JPH029929B2 - - Google Patents

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JPH029929B2
JPH029929B2 JP62203330A JP20333087A JPH029929B2 JP H029929 B2 JPH029929 B2 JP H029929B2 JP 62203330 A JP62203330 A JP 62203330A JP 20333087 A JP20333087 A JP 20333087A JP H029929 B2 JPH029929 B2 JP H029929B2
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JP
Japan
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laminate
resin liquid
resin
liquid
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JP62203330A
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JPS63252726A (ja
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Masayuki Ooizumi
Masakata Goto
Ichiro Azumi
Shoji Uozumi
Masakazu Kamikita
Masaharu Abe
Yasuo Fushiki
Minoru Itsushiki
Kunio Kawasaki
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は熱硬化性樹脂を含浸したシート状基材
が重ね合された積層体及び金属箔張り積層体を連
続的に製造する方法に関する。 特に電気的な用途に用いる積層絶縁板及び印刷
回路板に用いる金属箔張り積層体を目的としたも
のである。なお本発明では、表面に金属箔を積層
しないで絶縁板として使用されることの多い積層
板及び、金属箔張り積層体を共に「積層体」とい
う用語で表現している。 積層体は260℃にも加熱されるハンダ温度に対
するすぐれた耐熱性、すぐれた電気絶縁特性、誘
電特性、パンチング加工性、耐薬品性、金属箔の
剥離強度、及び積層体の表面平滑性、及び加熱時
に悪臭や毒性を有する有害な揮発物を出さないこ
とが要求される。更に印刷工程や加熱工程で煩わ
しい大きなソリを発生しないこと、熱伝導性を害
し品位を損ねる気泡を含浸しないこと、各種環境
下でのすぐれた寸法安定性、そして低コストであ
ること等、多数の特性が要求されるものである。 積層体の形状は、たとえば厚さが約0.5mm〜5
mm程度であり、実用的寸法が通常略1m四方で、
表面が平滑な板状物である。 従来、これらの積層体は樹脂成分を溶剤に溶か
したワニスを基材に含浸し、ついで溶剤を乾燥し
てプリプレグを作り、これを一定サイズに切断
し、これを多層重ね合せバツチ方式で加圧加熱す
る等の方法で製造されていた。この従来方法にお
いては、作業性や工程上の制約からプリプレグは
非粘着性であることが必要であり、この観点から
樹脂成分が制限されるとともに、溶剤を必要と
し、従つて、複雑な製造工程を必要とし、生産性
に大きな問題があるのが実情である。 又、従来の金属箔張り積層体は、たとえば、樹
脂成分を溶剤に溶かしたワニスを基材に含浸し、
ついで溶剤を乾燥してプリプレグを作り、これを
一定サイズに切断し、これを多層重ね合せた上へ
更に、予め金属箔に接着剤を塗布しB状態に焼付
けられている接着剤付き金属箔を重ね合せ、つい
で加熱加圧するバツチ方式で製造されていた。こ
れらの製品は、たとえば印刷配線用回路基板とし
て利用されているが、工程が複雑であり、バツチ
生産であるが故に、人手を要し、生産性に大きな
問題があるのが実情である。 近年かかる観点から、積層体あるいは金属箔張
り積層体を連続的に製造するいくつかの提案がな
されている(米国特許第3236714号明細書、米国
特許第4012267号明細書、特開昭53−88872号公
報)。 しかしいずれも次の問題があり、コスト的及び
特性的に連続製造法の利点が生かしきれず、十分
に実用化されていないのが現状である。即ち a 乾燥工程を必要とする溶剤型の樹脂ワニスを
用いる場合、乾燥後、基材に付着せる樹脂成分
は、通常極めて高粘度の半流動体もしくは固形
となる。かかる樹脂成分が付着した基材の表面
は鏡面でないが故に、基材を多層重ね合せる時
に層間に空隙や気泡が出来る。これら空隙や気
泡を排除するには、重ね合せ時、加熱やかなり
の圧力を必要とし、かつかかる高い圧力を硬化
過程の工程中維持しなければならないという極
めて困難な装置を必要とする。さらに、乾燥工
程には乾燥炉や溶剤回収装置を必要とし、従来
法に対しての利点は減少する。 b 又、硬化反応過程で気体や液体等の反応副生
成物を発生する熱硬化性縮合型樹脂を用いる
と、たとえ、それが上記のごとき乾燥工程を必
要としない樹脂液であつても、発生する副生成
物による発泡等の悪影響を回避する為には、硬
化過程で加圧を持続しなければならないという
同様の困難さを有する。 c 連続的に搬送する成形体に対し硬化反応過程
の期間、加圧を維持しなければならないという
困難な課題に対して、加熱加圧ロールの対を多
数直列に設置するというような、局部加圧の羅
列という妥協策が容易に構想できる。しかしな
がら本発明者らの実験によれば、このような方
法では、成形体の任意の固定点に対しての加圧
は周期的に大きく変動し、内部の気泡がふくれ
あがる等、特性の優れた積層体は得られない。
さらに樹脂成分が加熱により流動もしくは半流
動状態の未硬化のところで周期的に加圧するこ
とは、樹脂成分の不必要な流動を発生せしめ、
たとえば表面が液板状となり、望ましい製品を
得ることはほとんど不可能である。そのため鉄
板のごとき剛性の高い板状物を成形体と加圧ロ
ール間に連続的に供給し、局部加圧と圧力変動
の問題に対処したが、複雑な装置を必要とする
不利があつた。 基材に含浸し付着した熱硬化性樹脂液の基材に
対する重量比率は積層体の品質設計上、重要な問
題である。しかし本発明に於ては後述する如く積
層基材の硬化即ち成形は、圧力が無圧の条件で行
なわれるため、従来の加圧プレス法のごとく、成
形時の加圧によつて過剰な樹脂分を排除する操作
は出来ない。しかし樹脂液含浸基材積層体の両面
にシート状或いはフイルム状被覆物をラミネート
した時点において、該樹脂液含浸基材の硬化する
前の樹脂液量の重量比率が該基材に対し10%未満
であると、複数枚のシート状基材は硬化時におい
ても良好に接合せず、そのため硬化後に局部的な
剥離部分を起し、或いは基材がバラバラに分離し
てしまう場合があつた。この様な極端な場合でな
くとも、製品は樹脂と基材との複合積層材料とし
ての効果が不十分で耐熱性や機械的強度の点で品
質的に不満足なものが多かつた。なお、樹脂液含
浸基材の樹脂液量の重量比量は樹脂液含浸基材の
重量に対する含浸樹脂液重量の割合によつて表わ
されている。 基材に対する熱硬化性樹脂液の重量比率が90%
を越える過剰の場合、積層体を連続的に無圧の条
件で硬化させる過程で、特に過程の前半において
硬化が十分に進んでいない箇所では、基材が樹脂
液保持能力を十分に有しないと、フイルム状或い
はシート状被覆物の両縁から或る程度の樹脂液の
流出を惹起し、樹脂液量の必要な重量比率を確保
することが出来なくなる許りでなく、流出した樹
脂液が硬化炉内部を汚損する不都合が生じてい
た。又かかる高い樹脂液比率では、得られた積層
体中で基材の偏在が生じて均質なものが得難い問
題がある。更に高い樹脂比率を達成するために高
多孔質の基材を用いると、かかる基材は機械的強
度が劣るものが多く、本発明の如く連続製造法に
おいては、長尺基材を連続搬送する過程で屡々破
断する不都合が生じ、仮令製品が得られても、積
層体内部は基材による補強効果が十分でなく、特
に機械的強度において不十分なものが多かつた。 本発明の方法は本質的に乾燥を必要とせず硬化
反応過程で気体や液体等の反応副生成物を殆んど
発生しない熱硬化性樹脂液をシート状基材に含浸
し、これ等含浸基材を複数枚連続的に搬送し、つ
いで連続的に積層(重ね合せ)し、さらに連続的
に且つ無圧の状態で硬化させて積層体を連続的に
製造するものである。 更に本発明の方法は、上記樹脂液含浸基材積層
対にフイルム状或いはシート状被覆物をラミネー
トした時点において、含浸基材(即ち、基材に樹
脂液を浸透したもの)に対する樹脂液の重量比率
を10乃至90%の範囲、好ましくは20乃至80%の範
囲、特に好ましくは30乃至70%の範囲に調節する
工程を実施することを特徴とするものである。熱
硬化性樹脂液の重量比率を調節する手段として、
以下の方法がある。 a 熱硬化性樹脂液をフイルム状或いはシート状
基材に含浸する際、含浸装置に於いて予め過剰
な液量を供給し、過剰な樹脂液量を基材表面に
付着させて複数枚の基材を連続的に搬送する過
程で、夫々基材の厚みに対応したスリツト33
(第1図)間を通過させ、このスリツト間隔を
調節することによつて、過剰な樹脂量を掻き落
し、付着樹脂液量を適正に調節した後、積層装
置3に送つて基材の積層を行なう。 b 含浸装置2と積層装置3との間にローラ34
(第4図)を設け、樹脂液を過剰に含浸した基
材に対し絞りローラ34によつて過剰な樹脂液
を絞り出し、含浸樹脂液量を適正に調節した
後、積層装置3に送つて基材の積層を行なう。 c 複数の樹脂液含浸基材を一対のローラ又はロ
ーラとブレードとの組合で構成した積層装置に
よつて積層する場合(第1図、第4図乃至第6
図)、ローラ間隔又はローラとブレードとの間
隔を調節可能となし、積層間隔の調節によつて
樹脂液含浸基材の過剰な樹脂液を排除し、適正
な樹脂液量となしつつ積層する。 d 積層装置3の出口側に一対のローラで構成し
たラミネート装置23(第4図)を設けて、積
層基材の両面へ被覆物をラミネートする際、ラ
ミネート装置23のローラ間隔を調節可能とな
し、間隔調節によつて積層基材の過剰な樹脂液
を排除しつつ被覆物をラミネートする。 e 上記a〜dの方法を組合せることにより、過
剰な樹脂液を数段階に分けて排除し、最終的に
適正な樹脂液量の積層体となす。 f 樹脂液含浸基材を連続的に搬送する過程、該
基材を連続的に積層する過程、積層基材をラミ
ネート装置へ連続的に搬送する過程、積層基材
に被覆物をラミネートする過程の何れかの1又
は複数の過程において、フイルム状或いはシー
ト状基材の表面又は積層基材と被覆物とがラミ
ネートされる面に、熱硬化性樹脂液を供給装置
35(第4図)によつて別途供給し、基材に対
する樹脂液の重量比率を適正に調節する。 g a〜eの方法の1又は複数とfの方法とを組
合せることによつて、積層体に含浸する樹脂液
量を最終的に最適量に調節する。 上記熱硬化性樹脂液は、硬化には本質的に不必
要な溶媒成分は含まず、樹脂液成分全体が熱硬化
物の成分となるタイプの熱硬化性樹脂を主成分と
するものであつて、かつ硬化の際、縮合水や炭酸
ガス等の反応副生成物を実質的に発生しない樹脂
液をさす。たとえば、それは不飽和ポリエステル
系樹脂、ビニルエステル系樹脂、エポキシアクリ
レート系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポ
キシ系樹脂液等のラジカル重合型あるいは付加反
応型のものである。 従つて、たとえばフエノール系樹脂、メラミン
系樹脂等を主成分とする縮合型樹脂液は本発明に
おいて排除される。 なお熱硬化性樹脂は、通常行なわれている様に
硬化を進行させるための材料を含んでおり、例え
ば樹脂液が不飽和ポリエステル樹脂液の場合は、
架橋のための重合性単量体や硬化触媒を含み、エ
ポキシ樹脂その他の樹脂液の場合は、硬化剤を含
んでいる。 本発明の方法は積層体の表面層を良好に仕上げ
るために、特に熱硬化性樹脂がラジカル重合型で
硬化触媒を含む場合には、雰囲気中の酸素を遮断
して良好な硬化を行なわせるために、積層と同時
に又は積層後に、フイルム状或いはシート状被覆
物を樹脂液含浸積層基材の両面へラミネートす
る。 積層体表面へラミネートした被覆物は、必要に
より樹脂液の硬化後、巻取り等によつて剥離し、
剥離した被覆物は回収し、再使用することによつ
て、積層体の製造コストを低下させることが出来
て好ましい。 片面或いは両面金属箔張り積層体を製造する場
合、被覆物として剥離を目的としない金属箔を積
層体の片面又は両面にラミネートすることによ
り、被覆物は積層体の表面被覆によつて硬化を促
進するばかりでなく、製品の構成部分となつて非
常に合理的である。 本発明は積層体の連続的な製造に際し、使用す
るシート状基材に熱硬化性樹脂液を含浸する前
に、製品に求められている特性、用途、製品の製
造条件に応じてシート状基材に対し適当なプレ含
浸工程及び必要に応じてプレ含浸工程の後に乾燥
工程を付加する方法である。特にセルロース基材
に対し、含浸工程にて不飽和ポリエステル樹脂液
を含浸させる場合、基材に対してN−メチロール
化合物の溶液を単にプレ含浸させ、乾燥して溶媒
を除去することにより、吸湿時でも諸特性の優れ
た電気用積層板を完成出来る。 本発明の方法は又、シート状基材に熱硬化性樹
脂液を含浸させるに際して、樹脂液を大気圧以下
の環境にさらして減圧処理し、然る後又は減圧下
で樹脂液をシート状基材へ含浸させるものであつ
