JPH029793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は歯科用治療台に関する。

歯科用治療台に於て、バキユームシリンジ或い
はスリーウエイシリンジ等を懸架し得るホルダー
若しくはハンガーをその側部に装備することは治
療上至便であつて広く採用されている。その代表
例として実開昭51−138995号公報、実開昭57
−2025号公報或いは実開昭56−113526号公報等
により開示されたものが挙げられるが、ではシ
リンジホルダーを必要に応じヘツドレスト側部又
は治療台の横に配置されたスピツトン部に随時移
し替え得るようになされているものの、シリンジ
に接続された可撓性ホースがスピツトン部より導
出されている為、ホルダーをヘツドレストの側部
に移した時、上記ホースが歯科衛生士等の補助者
と治療台との間に位置しそれが治療上邪魔になる
ことがあり、またホルダーの移し替えは寧ろ煩し
くもある等の欠点が指摘されて居り、ではシリ
ンジホルダーがヘツドレストの背面側方に固定さ
れた支持棒に対し回動自在に取着され、且つ背板
又はヘツドレストの傾動にかかわらず上記ホルダ
ーに懸架されたシリンジが常に鉛直方向に保持さ
れるようになされているが、ホルダーがヘツドレ
ストに固定的に装備されている為、術者による抜
歯治療等に際してはこれが治療作業上障害になる
嫌いがあり、更にではシリンジホルダーが背板
の側部に沿つて摺動自在とされているが、摺動案
内軸が背板の側部に沿つて設けられていること
や、ホルダーが背板側部のいずれかの位置に突出
していること等から、補助者の作業に障害になる
ことが往々にしてある…等、これらの既知のシス
テムも個々には優れた工夫が凝らされながら、上
記の如き種々の欠点を内包するものであり、歯科
の術者及びその補助者においては更に一層の改良
を待ち望むところであつた。

本考案は上記に鑑みなされたもので、シリンジ
に接続される可撓性ホースを背板の背部より導出
するようになすと共に、シリンジの使用時にはホ
ルダーを背板若しくはヘツドレストの側部に固定
し、一方非使用時にはホルダーを背板の背部に格
納し得るようにすることによつて、至便にして且
つ術者或いは補助者のスムースな治療作業を保証
するよう図つた新規な歯科用治療台を提供するに
ある。

本考案の実施例を添付図面に基づき説明する
と、第１図は本考案の第１の実施例の背面図、第
２図は第１図線部分の拡大図、第３図は第２図
−線矢視図、第４図は第２図−線部分切
欠矢視図、第５図は本考案の第２実施例の側面
図、第６図は第５図線部の分解斜視図である。
即ち、本考案は傾動調節可能な背板１１及びヘツ
ドレスト１２を備えた歯科用治療台１に於て、上
記背板１１の背部より導出され治療用シリンジ２
１…を接続具備する複数の可撓性ホース２…と、
背板１１の背面に形設された支軸３１を介し少な
くとも背板１１の背面にほぼ平行な面域内で回動
可能に支承された支持アーム３と、該支持アーム
３の他端に回動可能に連結され前記シリンジ２１
…を懸架し得るハンガーブロツク４とより成るこ
とを特徴とする歯科用治療台である。第１図乃至
第４図に於て、バキユームシリンジ或いはスリウ
エーシリンジ等の治療用シリンジ２１，２１に接
続される可撓性ホース２，２は背板１１の下部よ
り導出され、該ホース２，２の基部は基板１１に
保持され系外の供給源（不図示）に通じている。
支持アーム３は背板１１の左側上部背面に垂設さ
れた支軸３１に一端が支承され、該背板１１と平
行な面域内で回動可能とされている。該支持アー
ム３の他端にはハンガーブロツク４が少なくとも
180゜回動可能に連結されているが、該ハンガーブ
ロツク４は各種シリンジ２１…の形状に符合する
把持部４１１を夫々含む複数のブロツクユニツト
４１…（図では２個）により成り、このブロツク
ユニツト４１，４１は上記支持アーム３の他端よ
り延出された支軸３２により並列的に且つ夫々が
この支軸３２の廻りに回動可能に保持されてい
る。また上記把持部４１１，４１１の内周面に
は、上記ブロツクユニツト４１，４１が天地逆転
関係にあつてもシリンジ２１をバランス良く懸架
し得るようその長手方向ほぼ中央に周方向に沿つ
たシリンジ係止用突条４１２，４１２が形成され
ている。ここで上記支持アーム３の支軸３１に対
する回動可能な支承及び、ブロツクユニツト４
１，４１の支軸３２に対する回動可能な保持は、
いずれもスプリングにより付勢された揺動ピンの
軸の周体に対する押圧力を利用して回動部材を任
意位置に停止せしめる等の公知手段（第４図参
照）を含むものである。

