジヨン中に含有される
有効成分量が減少するため好ましくない。前記中
和剤は、通常前記成分(b)および(d)の酸価に対して
80〜110当量%となるよう使用すればよい。 叙上の如くしてえられたワツクス系エマルジヨ
ンは単独でも使用することができるが、各種の合
成ゴム系ラテツクスと併用する方が望ましい。か
かる本発明におけるセルロースを主体とする繊維
質基材としては、上質紙、片艶クラフト紙、クラ
フト紙、段ボール原紙、新聞印刷用紙等のセルロ
ースパルプ紙が使用されるが、必ずしも上記に限
定されるものではなく、セルロースパルプを主体
として木綿などの天然繊維、レーヨン、ポリビニ
ルアルコール系繊維、ポリエステル、ポリアクリ
ロニトリル等の化学繊維、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等からなる合成パルプ、アスベスト、ロ
ツクウール、ガラス繊維等の無機質繊維などを含
有する基材であつてもよい。基材は紙状(板紙、
段ボールを含む)のほかに不織布状、布状であつ
てもよい。 次に本発明の特許請求の範囲1記載の発明方法
について詳述すれば、本発明のワツクス系エマル
ジヨンは、常法により原紙に対し1〜30g/m2
割合で塗布する。1g/m2以下ではピンホール、
繊維の毛羽立ち等により十分な防湿防水効果が得
られず、また30g/m2以上の場合にも同様の効果
が得られない。ワツクス系エマルジヨンを所定量
塗布した後加温下に、例えば50℃以上で乾燥す
る。50℃以下で乾燥する場合に防水性が不十分な
ものとなる。 次に特許請求の範囲2記載の本発明(第2の発
明という)の方法について詳述すれば、前述の如
く合成ゴム系ラテツクス固形分100重量部(以下
たんに部と言う)、ワツクス系エマルジヨンを固
形分5〜200部混合して塗工液とする。この場合、
ワツクス系エマルジヨン5部以下であるときは、
合成ゴムラテツクスの皮膜形成性が大きすぎ、故
紙回収の点で不都合を生じ、本発明の目的を達成
できない。また、合成ゴム系ラテツクス100部に
対してワツクス系エマルジヨン200部以上では所
期の皮膜形成性が得られず、また得られる皮膜も
物理的強度が弱く、特に折曲げに対する抵抗が弱
く、所期の防湿防水性紙を得ることができない。 上述の如き塗工液は常法により原紙に対し1〜
30g/m2塗布する。この場合塗工量が1g/m2
下では、ピンホール、繊維の毛羽立ち等により充
分な防湿防水効果を得ることができず、また、30
g/m2以上では使用後の故紙回収の際の離解性、
含有樹脂の障害等から好ましくなく、従つて本発
明の目的からは1〜30g/m2が望ましい。 以上の如く原紙上に塗工液を塗布した後、乾燥
して製品を得る。 前述の乾燥処理の温度は、本発明の方法により
得られる製品の防湿、防水性を左右する重要な因
子である。 即ち、本発明の塗工液の所定量を塗布した後、
常温〜50℃以下で乾燥する場合は透湿性は充分で
はないが、それ以上の温度で乾燥するときは、後
述実施例の如く充分な防湿性が発現する。しか
も、高温乾燥の場合は、製造工程上加工速度を向
上することができ、しかも安定した防湿防水性
で、かつ耐すべり性を有する製品を大量生産し得
ると言う効果がある。 上述の如き合成ゴム系ラテツクスとワツクス系
−エマルジヨンの混合物を原紙上に塗布した場合
の皮膜の電子顕微鏡的観察によると、合成ゴム系
ラテツクスが形成する皮膜層中に微晶状のワツク
ス粒子がマイグレーシヨンにより一部前記合成ゴ
ム系の皮膜表面を被覆するとともに、一部は紙層
を形成する繊維を被覆するとともに前記繊維間に
充填されることが推論される。即ち、合成ゴム系
ラテツクスとワツクス系エマルジヨンの混合物の
皮膜は、皮膜形成性が高い合成ゴム系ラテツクス
と、紙繊維に対する被覆効果及び前記繊維間を充
填しうる効果を有するワツクス系エマルジヨンの
マイグレーシヨンによつて合成ゴム系ラテツクス
の皮膜の外部及び内部にワツクス系エマルジヨン
の薄膜を形成し、これらの皮膜の相乗作用により
液状の水に対しては撥水性及び防水性を示し、ま
た、気体状の水に対してもバリヤー性及び防湿性
を有するものとすることができる。 一方、上述の皮膜は合成ゴム系ラテツクスとワ
ツクス系エマルジヨンとの2つの異なる組織の混
合により形成されており、混合皮膜の構造上機械
的離解作用に対して水中で分離分散しやすいもの
である為、故紙回収の際簡単に水中で分散するか
