JPH029682Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、つま先を除いては甲部と底部の接合
による境界がなく各人の足の形によつて甲部と底
部の境が自然に分かれ、足にフイツトしてはき心
地のよいスリツパに関するもので、特に甲部の立
体形成に工夫をこらし、簡易仕立てではあるが形
がよく、外見は普及形スリツパと同形に出来上が
るものである。

スリツパの甲の中は通気が悪く、脂、汗、汚
れ、嗅い、水虫菌などで不潔である。靴下を毎日
洗うことから考えてもスリツパも、もつと頻繁に
洗うべきところ、家庭に於てさえも余り洗わない
のが通念となつている。まして公衆共用の病院、
学校、旅館等の備え付けのスリツパは、表底に裏
底を重ねて保管されていることもよくあり、不潔
の極である。

本案は上記スリツパ使用上の不潔さを解消する
もので、スリツパに重ねる重ねスリツパ、携帯用
の簡易スリツパを提供するものである。

本案の構成を図面とともに説明すると、スリツ
パ地は布、皮革、合成樹脂、紙等から成る。以下
は重ねスリツパとして最適な布キルテング地を用
いた第１実施例に於ける場合と、使い捨ての紙を
用いた第２実施例に於ける場合の説明をする。

第１実施例に於ては、第１図に示すように、甲
部２を縦に二分して各々底部３の左右側面に続け
て底部３と一体に形抜きをする。甲部の外形線
４，４はスリツパの形状によつて任意であるが、
図面にあつては外形線４はつま先へ向けて先細に
なつている。次に第２図に示すように、底部補強
のために、又、スリツパ地に表裏のある場合、甲
部と底部の表面に表地を出すために共布の補強用
のの目安底部７を重ねて縫着するなりして固定す
る（但し、必ずしも補強用底部を設けなくてもよ
い。又甲部の中の底部は、補強用底部を以つて底
部と定めたわけではなく、各人の足の形によつて
甲部と底部の境が変るので、補強用底部はあくま
でも目安底部である）。

次に甲部２の先端部５，５′から足首方向に向
けて縫い消すダーツ６をとる（図面にあつては甲
部２，２′の対称位置に二本とつてある）。

ダーツ６は甲部先端部５，５′を底部つま先湾
曲部分８と同寸にするためにとるが、ダーツ６だ
けで狭めるのではなく、いせ込みと共に狭めるの
で、若干のいせ込み分を残してダーツ６の深さを
決める。次に第３図に示すように、左右二分した
甲部２′，２″を縫合して輪状にする。次に甲部先
端部５，５をぐし縫いするなりしていせ込み、底
部３と重ね第４図に示すように底部の先端の湾曲
部に合せて湾曲部分８を縫合しつま先を封じ、余
分の部分をカツトする（図面にあつては中表に縫
合して返してあるが、表に縫代と縫目があらわれ
る縫い方であつてもよい）。

次に第５図に示すように甲部２と底部３の端を
続けてパイビングするなりして裁ち目の処理をす
る。又、第６図に示すように、底部３の裏面３″
に布製フアスナーの雄側１３をつけておくと、パ
イル地や起毛地のスリツパに係着するので定着さ
れる。

次に第７図に示すのは、スリツパの携帯用のバ
ツク１０である。スリツパを片方づつ裏底を中に
して二つ折りにし、両方の表底同志を合わせ、両
方の折り山を甲の中に手を入れ込んでつまみ、出
し入れすると、汚れた部分に手を触れずにすむ。

バツク１０の裏側に用後のスリツパを包むビニ
ール等の袋を入れるポケツト１０ａがついてい
る。

次に本考案の第２実施例である使い捨ての紙で
作つた一例を説明すると、 紙の場合は、ダーツやいせ込みは不適当で、又
携帯時に紙端の破れを防ぐため第８図に示す如く
甲部２の先端５，５′の底部側両サイドにプリー
ツ１１を折りたたんで甲部２を形成する。プリー
ツ１１の折り山３つのうち一つは甲の中に入り、
他の二つは甲の外側を形どる直線で折りたたんで
ある。（折り山はあくまでもプリーツの折り山で、
この折り山を以つて底部と定めたわけではない） 又、第９図イ，ロに示すように、甲部２の中に
底部３のかがと部分を差し入れて二つ折りにして
たたむと、周囲に紙端一枚の部分がなくなり、携
帯時に破れる恐れがないので都合がよい。

又、第１１図に示す如く底部の裏面に剥離紙付
きの粘着テープを貼るなり粘着剤を塗布し剥離紙
で被うかすると、重ねるスリツパに接着してはき
易い。

又、この紙スリツパを連続形抜きするには、第
１０図に示すように、予め両サイドのプリーツ１
１を折りたたみ、甲部２，２′をプリーツの中に
入る位置で接合した長尺紙をうまく差し込んで裁
ち合せると材料の無駄をなくし、能率的である。
このように形抜きしたものを、第１１図に示すよ
うに、つま先を湾曲形にカツトして接合する。又
は形抜きする時に切り残し分１４を残し、折り山
ＡとＣを重ねて長尺のまま折り直し、つま先を接
着と同時にカツトし、切り残し分１４を離すとよ
り能率的である。