上記構成に於て、支持アーム３は背板１１の背
面に回動可能に支承されているから、シリンジ２
１，２１の非使用時には該支持アーム３を背板１
１と平行な面域で回動させ第１図の一点鎖線で示
す位置にハンガーブロツク４と共に格納すれば、
抜歯等の治療作業の際にこれらが障害になること
がなく、従つて術者が患者に対しより密接的に治
療を行うことが出来る。またシリンジ２１，２１
に接続される可撓性ホース２，２は背板１１の背
部より導出されているから、従来のスピツトンか
ら導出される場合の如く補助者と治療台との間に
可撓性ホース２，２が存在することがなく、補助
者の作業の邪魔になることもない。更に、ハンガ
ーブロツク４は支持アーム３に対し回動自在であ
るから、例えば第３図の一点鎖線に示す如く180゜
回転させた位置にもこれを固定することが出来、
補綴治療の如く患者を背板１１を起こした立位の
姿勢にして治療を行なう場合或いは補助者がいな
い場合に術者は６時乃至９時の位置で治療にあた
る為、このハンガーブロツク４の位置は極めて好
適である。その他術者及び補助者の治療作業に合
わせて、支持アーム３の位置及びハンガーブロツ
ク４の角度等適宜調整することが出来るので、便
利この上もなくこれによつてスムースな治療作業
が確立され、患者も快適な治療を受けることが出
来ることにもなる。

第５図及び第６図は背板１１に対するアーム３
の支承の変更態様を示すものであり、支軸３１に
連結固定されたボールジヨイント３６を介しアー
ム３を背板１１の背面にほぼ平行な面域内での回
動のみならず背板１１の背部の自由な面域内で旋
回可能としたものである。第６図に於てその詳細
を説明するに、背板１１の背面に支持用台座１１
１を設け、これにウエーブワツシヤ３３、リング
ワツシヤ３４、ボールジヨイント回転規制用部品
３５を重ね合わせ更に該回転規制用部品３５の角
型突出部３５１をボールジヨイント３６の長溝３
６１に嵌挿させて該ボールジヨイント３６を回転
規制用部品３５に当接させ、カバー３７をこれら
の各部品を覆うように且つ軸方向にこれらを圧接
するようにして上記台座１１１に螺着固定する。
このカバー３７の螺着の際該カバー３７の内周壁
に突設されたピン３７１は上記回転規制用部品３
５の切欠部３５２を通し、該規制用部品３５に周
設された凹溝３５３に挿入され該凹溝３５内で摺
動自在とされる。爾後アーム３を支軸３１に螺着
固定してアーム３の背板１１に対する旋回可能な
支承が達成される。斯るアーム３の背板１１に対
する支承に於ては、ボールジヨイント３６はカバ
ー３７内に於て回転規制用部品３５の角型突出部
３５１と長溝３６１に規制される面域で回動可能
であり同時にカバー３７の軸心の廻りに回動可能
である。従つて該ボールジヨイント３６に支軸３
１を介して螺着固定されるアーム３は支軸３１の
軸心の廻りに回動可能であるばかりでなく背板１
１の背面にほぼ平行な面域を含む背部の自由な面
域で旋回可能となる。亦、上記のカバー３７の螺
着固定の際ウエーブワツシヤ３３の弾撥力に抗し
てなされるからカバー３７と台座１１１間に保持
される上記各部品は互いに圧接され、この圧接力
によつてボールジヨイント３６が任意位置で停止
されることになる。このようにアーム３を背板１
１に支承すると、上記第１の実施例ではアーム３
を背板１１の背部に格納する際シリンジ２１を脱
落させないようハンガーブロツク４をほぼ180゜回
転させる必要が生じるが、本実施例ではアーム３
を任意の平面域に回動し得るからハンガーブロツ
ク４の角度調整が不要であると云う利点が付加さ
れる。従つてこの第２実施例は第１の実施例と共
に好ましく採用されるものである。

