JPH029960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、インク類を所持したテープ状箔を介
して活字により捺印を行なう箔式捺印機に関し、
特にテープ状箔の繰出しリールの遊転を防ぐ抑制
力を所望の強さに保持することができるととも
に、テープ状箔の正常状態、テープ状箔の非存在
もしくは破断、さらにテープ状箔の終了を検知す
ることができるようにした箔式捺印機に関する。

従来の箔式捺印機は第１図Ａ，Ｂに示すよう
に、ベースプレート１と、該ベースプレート１の
前面側で、インク類を所持したテープ状箔２を一
方向に送る繰出しリール３および巻取りリール４
と、前記テープ状箔２を前記繰出しリール３から
前記巻取りリール４まで所定経路に沿つて導く案
内装置５と、前記テープ状箔２を巻取る方向に前
記巻取りリール４を回動させる電動モータ６と、
前記テープ状箔２を介して被捺印体（図示せず）
に圧接し得る活字７を保持したナンバーリング８
と、前記活字７で捺印を行なう毎に前記テープ状
箔２に向け上下に沿つて、前記ナンバーリング８
を往復移動させる駆動機構１０とを備えている。

前記巻取りリール４はベルト１１を掛け渡され
るプーリー部４ａを有し、ベルト１１を介して前
記電動モータ６により回動される。また、前記駆
動機構１０も普通は前記電動モータ６から動力を
得る構成となつている。

一方、前記案内装置５は、所望数の静止した案
内ローラ５ａと、繰出しリール３の近傍のテンシ
ヨンローラ５ｂと、巻取りリール４の近傍のテン
シヨンローラ５ｃとを有している。テンシヨンロ
ーラ５ｂ，５ｃは夫々揺動レバー５ｄ，５ｅによ
り保持され、揺動レバー５ｄ，５ｅは夫々スプリ
ング５ｆ，５ｇにより付勢されている。

また、前記繰出しリール３の回動支軸３ａの周
囲には、繰出しリール３の遊転を防ぐスプリング
１２が巻き付けられている。

さらに、前記ベースプレート１の後方側には、
電動モータ６の電源スイツチ１３と、活字７を加
熱するヒーター（図示せず）の電源スイツチ１４
と、前記ヒーターの温度を設定する調節つまみ１
５と、テープ状箔２の送り調節つまみ１６等が設
けられている。

しかし、上記した従来の箔式捺印機において
は、スプリング１２により繰出しリール３の遊転
を防ぐ構造となつているため、スプリング１２が
繰出しリール３の支軸３ａにより摩擦力で伸縮さ
れ、遊転を防ぐ抑制力が一定とならず、テープ状
箔２の送りを不安定にする問題がある。特に、テ
ープ状箔２は普通は活字７の全体幅の分だけ、間
欠的に送り出されるが、繰出しリール３の抑制力
が不均一になると、テープ状箔２の送り長さにム
ラが生じる問題がある。

また、従来の箔式捺印機には、テープ状箔２の
異常状態、すなわち非存在や破断、あるいは終了
を検知する手段がなく、捺印が不適正になる問題
もあつた。

本考案は、上記した従来の問題を解決するため
になされたもので、その目的は、繰出しリールの
遊転を防ぐ抑制力を所望の強さに保持することが
できるとともに、テープ状箔の正常状態と異常状
態を検知することができる箔式捺印機を提供する
ことにある。

以下、第２図〜第６図に示す実施例に基づいて
本考案を説明する。なお、従来と同一部分には同
一符号を用いて説明する。

第２〜４図において、本考案による箔式捺印機
は、繰出しリール３の近傍でテープ状箔２を緊張
させるテンシヨンローラ２０を保持した揺動レバ
ー２１と、前記テンシヨンローラ２０が前記テー
プ状箔２を緊張させる方向に沿つて、前記揺動レ
バー２１を常時付勢する引張りスプリング２２
と、前記繰出しリール３の回動を抑制するととも
に、前記揺動レバー２１が前記スプリング２２の
付勢方向の反対方向に回動されるときに、当該揺
動レバー２１によつて抑制力を緩和されるブレー
キ部材２３と、前記揺動レバー２１と一緒に回動
されるカム２４と、該カム２４により第１位置Ａ
または第２位置Ｂへ切換えられる接点２５ａを持
つたリミツトスイツチ２５とを備えている。

前記揺動レバー２１は支点ピン２１ａを介して
ベースプレート１に枢着され、前記スプリング２
２は下端部を揺動レバー２１に止着され、上端部
はボルト２６を介してベースプレート１に止着さ
れている。また、前記ブレーキ部材２３は上方側
の一端部２３ａをベースプレート１に止着され、
中間部は繰出しリール３の支軸３ａに添接され、
そして下方側の端部２３ｂは前記揺動レバー２１
のうち、支点ピン２１ａを挾んでテンシヨンロー
ラ２０を保持した端部の反対側の端部に止着され
ている。

一方、前記カム２４は凸部２４ａを有する円板
状の部材であつて、前記支点ピン２１ａの周りで
揺動レバー２１と一体となつて回動される。そし
て、前記リミツトスイツチ２５の接点２５ａが凸
部２４ａ上にあるときには、接点２５ａが第１位
置Ａに置かれることになり、凸部２４ａの何れか
の側に落下したとき（第５〜６図）には、第２位
置Ｂに置かれることになる。

