JPH028928B2 - - Google Patents

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JPH028928B2
JPH028928B2 JP6778187A JP6778187A JPH028928B2 JP H028928 B2 JPH028928 B2 JP H028928B2 JP 6778187 A JP6778187 A JP 6778187A JP 6778187 A JP6778187 A JP 6778187A JP H028928 B2 JPH028928 B2 JP H028928B2
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pressure
valve
oil
oil passage
torque ratio
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JP6778187A
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Nobuaki Miki
Shoji Yokoyama
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Aisin AW Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用Vベルト式無段変速機の変速
制御装置に関する。 〔従来の技術〕 Vベルト式無段変速機は、前進後進切り換え用
の遊星歯車変速機と組み合わせて自動車など車両
の自動変速装置として使用できる。第30図は、
特開昭54−157930号公報に提案されている従来の
無段変速機の変速制御装置を示している。入力軸
aには固定プーリbと可動プーリcが設けられ、
また、出力軸dには固定プーリeと可動プーリf
が設けられ、入力軸aと出力軸d間にはベルトg
が張設されていて、油路hおよび油路iにポンプ
jからの流体を弁k,lを介して供給、排出させ
ることにより可動プーリc,fを移動させるよう
になつている。弁lのスプールmの一端には、ピ
トー管nにより入力軸aの回転数に比例した流体
圧が作用しており、スプールmの他端には、スロ
ツトルペダルの動きに連動するカムpの回動によ
る圧力が、レバーq、スプリングrを介して作用
している。さらに、弁kのスプールsの一端に
も、ピトー管nにより入力軸aの回転数に比例し
た流体圧が作用しており、スプールsの他端に
は、入力軸aの可動プーリcと連動して変位され
る検出ロツドtの圧力が、レバーu、スプリング
vを介して作用している。 上記構成において、スロツトルペダルの動きに
連動するカムpの回動により変化するスプリング
rの荷重とピトー管nによる入力軸aの回転数に
応じて発生する流体圧とのバランスによつて、油
路hに発生する油圧を制御し、可動プーリcの移
動を制御する。そして、この油路hに発生する油
圧特性は、カムp、レバーq、スプリングrおよ
びピトー管nの出力油圧特性等によつて変更され
るものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記従来の無段変速機において
変速特性の変更を行う場合には、カムp、レバー
q、スプリングrおよびピトー管nの出力油圧特
性等を変更する必要があるため、変速特性の変更
が容易ではなく、また、制御の自由度および精度
に欠点を有している。そこで、制御の自由度およ
び精度を増すために、電気信号に従つた油圧を発
生するソレノイド弁を使用し、このソレノイド弁
によつて変速用弁装置を制御して変速を行うこと
が考えられる。 しかしながら、無段変速機においては変速の頻
度が一般の有段変速機と比較して高く、ソレノイ
ド弁の耐久性の確保が重要な課題となつている。 本発明は上記問題を解決するものであつて、変
速動作の一部である定トルク比維持をソレノイド
弁の動作を使用せず行うようにして、ソレノイド
弁の使用頻度を下げることにより耐久性を確保す
ることができる車両用Vベルト式無段変速機の変
速制御装置を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 そのために本発明の車両用Vベルト式無段変速
機の変速制御装置は、入力軸および出力軸にそれ
ぞれ取付けられ、実効径が可変の入力側プーリお
よび出力側プーリと、これらプーリ間に張設され
たVベルトと、前記プーリの実効径を油圧により
調節して入出力軸間のトルク比を制御するトルク
レシオ制御弁とを備えた車両用Vベルト式無段変
速機において、前記トルクレシオ制御弁は変速用
油圧サーボへの作動油を供給、閉止または排出す
る状態が可能であり、該トルクレシオ制御弁が閉
止状態にあるとき油圧源と変速用油圧サーボとを
オリフイスを介して連結することを特徴とするも
のである。 〔作用および発明の効果〕 本発明においては、例えば第27図に示すよう
に、定速走行時には、第27図Aに示す如く、電