て、樹脂液の含浸時間を短縮し、しかも製品中へ
の気泡の混入をほぼ完全に排除出来る。 本発明は更に熱硬化性合成樹脂液を含浸したシ
ート状基板を加熱して連続的に且つ実質上、無圧
の状態で硬化工程を進めるに際して、積層体をカ
ツターで切断することが十分に可能且つ積層体の
表面にラミネートされている被覆物が障害なく剥
離出来る程度に硬化した初期の硬化状態で、実用
寸法に切断し、切断後も硬化を更に進めることに
よつて、硬化に伴う積層体のそり、残留歪を実用
上差しつかえない程度にまで低下することが出来
る方法である。 本発明は、本質的に乾燥を必要とせず硬化反応
過程で気体又は液体等の反応副生成物を殆んど発
生しない熱硬化性樹脂液を使用するから、従来の
如く樹脂ワニスを基板に含浸させる方法と較べ
て、樹脂ワニスの乾燥装置や溶剤回収装置が不用
となり、又含浸工程から積層工程(多数枚のシー
ト状含浸基材の重ね合せ工程)間で樹脂液の性状
は実質的に不変である。従つて、たとえば十分に
樹脂液を含浸せしめたシート状基材を重ね合せ
て、樹脂液どうしが接触する際、樹脂液体は低粘
度であるから、重ね合せ時の気泡のまきこみを最
少限のレベルに抑えることができ、かつ重ね合せ
工程で特別な加熱や加圧を施さなくともよい。 更に混入している気泡や硬化時に発生する気体
等が実質的に存在しないから、前記したごとき高
圧力を付加し、それを持続する為の困難かつ非現
実的ともいえる装置を必要とせずして、加熱硬化
でき、特性の優れた製品を安価に製造出来る利点
がある。 本発明が熱硬化型樹脂液をシート状基材へ含浸
させ、油圧の条件下で硬化させて特性の優れた製
品を連続的に製造することを可能としたのは、画
期的なことであつて、硬化時の成形圧による不必
要な製品の歪を排除でき、特に厚み方向における
加熱時の寸法安定性に優れた製品を製造でき、加
圧するための特別な装置を必要とせず、前記した
ごとき局部加圧の羅列方式は不必要であり、表面
の平滑性に優れた製品を製造できる利点がある。 本発明にいう無圧とは、人為的な加圧操作を伴
なわないで、通常の大気圧下で行うことを意味す
る。厳密に言えばフイルム状あるいはシート状被
覆体をラミネートする場合は、該被覆体の重量圧
を受ける。しかし、かかる重量圧は現実的には
0.01Kg/cm2を越えることはなく、通常は0.01Kg/
cm2〜0.001Kg/cm2であり、このような微圧は本発
明において樹脂の流動、流出等の成形条件を損ね
ず、無視出来る。 又、本発明においては加熱と加圧を連続的に行
う複雑な装置を必要としないから、硬化の際の加
熱方法や連続的な搬送方法をかなり自由に選択で
きるのである。たとえば、 a たとえば1m間隔に配列したロールを被加熱
物の支持体としてこの片面もしくは両面より熱
風をふきつける。 b フローテイングドライヤーとして良く知られ
ている方法であつて、被加熱物の上下面より加
熱空気のジエツト流を噴きつけ、中空に浮上さ
せつつ搬送する。 c 熱媒や電熱によつて加熱板上を搬送し、伝熱
により加熱する。 d 熱媒や電熱の加熱板又は加熱物の輻射熱によ
つて加熱する。 など、何れも不必要な加圧を排除して加熱硬化せ
しめ、かつ連続的に搬送できる好ましい方法であ
る。 本発明の方法によつて製造された積層体は、従
来のバツチ方式による従来法の製品に比して製品
の厚み精度が優れている。たとえば、0.5mm厚さ
の積層体の場合、従来法を用いると厚みの変動幅
は70〜160μに達するが、一般的に本発明による
ものは、その厚みの変動巾が、せいぜい20μ〜
30μ以内である。 しかも厚み方向の熱膨脹率は、従来法で製造し
た積層体の熱膨脹率の40〜60%である。 又製造コストの低下、製造速度の高速化、設備
の簡略化の点で著しく優れている。 本発明は第1図に示す如く、基材供給部1から
連続的に送られるシート状基材6に対し、連続乾
燥装置12、含浸装置2、積層装置3、連続熱硬
化炉4、引出装置13、切断装置5を順次配置
し、連続熱硬化炉4には加圧手段は一切設けず、
積層体7を連続的に製造するものである。 本発明でいうシート状基材6は、従来の積層体
に用いられている基材と同じものが使用出来、例
えばガラス繊維布、ガラス不織布等のガラス繊維
系のもの、クラフト紙、リンター紙等のセルロー
ス系繊維を主体とした紙、石綿布等の無機質繊維
系のシート状又は帯状物を指す。シート状基材と
して紙を用いる場合、含浸性や品質上の観点か
ら、風乾時の密度(かさ比重)が0.3〜0.7g/cm3
であるようなセルロース繊維を主体とした紙たと
えばクラフト紙が好ましい。 シート状基材に対しては、熱硬化性樹脂液を含
浸する前に、製品に求められる特性、用途、製造
条件等に応じて適当なプレ含浸工程及び必要によ
り乾燥工程が施されるものであつて、予めプレ含
浸処理を経たシート状基材を基材供給部1に収納
してもよい。或いはプレ含浸装置14及び必要に
より連続乾燥装置12を熱硬化性樹脂液の含浸装
置2の前段へ直結し、基材供給部1から送られる
シート状基材6に対しプレ含浸を連続的に行うこ
とが出来る。 連続乾燥装置12は、プレ含浸装置14にて溶
媒を用いた溶液によつてプレ含浸を行う場合に溶
媒除去のため設置されるものである。プレ含浸が
溶媒を用いない液状化合物の含浸又はガス状化合
物の吸着によつて行う場合、必要なければ乾燥装
置12は省いてもよい。 プレ含浸工程には次のような処理があるが、こ
れに限定されるものではなく、基材に要求される
特性、用途によつて変更されることがあるのは勿
論である。 (1) 基材がガラス布基材の場合、シランカツプリ
ング剤により処理するごとく、各種カツプリン
グ剤や界面活性剤による基材の前処理 (2) 重合性各種単量体、熱硬化性樹脂液との共重
合性各種単量体を基材へ含浸 (3) 得られる積層体の物性の改質を目的として各
種熱可塑性樹脂を基材へ含浸 (4) 各種熱硬化性樹脂溶液のプレ含浸 (5) 各種不飽和脂肪酸のプレ含浸 (6) セルロースのアセチル化等、基材表面との反
応性化合物の含浸及び反応 (7) ポツトライフの短い樹脂液を含浸工程で用い
る際の解決策の1つとして、触媒、反応助剤、
硬化剤のみのプレ含浸 (8) 無機充填剤スラリー液の含浸 上記の各種プレ含浸の中、(1)においては、ガラ
ス布基材をビニルアルコキシシランによつて前処
理し、しかる後、含浸工程に於て不飽和ポリエス
テル樹脂液を含浸することによつて、プレ含浸し
ないものに比し曲げ強さが1.5倍の積層体を連続
的に製造できる。 (3)においては、クラフト紙に対して、あらかじ
めポリエチレングリコールを紙に対して10%付着
せしめ、しかる後、含浸工程において不飽和ポリ
エステル樹脂液を含浸せしめることにより、未処
理物に対して耐衝撃性が2倍に向上する。 (7)においては、市販のエポキシ樹脂硬化用ポリ
アミド樹脂を、あらかじめ付着量がエポキシ樹脂
に対して30%となる様にガラス布基材にプレ含浸
し、乾燥し、ついで含浸工程に於て市販のエポキ
シ樹脂液を含浸することによつて、貯蔵タンクや
含浸バス内の樹脂液のポツトライフの問題を解消
できる。 これ等プレ含浸工程でシート状基材への含浸付
着量は最終的には基材に対し50%以下とするのが
望ましく、過剰な量のプレ含浸は、次の含浸工程
で樹脂液の含浸を損ねる場合がある。 プレ含浸工程が重要な理由は次のとおりであ
る。 セルロース繊維を主体とした紙に対し、不飽和
ポリエステル樹脂液を含浸する場合、得られる紙
基材不飽和ポリエステル樹脂積層板は、常態にお
ける諸性能、すなわち電気絶縁性、半田耐熱性、
銅箔引きはがし強度、打抜加工性、機械的強度等
は極めて良好であるが、吸湿により積層板として
の特性が低下する場合があるという欠点を有して
いた。これは不飽和ポリエステル樹脂自身の電気
絶縁性、耐熱性、耐湿性、耐水性は優れている
が、紙基材の主成分であるセルロースとの密着性
に乏しく、吸湿により樹脂とセルロース繊維との
界面が剥離し、それに伴い吸湿量が増大し、ひい
ては諸性能の低下を招くためと考えられる。 かかる欠点を改善するための試みとして、紙基
材をメチロールメラミン又はメチロールグアナミ
ンで処理する方法(特公昭38−13781)、紙基材を
ホルムアルデヒドでホルマール化する方法(特公
昭40−29189)、セルロース基材をN−メチロール
アクリルアミドでアクリルアミドメチルエーテル
化し、水洗乾燥後、ジアリルフタレート樹脂に適
用した例(特公昭39−24121)等が知られている。 しかしながら、メチロールメラミン又はメチロ
ールグアナミンで処理する方法及び紙基材をホル
ムアルデヒドでホルマール化する方法では、十分
な効果を得るにはこれら処理剤を多量に使用する
必要があり、その結果、板が固くなり打抜加工性
を低下させる欠点がある。 又、特公昭39−24121のセルロースをアクリル
アミドメチルエーテル化する方法は、メチルエー
テル化反応に長時間を要し、更に水洗工程等の後
処理に複雑な工程を経てアクリルアミドメチルエ
ーテル化セルロースを合成し、それを基材として
積層板を製造せんとするものであつて、しかも得
られる積層板の打抜加工性は良好でないという欠
点を有する。 本願発明者等は研究を重ねた結果、吸湿による
特性の低下を防止出来る方法を発明したのであ
る。その方法は、不飽和ポリエステル樹脂に併用
される重合性単量体、例えばビニル単量体に対し
共重合可能な不飽和結合を官能基として有するN
−メチロール化合物の溶液を単に含浸し乾燥した
セルロースを基材として不飽和ポリエステル樹脂
積層板を製造するものである。これにより、常態
のみならず吸湿時の諸特性も優れた電気用積層板
を完成した。しかもこの積層板は前記した従来の
不飽和ポリエステル樹脂積層板の諸欠点は解消出
来たのである。 乾燥は前記N−メチロール化合物の溶媒である
水、アルコール等を除去するだけでよく、セルロ
ースとN−メチロール化合物との反応を行わせる
必要は全くない点が特徴である。 本発明に用いる不飽和ポリエステル樹脂は常温
で液状又は固体のいずれでも良いが、常温で液状
のものが特に好ましい。不飽和ポリエステル樹脂
液は分子構造式が、たとえば であるような一般に良く知られたものが使用で
き、従つてその原料は、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール及び1,5ペンタンジオ
ール、飽和多塩基酸として無水フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、不飽和多塩基酸として無水マ
レイン酸、フマル酸等のグリコール類と、これら
との架橋用単量体とを混合したものである。 架橋用単量体として用いられる重合性単量体
は、スチレンが一般的であるが、その他α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、
ジビニルベンゼン、炭素数1〜10のアルキルアク
リレート、炭素数1〜10のアルキルメタクリレー
ト、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリルな
どの単量体も使用することができる。これらの重
合性単量体の使用量は、不飽和ポリエステル樹脂
の20〜50重量%である。 尚特に、共重合性が良好あるいは得られる製品
の機械的強度の補強を目的として、スチレンとジ
ビニルベンゼンとの混合物はよい結果を斎す。 更に硬化触媒として汎用の有機過酸化物、必要
に応じて硬化促進剤が硬化に際して加えられる。
不飽和ポリエステル樹脂液を硬化させる場合、通
常は硬化触媒(重合開始剤)が配合される。熱硬
化型不飽和ポリエステルの樹脂の場合、有機過酸
化物が一般的であり、以下に述べるものが好適で
ある。 しかし以下のものを限定されるのではなく、過
酸化物と共に、又は単独で光に感応する硬化触媒
や、放射線に感応する硬化触媒の如く公知の硬化
触媒を使用することが出来るのは勿論である。 不飽和ポリエステル樹脂の硬化用有機過酸化物
は多数のものが公知であるが、無圧成形による新
規な電気用積層板の製造に関するものであるか
ら、重合開始剤の選択は重要である。 有機過酸化物の分解生成物は、微量であるが製
品の中に残留する。 電気用の積層体や銅張り積層体は、通常その加
工工程で100℃〜260℃程度の各種温度で加熱され
る場合が多く、かかる加工工程で上記分解生成物
が揮発し、場合によつて臭気を発生し、この臭気
は作業環境をそこねて好ましくない。 本発明者の研究によれば、有機過酸化物とし
て、脂肪族系のパーオキサイド類、特に好ましく
は脂肪族系のパーオキシエステル類から選ばれた
ものを、単独もしくは併用して用いた時に、著る
しく臭いの軽減した電気用積層板を製造できた。 脂肪族系のパーオキサイドとは、一般式が次の
ものを言う。 ROOH、RmM(OOH)n、ROOR′、RmM
(OOR′)n、RnMOOMR′n、R(CO2H)n、
RSO2OOH、
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 (但しR、R′、R″、Rは脂肪族炭化水素、M
はメタルあるいはメタロイドである。) 具体的には、たとえばジ−t−ブチルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、アセチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエイト等であ
る。 臭いは人の感覚的なもので若干の個人差があ
り、評価方法については十分考慮する必要があ
る。本発明者は、多人数による臭覚試験、ガスク
ロマトグラフによる臭いの成分の分析等を採用し