以上であるが、重ねスリツパ以外にも材質によ
つては、簡易スリツパとして機内ばき、ホテルの
室内ばきに利用できる。

以上のように本案のスリツパは、甲部と底部の
境界を設けず、甲が立体的に形成されているの
で、どんなスリツパにもなじんで重なる。又、簡
易仕立てであるので安価である。特に綿キルテン
グ地で作つたものは洗濯も容易で保温効果もあ
り、スリツパと配色のよい重ねスリツパは、ルー
ムアクセサリーにもなり、又、来客に対しての心
いとなる。

本案は、家庭用に、携帯用に、又旅館等のサー
ビス品として業務用としてその利用範囲も広く、
スリツパを衛生的に使用し長持ちさせる効果は大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の本体１を形抜きした状態の形
状を表わす展開図。第２図は同補強用目安底部８
とダーツ６の位置を示す図。第３図は同縫製の第
１段階を示す図。第４図は同縫製の第２段階を示
す図。第５図は同縫製の第２段階を示す図で表面
から見た図。第６図は同じく裏面から見た図。第
７図は本案の携帯用バツの一例を示す図。第８図
は本考案の紙で作つた場合の一例を示す平面図。
第９図は第８図に示した本案を二つ折りにしたた
たみ方を示す図。第１０図は第８図に示した本案
の連続形抜きを示す図。第１１図は第１０図の如
く連続形抜きしたものの甲部の形成を示す図。第
１２図は第１０の如く連続形抜きしたものの展開
図。 １はスリツパ本体、２は甲部、２′は二分した
甲部の片方、２″は同じく他の片方、３は底部、
３′は底部表面、３″は底部裏面、４は形抜きした
状態の甲部を形どる外形線の一部、４′は同じく
他の外形線の一部、５はスリツパの先端湾曲部分
の甲部側の半分、５′は同他の半分、６はダーツ、
７は補強用の目安底部、８はスリツパの底部のつ
ま先湾曲部分、９は縁パイピング又は縁かがりミ
シン、１０はバツク、１０ａはポケツト、１１は
プリーツ、１２は布製フアスナー雄側、１３は剥
離紙付き粘着テープ又は剥離紙で被つた粘着剤、
１４は紙の残し分、Ａ：Ｂ：Ｃ：Ｄは紙の折り
山、Ｆはカツト線又は形抜き線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 甲部と底部を一体にして形抜きをし、爾後甲
   部を形成するスリツパに於て、足先全体を被う
   甲部２は縦に二分して各々底部３の左右側面と
   一体に形抜きをし、二分した甲部２，２′は接
   合して輪状とし、甲部２の先端５，５′に足首
   方向に向けて縫い消すダーツ６又はタツク又は
   プリーツ１１をとるなり或は先端５，５′を全
   体的にいせ込むなり或はこれらを組合せるなり
   して、先端５，５′を底部３のつま先湾曲部分
   ８と同寸に狭め、底部３のつま先と重ね合せて
   底部３のつま先湾曲部分８と接合してつま先を
   湾曲形に封じ、甲部の立体を形成する、以上の
   ように構成した、簡易仕立てのスリツパ。 ２ 甲部２の先端５，５′を足首方向に向けて縫
   い消すダーツといせ込みで以つて、甲部つま先
   湾曲部分８と同寸に狭めて底部３のつま先湾曲
   部分８と接合した実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の簡易仕立てのスリツパ。 ３ スリツパ地本体１が布又は合成樹脂、又は皮
   革等のキルテング地である実用新案登録請求求
   の範囲第１項又は第２項記載の簡易仕立てのス
   リツパ。 ４ 甲部２の先端５，５′を底部側の両サイドに
   プリーツをとつて、底部３のつま先湾曲部分８
   と同寸に狭めて、底部３のつま先湾曲部分８と
   接合した実用新案登録請求の範囲第１項又は第
   ３項記載の簡易仕立てのスリツパ ５ スリツパ地本体１が使い捨てる紙又は合成樹
   脂である実用新案登録請求の範囲第１項又は第
   ４項記載の簡易仕立てのスリツパ。 ６ 底部３の裏面３″に布製フアスナーの雄側を
   設けた実用新案登録請求の範囲第１項又は第２
   項又は第３項又は第４項記載の簡易仕立てのス
   リツパ。 ７ 底部３の裏面３″に剥離紙付き粘着テープを
   貼るか又は粘着剤を塗布し剥離紙で被つた実用
   新案登録請求の範囲第１項又は第４項又は第５
   項記載の簡易仕立てのスリツパ。