気制御回路の出力により制御されるソレノイド弁
84および85はOFFされ、これにより、油室
816の油圧P1はライン圧となり、油室815
の油圧P2もスプール812が図示右側にあると
きはライン圧となり、スプール812はスプリン
グ811による押圧力P3があるので図示左方に
動かされ、油室815とドレインポート813と
が連通するとP2は排圧されるので、スプール8
12は油室816の油圧P1により図示右方に動
かされ、ドレインポート813は閉ざされる。ス
プール812はこの場合、ドレインポート813
とスプール812とのランドエツジにフラツトな
切り欠き812bを設けることにより、より安定
した状態でスプール812を第27図Aの如く中
間位置の平衡点に保持することが可能となる。 この状態においては油路2は閉じられており、
入力側プーリ31の油圧サーボ313の油圧は、
出力側プーリ32の油圧サーボ323に加わつて
いるライン圧によりVベルト33を介して圧縮さ
れる状態になり、結果的に油圧サーボ323の油
圧と平衡する。実際上は油路2においても油洩れ
があるため、入力側プーリ31は徐々に拡げられ
てトルク比Tが増加する方向に変化して行く。従
つて第27図Aに示すように、スプール812が
平衡する位置においては、ドレインポート814
を閉じ、油路1はやや開いた状態となるようスプ
ール812とのランドエツジにフラツトな切り欠
き812a(オリフイス)を設け、油路2におけ
る油洩れを補うようにしている。また第29図に
示すように切り欠き812aの代わりに油路1と
油路2の間をオリフイス821を有する油路82
2で連結しても同様な機能を果たすことができ
る。 従つて、本発明によれば、定トルク比の維持を
ソレノイド弁の作動によらず行うようにしたの
で、ソレノイド弁の耐久性が向上し、さらに、定
トルク比維持の場合は、変速用油圧サーボからの
作動油の洩れをオリフイスを介して作動油を供給
するようにしたので、定トルク比の維持を一層安
定して行うことができる。 〔実施例〕 以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。 第1図は無段変速装置を用いた自動車用伝動装
置の概略図である。 100はエンジン、102はキヤブレタ、20
は該エンジン100と駆動側車軸との間に設けら
れた伝動装置であり、エンジンの出力側101に
連結された流体式フルードカツプリング21、デ
イフアレンシヤルギア22に連結された減速歯車
機構23、およびVベルト式無段変速機30と前
進後進切り換え用遊星歯車変速機40とからなる
無段変速装置により構成される。 フルードカツプリング21は、ポンプインペラ
211およびフルードカツプリング出力軸214
に連結されたタービンランナ212からなる周知
のものである。なおフルードカツプリングの代わ
りに他の流体式トルクコンバータまたは機械的ク
ラツチが用いられてもよい。 Vベルト式無段変速機30は、該無段変速機3
0の入力軸であるフルードカツプリング出力軸2
14に連結された固定フランジ311、該固定フ
ランジ311と、対向してV字状空間を形成する
よう設けられた可動フランジ312、および該可
動フランジ312を駆動する油圧サーボ313か
らなる入力側プーリ31と、無段変速機30の出
力軸である中間軸26に連結された固定フランジ
321、該固定フランジ321と対向してV字状
空間を形成するよう設けられた可動フランジ32
2、および該可動フランジ322を駆動する油圧
サーボ323からなる出力側プーリ32と、これ
ら入力側プーリ31および出力側プーリ32との
間を連結する駆動バンドである所のVベルト33
とで構成される周知のものである。 上記入力側プーリ31および出力側プーリ32
の可動フランジ312および322の変位置Lは
0〜l2〜l3〜l4(0<l2<l3<l4)であり、これによ
り入力軸214と出力軸26との間でトルク比T
がt1〜t2〜t3〜t4(t1<t2<t3<t4)の範囲で変化す
る無段変速がなされる。なお本実施例では入力側
の油圧サーボ313の受圧面積は出力側の油圧サ
ーボ323の受圧面積の2倍程度の大きさとさ
れ、油圧サーボ313に加わる油圧が油圧サーボ
323に加わる油圧と等しいかまたは小さい場合
においても入力側の可動フランジ312は出力側
の可動フランジ322より大きな駆動力を得るよ
うに形成されている。この油圧サーボ313の受
圧面積の増大は、油圧サーボの直径を大きくする
か又は油圧サーボに2重の受圧面積を有するピス
トンを採用することなどにより達成される。 前進後進切り換え用遊星歯車変速機40は、無
段変速機30の出力軸である中間軸26に連結さ
れたサンギア41、変速装置のケース400に多
板ブレーキ42を介して係合されたリングギア4
3、サンギア41とリングギア43との間に回転
自在に歯合されたダブルプラネタリギア44、該
ダブルプラネタリギア44を回転自在に支持する
と共に多板クラツチ45を介して中間軸26に連
結され、さらに遊星歯車変速機40の出力軸であ