詳細な解析を行つた。 脂肪族系のパーオキシエステル類とは一般式が
次のものを言う。
【式】
【式】
【式】 (但しR、Rは脂肪族炭化水素、nはRの構造に
よつて決まる1〜4までの整数である。) たとえばt−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシラウレウトなどを言う。 脂肪族系のパーオキサイドあるいはパーオキシ
エステル類が好ましいのは、加温時に発生する揮
発性成分の中に、芳香族系の触媒分解生成物が存
在しないからであると考察される。芳香族系の有
機過酸化物を用いると、芳香族系の分解生成物が
揮発し、臭気の原因となる。 樹脂液の硬化に関する温度と時間の条件は、採
用する有機過酸化物によつても変化するが、本発
明においては、無圧の条件下で成形するが故に、
初期の段階での液状共重合性単量体の気化による
発泡を排除すべく、硬化は100℃以下の温度から
開始するのが好ましく、それ以後は、50〜150℃
の温度範囲が好適である。 電気用の積層体及び銅張り積層体においては、
耐熱性、加熱あるいは吸湿状態での寸法安定性、
打抜き加工特性、積層板と銅箔の接着強度、電気
絶縁特性等、高度な特性が要求される。従つて、
これらの改良を目的として、不飽和ポリエステル
樹脂液に、各種の添加剤、混合物、あるいは充填
剤等が配合されることは一向にかまわず、なんら
本発明を制限するものではない。 シート状基材に含浸させるエポキシ樹脂液とし
ては、ビスフエノールA型エポキシ樹脂、ノボラ
ツク型エポキシ樹脂あるいはそれらの混合物、さ
らにこれ等へ必要により反応性稀釈剤を加えた混
合物に、硬化剤を組合せて用いることができる。
エポキシ樹脂として液状タイプのものを用いるの
が好適である。 硬化剤としては、従来良く知られている酸硬化
型、あるいはアミン硬化型のものなど、どれでも
適応可能である。 特に本発明において、エポキシ樹脂と酸無水物
の硬化剤とからなるエポキシ樹脂液を用いると、
樹脂液の粘度を基材への含浸に適当な粘度即ち25
℃における粘度が0.5〜30ポイズ、好ましくは1
〜15ポイズにすることができ好適である。エポキ
シの硬化剤として一般に用いられる硬化剤は、
種々のアミン系、アミドアミン系硬化剤、ジシア
ンジアミド硬化剤、イミダゾール系硬化剤などが
あるが、これらでは物性の良好なビスフエノール
A型のエポキシ樹脂を使うと、顕著に物性の低下
を伴なうような多量の稀釈剤を使わないかぎり粘
度を適当な範囲に調節するのが難しく、アミン
系、アミドアミン系硬化剤の場合はポツトライフ
が短かい。一方、ジシアンジアミド硬化剤、イミ
ダゾール系硬化剤の場合ポツトライフは長いが、
硬化のために高温長時間を要する欠点がある。酸
無水物硬化剤を用いる場合には、このような欠点
は存在せず、本発明に適した硬化剤である。 さらに具体的に本発明のエポキシ樹脂液につい
て述べると、エポキシ樹脂としては、ビスフエノ
ールA型の液状エポキシ樹脂が好適であるが、そ
の他ビスフエノールF型、ノボラツク型などのエ
ポキシも使用可能であり、必要なら固体のエポキ
シ樹脂や稀釈剤を混合してもよい。酸無水物硬化
剤としては、無水フタール酸、テトラヒドロ無水
フタール酸、ヘキサヒドロ無水フタール酸、メチ
ル・テトラヒドロ無水フタール酸、メチルヘキサ
ヒドロ無水フタール酸、無水メチルエンデイツク
酸などが使えるほか、これらの混合物を使つても
勿論よい。なかでも常温で液状のメチル・テトラ
ヒドロ無水フタール酸、メチルヘキサヒドロ無水
フタール酸、無水メチルエンデイツク酸は本発明
の方法に好適である。 硬化助剤としては、市販の硬化助剤例えば2−
エチル−4−メチルイミダゾール、三弗化ホウ素
錯化合物、三級アミン類、ベンギルメチルアミ
ン、ベンジルジメチルアンモニウムクロライド、
三級アミン塩等を使うことができる。 又、シート状基材は長尺なガラス布が良い。特
に、前記のごときプレ含浸によつて、シランカツ
プリング処理を行つたものが良い。 本発明のプレ含浸に用いるビニル単量体と共重
合可能な不飽和結合を官能基として有するN−メ
チロール化合物とは次のものを含む。 変性アミノトリアジンメチロール化合物。す
なわちグアナミン類あるいはメラミン等のアミ
ノトリアジンのメチロール化合物(あるいはそ
れらのメチロール基の一部あるいは全部をメタ
ノール等の低級アルコールでエーテル化した化
合物を含む)に官能基としてビニル単量体と共
重合可能な不飽和結合を導入した変性アミノト
リアジンメチロール化合物である。例えばアク
リル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸とア
ミノトリアジンのメチロール化合物との部分エ
ステル化合物;あるいはアリルアルコールの如
き不飽和アルコールとアミノトリアジンのメチ
ロール化合物との部分エーテル化合物;あるい
はアクリルアミド、メタクリルアミド等不飽和
カルボンアミドとアミノトリジンのメチロール
化合物との縮合生成物;あるいはグリシジルメ
タクリレートの如き不飽和基を有するエポキシ
化合物とアミノトリアジンのメチロール化合物
との縮合生成物。 一般式 (ただし、R1=H又はCH3 R2=H又はC1〜3
アルキル基) で表わされるアミドメチロール化合物であり、
その内、特にN−メチロールアクリルアミド、
N−メトキシメチロールアクリルアミド、N−
ブトキシメチロールアクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−メトキシメチロ
ールメタクリルアミド、N−ブトキシメチロー
ルメタクリルアミド等が使用上好ましい。これ
らのうちの一種または2種以上の混合物あるい
は2種以上の共縮合物を用いてもさしつかえな
い。 更に、上記()()の外に、上記()
に記した変性化したアミノトリアジンのメチロ
ール化合物の代りに、 下記aとbとの混合物をも包含する。 a ビニル単量体と共重合可能な不飽和結合を
官能基として有しないアミノトリアジンのメ
チロール化合物等のN−メチロール化合物 b N−メチロール化合物に対する変性剤すな
わちa項のN−メチロール化合物と縮合ある
いは付加可能な基とビニール単量体と共重合
可能な不飽和結合を官能基として併せ有する
化合物、例えばアクリル酸、イタコン酸等の
不飽和カルボン酸、あるいはアリルアルコー
ルの如き不飽和アルコール、あるいはアクリ
ルアミド、メタクリルアミド等不飽和カルボ
ンアミド、あるいはグリシジルメタクリレー
トの如き不飽和基を有するエポキシ化合物 上記()の混合物溶液でもつて紙基材を含浸
乾燥することも本発明の実施態様の一つであり、
()・()の種類の処理剤で含浸した場合とほ
ぼ同様の効果を発揮することができる。これは処
理紙の乾燥時、あるいはそれに引き続く不飽和ポ
リエステル樹脂の含浸硬化時に、前記a項に記
載のアミノトリアジンのメチロール化合物と前記
b項に記載の変性剤との間で反応が起きている
ためと考えられる。 本発明の主たる目的は不飽和ポリエステル樹脂
と紙基材との密着性を改良し、吸湿時の諸性能の
低下を防ぐことにあり、その効果を十分に発揮す
るためには、既述のごとく紙基材の処理剤として
上記()・()に示した如く、セルロースと結
合しうるN−メチロール基と不飽和ポリエステル
樹脂の架橋剤である重合性ビニル単量体と共重合
しうる不飽和結合を官能基として併せて有する化
合物を用いるか、あるいは()に示した如く、
aビニル単量体と共重合可能な不飽和結合を官能
基として有しないN−メチロール化合物と、b不
飽和結合を有するN−メチロール化合物に対する
変性剤との混合物を用いる必要がある。これらに
対し、N−メチロール基かビニル単量体と共重合
可能な不飽和結合のいずれか一方の官能基しか有
さない化合物で処理を行つた場合には、その効果
は十分ではない。例えば、N−メチロール基のみ
を有するメチロールメラミンのみで処理を行つた
場合、あるいは不飽和結合のみを有するアクリル
アミドで処理した場合には、得られた積層体の吸
湿時の諸性能は十分なものではなかつた。 本発明において用いる上記()〜()に示
した処理済の溶液濃度は乾燥後の紙基材(即ち紙
基材のみ)に対する付着量が3〜30重量部、望ま
しくは6〜20重量部となるように調整することが
望ましく、3重量部未満の付着量では効果が十分
でなく、また30重量部をこえると積層体にした
時、板がもろくなり打抜加工性を劣化させる。 これらの処理剤の溶液化のための溶媒として
は、水、アルコール類、ケトン類、エステル類等
の溶剤を使用することができる。又セルロースと
上記処理剤のN−メチロール基との間のエーテル
化反応を効率的に進めるために酸性の縮合触媒を
添加したり、含浸処理後の紙のキユアー温度を高
めることは有効である。このような方法によつ
て、それに引続く不飽和ポリエステル樹脂の含浸
硬化反応に先立つて前記セルロースのエーテル化
反応を一部惹起する事も出来るが硬化に先立つこ
の反応の特別の効果は認められない。 本発明においては、必ずしも紙処理の過程にお
いて上記のエーテル化反応を進める必要はなく、
触媒を添加せず、単に処理剤を紙に付着させるだ
けで十分に吸湿時の諸性能を向上させることがで
きる。逆に、添加する触媒の種類によつては、得
られる積層体の電気絶縁性を低下させたり、板を
固くし打抜加工性を劣下させることがある。 なお、所望により重合禁止剤、重合触媒、界面
活性剤、可塑剤等の添加剤を適宜組合せて、処理
剤溶液に添加して用いることができる。 これらの浴液にクラフト紙、リンター紙など通
常積層体に用いられる紙基材、場合によつては布
基材を浸漬浴、ロールコーターあるいはスプレー
等を用いて含浸した後、乾燥することにより溶媒
を除去して処理基材を得る。ここで言う乾燥は使
用した溶媒を除去する事のみを考慮して行えば良
いのであつて、基材セルロースと処理剤を反応さ
せる必要は全くない。 又、先に記した文献に開示されているメチロー
ルメラミン、メチロールグアナミン等(即ちビニ
ル単量体と共重合可能な不飽和結合を官能基とし
て有しないメチロール化合物のみ)を紙基材にプ
レ含浸した紙基材を用いて、本発明方法により不
飽和ポリエステル樹脂を使用して積層体を作成
し、その性能を調べたところ、予備処理をしない
場合に比べて吸湿による電気絶縁性や半田耐熱性
の低下が少なく、耐湿性、耐水性の面では可成り
の向上はみられるが、その一方、衝撃によりクラ
ツクが入り易く、従つて、このものの打抜加工性
は、実用に耐え得るものではなかつた。打抜加工
性は、使用する不飽和ポリエステル樹脂の物性の
影響も大きいと考えられ、本発明者は前記の予備
処理を行つた紙を用い、市場にある多数の不飽和
ポリエステル樹脂を検討したが、良好な打抜加工
性を有し、かつ実用的なものは皆無であつた。 かかる現状に鑑み、本発明者らが鋭意研究を行
つた結果、官能基としてセルロース系基材の予備
処理に用いるビニル単量体と共重合可能な不飽和
結合を官能基として有しない公知のメチロール化
合物であるメチロールメラミン、メチロールグア
ナミンを用いたとしても、該メチロール化合物に
加えて可撓性を付与する目的で分子内にメチロー
ル基と縮合可能な水酸基、カルボキシル基、アミ
ノ基、アミド基等の基を一個以上有する高級脂肪
族誘導体を混合もしくは縮合せしめることによ
り、得られる積層板は前記の欠点が解決され優れ
た打抜加工性を有し、かつ耐湿性に優れた積層体
が得られることを見出した。 以下、詳細に説明する。 本発明でいうメチロールメラミン、メチロール
グアナミン(すなわち、ビニル単量体と共重合可
能な不飽和結合を官能基として有しないメチロー
ル化合物である)とは、メラミン又はホルモグア
ナミン、アセトグアナミン、プロピオグアナミ
ン、ベンゾグアナミン、アジポジグアナミン等の
グアナミン類とホルムアルデヒドの初期縮合物あ
るいはそれらのメチロール基の一部又は全部をメ
タノールやブタノールの如き低級アルコールでエ
ーテル化したものなどをいう。 打抜加工性を改良する目的で上記のメチロール
メラミン、メチロールグアナミンと混合もしくは
縮合せしめる高級脂肪族誘導体とは、例えば下記
の如きものである。即ち、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸の如きの飽和脂肪酸;オレイン酸、
エルカ酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リ
ノレン酸の如き不飽和脂肪酸;及び上記の脂肪酸
類とエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール等多価アルコール
とのエステル類;及び上記の如き脂肪酸からの誘
導体である脂肪族アミド;及びカプリルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の
飽和あるいは不飽和の高級アルコール及び高級ア
ルコールと多価アルコールとのエーテル類;及び
高級アルコールからの誘導体である脂肪族アミン
などを挙げることができる。又、リシノレイン酸
の如きオキシ脂肪酸とそれからの誘導体も同じ目
的に使用することができる。要するに分子内に水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等の
メチロールメラミン、又はメチロールグアナミン
の持つメチロール基と縮合しうる基とメチロール
メラミン又はメチロールグアナミンの凝集力を弱
める働きをする長鎖のアルキル基を併せ有するこ
とが打抜加工性改質剤として必要な条件である。
このような条件を満たす高級脂肪族誘導体の数は