より詳細に説明すると、テープ状箔２が繰出し
リール３から正常に送り出されるときには、スプ
リング２２に抗してテンシヨンローラ２０を第３
図の反時計方向にやや押し戻し、この状態で前記
接点２５ａが第１位置Ａにくる。また、このと
き、ブレーキ部材２３の張力が緩められ、繰出し
リール３の回動が容易となる。また、この場合、
テープ状箔２の送りが中断されると、スプリング
２２により揺動レバー２１が再び時計方向に回動
されてブレーキ部材２３の抑制力を増大させる。
しかし、接点２５ａは第１位置Ａに位置したまま
である。

次に、テープ状箔２がテンシヨンローラ２０上
にないとき、もしくは破断したときには、テープ
状箔２の作用力がなくなるので、前記揺動レバー
２１がスプリング２２によりその付勢方向（時計
方向）に深く回動され、それによりカム２４も第
５図のように回動されて、接点２５ａが第２位置
Ｂにくる。

さらに、テープ状箔２が終了したときには、テ
ープ状箔２の終端が繰出しリール３に固着されて
いるので、テープ状箔２の引張り作用により前記
揺動レバー２１がスプリング２２の付勢方向の反
対方向（反時計方向）に深く回動され、それによ
りカム２４も第６図のように回動されて、同様に
接点２５ａを第２位置Ｂへ移動させる。

したがつて、接点２５ａが第１位置Ａにあると
きにはリミツトスイツチ２５が正常状態を知らせ
る信号（あるいは無信号）を発生し、第２位置Ｂ
にあるときには、異常である旨を知らせる信号
や、捺印動作を停止させる信号を発生するように
しておけば、常に適正な捺印を行なうことが可能
となる。なお、その他の構成は従来と全く同一で
あるので、説明を省略する。

上記実施例の構成から明らかなように、ブレー
キ部材２３はテープ状箔２の送り出しによるテン
シヨンローラ２０の位置変化に合わせて繰出しリ
ール３を適切に抑制するので、常に適正な力で遊
転を防ぐことができる。

また、テンシヨンローラ２０の位置変化により
テープ状箔２の状態を検知するようにしているの
で、不正な捺印を未然に防ぐことができる。

したがつて本考案によると、テープ状箔の送り
出しが安定するとともに、適正な捺印を維持する
ことが可能となる箔式捺印機が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは、従来の箔式捺印機の正面図、第１
図Ｂは第１図Ａの概略右側面図、第２図は本考案
の一実施例に係る箔式捺印機の要部正面図、第３
図は第２図の要部平面図、第４図は第２図の右側
面要部断面図、第５図および第６図は第２図の箔
式捺印機の動作を示す要部正面図である。 符号の説明、１……ベースプレート、２……テ
ープ状箔、３……繰出しリール、３ａ……支軸、
４……巻取りリール、５……案内装置、６……電
動モータ、７……活字、８……ナンバーリング、
１０……駆動機構、２０……テンシヨンローラ、
２１……揺動レバー、２１ａ……支点ピン、２２
……スプリング、２３……ブレーキ部材、２４…
…カム、２４ａ……凸部、２５……リミツトスイ
ツチ、２５ａ……接点、Ａ……第１位置、Ｂ……
第２位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インク類を所持したテープ状箔の繰出しリール
   および巻取りリールと、前記テープ状箔を前記繰
   り出しリールから前記巻取りリールまで所定経路
   に沿つて導く案内装置と、前記テープ状箔を巻取
   る方向に前記巻取りリールを回動させる駆動装置
   と、前記テープ状箔を介して被捺印体に圧接し得
   る活字を保持したナンバーリングと、前記活字で
   捺印を行なう毎に前記テープ状箔に向けて、前記
   ナンバーリングを往復移動させる駆動機構とを備
   える箔式捺印機であつて、前記繰出しリールの近
   傍で前記テープ状箔を緊張させるテンシヨンロー
   ラを保持した揺動レバーと、前記テンシヨンロー
   ラが前記テープ状箔を緊張させる方向に沿つて、
   前記揺動レバーを常時付勢するスプリングと、前
   記繰出しリールの回動を抑制するとともに、前記
   揺動レバーが前記スプリングの付勢方向の反対方
   向に回動されるときに、当該揺動レバーによつて
   抑制力を緩和されるブレーキ部材と、前記揺動レ
   バーと一緒に揺動されるカムと、該カムにより第
   １位置または第２位置へ切換えられる接点を持つ
   たリミツトスイツチとを備え、前記テープ状箔が
   前記テンシヨンローラをやや押し戻した状態で正
   常に送り出され得るときには、前記リミツトスイ
   ツチの接点が前記第１位置に置かれ、前記テープ
   状箔の非存在時もしくは破断時には、前記揺動レ
   バーが前記スプリングの付勢方向に深く回動され
   ることにより前記接点が前記第２位置に置かれ、
   前記テープ状箔の終了時には、同テープ状箔の引
   張り作用で前記揺動レバーが前記スプリングの付
   勢方向の反対方向へ深く回動されることにより、
   同様に前記接点が前記第２位置に置かれることを
   特徴とする箔式捺印機。