る第2中間軸47に連結されたプラネタリキヤリ
ヤ46、多板ブレーキ42を作動させる油圧サー
ボ48、および多板クラツチ45を作動させる油
圧サーボ49により構成される。この前進後進切
り換え用遊星歯車変速機40は、多板クラツチ4
5が係合し、多板ブレーキ42が解放していると
き減速比1の前進ギアが得られ、多板クラツチ4
5が解放し、多板ブレーキ42が係合していると
き減速比1.02の後進ギアとなる。この後進での減
速比1.02は通常の自動車用変速機の後進時の減速
比に比較し小さいが、本実施例では、Vベルト式
無段変速機において得られる減速比(たとえば
2.4)と、後記する減速歯車機構23において減
速を行つているので、全体として適切な減速比が
得られる。 減速歯車機構23は、Vベルト式無段変速機3
0で得られる変速範囲が通常の車両用変速装置に
より達成される変速範囲より低いことを補うため
のものであり、入出力軸間で減速比1.45の変速を
行いトルクの増大を行つている。 デイフアレンシヤルギア22は車軸(図示せ
ず)と連結され、3.727:1の最終減速を行つて
いる。 第2図は第1図に示した伝動装置における無段
変速装置を制御する油圧制御回路を示す。 油圧制御回路は、油圧源50、油圧調整装置6
0、遊星歯車変速機40における多板ブレーキ4
2および多板クラツチ45の係合のタイミングを
制御し、N−D、N−Rシフト時の衝撃を緩和す
るシフト制御機構70、およびトルク比制御装置
80からなる。 油圧調整装置60は、それぞれシフトレバー
(図示せず)により手動操作されるマニユアル弁
62、キヤブレタ102のスロツトル開度θに応
じデイテント圧およびスロツトル圧を出力するデ
イテント弁64およびスロツトル弁65、出力側
プーリ32の可動フランジ322と連動しその変
位量に応じてデイテント弁64にライン圧を供給
し且つスロツトル弁65に設けた出力油圧フイー
ドバツク油路9を排圧するトルクレシオ弁66、
および油圧源50から供給された油圧を調圧しラ
イン圧として油圧調整装置60の各所に供給する
レギユレータ弁61で構成される。 油圧源50は、オイルストレーナ51からエン
ジンにより駆動されるポンプ52で汲み上げた作
動油を、リリーフ弁53が取り付けられた油路1
1を経て、レギユレータ弁61に供給する。 マニユアル弁62は、運転席に設けたシフトレ
バーのシフト位置P、R、N、D、Lに対応して
第3図に示す如くスプール621がP、R、N、
D、Lの各位置に設定され、表に示す如くライ
ン圧が供給される油路1と出力用油路3〜5とを
連絡する。
【表】 表において〇は油路1との連絡状態を示し、
×は油路3〜5が排圧状態にあることを示す。 レギユレータ弁61は、スプール611と、デ
イテント圧およびスロツトル圧を入力してスプー
ル611を制御するレギユレータバルブプランジ
ヤ612とを備え、スプール611の変位に伴い
第2出力ポート614と連通する隙間面積を調整
し、出力ポート616から油路1にライン圧を出
力する。ポート614からは油路12を経てフル
ードカツプリング、オイルクーラおよび潤滑必要
部へ油を供給する。 デイテント弁64は、キヤブレタ102のちよ
う弁のスロツトル開度θにリンクして連動し第4
図に示す如く移動するスプール641を備え、ス
ロツトル開度が0≦θ≦θ1においては第4図Aに
示す如く油路5とレギユレータ弁61に設けられ
た入力ポート616′に連絡するデイテント圧出
力用油路7とを連通し、θ1<θ≦100%のときは
第4図Bに示す如く油路7とデイテント弁64を
トルクレシオ弁66に連絡する油路6とを連通す
る。なお、スプール641は運転者の操作するア
クセルペダルの踏込量にリンクして連動してもよ
い。 スロツトル弁65は、デイテント弁のスプール
641にスプリング645を介して直列されると
共に、他方にスプリング652が背設されたスプ
ール651を備え、スプール641およびスプリ
ング645を介して伝達されるスロツトル開度θ
の変動に応じて動く上記スプール651の作用に
より、油路1と連絡するポート653の開口面積
を調整し、レギユレータ弁61に設けられた入力
ポート618に連絡するスロツトル圧出力用油路
8へスロツトル圧を出力する。スプール651
は、それぞれ油路8から分枝すると共に、オリフ
イス654および655が設けられた出力油圧の
フイードバツク用油路9および10を介してラン
ド656と該ランド656より受圧面積の大きい
ランド657に出力油圧のフイードバツクを受け
ている。 トルクレシオ弁66は、出力側プーリ32の可
動フランジ322に連結ロツドを介してリンクさ
れたスプール662を備え、可動フランジ322
の移動量Lがl3≦L≦l4(トルク比Tがt2≧T≧t1
のときは第5図Aに示す如くスプール662が図
示左側部に位置し、スロツトル弁65に設けられ
た出力油圧のフイードバツク用油路9と連結した
入力ポート664を閉じると共に、デイテント弁
64への出力用油路6をドレインポート665に
連通して排圧する。可動フランジ322の移動量