ら故紙の回収が容易であり、また結束繊維状フロ
ツク又は皮膜の小片がそのまゝ残存するようなこ
とは全くない。 以上の如く第2の発明の方法は、製紙工業に於
て実用化されている合成ゴム系ラテツクスと特定
のワツクス系エマルジヨンをたくみに配合して水
性エマルジヨンとし、これを原紙上に塗布し高温
乾燥によつて紙の折曲げ等によつても何ら防湿、
防水性を損われることがなく、かつ耐すべり性に
優れた紙を生産することができるとともに、高温
乾燥が可能の結果、加工速度を向上することがで
きるから、安定した耐すべり性を有する防湿防水
性紙を大量に生産できる効果がある。 さらにまた、本発明によつて得られる製品は、
機械的離解作用に対して水中で分離、分散しやす
い皮膜である為、故紙としての回収が容易であ
り、省資源の有効利用の面に於て著効を奏するも
のである。 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれによつて何等制限されるもの
ではない。 ワツクスエマルジヨン(WE−A)の製造 参考例 1 フラスコにガムロジン960部、フマール酸29部、
グリセリン120部、酸化防止剤5部を仕込み、窒
素気流下で約150℃まで昇温して溶融させる。つ
いで、撹拌下に220℃まで昇温したのち2時間保
温する。更に、2時間を要して250℃まで昇温し
約6時間保温する。更に減圧下に、2時間保持し
揮発分を留去せしめた。えられたロジンエステル
は、色調(ガードナー)7以下、酸価9.6、軟化
点100℃の恒数を有していた。 参考例1でえたロジンエステル60部、パラフイ
ンワツクス(日本精蟀(株)製、軟化点155〓)20部、
ポリブテン樹脂(日本石油化学(製)、商品名ポ
リブテンLV−100、動粘度240cst(38℃)、流動点
−25℃)20部およびロジン1.86部を110℃で溶融
混合したのち、100℃に保温する。この中に、乳
化剤としてノイゲンET−159(ポリオキシエチレ
ンオレイルエーテル(エチレンオキサイド付加モ
ル数5))、ノイゲンET−109(ポリオキシエチレ
ンオレイルエーテル(エチレンオキサイド付加モ
ル数11.8))(第一工業製薬(株)製)を各2.5部、ジ
エタノールアミン0.6部、48%苛性カリ1.32部、
ブチルセロソルブ5部および80〜90℃の温水の所
定量を順に加えて粗エマルジヨンをうる。ついで
該エマルジヨンを300Kg/cm2の条件下でホモジナ
イザーに2回通じて微細エマルジヨンとした。こ
のものの恒数は不揮発分35..5%、PH9.6、粘度
14cpsであつた。 ワツクスエマルジヨン(WE−B)の製造 参考例1でえたロジンエステル50部、パラフイ
ンワツクス(日本精蟀(株)製、軟化点155〓)40部、
ポリブテン樹脂(日本石油化学(製)、商品名ポ
リブテンLV−100、動粘度240cat(38℃)、流動点
−25℃)10部およびロジン1.86部を110℃で溶融
混合したのち、100℃に保温する。この中に、乳
化剤としてノイゲンET−159、ノイゲンET−109
(第一工業製薬(株)製)を各2.5部、ジエタノールア
ミン0.34部、48%苛性カリ0.78部、ブチルセロソ
ルブ5部および80〜90℃の温水の所定量を順に加
えて粗エマルジヨンをうる。ついで該エマルジヨ
ンを300Kg/cm2の条件化でホモジナイザーに2回
通じて微細エマルジヨンとした。このものの恒数
は不揮発分35.5%、PH9.6、粘度14cpsであつた。 比較のために次のワツクスエマルジヨンWE−
C〜WE−Dもつくつた。 WE−C…市販マレイン化石油樹脂/パラフイン
ワツクス(135〓)を主成分とするワツクスエ
マルジヨン(特開昭50−36711)。 WE−D…エステルガム/パラフインワツクス
(135〓)を主成分とするワツクスエマルジヨン
(特開昭57−155254)。 WE−E…WE−Bにおいてポリブテンを流動パ
ラフインに代えた以外は同じ。 WE−F…WE−Bにおいてブチルセロソルブを
省略した以外は同じ。 WF−G…WE−Bにおいてフマル化ロジンエス
テルを軟化点80℃のロジンエステルに代えた以
外は同じ。 合成ゴム系ラテツクスとしてメチルメタクリレ
ート−ブタジエン系ラテツクス(日本ゼオン社
OX−1007および日本合成ゴム社JSR0668)およ
びスチレン−ブタジエン系ラテツクス(日本合成
ゴム社製JSR0588)を使用し、またワツクス系エ