尚、上記実施例では支持アーム３の支承位置を
背板１１の左側上部背面としたが、これに限られ
ず背板１１背面のその他の位置のいずれにおいて
も可能である。しかし、一般には前述したバキユ
ームシリンジ、スリーウエーシリンジ等のシリン
ジは補助者が使用することが多く、従つて通常２
時の位置で作業に当る補助者の手元にハンガーブ
ロツク４が存する上記位置が最も望ましい。ま
た、ハンガーブロツク４を構成するブロツクユニ
ツト４１は２個に限らず、使用するシリンジ２１
の種類に合わせてその数を多くすることも可能で
ある。更に、該ブロツクユニツト４１には適当な
センサーを内蔵させその検出端を上記突条４１２
に設けてこれをバキユームシリンジ２１用のハン
ガーとし、センサー信号と系外のバキユームポン
プとを連動させるようにしておけば、シリンジ２
１をハンガーブロツク４から離脱すると同時にバ
キユームポンプのスイツチがONされ、またシリ
ンジ２１をハンガーブロツク４に懸架すると
OFFとなる如く自動制御することが出来極めて
至便である。この場合センサーからの電気配線等
は上記支軸３２内を通すことになるのでブロツク
ユニツト４１は少なくとも180゜以上回動しないよ
う適当なストツパーを設けることが望ましいこと
は云うまでもなく、更にこの電気配線等は支軸３
１を通り背板１１内に導入されるから上記第２の
実施例のカバー３７内に装備される各部品に該電
気配線等を挿通し得る貫通孔が設けられるべきこ
とも当然である。

叙述の如く、本考案の治療台は極めて至便に構
成されたもので、その利用価値は頗る大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の代表的実施例の背面図、第２
図は第１図線部分の拡大図、第３図は第２図
−線矢視図、第４図は第２図−線部分切欠
矢視図、第５図は本考案の第２実施例の側面図、
第６図は第５図線部の分解斜視図である。 符号の説明、１……歯科用治療台、１１……背
板、１２……ヘツドレスト、１２１……ヘツドレ
スト支持体、２……可撓性ホース、２１……シリ
ンジ、３……支持アーム、３１……支軸、４……
ハンガーブロツク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 傾動調節可能な背板１１及びヘツドレスト１
   ２を備えた歯科用治療台１に於て、上記背板１
   １の背部より導出された治療用シリンジ２１…
   を接続具備する複数の可撓性ホース２…と、背
   板１１の背面に形設された支軸３１を介し少な
   くとも背板１１の背面にほぼ平行な面域内で回
   動可能に支承された支持アーム３と、該支持ア
   ーム３の他端に回動可能に連結されたシリンジ
   ２１…懸架用ハンガーブロツク４とより成る歯
   科用治療台。 ２ 上記ハンガーブロツク４が支持アーム３の他
   端にその軸線の廻りに180゜回動可能に連結され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載の治
   療台。