Lがl2≦L<l3(t3≧T>t2)のときは、第5図B
に示す如くスプール662が中間部に位置し、油
路9と連結するポート664とドレインポート6
66とが連通し油路9は排圧される。移動量Lが
0≦L≦l2(t4≧T>t3)のときは、第5図Cに示
す如くスプール662が図示右側部に位置し、油
路1に連結したポート663と油路6とが連通し
油路6にライン圧が供給される。 また、スプール662は回転状態にある出力側
プーリ32の可動フランジ322と摺動状態にて
連動するのであるが、第5図に示すようにスプー
ル662のバルブ軸方向への移動にはスプリン
グ、油圧等の妨げになるものはない構造をもつて
いるため、可動フランジの移動を妨げないととも
に、大きな相対速度を持つ摺動部の摩耗等を防止
することができる。 シフト制御機構70は、一方にスプリング71
1が背設され他端に設けられた油室713からラ
イン圧を受けるスプール712を備えたシフト制
御弁71、油室713へライン圧を供給する油路
1に設けられたオリフイス72、該オリフイス7
2と油室713との間に取り付けられたプレツシ
ヤリミツテイング弁73、および後記する電気制
御回路により制御され油室713の油圧を調整す
るソレノイド弁74からなる。ソレノイド弁74
が作動してドレインポート741を開き油室71
3を排圧しているときは、シフト制御弁71のス
プール712はスプリング711の作用で図示左
方に移動され、遊星歯車変速機40の多板クラツ
チ45を作動させる油圧サーボ49に連絡する油
路13と多板ブレーキ42を作動させる油圧サー
ボ48に連絡する油路14とをそれぞれドレイン
ポート714と715とに連絡して排圧させ、多
板クラツチ45または多板ブレーキ42を解放さ
せる。ソレノイド弁74が作動していないときは
ドレインポート741は閉ざされ、スプール71
2は油室713に供給されるライン圧で図示右方
に位置し、それぞれ油路3および油路4を上記油
路13および油路14に連絡し、多板ブレーキ4
2または多板クラツチ45を係合させる。本実施
例においてはシフト制御弁71に油路13および
油路14の出力油圧をフイードバツクする油室7
17と油室716を設け、出力油圧の立ち上がり
を緩和し多板クラツチ45および多板ブレーキ4
2の係合時のシヨツクを防止している。 トルク比制御装置80は、トルクレシオ制御弁
81、オリフイス82と83、ダウンシフト用ソ
レノイド84、及びアツプシフト用ソレノイド8
5からなる。トルクレシオ制御弁81は一方にス
プリング811が背設されたスプール812、そ
れぞれオリフイス82および83を介して油路1
からライン圧が供給された両端の油室815およ
び816、ライン圧が供給される油路1と連絡す
ると共に、スプール812の移動に応じて開口面
積が増減する入力ポート817およびVベルト式
無段変速機30の入力側プーリ31の油圧サーボ
313に油路2を介して連絡する出力ポート81
8が設けられた油室819、スプール812の移
動に応じて油室819を排圧するドレインポート
814、及びスプール812の移動に応じて油室
815を排圧するドレインポート813を備え
る。ダウンシフト用ソレノイド84とアツプシフ
ト用ソレノイド85とは、それぞれトルクレシオ
制御弁81の油室815と油室816とに取り付
けられ、双方とも後記する電気制御回路の出力で
作動され、それぞれ油室815と油室816とを
排圧する。 第6図は第2図に示した油圧制御回路における
シフト制御機構70のソレノイド弁74、トルク
比制御装置80のダウンシフト用ソレノイド84
およびアツプシフト用ソレノイド85を制御する
電気制御回路90の構成を示す。 901はシフトレバーがP、R、N、D、Lの
どの位置にシフトされているかを検出するシフト
レバースイツチ、902は入力側プーリ31の回
転速度を検出する回転速度センサ、903は車速
センサ、904はキヤブレタのスロツトル開度ま
たはアクセルペダル踏込量を検出するスロツトル
センサ、905は回転速度センサ902の出力を
電圧に変換するスピード検出処理回路、906は
車速センサ903の出力を電圧に変換する車速検
出回路、907はスロツトルセンサ904の出力
を電圧に変換するスロツトル開度検出処理回路、
908〜911は各センサの入力インターフエイ
ス、912は中央処理装置(CPU)、913はソ
レノイド弁74,84,85を制御するプログラ
ムおよび制御に必要なデータを格納してあるリー
ドオンメモリ(ROM)、914は入力データお
よび制御に必要なパラメータを一時的に格納する
ランダムアクセスメモリ(RAM)、915はク
ロツク、916は出力インターフエイス、917
はソレノイド出力ドライバであり出力インターフ
エイス916の出力をアツプシフトソレノイド8
5、ダウンシフトソレノイド84およびシフトコ
ントロールソレノイド74の作動出力に変える。
入力インターフエイス908〜911とCPU9
12、ROM913、RAM914、出力インタ
ーフエイス916との間はデータバス918とア