極めて多いが、本発明者らがこれまで検討した結
果によれば、炭素数が8以上の時、打抜加工性改
質剤としての効果が顕著となり、炭素数18で不飽
和基1個を有するオレイン酸、オレイルアルコー
ル及びそれらの誘導体例えばオレイン酸モノグリ
セリド、オレイン酸ジグリセリド、オレイン酸ア
マイド、オレイルアミンを用いた時、得られる積
層体の性能がバランスがとれ良好であり、本発明
の好適な実施態様であることも明らかとなつた。 ところで、かかる改質剤の使用量は、積層体に
使用する不飽和ポリエステル樹脂のガラス転移温
度によつて、その最適量は異なるが、通常メチロ
ールメラミン又はメチロールグアナミン100部に
対して3部から40部の範囲内にある。その使用方
法については、かかる改質剤とメチロールメラミ
ン又はメチロールグアナミンとを溶液や懸濁波の
形で混合して用いるか、あるいは両者を予め縮合
させて用いるか、いずれの方法によつてもよい。
この場合溶剤としては、水、アルコール類、ケト
ン類、エステル類等が使用される。 又、これらの処理剤系の濃度は、前記したN−
メチロールアクリルアミドの場合と同様に、乾燥
後のセルロース系繊維基材に対する全付着量が3
〜30重量部望ましくは6〜20重量部となるように
調整することが望ましく、3重量部未満の付着量
では効果が十分でなく、30重量部をこえると積層
体にした時、板がもろくなり、打抜加工性を劣下
させる。 上記の条件で調整した処理剤の溶液又は懸濁液
にクラフト紙、リンター紙等のセルロース系紙基
材、場合によつては綿、レーヨン等のセルロース
系布基材を浸漬浴、ロールコーターあるいはスプ
レー等を用いて含浸した後、乾燥することにより
溶媒を除去した処理基材を得る。望ましい乾燥温
度は通常70〜150℃であり、乾燥時間は1〜60分
程度である。 なお、用いる不飽和ポリエステル樹脂液は前述
したもので良い。 以上本発明にかかわる2種の紙のプレ含浸処理
(紙の予備処理)について述べた。 この方法によつて得られる積層体の打抜加工性
は優れているが、すぐれた低温打抜加工性を付与
するためには不飽和ポリエステル樹脂としてその
硬化体のガラス転移温度が20〜80℃の樹脂を使用
するのが望ましい。 しかし、前述の紙の予備処理の場合に限らず、
本発明においては一般的にガラス転移温度が20〜
80℃の時、すぐれた打抜き加工性を有することを
本発明者等は見い出している。 電気用の積層体及び銅張積層体は、実用に際
し、通常打抜き加工によつて、型取りや孔あけが
行なわれる場合が多く、従つてすぐれた打抜き加
工特性が要求される。特に近年、電子部品の小型
化、回路の高密度化に伴い、より高度な加工特性
が望まれているのが現状である。 従来、不飽和ポリエステルを含浸した基材積層
体は、結晶体ポリエステルあるいは常温で固体の
ポリエステルと架橋剤を溶媒を使用して溶液とし
て含浸し、乾燥しプリプレグとしたのち、加熱加
圧成形して積層体が作られてきた。この方法で作
られる積層体はガラス転移温度が高く耐熱性には
すぐれるが、打抜き加工性とくに通常50〜80℃程
度で行なわれている低温打抜き加工時の加工性に
問題があつた。 本発明者等は、かかる問題を解決すべく鋭意研
究を行なつた結果、不飽和ポリエステル樹脂組成
物硬化体のガラス転移温度と、かかる樹脂組成物
によつて構成される積層体の最適な打抜き加工温
度との間には、密接な関連があることが判明し
た。 積層体の打抜き加工温度は、樹脂組成物硬化体
のガラス転移温度乃至該ガラス転移温度から20℃
までの温度範囲、特に好ましくはガラス転移温度
から10℃程度の温度領域が好適であることが見い
出された。不飽和ポリエステル樹脂組成物硬化体
のガラス転移温度が20〜80℃好ましくは30〜70℃
の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて積層体
を形成した場合、打抜き加工時の加工温度は該樹
脂組成物硬化体のガラス転移温度から20℃までの
範囲、特に好ましくは10℃の範囲にしたとき、す
ぐれた低温打抜き加工性を有することを見い出し
本発明に到達した。 本発明でいう打抜き加工性は、ASTM D617
−44の打抜き加工性試験法に従つて行ない、その
採点基準によつて評価した。端面、表面、孔のす
べての評価項目について秀〜可の範囲の評価が得
られた場合に、打抜き加工性は「良好である」と
した。 低温打抜き特性を重視する場合には、不飽和ポ
リエステル樹脂組成物硬化体のガラス転移温度が
20〜80℃好ましくは30〜70℃の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を使用する。ガラス転移温度が、80
℃をこえたものを用いると、低温打抜きにおい
て、端面の好ましくない欠けまたは虫喰い、端面
または孔の周辺の亀裂あるいは明瞭な隆起、孔壁
の極度の欠け、孔の周辺の著しいふくらみ、また
は孔の著しい先細りがおこり、20℃未満の温度で
打抜き加工すると孔の周辺のふくらみ、あるいは
先細りが著しくなる。後者の場合は、場合により
試験片を冷却する等によつて良好に打抜き加工出
来るけれども実現的ではない。ガラス転移温度が
30〜70℃の範囲の不飽和ポリエステル樹脂組成物
を使用した場合には、低温打抜き加工性に特に優
れた製品が出来る。 低温打抜き加工タイプの製品の打抜き加工温度
は、通常関連業界において50〜80℃程度の温度が
採用されているが、本発明は約30〜80℃程度の広
い加工温度範囲において良好な打抜きが出来る各
種製品を提供することを可能にする。 低温打抜き特性を重視する時の不飽和ポリエス
テル樹脂は、用いる原料、たとえばグリコール類
の種類及びこれらと飽和二塩基酸類、不飽和二塩
基酸類の共重合比率、さらに架橋用モノマーの種
類や配合比率によつて硬化樹脂の諸性状が変化
し、従つて製造される積層板の諸性状も変化す
る。この目的に用いる不飽和ポリエステル樹脂
は、前述したもので良いのであるが、その内で架
橋用モノマーと混合して硬化させたもののガラス
転移温度が20〜80℃好ましくは30〜70℃の範囲に
入るような組合せは、すべて適用可能である。例
えば具体的には次のような組成(モル比)からな
る不飽和ポリエステル
【表】 ン酸=2:1:1
上記の不飽和ポリエステル65%とスチレン35%
からなる樹脂液などをあげることができる。 上記の樹脂液のうち、プロピレングリコール:
イソフタール酸:無水マレイン酸=2:1:1の
樹脂を使用した樹脂液は、ガラス転移温度が約70
℃であるが、この樹脂液を75℃で低温打抜き加工
評価をした結果、非常に優れた低温打抜き加工性
を示した。 又、架橋用モノマーとしての重合性単量体は、
一般的にスチレンが用いられるが、ビニルトルエ
ン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニ
ルベンゼンなどの置換スチレン類、酢酸ビニル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(例
えばアクリル酸ブチル等)、フタール酸ジアリル、
シアヌル酸トリアリルなどの重合性エステル類あ
るいは、これらとスチレンとの混合物を使用して
もよく、これら重合性単量体を含む不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物硬化体のガラス転移温度が20〜
80℃好ましくは30〜70℃の範囲に入るように配合
すればよい。 例えば、ジエチレングリコール、イソフタール
酸、無水マレイン酸=3:2:1の組成の不飽和
ポリエステル樹脂とスチレン、ブチルアクリレー
トを次の表−1の重量比で混合した樹脂液などを
あげることができる。
【表】 さらにゴム、可塑剤、充填剤その他添加物など
を配合することも可能であるが、これらを配合し
て硬化させた樹脂組成物硬化体が本発明の範囲に
入るように調整される必要がある。ゴムとしては
ポリブタジエン及び/又はその共重合体のマレイ
ン化物など。可塑剤としてはアジピン酸あるいは
フタール酸とグリコールからの、市販されている
エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油などであ
る。無機物としては、不飽和ポリエステル樹脂の
充填剤として使われる炭酸カルシウム、無水ケイ
酸、酸化チタンなどがあげられる。 基材としては前述した如く知られたものを用い
ることが出来るが、とくに紙を基材として用いた
ときに望ましい製品を得ることが出来る。 このようにして製造された積層体及び銅張り積
層体は30〜80℃の加工温度の時、好ましい打抜き
加工性を示し、本発明によれば、従来の不飽和ポ
リエステル基材積層体の欠点を解決するととも
に、従来のフエノール積層体よりも打抜き加工性
のすぐれたものも得ることが出来た。 本発明においてシート状基材へ樹脂液を含浸さ
せる際、従来法のごとく、溶剤との混合物である
いわゆるワニスを含浸する場合に比して、含浸す
る樹脂液の粘度が高い為に十分な配慮が必要であ
る。 含浸装置2には、第4図乃至第6図の如く、樹
脂液を溜めたバス中へ基材6を通過させながら樹
脂液を含浸する方式と、第1図の如く、水平搬送
されるシート状基材1の上面へノズルから樹脂液
を供給するカーテンフロー方式その他がある。 浸漬(デイツプ)型の含浸方法は基材内部に気
泡を残しやすいので注意が必要である。 カーテンフロー方式等の片面から含浸させる方
法では多数枚のシート状基材に同時に含浸できる
という機械上のメリツトや、気泡を除くやすい点
ですぐれている。しかしこの方法では、基材の上
面より樹脂液でぬれ始め、巨視的に下面まで含浸
が進んだ段階においても、特に基材が紙の場合
は、微視的には多数の気泡を含んでいる。 しかし、気泡は徐々に消失し、ほとんどなくな
るまで通常7〜20分を要する。気泡の一部は硬化
の過程で消失するものがあるようだが、通常上記
のごとく気泡が消失する以前に積層され硬化した
場合は、製品の内部に小さな気泡を含有すること
となる。そのため積層体の熱伝導性を損ね、従つ
て、製品上に搭載された電子部品に好ましくない
過熱をまねいたり、積層体の透明性や品位を損ね
る。勿論含浸性は圧力、粘度、基材と樹脂液の濡
れ性(接触角)、時間等のパラメーターに依存し
て異なるが、一般的には上述の様相を呈する。 前記したごとく、通常7〜20分程度の含浸時間
を要するということは、それだけ含浸開始から樹
脂液含浸基材が積層(重ね合せ)されるまでの間
に含浸基材を個別に搬送する距離を長くする必要
性や、あるいは全体のラインスピード(搬送速
度)が低速に制限されることになる。しかし実用
化のためには、より速い含浸速度の確保が好まし
い事はいうまでもない。 従来法による製品中の気泡は、多分に含浸条件
や硬化の際の加熱、加圧条件と相関があつて、含
浸時間は長い程、含浸基材内部の気泡を減少さ
せ、成形圧は高い程、硬化の際に残存気泡を樹脂
層に溶解させるので、有利であると言われてい
る。 しかし、長い含浸時間や高い成形圧は、生産性
は低下し、装置は大形化して不利である。 本発明は樹脂液を減圧処理することによつて、
短い含浸時間で、かつ硬化の際の成形圧が実質的
に無圧であつても、製品中の気泡をほぼ完全に排
除できることを特徴とする。 本方法によれば、同一含浸方法及び同一製造方
法であつて減圧処理をほどこさない他の方法と比
較すると、1/3〜1/10に含浸時間を短縮出来た。 本発明でいう減圧処理とは、樹脂液を大気圧以
下の環境にさらす処理を意味する。従つて、たと
えば硬化用触媒の配合された樹脂液を耐圧容器に
入れ、容器中の空間を減圧する。又は減圧容器中
に樹脂液を随時注入する。又は樹脂含浸基材を一
旦減圧容器中にて処理する等の方法によつて実施
できるが、これに制限するものではない。前2者
の場合、含浸時に大気に接触するが差しつかえな
い。 いつたん減圧処理した液は、容器中で大気に略
30〜60分放置しても効果を損ねない。減圧力条件
は、樹脂液中の溶剤やモノマーの蒸気圧によつて
決定されるが2〜100mmHg程度が良い。処理時間
は処理方法に依つて異なるが、減圧容器中に樹脂
液を滴下する方法では数分程度で十分である。 減圧処理は、易揮発性の大量の溶剤を必要とせ
ず含浸可能な、かつ硬化反応過程で気体や液体等
の反応副生成物を実質的に発生せず、無圧成形可
能な樹脂液に対して、より効果的である。何故な
ら、溶剤による減圧処理条件の制限を受けず、実
質的に無圧成形が可能であるが、この成形条件で
の気泡発生の危険を安全に回避でき、硬化の際に
加圧を必要としない。 特に、常温で液状である不飽和ポリエステル樹
脂が、本発明の極めて好ましい実施態様の一つで
あり、粘度が0.1〜15ポイズ程度の市販のものは
どれでも適応可能である。 不飽和ポリエステル樹脂の架橋用モノマーとし
ては、スチレンが一般注に使用されているが、ス
チレンの常温における蒸気圧は6mmHg程度であ
り、本発明においてもスチレンを使用するのが好
ましい。樹脂液中のスチレンの占める割合は30〜
50重量%程度が一般的である。この場合は、圧力
が2〜30mmHg程度の容器に注入する方法で十分
に目的が達せられる。 第1図の装置は以上述べた減圧処理を含浸用樹
脂液に継続的に行ない、さらに該減圧処理ずみ樹
脂液を、搬送されている多数枚のシート状基材に
連続的に供給するものである。 樹脂液貯蔵部8は、パイプ15によつて円筒状
密閉容器で構成した減圧装置9の上部に接続され
る。該パイプ15は一端を樹脂液貯蔵部8の底部
に開口し、他端は減圧装置9の上部に設けたノズ
ルに連結されており、減圧装置9の負圧により、
