JPH0310468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は複合管の継手に関し、詳しくは、合成
樹脂管の外周面に繊維強化プラスチツク層を設け
た複合管の端部を、合成樹脂短管の外周面に繊維
強化プラスチツク層を設けた管継手に差込んで複
合管を接続する複合管の継手に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

合成樹脂管の外周面に繊維強化プラスチツク層
を設けた複合管を接続する複合管の継手として
は、第４図に示す如く、合成樹脂短管Ｂの外周面
に繊維強化プラスチツク層Ｃを設けてあり、管端
部Ｄが直角の管継手Ａを使用し、この管継手に複
合管の端部を差込み、管継手の端部及び複合管の
端部外周にパテ材を充填し、更に、それらの外周
面に繊維強化プラスチツク材を積層したものが、
従来から知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の複合管の継手は、管端部が直角の管
継手に複合管の端部を差込むものであるために、
管継手を複合管に溶着したり、パテ材を充填する
のが困難であつた。また、パテ材を充填する際に
間隙ができ、しかも、管継手の管端部外周面の繊
維強化プラスチツク層が肉薄になつて、強度的に
満足できず、それを満足させるにはコスト高にな
るという欠点があつた。

本考案は上述のような従来の欠点を解消したも
ので、管端部の外周をテーパー状に形成した管継
手に複合管の端部を差込み、管継手を複合管に溶
着する等によつて、複合管を強堅に接続すること
ができ、しかも、その接続を容易に行えるように
した複合管の継手を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る複合管の継手は、合成樹脂管の外
周面に繊維強化プラスチツク層を設けた複合管
を、合成樹脂短管の外周面に繊維強化プラスチツ
ク層を設けてなる管継手により接続するもので、
管継手は、その管端部外周をテーパー状に形成し
てある。上記複合管の端部側の繊維強化プラスチ
ツク層を剥離してその合成樹脂管の端部を管継手
に差込み、管継手の管端部を複合管の合成樹脂管
に溶着する。更に、複合管の端部側及び管継手の
外周面にパテ材と繊維強化プラスチツク材とを順
次積層することを特徴としている。

〔考案の作用〕

本考案は、管継手の管端部外周をテーパー状に
形成してあり、管継手の管端部にその合成樹脂短
管が露出するので、該合成樹脂短管を複合管の合
成樹脂管に溶着し易いし、それらを溶着すること
によつて管継手と複合管とが一体になる。また、
管継手の外周面とこれに差込まれた複合管の外周
面との間が傾斜面になるので、その部分にパテ材
を積層するのが容易であり、しかも、それを積層
する際に間隙ができない他、管継手の管端部外周
面及び複合管の端部側の外周面に積層した繊維強
化プラスチツク材が肉厚になる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を添附の図面において説明
する。

第１図は分解斜視図、第２図は管継手の１部断
面図、第３図は複合管を接続した状態の半断面図
である。

本考案は、第１図に示す如く、合成樹脂管２の
外周面に繊維強化プラスチツク層３を設けてある
複合管１を、合成樹脂短管５の外周面に繊維強化
プラスチツク層６を設けた管継手４により接続す
るものである。複合管１の合成樹脂管２及び管継
手４の合成樹脂短管５としては、硬質塩化ビニル
管等があり、合成樹脂管２の外径と合成樹脂短管
５の内径とが略同一になつている。また、それら
の外周面に設けてある繊維強化プラスチツク層３
及び６は、ロービング繊維、ロービングクロス、
ガラスクロス、ガラスマツト等に硬化剤、促進剤
等を添加した液状のポリエステル樹脂を含浸さ
せ、合成樹脂管２及び合成樹脂短管５の外周面に
螺旋状に巻回し、上記液状のポリエステル樹脂を
硬化させたものを例示してある。上記管継手４
は、第２図でも明らかなように、その管端部７の
外周をテーパー状に形成してある。その傾斜角度
は適宜でよいが、施工性等を考慮すると45度以下
15度以上であることが好ましい。このように管端
部７の外周をテーパー状に形成すると、管継手４
の合成樹脂短管５の管端部７に露出する。一方、
複合管１はその端部側の繊維強化プラスチツク層
３を剥離して合成樹脂管２の端部を露出し、第３
図に示す如く、合成樹脂管２の端部を上記管継手
４に両端側から差込む。この際、合成樹脂管２の
外面及び合成樹脂短管５の内面に、或はそれらの
いずれか一方に接着剤を塗着しておき、差込む。
そうすると、合成樹脂管２の端部が管継手４の深
部まで挿入されて強固に接続される。複合管１を
差込んだ管継手４の管端部７において、管継手４
の合成樹脂短管５を複合管１の合成樹脂管２に溶
着してある。この管継手４の管端部７はテーパー
状になつており、そこに合成樹脂短管５が露出し
ているので、上記溶着が簡単であり、この溶着に
よつて管継手４と複合管１とが一体になる。更
に、管継手４及び複合管１の端部側の外周面にパ
テ材８と繊維強化プラスチツク材９とを順次積層
してある。パテ材８としてはシリコン等があり、
これを管継手４の管端部７の外周面及び複合管１
の合成樹脂管２の外周面に充填積層したものを例
示してある。管継手４の管端部７は傾斜面になつ
ているので、その部分にパテ材８を充填し易いば
かりでなく、間隙ができないように充填し得る。
また、繊維強化プラスチツク材９は、ロービング
繊維、ロービングクロス、ガラスクロス、ガラス
マツト等に硬化材、促進材等を添加した液状のポ
リエステル樹脂を含浸させ、管継手４、複合管１
の端部側及びパテ材８の外周面に巻回し、液状の
ポリエステル樹脂を硬化させたもので、管継手４
の管端部７をテーパー状に形成してあるから、複
合管１の外径と略同径になるように積層しても、
管端部７の部分の繊維強化プラスチツク材９が肉
厚になる。

〔考案の効果〕

上述のように本考案によれば、管継手の合成樹
脂短管を複合管の合成樹脂管に溶着し易く、複合
管の端部側及び管継手の管端部外周面にパテ材を
充填積層するのも容易であるから、複合管の接続
を簡単に行うことができる。また、管継手の合成
樹脂短管を複合管の合成樹脂管に溶着することに
よつて管継手と複合管が一体になり、パテ材の充
填積層の際に間隙ができない他、管継手及び複合
管の外面に積層する繊維強化プラスチツク材の量
を少なくして、管継手の管端部の繊維強化プラス
チツク材が肉厚になるから、該繊維強化プラスチ
ツク材を節減でき、しかも、複合管を強堅に接続
することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は分解
斜視図、第２図は管継手の１部断面図、第３図は
複合管を接続した状態の半断面図、第４図は従来
の管継手の１部断面図である。 図中１は複合管、２は合成樹脂管、３は繊維強
化プラスチツク層、４は管継手、５は合成樹脂短
管、６は繊維強化プラスチツク層、７は管継手の
管端部、８はパテ材、９は繊維強化プラスチツク
材を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂管の外周面に繊維強化プラスチツク層
   を設けた複合管を、合成樹脂短管の外周面に繊維
   強化プラスツク層を設けてなる管継手により接続
   する複合管の継手であつて、該管継手の管端部外
   周をテーパー状に形成し、複合管の端部側の繊維
   強化プラスチツク層を剥離してその合成樹脂管の
   端部を上記管継手に差込み、管継手の管端部を複
   合管の合成樹脂管に溶着すると共に、複合管の端
   部側及び管継手の外周面にパテ材と繊維強化プラ
   スチツク材とを順次積層したことを特徴とする複
   合管の継手。