ドレスバス919とで連絡されている。 つぎにトルクレシオ弁66、デイテント弁6
4、スロツトル弁65、マニユアル弁62および
レギユレータ弁61で構成される本実施例の油圧
調整装置60の作用を説明する。 油圧制御回路に供給される作動油は、エンジン
で駆動されるポンプ52を供給源としており、ラ
イン圧が高ければそれに応じてポンプ52により
動力の消耗が増大する。よつて車両を低燃費で走
行させるためには油圧制御回路に供給するライン
圧を必要最小限に近づけることが必要となり、無
段変速装置において該ライン圧は入力側プーリ3
1および出力側プーリ32の各油圧サーボがVベ
ルト33の滑りを生ずることなくトルクの伝達を
行える油圧で規定される。エンジンを最良燃費と
なる状態で作動させた場合入出力軸間のトルク比
Tの変化に対する必要最小限のライン圧をスロツ
トル開度θをパラメータとして第7図の実線で示
す。車両の発進時には両プーリによつて実現可能
なトルク比の範囲では、エンジンを最良燃費の状
態で作動させることが不可能であるから点線で示
す如く上記実線で示した最良燃費の特性曲線より
20%程度大きな破線で示すライン圧とすることが
望ましく、またエンジンブレーキ時にはスロツト
ル開度θ=0においても一点鎖線で示すより高い
ライン圧特性とすることが望ましい。 本実施例においては、レギユレータ弁61の出
力であるライン圧は、油圧調整装置60により、
マニユアル弁62のシフト位置(L、D、N、
R、P)、スロツトル開度θおよび両プーリのト
ルク比(入出力軸間のトルク比)の変化により以
下の如く調整される。 D位置 表1に示すように、マニユアル弁62において
油路3のみが油路1と連通しており油路4および
油路5は排圧されている。このときはシフト制御
機構70において、シフト制御ソレノイド74が
OFF状態で油室713にライン圧が供給されて
いる場合には、スプール712が右方に位置する
ことにより、油路3と油路13とが連絡され、油
路3に供給されたライン圧が油路13を通して前
進用の多板クラツチ45の油圧サーボ49に作用
し、車両は前進可能な状態となる。 (1) トルク比Tがt1≦T≦t2のとき。 第5図Aに示す如くトルクレシオ弁66は、
油路1に連絡したポート663を閉じ、油路6
をドレインポート665と連通して排圧してい
る。これによりスロツトル開度θの何如にかか
わらず油路7にデイテント圧(ライン圧と等し
い)は生じない。またスロツトル弁65は、油
路9と連絡したトルクレシオ弁66のポート6
64が閉ざされており、スプール651がラン
ド656の他にランド657にもフイードバツ
ク圧を受けるので、スロツトル開度θに対し第
8図ハに示す特性のスロツトル圧を油路8を経
て調整弁61のレギユレータバルブプランジヤ
ー612に出力する。これにより調整弁61の
出力するライン圧は第9図のヘ域および第10
図のホに示す如くなる。 (2) トルク比Tがt2<T≦t3のとき。 第5図Bに示す如くトルクレシオ弁66はポ
ート663を閉じており、油路9とドレインポ
ート666とを連通させる。また油路6はポー
ト665を通して排圧される。よつてデイテン
ト圧は発生せず、スロツトル圧は油路9が排圧
されスプール651のランド657にフイード
バツク圧が印加されなくなつた分だけ増大し、
第8図のニに示す特性曲線で表される。このと
きのライン圧は第9図のル域および第10図の
トで示す特性を有する。 (3) トルク比Tがt3<T≦t4のとき。 第5図Cに示す如く油路9はドレインポート
666から排圧され、よつてスロツトル圧は上
記(2)と同様第8図のニで表される。しかるにポ
ート663が開口し油路1と油路6とが連通す
るので、スロツトル開度θが0≦θ≦θ1%の範
囲内にあり、デイテント弁64のスプール64
1が、第4図Aに示す如く図示左側部にある間
は、該スプール641により油路6は閉じられ
且つ油路7は油路5を介してマニユアル弁62
から排圧されているが、スロツトル開度θがθ1
%<θ≦100%のときは、第4図Bに示す如く
スプール641が動き油路6と油路7とが連通
し、油路7にデイテント圧が生じる。これによ
りライン圧は第9図のヲ域および第10図のリ
に示す如く、θ=θ1%でステツプ状に変化する
特性となる。 L位置 マニユアル弁62において油路5が油路1と連
通する。油路3と油路4はD位置と同じ。 (1) トルク比Tがt1≦T≦t2のとき。 スロツトル開度θが0≦θ≦θ1%のとき、デ
イテント弁64において油路5と油路7とが連
通し、デイテント圧が発生してスロツトルプラ
ンジヤーを押し上げ、高いライン圧を生ずる。
θ1%<θ≦100%のとき、油路7は油路6およ
び第4図Bに示す様にトルクレシオ弁のドレイ
ンポート665を経て排圧されてデイテント圧
は発生せず、またスロツトル圧はD位置の場合
と同じである。よつてライン圧は第11図のル
に示す特性となる。 (2) トルク比Tがt2<T≦t3のとき。 上記(1)との相違は、トルクレシオ弁66にお
いて油路9がドレインポート666と連通して
排圧され、スロツトル弁65が油路8を介して