樹脂液は貯蔵部8から抽出され、パイプ15を通
じて減圧装置9中へ噴出する。減圧装置9のノズ
ルにコツク16を設けることにより、或は供液ポ
ンプ(図示せず)を用いて噴出量を制御しても可
い。 減圧装置9は側面に脱気口を具え、リークバル
ブ17、コールドトラツプ18を経て油回転型真
空ポンプ19に接続され、減圧装置9の内部は負
圧、好ましくは30mmHg以下に減圧される。真空
度はマノメータ20により制御される。 減圧装置9の下部は樹脂液供給ポンプ21を介
して含浸装置2に連結されている。 樹脂液貯蔵部8から抽出され、減圧装置9中へ
噴出した樹脂液は、減圧装置の円筒状密閉容器中
を落下する。減圧装置9中での落下距離を50〜
100cm程度にすれば、通常は減圧処理は終了する。
落下した樹脂液は常に一定量が容器下部に存在す
る様にしておくと、減圧処理済み樹脂液を安定供
給出来る。 樹脂液供給ポンプ21の能力に応じて背圧を調
整する必要のある時は、供給ポンプよりも円筒状
密閉容器を上方に位置させ、あるいは、減圧処理
ずみ液をいつたんクツシヨンタンク(図示せず)
に貯蔵しても良い。ついで、供給ポンプ21によ
り樹脂液を含浸装置2に供給するが、含浸バスを
用いる場合、長時間バス内に樹脂液が滞留してし
まう装置は好ましいと言えない。基材に樹脂液を
直接に供給できるカーテンフロー方式等の片面か
ら供給する方法が好適である。オーバーフローし
た樹脂液は樹脂液貯蔵部8に回収し、再び減圧処
理に供する。樹脂液を含浸した基材は多数枚連続
的に搬送され、続いて、例えばロール対で構成さ
れた積層装置3を用いて重ね合せ、積層後、両面
に、被覆用フイルムあるいは接合すべき金属箔を
ラミネートし、無圧状態で熱硬化炉4中へ搬送さ
れる。硬化終了後、所定の長さに切断し、積層体
7あるいは金属箔張り積層体を得る。 減圧処理は、セルロース繊維を主成分とした
紙、ガラス布、ガラス繊維不織布、石綿布或は合
成織布、合成繊維不織布など、従来法で使われて
いるものはどれでも適応でき、紙やガラス布、特
に効果的である。 この方式はすぐれた生産性を確保し得る点で驚
くべきことであり、本発明者はかかる事実の理由
に関して十分な解明を行なつていないが、減圧処
理によつて樹脂液中に溶存している空気の溶解量
が減少した結果、処理後、樹脂液の空気の溶解可
能量が増大し、それ故に含浸時に基板にとじこめ
られた空気が、十分な速度で含浸樹脂液中に溶解
でき、硬化終了までの間に内部の気泡が消滅して
しまうものと推察している。減圧処理は、触媒や
改質剤等を樹脂液へ混合する時に巻きこまれた気
泡を消去する効果もあると考えられるが、それは
本発明の主眼ではない。粘稠な樹脂液中の脱泡を
目的として静置せる樹脂液を減圧下に処理するこ
とはよく知られている。 従来行なわれている脱泡のための減圧処理は、
本発明で実施する減圧処理とは同じでないと考え
られる。 何故なら、静置して十分に脱泡した4ポイズの
不飽和ポリエステル樹脂液を紙に含浸しても、含
浸速度は静置前のものに比して同等である。しか
るに、本発明で述べた減圧処理を樹脂液に施し、
しかる後に、故意にかきまぜ、気泡を含んだもの
を含浸すると、含浸紙内部の気泡が消失する時間
は著るしく短縮されることから推定される。 いずれにしても本発明により減圧処理すること
によつて、含浸紙内の気泡が消失する時間は、通
常明らかに7分以下、2〜5分となる。 ガラス布基材へのエポキシ樹脂液の含浸の場合
も同等の効果がある。 本発明の減圧処理方法は、既述したごとく静置
せる樹脂液を減圧下にさらすよりは、むしろ減圧
容器に噴出させる等、処理する樹脂液の表面積を
増大させる方法が好ましい。この方法によれば、
仮令処理液中に気泡を含み、さらに供給時に気泡
を巻きこんでも、本発明の効果は失なわない。本
発明の方法によつて減圧処理をすれば、溶存して
いる酸素を減少せしめる効果もあつて、不飽和ポ
リエステル樹脂の硬化の際のラジカル反応への酸
素の影響を排除できる。 室温で液状である不飽和ポリエステル樹脂の場
合、通常の市販品は、0.03〜0.1%程度の水分を
含んでいる。本発明の減圧処理によつて、これを
0.04%以下、好ましくは0.02%以下にすること
が、水分の気下にもとずく気泡を排除し、さらに
硬化反応を阻害せず、製造上及び製品性能上好ま
しい。 複数枚の樹脂液含浸基材は、積層工程におい
て、それぞれが収束し、ロールとブレード状物、
或は2本のロールを用いて積層される。この際、
個々の含浸基材に含浸或は付着していた過剰な樹
脂分は排除できる様に、ロールとブレード状物或
はロール間の間隔を所望の製品厚みに応じて調節
する。 積層後、別途設置してあるラミネーターによつ
て、被覆物がラミネートされるが、この被覆物の
巾方向の寸法が積層された樹脂液含浸基材の両端
部より出る程度のものがよい。この様な被覆物を
用いると、ラミネートの際樹脂液含浸基材積層物
の端部から過剰な樹脂液が絞り出される場合があ
つても、かかる樹脂液を保持出来て好適である。 本発明はシート状基材を積層し、上下面にフイ
ルム状或はシート状被覆物(以下単に「被覆物」
と略記することがある)をラミネートした後、硬
化工程に於て連続的な加圧は本質的に不必要であ
るから、極めて種々の被覆物が目的に応じて選択
可能である。例えば含浸する樹脂が不飽和ポリエ
ステル樹脂又はエポキシ樹脂の場合、厚みが10〜
200μm程度の各種離形紙やセロハン、或はテフ
ロン、ポリエステル等の各種合成樹脂フイルム、
又はアルミニウム、銅、ステンレス、鉄、リン青
銅等の各種金属箔が使える。 第4図の実施例に示す如く、被覆物10は樹脂
液の硬化後、積層体から剥離し、回収ロール22
に巻き取れば被覆物の再使用が出来、コスト面で
望ましい。この為には被覆物が硬化積層体から容
易に剥離することが好ましく、熱硬化性樹脂と被
覆物とを適切に組合せ、必要であれば離形剤を使
用する。 本発明においては、被覆物をエンドレスなベル
ト状にして使用すれば、被覆物の剥離、再使用が
連続的に出来て好ましい。この場合、厚さ1mm程
度のシート状物が使用出来、材料はステンレス、
リン青銅、テフロンが好適である。 離形剤は、被覆物をラミネートする以前に、積
層体表面へ接する側の被覆物表面の全面又は両縁
部に予め塗布される。被覆物の全面に離形剤を塗
布すると、製品である積層体に離形剤が移行する
ことがあり、製品への各種ペーストやレジストの
印刷性能を損ねて好ましくない場合がある。その
様な場合は、離形剤は積層体の両縁部へ塗布する
ことが好適である。なぜなら積層体が熱硬化炉4
を通過した後、被覆物を剥離してから製品の両縁
部を除去することにより、離形剤が塗布された部
位は製品となることがないので、既述の好ましく
ない影響は排除出来る。離形剤はシリコーン系の
離形剤が適当であり、例えばダイフリーMS743
(商品名、ダイキン工業株式会社製)が良い結果
を与える。 製品の特性の中、平滑性は製品への抵抗ペース
トやレジストの印刷のために重要であり、透明性
は、これら印刷パターンの形や後述するごとき、
印刷回路板の回路パターンを裏面より確認できや
すい点で意味がある。 本発明においては樹脂液含浸基材を必要枚数積
層するが、この時ロールやプレード状物等を用い
て、過剰な樹脂液を排除しつつ、或は重ね合せの
際にまきこまれた気泡を排除しつつ、必要樹脂量
を制御することが望ましい。シート状基材の積層
と同時に(第1図)、或は積層装置の下流側に設
置されている一対のロールで構成したラミネート
装置23(第4図)によつてラミネートされる
が、この時樹脂液含浸基材の積層物に圧縮力が働
く。 一般にこの時点では基材の表面は巨視的、微視
的に平滑でないので、剛性の小さい被覆物を用い
ると、この微視的及び巨視的な凹凸に被覆物が追
従し、かつ本発明においては、無圧の条件下で硬
化させるが故に、製品の表面性が十分でない場合
が起る。 本発明者の研究によれば、E・d3Kg・cm(但し
Eは弾性率Kg/cm2、dは厚さcm)で規定されるフ
イルム状或はシート状物の剛性値が3×10-3Kg・
cm以上である時、実用的に好ましい表面の平滑性
が得られた。さらに剛性値が5×10-1Kg・cm以上
である時、より望ましい結果を得る。かかる被覆
物で両面をカバーし、樹脂液を硬化させることに
よつて、本発明は達成される。 本発明においては基材として、厚みが200〜
300μ、秤量が150g/m2前後のリンター紙やクラ
フト紙が好適である。これらの紙は通常、第2図
に示すごとき微視的な凹凸を有するが、剛性値が
3×10-3Kg・cm未満の被覆物、例えば厚さが35μ
のポリエステルフイルム(曲げ弾性率が28100
Kg/cm2であり、従つて剛性値は1.54×10-3Kg・cm
であつた)を用いると第2図に示すごとく、フイ
ルムが紙の凹凸に追従し、表面の平滑性が良好で
ない製品となる。被覆物の剛性値が3Kg×10-3
Kg・cmを超えると、基材の凹凸に対する追従が軽
減される。例えば剛性値が2、81×10-2Kg・cm、
厚さが100μのポリエステルフイルムを用いた場
合は、第3図に示すごとき、基材の凹凸に対する
追従は軽微となる。 より望ましくは、剛性値が5×10-1Kg・cm以上
の被覆物、例えば厚みが100μであるアルミニウ
ム箔(曲げ弾性率は0、67×106Kg・cm2、従つて
剛性値が6、7×10-1Kg・cm)、あるいは厚みが
100μのステンレス箔(曲げ弾性率は18600Kg/
cm2、従つて剛性値は1、86Kg・cm)等が本発明に
おいて好適である。 被覆物は単独のフイルム或はシール状物でもよ
く、又、複合化されたフイルム或はシート状物で
もよい。 一般に剛性は温度が上昇すると低下するが、本
発明においては、被覆物の積層体へのカバーは通
常は室温で可能であるから、室温における剛性値
を適応するが、特にプラスチツクフイルムで硬化
温度において著しく剛性値が低下するものは好ま
しくない。又、硬化した不飽和ポリエステル樹脂
やエポキシ樹脂等と接着性が大きいものは好まし
くない。この観点から、セロハン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、テフロン、ポリアミドイミ
ドフイルム等が適当である。 又、アルミ箔、圧延銅箔、ステンレス箔は好適
である。このように本発明においては被覆物と積
層体の間に特別の離形剤や或は離形紙を用いるこ
となく容易に被覆物の剥離が可能であり、離形紙
の挿入は不必要である。もし離形の目的でフイル
ム状物を挿入する場合は被覆物と接合した複合シ
ート状物であることが好ましい。 被覆物はロール巻き状態から連続的に送り出
し、又剥離後、巻取りながら回収出来る様に、長
尺であることが望ましい。更に被覆物をエンドレ
スベルトの形態にすると、連続的な繰り返し使用
が出来る。 このような使用のために、被覆物の剛性値は3
×10-3Kg・cm以上で、かつ可撓性を有するものが
好ましい。剛性が高すぎると可撓性が低下するの
で、3×10-3Kg・cm〜3×10+1Kg・cmの範囲が好
適である。 又第3図から容易に推察出来る如く、製品の表
面性幾何学性状は、被覆物の表面粗さ、幾何学的
な表面性状に影響される。製品の表面状態は特に
電気的用途の積層体に極めて重要な特性の1つで
ある。たとえば、絶縁基板に抵抗ペーストを塗布
して皮膜形のコンポジシヨン炭素抵抗器を製造す
る場合、該絶縁板の表面粗さが大きいと、塗布さ
れた抵抗体に異状な突起やピンホールが発生し、
該突起部やピンホールは使用時のノイズの原因と
なり、また使用寿命を低下させる。好ましい表面
平滑性は、Rmax(表面粗さの最大高さ)が約5
ミクロン以下、より好ましくは約4ミクロン以下
である。 他方、Rmaxが著しく小さくなると、該抵抗ペ
ーストと絶縁基板表面との接着力が低下し、塗布
された抵抗体の剥離が生じる場合がある。該抵抗
ペーストと絶縁基板との接着性は、化学的な因子
即ち抵抗ペースト及び絶縁基板の相溶性或は極性
と、物理的な因子即ち絶縁基板の表面粗さが重要
な因子であるが、Rmaxが約0.4ミクロン以上の
場合は塗布された抵抗体と基板との接着性やペー
ストの転移性は良好である。 表面平滑性は、JIS−B0601に準拠した。測定
は、触針先端半径2.5ミクロン、測定力0.1gの条
件で触針式表面あらさ測定機によつて実施した。 本発明において上記のような積層体を得るため
には、表面あらさが0.4ミクロン以上約5ミクロ
ン以下であるフイルム状あるいはシート状被覆物
を用いることにより達成できる。 以上基材が紙の場合について述べたが、他の基
材の場合も同等である。たとえばガラス布の場合
は、織り目にもとづく凹凸があるが支障はなく、
本発明が適応できることは自明である。 以上、両面を被覆物でカバーした場合の電気用
積層体について記載したが、前記した被覆物を含
浸基材の積層物の片面に積層し樹脂液の硬化後に
剥離するが、積層物の他面には、被覆物の一種で
あるが剥離することは目的としない張り合せ用金
属箔をラミネートすることにより、あるいは積層
体の両面に張り合せ用金属箔を接合する目的でラ
ミネートすることによつて表面の平滑性に優れた
電気用積層体を製造出来る。 張合せ用金属箔としては、印刷回路板の用途を
目的とした電解銅箔が広く市場に出回つており、
これを用いることが耐蝕性、エツチング性、接着
性等の観点から好ましい。 次に、印刷回路用基板を目的とした電解銅箔、
電解鉄箔、或はアルミニウム箔等を片面もしくは
両面に張り合せた片面金属箔張り積層体及び両面
金属箔張り積層体について述べる。 市販のたとえば1オンス/ft2の電解銅箔を用
いる場合、前述した理由によつて、基材が特に紙