マルジヨンとして本発明の(WE−A)および
(WE−B)ならびに比較のための(WE−C)〜
(WE−G)を使用し、原紙として未晒両晒クラ
フト紙(坪量70g/m2)を用い該クラフト紙にマ
イヤーロツドにより塗工し、乾燥機中で約105℃
で1分間乾燥し、透湿度、耐水性、離解度、摩擦
係数を測定した。結果を合成ゴムラテツクスとエ
マルジヨンワツクスの配合比、および塗工量と共
に表1に示す。 透湿度、耐水性、離解度およびすべり摩擦の測
定方法は、次のとおりである。 (1) 透湿度 カツプ法;JIS Z−0208に準じて測定した。 (2) 耐水性 180mm×140mmの試料(約1/40m2)を用い、
塗工面を内側にして箱を作り、メチレンブルー
染料水(濃度0.05%)を約150ml入れ、15時間
放置後染料水を拾てテイツシユペーパーで拭取
り目視で次の判定をする。 (1) 防湿処理面の染料による染着状態。 (2) 折り部コーナー部より裏面への染料のにじ
み出し。 耐水性については ++>+>±>−>−−の順に優れている
ことを表わす。 (3) 離解度 (1) 離解器は家庭用ミキサー2000ml容量のもの
を用い、回転切断刃を裏返し背の鈍角部が試
料に当る様にセツトする。 (2) ミキサーポツト中に500mlの常温水を入れ
紙試料8.0gを約7cm2位の大きさに破いて入
れる。 (3) 離解パルプ濃度は約1.6% (4) 判定は最初1.5分間離解(原紙は1.0分間)
以後30秒離解毎に青ガラス上に処理防湿紙を
取り出し完全離解までの時間を測定し、離解
時間を秒または分で表わす。 (5) 手抄シートマシンでシートを作成する。 (4) すべり摩擦 水平法:J.TAPPINo.30に準じて試験紙の塗
工面とワンプとの間の動摩擦係数を移動速度
300mm/min.の条件下でテンシロン装置により
測定した。
【表】
【表】
【表】 表1に示す結果からわかるように、本発明方法
により製造した防湿防水性シートは、比較の例の
ものに比し、特に耐すべり性において優れている
ことがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 融点が55℃以上のパラフインワツクス10
    〜50重量部 (b) マレイン化もしくはフマール化ロジンと多価
    アルコールとのエステル化物であつて、軟化点
    が90〜110℃、かつ酸価が15以下であるもの30
    〜70重量部 (c) 38℃における動粘度が5〜1000cstでかつ流
    動点が−70〜−15℃である液状ポリブテン2.5
    〜30重量部 (d) ロジン0〜10重量部 (e) ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル
    1〜10重量部、および (f) エチレングリコールモノアルキルエーテル1
    〜15重量部 を主成分として含有するワツクスエマルジヨンを
    常法によりセルロースを主体とする繊維質基材表
    面上に塗布し、加温下で乾燥することを特徴とす
    る防湿、防水性シートの製造方法。 2 合成ゴム系ラテツクス固形分100重量部に対
    して、 (a) 融点が55℃以上のパラフインワツクス10〜50
    重量部、 (b) マレイン化もしくはフマール化ロジンと多価
    アルコールとのエステル化物であつて、軟化点
    が90〜110℃、かつ酸価が15以下であるもの30
    〜70重量部、 (c) 38℃における動粘度が5〜1000cstで、かつ
    流動点が−70〜−15℃である液状ポリブテン
    2.5〜30重量部、 (d) ロジン0〜10重量部、 (e) ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル
    1〜10重量部、 および (f) エチレングリコールモノアルキルエーテル1
    〜15重量部、 を主成分として含有するワツクスエマルジヨンを
    固形分として5〜200重量部配合してなる水性エ
    マルジヨンを常法によりセルロースを主体とする
    繊維質基材表面上に塗布し、該ワツクスの融点ま
    たはそれ以上の温度で乾燥することを特徴とする
    防湿、防水性シートの製造方法。
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