調整弁61に出力するスロツトル圧が増大する
ことにあり、これによりライン圧は第11図の
チに示す如き特性曲線で表される。 (3) トルク比Tがt3<T≦t4のとき。 トルクレシオ弁66によつて油路6と油路1
とが連通され、油路9はドレインポート666
から排圧されている。油路6と油路5の両方に
ライン圧が供給されているので、デイテント弁
64はスロツトル開度に関係なくデイテント圧
を出力し、該デイテント圧および上記(2)と同じ
スロツトル圧を入力する調整弁61は第11図
ヌに示すライン圧を出力する。 R位置 表に示すように、マニユアル弁62において
油路4および油路5が油路1と連通し、油路3は
排圧されている。このときシフト制御機構70に
おいて、シフト制御ソレノイド74がOFF状態
で油室713にライン圧が供給されている場合に
は、スプール712が右方に位置することによ
り、油路4が油路14とが連通され、油路4に供
給されたライン圧が油路14を通して後進用多板
ブレーキ42の油圧サーボ48に供給され、車両
は後進状態となる。また、油路5にライン圧が導
かれているため、ライン圧はL位置のときと同一
の特性となる。R位置ではVベルト式無段変速機
30におけるトルク比Tを最大のT=t4として使
用する。このため、遊星歯車変速機40内で変速
(減速)を行う必要はないが、本実施例によれば、
R位置においてトルク比Tを変化させた場合で
も、L位置の場合と同様のライン圧の制御が可能
である。 P位置およびN位置 マニユアル弁62において油路3,4および5
がともに排圧されており、油路5が排圧されてい
るためレギユレータ弁61の出力であるライン圧
はD位置と同じとなる。 このライン圧調整においてマニユアル弁62を
D、N、Pの各シフト位置にシフトしている場
合、トルク比Tがt3<T≦t4の範囲にあるときの
ライン圧を第10図の特性曲線リの如くスロツト
ル開度θ1%以下で低く設定したのは、アイドリン
グなどスロツトル開度θが小さく且つポンプの吐
出量が少ない運転状況においてライン圧を高く設
定していくと、高油温で油圧回路の各所からの油
洩れが大きいときなどはライン圧の保持が困難と
なり、さらにはオイルクーラーへ供給される油量
の減少により油温がさらに上昇してトラブルの原
因となりやすいためである。また、マニユアル弁
62がL、Rの各シフト位置にシフトしている場
合、第11図の特性曲線チ,ルに示す如くトルク
比Tがt1≦T≦t2の範囲で且つスロツトル開度θ
がθ1%以下の運転条件においてライン圧を高く設
定したのは、エンジンブレーキ時においては低ス
ロツトル開度のときも比較的高い油圧が要求され
ることによる。そのときの必要油圧は第7図に一
点鎖線で示されている。このように第9図に示す
如くライン圧を第7図に示す必要最小限の油圧に
近づけることにより、ポンプ52による動力損失
を小さくできるので燃費よび燃料消費率が向上で
きる。 つぎに、第6図で説明した電気制御回路90に
より制御されるシフト制御機構70およびトルク
比制御装置80の作動を第18図ないし第23図
に示すプログラムフローチヤートとともに説明す
る。 本実施例では電気制御回路90により、各スロ
ツトル開度θにおいて最良燃費となるよう入力側
プーリ回転数Nを制御する例が示されている。 一般に、エンジンを最良燃費の状態で作動させ
る場合、第12図のグラフに示す破線の最良燃費
動力線に従つて運転する。この第12図で横軸は
エンジン回転数(rpm)、縦軸はエンジン出力軸
のトルク(Kg・m)を示し、最良燃費動力線は次
の様にして得られる。すなわち、第12図で実線
で示すエンジンの等燃料消費率曲線(単位はg/
ps・h)と、2点鎖線で示す等馬力曲線(単位は
ps)とから、図中のA点における燃料消費率Q
(g/ps・h)、馬力をP(ps)とすると、A点で
は毎時 S=Q×P(g/h) の燃料を消費することになる。各等馬力曲線上の
全ての点において1時間当たりの燃料消費量Sを
求めることにより、各等馬力線上でSが最小とな
る点が決定でき、これらの点を結ぶことにより各
馬力に対し最良燃費となるエンジン運転状態を示
す最良燃費動力線が得られる。しかるに本実施例
の如く、エンジン100と流体式伝達機構である
フルードカツプリング21とを組合わせた場合に
は同様の方法にて、第13図に示す各スロツトル
開度θにおけるエンジン出力性能曲線と、第14
図に示すフルードカツプリング性能曲線と、第1
5図に示すエンジン等燃費率曲線から第16図に
示すように、フルードカツプリング出力性能曲線
上に最良燃費フルードカツプリング出力線を求め
ることができる。第17図は第16図に示す最良
燃費フルードカツプリング出力線をスロツトル開
度とフルードカツプリング出力回転数の関係にお
きかえたものである。このフルードカツプリング
出力回転数は、本実施例の無段変速装置ではその
まま入力側プーリ回転数となる。 本実施例の無段変速装置においては、以上の様
にして得られた最良燃費入力側プーリ回転数と検
出した実際の入力側プーリ回転数により、入力側