の場合、従来法のプレス成形品に比して、若干銅
箔表面の平滑性が劣る場合があるが、本発明者の
検討によれば、このことは、スクリーン印刷性や
エツチング、その他の特性に何らの悪影響をおよ
ぼさない。 たとえば本発明において、不飽和ポリエステル
系樹脂を使用する場合、前述した方法で直接に電
解銅箔等を接合しても、注意深く実施すれば実用
的なものが製造できる。一層高性能な製品を得る
ためには、樹脂含浸基材の積層後、積層体に金属
箔を連続的にラミネートする際、金属箔と積層体
間に継続的に接着剤を供給することにより、より
好ましい金属箔張り積層体が得られる。 従来行なわれていた加圧を必要とするバツチ生
産方式では、例えば紙基材フエノール樹脂銅張り
板の製造には、フエノール変成ブチルゴム系接着
剤をB状態に焼き付けた接着剤付き電解銅箔が用
いられているが、連続製造方法においては、市販
の接着剤付き金属箔を用いるよりも、第6図の装
置の如く、重ね合された樹脂含浸基材に金属箔1
0をラミネートする構成に於て、積層基材と金属
箔との間へ、接着剤タンク27に貯蔵した適切な
接着剤を接着剤供給装置28によつて連続的に供
給することが生産性及び品質面で好ましいことが
判つた。更に好ましくは、ラミネートの直前に金
属箔へ塗布し、次いで塗膜の適切な熱処理を行な
うことである。金属箔と樹脂含浸基材との接着を
効果的に達成するためには、接着剤は、溶剤等の
除去すべき成分を含まず、かつ硬化過程で、不必
要な反応副生成物を発生しない、液状もしくは半
流動体、即ち粘度にして好ましくは5000ポイズ以
下であるような接着剤が好適である。かかる観点
から、たとえば不飽和ポリエステル系接着剤、エ
ポキシ樹脂系接着剤、ポリイソシアネート系接着
剤、もしくはこれらの各種変成接着剤が好適であ
る。 かかる接着剤の導入により、金属箔の接着強度
に優れ、かつハンダ耐熱性や電気絶縁特性に優れ
た金属箔張り積層体を連続的に製造できる。 金属箔と積層体の間への供給方法は、金属箔を
ラミネートする直前で金属箔にコーテイングして
もよく、あるいは積層体表面にコーテイングし、
金属箔をラミネートしてもよく、あるいはラミネ
ート時の接合面に注入してもよい。 しかし、前記の方法では、接着剤の供給方法に
よつては、内部に気泡をまきこんだり、樹脂液の
種類と接着剤のある組合せでは、異常硬化や混合
物の分離が起る場合があつて、歩どまりや品質を
低める場合があつた。 そこで本発明はさらに改良した方法も提案して
いる。それは、金属箔の供給装置11から引き出
された金属箔10をラミネートする直前に、第6
図の如く接着剤コーテイング装置25及び接着剤
熱処理装置26を配置し、金属箔に接着剤を連続
的に塗布し、塗膜を加熱処理する工程を付加した
ものである。接着剤コーテイング装置25は、通
常のロールコーター、ブレードコーター、ワイヤ
バーコーター、コンマコーター等が使用出来る。 塗膜を熱処理する第1の目的は、溶液系の接着
剤を用いる場合の溶媒の乾燥であつて、本発明に
おいては従来法のごとき溶媒の乾燥後、非粘着性
である必要はない。第2の目的は、熱硬化型の接
着剤のプリキユアであつて、ラミネート時のキユ
アの程度を適度に制御する。この際キユアを進め
過ぎるのは好ましくなく、一般的に若干の粘着性
を有する程度に制御するのが良い。第3の目的
は、特に、たとえば2液混合型のエポキシ樹脂系
接着剤を用いる時、これの粘着は比較的高く、そ
のため混合時気泡をまきこみ、塗膜に気泡を含有
する場合があるが、これはかかる熱処理によつて
除去できる。 以下、不飽和ポリエステル樹脂とエポキシ系接
着剤を用いた紙基材銅張り積層体を例にとつて説
明すると、接着剤としては、ビスフエノールA型
エポキシ樹脂とポリアミド樹脂からなる混合物等
が好適である。 紙の巻き出しリールから巻き出された紙は含浸
バスで樹脂液と接触し、樹脂含浸紙となり、たと
えば7枚の樹脂含浸紙がロール対で構成した積層
装置3を用いて重ね合わされ、この重ね合された
ものに電解銅箔がラミネートされる。該箔には前
記のごとく接着剤が塗布されている。 エポキシ系接着剤を用いる場合、熱処理は100
〜150℃の温度で2〜7分程度行なうのが良い。
ラミネートの際常温に冷却されてかまわない。こ
の時指触により若干の粘着性が残存する程度の熱
処理が良い。完全に指触乾燥を行なうとポリエス
テル樹脂含浸紙との接着を損ね、又、あまりに粘
着的であると、その後の硬化の過程での樹脂液と
接着剤の混合が大きく、場合によると、接着剤の
性能が低下する場合がある。接着剤の塗膜の厚み
は10〜100μm程度でよく、殊に20〜40μm程度が
好適である。 ついで硬化炉4へ搬送される。この際必要に応
じて金属箔を接合した面の対面に、セロハンやポ
リエステルフイルム等のカバーフイルムをラミネ
ートする。カバーフイルムに代えて金属箔を使用
し、画面金属箔積層体を製造することもできる。 硬化条件は、触媒、搬送速度等に適合して選択
されねばならないが、たとえば100℃、1時間が
良い。 以上のような方法によつて、銅箔の剥離強度が
1.6〜2.0Kg/cmであるNEMA規格におけるXP(エ
ツクスピー)〜XXXPC(トライエツクスピーシ
ー)程度の銅張り積層体をすぐれた生産性で製造
できる。 以上述べたごとく本発明は、未だ工業的に実用
化されていない金属箔張り積層体の連続製造を可
能とした。 基材に含浸させる熱硬化性樹脂液は、常温で液
状のものが好ましいが、それに限定されず、常温
で固形であつても加熱により液状となるものであ
れば、本発明の目的に使用出来ることは勿論であ
る。 次に本発明の接着効果を一層向上する例を述べ
る。 不飽和ポリエステル樹脂を用い、接着剤として
エポキシ系樹脂を用いる場合、両者の硬化の速度
が適合する観点から、アミン硬化型のエポキシ樹
脂を用いるのが好ましいが、この際不飽和ポリエ
ステル樹脂硬化用触媒として用いる過酸化物とし
て、パーオキシジカーボネート類、ケトンパーオ
キサイド類、ハイドロパーオキサイド類、あるい
はジアシルパーオキサイド類等を用いるよりは、
パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイ
ド類あるいはパーオキシエステル類から選ばれた
一種あるいは複数種の過酸化物を用いる事がハン
ダ耐熱性や電気絶縁特性及び接着性において特に
好ましい結果を得る。樹脂液に対して0.5〜2.0部
程度の配合量が良い。これの理由については本発
明者は十分に解明していないが、一般にハンダ耐
熱性や電気絶縁特性及び接着性は接着剤硬化物の
性状に依存するが、樹脂含浸基材と接着剤が接触
し、硬化が終了する過程で、過酸化物の接着剤層
へ拡散、あるいは樹脂液と接着剤の混合が発生す
るものと推察でき、パーオキシジ−カーボネート
類やケトンパーオキサイド類あるいはハイドロパ
ーオキサイド類あるいはジアシルパーオキサイド
類を用いた場合、これらのものが、エポキシ樹脂
の異常硬化を引きおこすことがあつて、得られる
硬化物の性状が十分ではない場合があるものと考
えられる。 従つて好ましい触媒としては、パーオキシケタ
ール類として、例えば1−1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3・3・5−トリメチルシクロヘキ
サン、1−1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン、n−ブチル−4・4−ビス(t−
ブチルパーオキシ)バレレート、ジアルキルパー
オキサイド類として、例えばジ−t−ブチルパー
オキサイド、2・5−ジメチル−2・5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、パーオキシ
エステル類として、例えばt−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘ
キサノエート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどであ
る。不飽和ポリエステルとしては、不飽和二塩基
酸、飽和二塩基酸及びグリコールによつて合成さ
れる良く知られているもの、あるいはビスフエノ
ールA型ポリエステル樹脂、あるいは又ビニルエ
ステル型の樹脂でも良い。架橋用モノマーとして
は、スチレンが一般的であり、本発明にも好適で
ある。 エポキシ樹脂としては、ビスフエノールA型の
ものが好適であり、アミン硬化剤としては、脂肪
族アミン、芳香族アミンなど、良く知られている
ものはどれでも適応できる。さらに、ポリアミド
樹脂、末端アミノ基ポリブタジエンニトリルゴム
などもこの種の硬化剤として良い。あるいは、上
記硬化剤の混合物などが良い。 以上述べたごとき方法を注意深く実施すること
により、性能の優れた金属箔張り積層体を効率良
く製造することが出来るが、さらに、特に樹脂含
浸基材と接着剤とが接触する部分に、ビニル基等
の不飽和二重結合とエポキシ基を併せ有する化合
物、例えばグリシジルメタアクリレート、グリシ
ジルアリルエーテル、部分的にエポキシ化された
大豆油等を介在せしめることにより、不飽和ポリ
エステル樹脂層とエポキシ樹脂層の親和性が一層
向上し、製造条件の変動によつて生ずる界面での
剥離による不良品の発生を抑制するのに効果的で
ある。 又、基材にエポキシ樹脂を含浸する場合、特
に、基材がエポキシ樹脂用に表面処理された市販
のガラスクロスであり、市販の印刷回路用電解銅
箔を用いる場合は、エポキシ樹脂は銅箔との接着
性が良好であるので、前記のごとき接着剤を導入
しなくとも、銅箔の接着強度に優れた製品を得る
ことが出来る。基板に不飽和ポリエステル樹脂或
はエポキシ樹脂を含浸している場合、銅箔表面へ
表面処理剤特にシランカツプリング剤を適用する
と更に良い結果が得られる。この表面処理剤の塗
布は、金属箔表面に接着剤を塗布する場合はそれ
に先立つて実施する。 シランカツプリング剤としては、一般的に無機
物と有機物の接合面に使用されるものはどれでも
適応可能であるが、ユニオンカーバイド製A−
1100、A−187が好適であつた。 シランカツプリング剤の0.1−1%アルコール
類溶液或は水溶液を金属箔へ薄く連続して塗布
し、しかる後連続的に乾燥するのが良い。 本発明に於いては、表面処理剤を用いるか否か
に拘らず、金属箔を熱風炉中を通過させて100℃
の熱風で数分間乾燥するのが良い。 基材も同じく含浸工程の直前で熱風又は蒸気加
熱シリンダーによつて、100℃で数分乃至20分間
乾燥する。乾燥によつて付着している水分を除去
し、接着剤や樹脂との接着性を向上した。 製品のソリ、ねじれ等の変形を最小限度にとど
めるため、次の発明に到達した。 一般に硬化型樹脂は、硬化とともに体積が収縮
し、樹脂内部の残留ひずみや、製品のソリやねじ
れの原因となる。又、樹脂の硬化が完結していな
い場合は、製品がその後加熱される環境下におか
れた場合、あらたなソリやねじれを発生する。又
硬化が不完全であると、耐熱性、耐薬品性、機械
的特性を著しく低下させる。 又、樹脂の硬化が完結していない場合は、製品
がその後加熱される環境下におかれた場合、あら
たなソリやねじれを発生するのみならず、硬化が
不完全であると、耐熱性、耐薬品性、機械的特性
との性状を著しく低下させる。本発明者の研究に
よれば、積層体を連続的に製造する際、硬化を完
結させる為には、極めて長大な硬化装置、あるい
は、極めて遅いラインスピードを必要とする問題
がある。 本発明は、積層体の硬化がある程度進行した段
階で切断し、しかる後、定尺寸法に切断したもの
を、多層積み上げ、加熱室に入れて硬化を進行さ
せる事により、切断後多量の積層体の硬化を同時
に進めることができる。従つて、積層体の連続製
造工程で進める硬化は、ギロチンカツターで十分
切断可能で、且つラミネートされている被覆物が
障害なく剥離できる状態までの硬化で十分であ
る。その結果、経済的且つ現実的な硬化装置とラ
インスピードによつて積層体の製造が可能となつ
た。 たとえば不飽和ポリエステル樹脂を用いる場
合、十分な硬化を進める為に通常100℃で10時間
を要するものであつても、切断が可能となるのは
15分程度で十分である。 樹脂層の硬化収縮による残留ひずみは、巾方向
はソリとして解放させることによつて比較的容易
に除去できるが、長尺方向の残留ひずみは長尺体
であるが故に通常除去することが出来ず、従つ
て、製品のタテ、ヨコ方向での残留ひずみに異方
性を生じる。そのため製品がその後加熱環境にお
かれた時のソリの増大やねじれの原因となる。 本発明においては、切断後さらに硬化を進める
ので、その硬化過程で実用上さしつかえない程度
にソリや残留ひずみを等方的にできる。金属箔張
り積層体のソリの大きさは用いる樹脂により異な
り、一般的にエポキシ樹脂系の場合小さく、不飽
和ポリエステル系樹脂やジアリルフタレート系樹
脂は大きい。又、同一種類の樹脂であつても、組
成内容によつて変化する。たとえば不飽和ポリエ
ステル樹脂と紙からなり厚さ35μmの銅箔を張つ
た厚さ1.6mmの積層体は、JIS C−6481に定める
ソリ量が0.5〜30%程度の範囲がある。 しかし前記した連続体を切断した後、なるべく
は連続熱硬化炉の温度より高温で、あるいは実用
上製品がさらされる環境と同等の温度で硬化を進
め、しかる後機械的なソリの修正を行なうことに
より実質的に平坦とすることができた。この製品
は、実用上たとえば加熱環境下で、製品に発生す
るソリは著しく減少することを見い出した。 第5図の装置は、積層体の連続製造に於いて、
切断装置5の下流側へ第2硬化装置29を設置
し、該装置29を通過する搬送装置31に積層体