プーリ31および出力側プーリ32間の変速比を
制御する。 トルク比制御装置80の制御は、第17図で求
めた最良燃費入力側プーリ回転数と、実際の入力
側プーリ回転数とを比較することにより、入出力
プーリ間の変速比の増減をトルク比制御装置80
に設けた2個のソレノイド弁84および85の作
動により行い、実際の入力側プーリ回転数を最良
燃費入力側プーリ回転数に一致させるようになさ
れる。第18図は入力側プーリ回転数制御の全体
のフローチヤートを示す。 スロツトルセンサ904によりスロツトル開度
θの読み込み(921)を行つた後、シフトレバー
スイツチ901によりシフトレバー位置の判別を
行う(922)。判別の結果、シフトレバーがP位置
またはN位置の場合には、第19図に示すP位置
またはN位置処理サブルーチンによりソレノイド
弁84および85の双方をOFFし(931)、Pま
たはN状態をRAM914に記憶せしめる
(932)。これにより入力プーリ31のニユートラ
ル状態が得られる。シフトレバーがP位置または
N位置からR位置に変化した場合、およびN位置
からD位置に変化した場合には、それぞれN−R
シフトおよびN−Dシフトに伴うシフトシヨツク
を緩和するためにシフトシヨツクコントロール処
理を行う(940、950)。シフトシヨツクコントロ
ールは、パルス巾が次第に小さくなつていくパル
スを第20図に示すシフト制御ソレノイド弁74
に加えることによりなされる(以下これをデユー
テイーコントロールという)。このようにシフト
制御ソレノイド弁74をデユーテイーコントロー
ルすることにより、シフト制御弁71の油室71
3にデユーテイーに対応して調整された油圧Ps
生じる。 シフト制御機構70は前述した電気制御回路9
0の出力により制御されるソレノイド弁74の作
用で、遊星歯車変速装置40の油圧サーボ48お
よび49への油圧の給排タイミングを調整しシフ
ト時の衝撃を防止すると共に、プレツシヤリミツ
テイング弁73の作用で油圧サーボ48および4
9へ供給される油圧の上限を設定値以下に保つ作
用を有し、クラツチおよびブレーキの係合圧を制
限している。 N−DシフトおよびN−Rシフト時における係
合シヨツクを緩和する場合、油圧サーボ48また
は油圧サーボ49への供給油圧PbまたはPcの立
ち上がりを第24図Bに示す油圧特性曲線の如く
コントロールし、図中、AC間での多板クラツチ
45または多板ブレーキ42の係合を完了せしめ
る。このように油圧サーボ48または49への供
給油圧をコントロールするためのソレノイド弁7
4のデユーテイ(%)とソレノイド弁74の作動
で油室713に生じるソレノイド圧Psとの関係を
第25図に示す。デユーテイ(%)は次式で与え
られる。 デユーテイ(%)=1周期におけるソ
レノイドON時間/ソレノイド作動時間×100 第25図に示すソレノイド圧は、シフト制御弁
71により増幅され、第26図に示す油圧サーボ
48または49への供給油圧PbまたはPcが得ら
れる。 本実施例において、第24図Aに示す如く、シ
フト制御弁71のスプール712に設けたランド
の受圧面積を、図示左側順にS1、S1、S1、S2、ス
プリング711の弾性力をFs1、油室713の油
圧をPsとすると、前進時に係合される多板クラツ
チ45の油圧サーボ49および後進時に係合され
る多板ブレーキ42の油圧サーボ48への供給油
圧PcおよびPbは、それぞれシフト制御弁71の
油圧平衡式である第式および式から次のよう
に与えられる。 前進時 Ps×S1=Pc×S2+Fs1 Pc=S1/S2Ps−Fs1/S2 後進時 Ps×S1=Pb×(S1−S2)+Fs1 Pb=S1/S1−S2Ps−Fs1/S1−S2 また、プレツシヤリミツテイング弁73内に挿
設された弁体731の受圧面積をS3、該弁体73
1に背設されたスプリング732の弾性力をFs2
とすると、プレツシヤリミツテイング弁73は油
圧平衡式第式によりPsの最高圧p limitで作
動する。 p limit×S3=Fs2 p limit=Fs2/S3 このときPcおよびPbは第式および第式に
従つて最高圧pc limit、pb limitが制限される。 前進時 pc limit=S1/S2p limit−Fs1/S2 後進時 pb limit=S1/S1−S2p limit−Fs1/S1−S2 第18図に戻つて説明すると、N−Dシフトシ
ヨツクコントロール処理950の次には、入力側プ
ーリの回転速度センサ902により実際の入力側
プーリ回転数Nを読み込み(923)、つぎにスロツ
トル開度θが0か否かの判別を行い(924)、θ≠
0のときは、第21図に示すサブルーチンに従い
予めデータとしてROM913に格納してある第
17図のスロツトル開度θに対応する最良燃費入
力側プーリ回転数N*の設定をする(960)ため、
スロツトル開度に対応した入力側プーリ回転数
N*データの格納アドレスのセツトをし(961)、
セツトしたアドレスからN*のデータを読みだし
(962)、読み出したN*のデータをデータ格納用