7を載せて150℃、15分間で短時間の硬化を行な
わせ、硬化装置29の出口へ2基のソリ修正装置
31,31及びターンテーブル32を配置したも
のである。長尺積層体7は実用寸法に切断された
後、第2硬化装置29に入り、連続熱硬化炉4の
硬化条件より高温短時間例えば150℃、15分間処
理し、2基のソリ修正装置31,31を通過させ
る。ソリ修正装置に具えた3本の隣接したローラ
間に積層体7は縦横2方向に通過し、ソリは機械
的に修正される。 高い生産性を得るため、被覆物を樹脂液含浸積
層基材の上、下面のみでなく、1乃至数枚を中間
にも挾み込んで積層し、硬化させた後、中間被覆
物を境にして上下に分離することにより多数枚の
積層体を同時に製造出来た。 本発明の既述の乾燥時間、含浸時間、硬化時間
は殆んど変化しないから、生産性は飛躍的に向上
したのである。 被覆物は基材を多段に種層する場合のセパレー
ターとしての役割を果すことが解つた。従つて被
覆物の両面に基材を積層し、更に被覆物と基材の
積層を多段に繰り返すことが出来る。 被覆物が金属箔の場合には、成形後に剥離可能
であり、また該金属箔を両側の積層体のいずれか
一方に接着することにより、片面金属箔張り積層
体と両面金属箔張り積層体を同時に得る。この場
合必要ならば該金属箔の片面に接着剤を予め塗布
しておく。 実施の一例として、不飽和ポリエステル樹脂を
含浸した紙基材を積層して、35μm厚の銅箔張り
積層体で厚みが1.6mmのものを製造する場合、不
飽和ポリエステル樹脂が含浸された紙基材の中間
に、例えば予備乾燥されたセロハンを積層し、
上、下に所定の厚みの基材を積層して、カバーフ
イルムとして銅箔を張り、ラミネートすることに
よつて同時に2枚の片面銅箔張りの積層体を製造
出来、通常の連続的な製造法に比較して2倍の生
産性を実現した。 本発明によれば、厚みの異なる種々の品種のも
のを、被覆物を境にして積層し同時に製造できる
ため、品種の切換えによる生産性の低下を防ぎ有
利である。 以上述べたごとく、本発明は連続製造法におけ
る積層体の生産性を飛躍的に向上させるが、1段
積みで製造する場合に比して、特に硬化時、ある
いは実用寸法への切断時には、積層体の全体の厚
みが厚いので硬化時の加熱効率、硬化反応熱の伝
熱、放熱等の状況が変化するので配慮が必要であ
る。多段数に応じて、加熱、発熱、伝熱、放熱を
くわしく制御できる加熱炉、たとえば炉内がいく
つかのブロツクに分割され、適切な温度制御がで
きる炉を用いる。又、不飽和ポリエステル樹脂に
触媒、硬化剤を用いる場合には、硬化反応時の発
熱を考慮して、外側に位置する含浸基材の含浸樹
脂液に比して、中心部に位置する基材には触媒等
の量を減少させた樹脂液を含浸させるのが望まし
い。ギロチンカツターでは切断が困難な厚みのと
きには、可動型のスライサーを設置して切断する
のがよい。 次に本発明の製造条件を種々違えて実施した状
況を述べる。各実施例で製造した製品の特性は、
第7表中に、まとめて記載した。 実施例 1 製造装置として、第4図に示したものを用い
た。 不飽和ポリエステル樹脂液として、 マレイン酸、イソフタル酸及びエチレングリコ
ールを原料とし、それぞれのモル比が82:18:
100となるよう常法によつて合成された不飽和ポ
リエステルに、重合性単量体としてスチレンを37
重量%となるように添加し、25℃での粘度が5ポ
イズであるものを得た。 このもの100重量部に対して、硬化触媒として
クメンハイドロパーオキサイド1重量部及び硬化
助剤として6%ナフテン酸コバルト溶液0.2重量
部を配合し、不飽和ポリエステル樹脂液組成物を
得た。 この樹脂液組成物硬化体の性状は第2表のごと
きであつた。
【表】 シート状基材として、第3表に示すセルロース
繊維を主体とした市販のクラフト紙を用いた。
【表】
【表】
【表】 なお、ポリエステルフイルムは一対のロールか
らなる被覆物剥離装置24によつて剥離し、被覆
物巻き取り装置によつて巻きとつた。 ラミネートローラの間隔調節を行ない、ポリエ
ステルフイルムをラミネートした直後において、
2枚の含浸紙基材に対する樹脂液の重量比率は約
55%になるようにした。 このようにして最終的に、厚さが0.50mm、外形
寸法が1020mm×1020mmの積層体を連続的に製造し
た。 積層体は40℃の5%カセイソーダ水溶液に30分
浸漬する耐アルカリ性テスト及び煮沸トルエンに
2分間浸漬する耐溶剤性を試験したが、全実施例
を通じて異常なかつた。 実施例 2 実施例1において、基材の乾燥装置12として
熱風乾燥装置を運転し、100℃、10分間の条件に
て紙基材を連続的に熱風乾燥装置中を通過させ
た。 他の条件は実施例1と同様である。 実施例 3 実施例2において、連続的に搬送する紙基材の
枚数を5枚とし、厚さが1.5mmの積層体を製造し
た。 ラミネートローラの間隔調節を行ない、5枚の
含浸紙基材に対する樹脂液の重量比率は約60%と
した。 実施例 4 実施例3において、不飽和ポリエステル樹脂液
を市販のリゴラツク150HRN(昭和高分子製)と
した。なお、製品の硬化体のガラス転移温度は、
120℃であつた。 実施例 5 実施例3において、不飽和ポリエステルを次の
ものに変更した。即ち、マレイン酸、イソフタル
酸、ジエチレングリコールを原料とし、それぞれ
のモル比が、32:68:100になるように常法によ
つて合成された不飽和ポリエステル樹脂にスチレ
ンを37重量パーセントとなるように混合した。 この樹脂液は25℃での粘度が4.5ポイズ、常温
で液状不飽和ポリエステル樹脂である。 なお、この樹脂液から得られる硬化体のガラス
転移温度は約55℃であつた。 実施例 6、7、8 実施例3、4及び5で採用したデイプ方式の含
浸方法をそれぞれ変更し、紙基材上方より樹脂液
を流下させる、いわゆるカーテンフロー方式によ
る片面含浸法とした。この結果、製品中の微視的
な気泡は実施例1〜5に較べて殆んどなくなり、
リンダ耐熱性が一層良好な製品が得られた。な
お、製品の試験結果は、それぞれ実施例3、4及
び5の結果と同等であつた。 実施例 9、10及び11 実施例6、7及び8に於いて、樹脂液を予め減
圧処理し、含浸時間を4分に短縮した。 減圧処理は第1図にその1例を示すごとく、内
径30cm、高さ100cmの密閉可能な円筒状容器の上
方より、樹脂液を10/minの割合で内部に噴出
させ容器内の圧力が常に20mmHgとなるように調
節した。この減圧処理した樹脂液を該円筒容器の
下部よりポンプで抜きとり紙基材の上方へ供給し
た。 製品中には気泡は殆んど存在せず、製品の特性
は、含浸時間を大巾に短縮したにも拘らず、実施
例3、4及び5の結果と夫々同要であつた。 実施例 12、13及び14 実施例3、4及び5において、硬化用触媒とし
て使用したクメンハイドロパーオキサイドを脂肪
族系のパーオキシエステル類であるt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエートに変更し
た。 この製品では180℃30分の加熱条件で発生する
臭気は、それぞれ著るしく減少した。なお、硬化
後得られた積層体を切断し、さらに硬化をすすめ
る為に、100℃の熱風炉で10時間熱処理した。こ
の積層体はハンダ耐熱性、寸法安定性、絶縁特性
等の品質の安定したものが得られた。 実施例 15 実施例14で用いた不飽和ポリエステル樹脂組成
物(実施例5で合成した不飽和ポリエステル樹脂
100重量部に対して、実施例14で示したt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1重量
部及び6%ナフテン酸コバルト0.2重量部)を用
いて、実施例9、10及び11で示した減圧処理及び
含浸方法を施した。含浸時間5分、硬化温度100
℃、硬化時間22.5分となるように基材の搬送速度
を3倍とした。その他の製造条件、実施例1と同
じ。 22.5分の硬化時間の後、切断し、積層体を得た
が、この硬化時間では硬化が不十分で、品質的に
は十分でなかつた。そこで切断後、さらに充分な
硬化をすすめるために熱風炉中で100゜、10時間、
160℃10分の条件で熱処理する工程を付加するこ
とによつて、特にハンダ耐熱性、加熱収縮率の良
好な品質の製品を得た。 熱風炉を別途設け、切断後に熱処理工程を付加
するだけで、実施例1の装置の生産能率は、一挙
に3倍に向上した。 実施例 16 実施例1の紙基材に、次のごときプレ含浸処理
をほどこした。 長尺な紙をN−メチロールアクリルアミドの8
%メタノール溶液に5分間浸漬し取出した後、約
30分間風乾を行い、更に100℃で20分間加熱乾燥
する工程を連続的に行つて、長尺なN−メチロー
ルアクリルアミド処理紙を得た。この時、N−メ
チロールアクリルアミドの紙への付着量は11.2%
であつた。 上記の長尺な処理紙を巻き物にしたものを5巻
用意し、これ等を連続的に個別に搬送しながら、
実施例15の方法と同様にして、厚さ1.5mmの積層
板を得た。 特性は実施例15に比して、吸湿処理におけるハ
ンダ耐熱性や電気的特性の改良が著るしい。 実施例 17 実施例16は、被覆フイルムが紙基材の凹凸へ追
従して、表面にゆるやかな、うねり状の起伏がみ
られた。実施例16における、この被覆物を、厚さ
100μm、いわゆるBA表面仕上げの長尺なステン
レス箔(材質SUS304)に変更して製造した。又
このステンレス箔の表面粗さはRmax=2.5ミク
ロン、剛性値=1.86Kg・cmであつた。 製品は、上記の起伏が消え、表面平滑性の評価
は優となり、表面の外観、各種レジストやペース
トの印刷性や、これらインクの転移性において申
し分のないものであつた。 実施例 18 実施例1で説明した紙基材に次のプレ含浸処理
をほどこした。即ち、オレイン酸モノグリセリド
(理研ビタミン油リケマールOL−100)1.5重量部
を溶解したメタノール50重量部に、メチロールメ
ラミン(日本カーバイド工業ニカレジンS−305)
6重量部を溶解した水50重量部を強く撹拌しなが
ら注ぎ込み懸濁状態の処理液を調整した。この処
理液に上記の長尺な紙を連続的に浸漬し、取出し
た後、120℃で20分加熱乾燥した長尺処理紙基材
をロール状に巻いた。実施例17において、長尺な
処理紙を上記のものに変更して、厚さが1.5mmの
積層体を得た。 製品の特性は第7表に示している。これは実施
例17の製品の特性と略同表であつた。 実施例 19 実施例18は、樹脂液含浸基材の両側にステンレ
ス箔をラミネートし、これを硬化後ハクリして積
層体を製造したものであつたが、積層体の片側
を、市販の1オンス/ft2の電解銅箔(福田金属
箔粉工業製、T−7)に変更し、この電解銅箔を
硬化後剥離せず、反対側のステンレス箔のみを剥
離して銅箔張り積層体を得た。 その他の条件は、実施例18と同等である。 実施例 20 実施例19の製品は反り量が大きい欠点がある。
そこで第5図の装置の如く、反り直し工程を付加
し、3本のロール間の間隙を調節して修正し、反
り量を大巾に改良した。 実施例 21 実施例19で得た製品の銅箔の接着強度やハンダ
耐熱性の試験結果値を改良する目的で、実施例19
において長尺な電解銅箔をラミネートする前に、
第6図の装置の如く、接着剤をコーテイングする
工程を付加した。 接着剤は、第5表の配合である。銅箔への塗り
厚は60μmとした。
【表】 製品の電解銅箔の剥離強度は、JISの基準を良
好に満していた。 実施例 22 実施例21において、第6図の装置によつて、接
着剤を電解銅箔にコーテイングした直後、電解銅
箔を熱処理装置中に通し、100℃、5分間熱処理
工程を付加して、片面銅箔板を製造した。ハンダ
耐熱性、電解銅箔の剥離強度の特性は向上した。 実施例 23 実施例22の硬化用触媒を、パーオキシケタール
類である1−1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
3.3.5−トリメチルシクロヘキサンに変更した。 製品の特性は、吸温時(条件はC−96/55/
95)のハンダ耐熱が10〜27秒に向上した。 その他の特性は実施例22と同等であつた。 実施例 24 実施例23に硬化助剤を添加しない場合を実験し
た。製品の特性は実施例23と同等であつた。 実施例 25 実施例23において、接着剤を電解銅箔上にコー
テイングする前に、シランカツプリング剤(ucc
製A−187)0.5重量%含む水溶液を電解銅箔の表
面へ約10μmの厚さに連続的に塗布する工程、つ
いで、100℃2分の条件で乾燥する工程を付加し
て片面銅張り板を製造した。 特にハンダ耐熱性と電解銅箔剥離強度が向上し
た。 実施例 26 市販の長尺なガラス布(日東紡績製WE18K−
ZB)を8枚連続的に搬送しながら、まず、100
℃、10分の条件で連続的に乾燥し、ついで、実施
例9、10及び11と同等な方法で減圧処理した常温
で液状の第6表に示すエポキシ樹脂組成物(粘度
は25℃で6.5ポイズ)をカーテンフロー方式によ
りガラス布上方より流下させた。
【表】 含浸時間10分。8枚のガラス布を積層し、両面
へ予めシランカツプリング剤(UCC製−A−
1100)を塗布した市販の電解銅箔(福田金属製T
−7)を連続的にラミネートした。 ラミネートローラの間隔調節を行ない、含浸基
材に対する樹脂液の重量比率は約58%となる様に
した。 ついで、130℃、60分間連続的に硬化せしめ、
切断し、ついで、180℃、2時間さらに熱処理し
て外形寸法が1020mm×1020mm、厚さ1.6mmの製品
を得た。 全ての特性においてバランスがよく優秀な積層
体が得られた。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用する装置の概略を
示す説明図である。第2図は剛性の低い被覆物を
用いた製品の断面図である。第3図は剛性の高い
被覆物を用いた製品の断面図である。第4図乃至
第6図は本発明の実施に使用する装置の他の例を
示す説明図である。 1……基材供給部、2……含浸装置、3……積
層装置、4……連続加熱炉、6……基材、7……
積層体、10……被覆物、23……ラミネート装
置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 基材供給部に配置した複数枚のシート状基材
    を夫々繰り出す工程、 本質的に乾燥工程を必要とせず硬化反応過程で
    気体、液体等の反応副生成物を殆んど発生しない
    常温で液状の熱硬化性樹脂液を、シート状基材毎
    に、夫々独立して設けた含浸装置により個別に所
    望特定量より予め過剰に含浸して付着させる工
    程、 該樹脂液含浸基材を複数枚個別に分離した状態
    で連続的に搬送しつつ含浸を促進する工程、 該樹脂液含浸基材の複数枚を連続的に積層する
    工程、 該樹脂液含浸基材を積層すると同時に、あるい
    は積層後かつ積層基材の硬化前に、積層基材の両
    面にフイルム状あるいはシート状であつて、少な
    くとも一方は金属箔である被覆物をラミネートす
    る工程、 成形圧が実質的に無圧の条件下で硬化せしめる
    工程、 次のa〜gの何れかの操作によつて、被覆物を
    ラミネートした後の樹脂液含浸積層基材の樹脂液
    量を、樹脂液含浸積層基材に対し30〜80重量%の
    範囲内にある所望特定量に調節する工程 a 熱硬化性樹脂液をフイルム状或はシート状基
    材に含浸する際、含浸装置に於いて予め過剰な
    液量を供給し、過剰な樹脂液量を基材表面に付
    着させて複数枚の基材を連続的に搬送する過程
    で、夫々基材の厚みに対応したスリツト33間
    を通過させ、このスリツト間隔を調節すること
    によつて、過剰な樹脂量を掻き落し、付着樹脂
    液量を適性に調節した後、積層装置3に送つて
    基材の積層を行なう。 b 含浸装置2と積層装置3との間に絞りローラ
    34を設け、樹脂液を過剰に含浸した基材に対
    し絞りローラ34によつて過剰な樹脂液を絞り
    出し、含浸樹脂液量を適性に調節した後、積層
    装置3に送つて基材の積層を行なう。 c 複数の樹脂液含浸基材を一対のローラ又はロ
    ーラとブレードとの組合せで構成した積層装置
    によつて積層する場合、ローラ間隔又はローラ
    とブレードとの間隔を調節可能となし、積層間
    隔の調節によつて樹脂液含浸基材の過剰な樹脂
    液を排除し、適性な樹脂液量となしつつ積層す
    る。 d 積層装置3の出口側に一対のローラで構成し
    たラミネート装置23を設けて、積層基材の両
    面へ被覆物をラミネートする際、ラミネート装
    置23のローラ間隔を調節可能となし、間隔調
    節によつて積層基材の過剰な樹脂液を排除しつ
    つ被覆物をラミネートする。 e 上記a〜dの方法を組合せる(但しcとdの
    方法を組み合わせる場合を除く)ことにより、
    過剰な樹脂液を数段階に分けて排除し、最終的
    に適性な樹脂液量の積層体となす。 f 樹脂液含浸基材を連続的に搬送する過程、該
    樹脂液含浸基材を連続的に積層する過程、積層
    基材をラミネート装置へ連続的に搬送する過
    程、積層基材に被覆物をラミネートする過程の
    何れかの1又は複数の過程において、樹脂液含
    浸基材の表面、積層基材表面は積層基材と被覆
    物とがラミネートされる面に、熱硬化性樹脂液
    を供給装置35によつて別途供給し、基材に対
    する樹脂液の重量比率を適性に調節する。 g a〜eの方法の1又は複数とfの方法とを組
    合せることによつて、積層体に含浸する樹脂液
    量を最終的に最適量に調節する。 を実施し、樹脂液含浸積層基材の硬化は、シート
    状被覆物が積層基材被覆物に接着されないときに
    は、積層基材表面から障害なく剥離可能な程度以
    上まで連続的に行ない、金属箔被覆物は剥離しな
    いで金属箔張り積層体として使用することを特徴
    とする片面又は両面金属箔張り印刷回路用硬質積
    層体の連続製造方法。 2 樹脂液含浸基材の樹脂液量の重量比率は、含
    浸基材に対し30乃至70%である特許請求の範囲第
    1項に記載の方法。 3 金属箔は印刷回路用電解銅箔である特許請求
    の範囲第2項の積層体の連続製造方法。 4 熱硬化性樹脂は常温で液状の不飽和ポリエス
    テル樹脂である特許請求の範囲第1〜3項の何れ
    かに規定する積層体の連続製造方法。 5 熱硬化性樹脂は常温で液状のエポキシ樹脂で
    ある特許請求の範囲第1〜3項の何れかに規定す
    る積層体の連続製造方法。 6 シート状基材はセルロース系である特許請求
    の範囲第1〜3項の何れかに規定する積層体の連
    続製造方法。 7 シート状基材はガラス繊維系である特許請求
    の範囲第1〜3項の何れかに規定する積層体の連
    続製造方法。 8 シート状基材は樹脂液を含浸する前に予めプ
    レ含浸液にてプレ含浸し、更に該プレ含浸した基
    材を必要により乾燥したものである特許請求の範
    囲第1〜3項の何れかに規定する積層体の連続製
    造方法。 9 シート状基材はセルロース系であり、熱硬化
    性樹脂は常温で液状の不飽和ポリエステル樹脂で
    あり、プレ含浸液は重合成単量体と共重合可能な
    不飽和結合を有するN−メチロール化合物を含ん
    だものである特許請求の範囲第8項の積層体の連
    続製造方法。 10 N−メチロール化合物は、変性アミノトリ
    アジンメチロール化合物である特許請求の範囲第
    9項の積層体の連続製造方法。 11 N−メチロール化合物は、 一般式 (ただし、R1はH又はCH2 R2はH又はC13
    アルキル基) で表わされる化合物である特許請求の範囲第9項
    の積層体の連続製造方法。 12 シート状基材はセルロース系であり、熱硬
    化性樹脂は常温で液状の不飽和ポリエステル樹脂
    であり、プレ含浸液は重合成単量体と共重合可能
    な不飽和結合を有しないN−メチロール化合物
    と、 a 該N−メチロール化合物と縮合或は付加可能
    な官能基 b 重合成単量体と共重合可能な不飽和結合を併
    せ有している多官能化合物を含む特許請求の範
    囲第8項の積層体の連続製造方法。 13 シート状基材はセルロース系であり、熱硬
    化性樹脂は常温で液状の不飽和ポリエステル樹脂
    であり、プレ含浸液は、次のAとBの混合物又は
    AとBの縮合生成物である A メチロールメラミン及び/又はメチロールグ
    アナミン B 分子内にメチロール基と結合可能な基を少な
    くとも1個有する高級脂肪族誘導体 特許請求の範囲第8項の積層体の連続製造方法。 14 メチロール基と縮合可能な基は、水酸基、
    カルボキシル基、アミノ基及びアミド基からなる
    群より選ばれる基である特許請求の範囲第13項
    の積層体の連続製造方法。 15 高級脂肪誘導体は、オレイルアルコール、
    オレイン酸、オレイン酸モノグリセリド、オレイ
    ン酸ジグリセリド、オレイン酸アマイド及びオレ
    イルアミンからなる群より選ばれた1種又は2種
    類以上の混合物である特許請求の範囲第13項の
    積層体の連続製造方法。 16 N−メチロール化合物と高級脂肪族誘導体
    の混合物、もしくは縮合生成物のシート状基材へ
    の浸漬、乾燥後の該基材に対する全付着量は3〜
    30重量部である特許請求の範囲第13項の積層体
    の連続製造方法。 17 シート状基材は、セルロース系繊維を主成
    分とした紙である特許請求の範囲第6項又は第9
    項乃至第16項の何れかに規定する積層体の連続
    製造方法。 18 硬化触媒は、脂肪族系パーオキサイドであ
    る特許請求の範囲第4項又は第9項乃至第16項
    の何れかに規定する積層体の連続製造方法。 19 脂肪族系パーオキサイドは、脂肪族系パー
    オキシエステルである特許請求の範囲第18項の
    積層体の連続製造方法。 20 熱硬化性樹脂の架橋用に用いる重合成単量
    体は、スチレン及び、又はスチレン誘導体、又は
    これらとジビニルベンゼルとの混合物である特許
    請求の範囲第1項、第4項、第9乃至第16項の
    何れかに規定する積層体の連続製造方法。 21 熱硬化性樹脂は、常温で液状である不飽和
    ポリエステル樹脂であつて、その硬化体のガラス
    転移温度が20〜80℃である特許請求の範囲第1乃
    至3項、第9乃至第17項の何れかに規定する積
    層体の連続製造方法。 22 シート状基材への含浸は、該基材上方より
    樹脂液を流下させる片面含浸法を使用する特許請
    求の範囲第1乃至3項、第9乃至17項の何れか
    に規定する積層体の連続製造方法。 23 フイルム状或はシート状被覆物の剛性値
    は、E・d3(Eは曲げ弾性率Kg/cm2、dは厚さcm)
    で表わすと3×10-3Kg・cm以上である特許請求の
    範囲第1乃至3項、第9乃至17項の何れかに規
    定する積層体の連続製造方法。 24 フイルム状あるいはシート状被覆物の表面
    あらさは、Rmaxで表わすとRmaxが約0.4ミクロ
    ン以上約5ミクロン以下である特許請求の範囲第
    1乃至3項又は第23項の何れかに規定する積層
    体の連続製造方法。 25 金属箔と樹脂液含浸基材との間に接着剤を
    継続的に供給して金属箔のラミネートが行なわれ
    る特許請求の範囲第2項、第3項、第9乃至17
    項の何れかの項に規定する積層体の連続製造方
    法。 26 接着剤は金属箔のラミネートする前に金属
    箔表面へ連続的に塗布して供給される特許請求の
    範囲第25項に記載の積層体の連続製造方法。 27 接着剤が塗布された金属箔は、ラミネート
    する前に塗膜の加熱処理工程を通る特許請求の範
    囲第26項の積層体の連続製造方法。 28 接着剤は、溶剤等の乾燥による除去成分を
    実質的に含有せず、且つ該接着剤の硬化反応過程
    で気体、液体の反応副生成物を実質的に発生しな
    いものであり、該接着剤が樹脂液含浸積層基材に
    接着し一緒に硬化する際、成形圧が実質的に無圧
    である特許請求の範囲第25項の積層体の連続製
    造方法。 29 熱硬化性樹脂液は常温で液状の不飽和ポリ
    エステル樹脂であり、接着剤はアミン酸化型エポ
    キシ系樹脂であつて、さらに不飽和ポリエステル
    樹脂の硬化用触媒として、パーオキシケタール、
    パーオキシエステル、あるいはジアルキルパーオ
    キサイドの群から選ばれた1種あるいは複数種の
    過酸化物を用いる特許請求の範囲第25項乃至2
    8項の何れかに規定する積層体の連続製造方法。 30 樹脂液含浸積層基材と金属箔に塗布した接
    着剤との接合部分付近に、共重合し得る不飽和二
    重結合とエポキシ基を併せ有する化合物を介在さ
    せて硬化させる特許請求の範囲第25乃至28項
    の何れかに規定する方法。 31 金属箔は、接着剤を塗布する前に、付着水
    分を連続的に乾燥する工程を通過する特許請求の
    範囲第25項に記載の方法。 32 金属箔は、乾燥工程の以前に表面処理剤を
    連続的に塗布する工程を通過する特許請求の範囲
    第25項に記載の方法。 33 表面処理剤はシランカツプリング剤である
    特許請求の範囲第32項に記載の方法。 34 樹脂液は減圧処理して供給される特許請求
    の範囲第1乃至3項、第9乃至16項の何れかに
    規定する方法。 35 減圧処理は30mmHg以下に減圧された容器
    中に樹脂液を噴出させ、容器下部に蓄積して行な
    われる特許請求の範囲第34項に記載の方法。 36 長尺積層体は、硬化の途中で実用寸法に切
    断され切断後さらに硬化を進める特許請求の範囲
    第1乃至3項、第9乃至16項の何れかに規定す
    る方法。 37 フイルム状或はシート状被覆物は、樹脂液
    含浸積層基材の両面及び樹脂液含浸基材の中間に
    挾んだ状態で多段に積層し、硬化させ、切断後に
    中間被覆物を境にして積層体を上下分離し、同時
    に多数枚の積層体を得る特許請求の範囲第1乃至
    3項の何れかに規定する方法。 38 被覆物は全面もしくは両縁部に離形剤を連
    続的に塗布する工程を通過する特許請求の範囲第
    1乃至3項の何れかに規定する方法。 39 被覆物は積層体の硬化後、連続的に剥離さ
    れ巻取つて回収される特許請求の範囲第1乃至3
    項の何れかに規定する方法。 40 被覆物はエンドレスベルトであつて、積層
    体の硬化後に連続的に剥離される特許請求の範囲
    第1乃至3項の何れかに規定する方法。
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