RAM914に一時格納する(963)。 次に実際の入力側プーリ回転数Nと最良燃費入
力側プーリ回転数N*との比較を行い(927)、N
<N*のときはダウンシフトソレノイド弁84の
作動指令を発し(928)、N>N*のときはアツプ
シフトソレノイド弁85の作動指令を発し
(929)、N=N*のときは両ソレノイド弁84およ
び85のOFF指令を発する(920)。θ=0でス
ロツトル全閉時には、エンジンブレーキの必要性
を判断するためシフトレバーがD位置に設定され
ているかまたはL位置に設定されているかの判別
を行い(926)、必要に応じてエンジンブレーキ処
理970または980を行う。D位置のエンジンブレー
キ処理970は、第22図に示す如く、車速センサ
903により車速Vを読み込み(971)、その時点
での加速度αを算出し(972)、つぎに該加速度α
が車速に対して適当な加速度Aであるか否かの判
別をする(973)。α>Aのときはダウンシフトの
コントロール974を行うためN*にNより大きい値
を設定した後リターンし、α≦AのときはN*
スロツトル開度0に対応する最良燃費入力側プー
リ回転数N*の設定を行つた(975)後リターンす
る。車速と適当な加速度Aとの関係は、各車両に
ついて実験または計算により求められるものであ
り、第22図のBのグラフに示す。 L位置のエンジンブレーキ処理980では、第2
3図に示すように、車速Vの読み込み(981)を
した後、車速Vと入力側プーリ回転数Nからトル
ク比Tを次式から算出する演算を行う(982)。 T=(N/V)×k kはトランスミツシヨン内部の減速歯車機構2
3の減速比、車両の最終減速比およびタイヤ半径
等とから決定される定数である。つぎに現在のト
ルク比Tがその車速Vに対して安全かつ適性なエ
ンジンブレーキが得られるトルク比T*より大き
いか否かの判別を行い(983)、T<T*のときは
ダウンシフトがなされるようにN*にNより大き
い値の設定を行い(984)、T≧T*のときはN*
Nと等しい値の設定を行つて(985)リターンす
る。各車速に対して安全かつ適性なエンジンブレ
ーキが得られるトルク比T*は、各車両について
実験または計算により求められるものであり、第
23図Bのグラフに示す。 次に、トルク比制御装置80の作用を第27図
と共に説明する。 定速走行時 第27図Aに示す如く、電気制御回路の出力に
より制御されるソレノイド弁84および85は
OFFされている。これにより、油室816の油
圧P1はライン圧となり、油室815の油圧P2
スプール812が図示右側にあるときはライン圧
となつている。スプール812はスプリング81
1による押圧力P3があるので図示左方に動かさ
れる。スプール812が左方に移動され油室81
5とドレインポート813とが連通するとP2
排圧されるので、スプール812は油室816の
油圧P1により図示右方に動かされる。スプール
812が右方に移動されるとドレインポート81
3は閉ざされる。よつて、スプール812はこの
場合、第27図に示すように、ドレインポート8
13とスプール812とのランドエツジにフラツ
トな切り欠き812bを設けることにより、より
安定した状態でスプール812を第27図Aの如
く中間位置の平衡点に保持することが可能とな
る。 この状態においては油路2は閉じられており、
入力側プーリ31の油圧サーボ313の油圧は、
出力側プーリ32の油圧サーボ323に加わつて
いるライン圧によりVベルト33を介して圧縮さ
れる状態になり、結果的に油圧サーボ323の油
圧と平衡する。実際上は油路2においても油洩れ
があるため、入力側プーリ31は徐々に拡げられ
てトルク比Tが増加する方向に変化して行く。従
つて第27図Aに示すように、スプール812が
平衡する位置においては、ドレインポート814
を閉じ、油路1はやや開いた状態となるようスプ
ール812とのランドエツジにフラツトな切り欠
き812aを設け、油路2における油洩れを補う
ようにしている。また第29図に示すように切り
欠き812aの代わりに油路1と油路2の間をオ
リフイス821を有する油路822で連結しても
同様な機能を果たすことは明らかである。 アツプシフト時 第27図Bに示す如く電気制御回路の出力によ
りソレノイド弁85がONされる。これにより油
室816が排圧されるため、スプール812は図
示左方に動かされ、スプール812の移動に伴
い、油室815もドレインポート813から排圧
されるが、スプリング811の作用でスプール8
12は図示左端に設定される。 この状態では油路1のライン圧がポート818
を介して油路2に供給されるため油圧サーボ31
3の油圧は上昇し、入力側プーリ31は閉じられ
る方向に作動してトルク比Tは減少する。従つて
ソレノイド弁85のON時間を必要に応じて制御
することによつて所望のトルク比だけ減少させア
ツプシフトを行う。 ダウンシフト時 第27図Cに示す如く電気制御回路の出力によ
りソレノイド弁84がONされ、油室815が排
圧される。スプール812は油室816のライン
圧により図示右方に動かされ、油路2はドレイン
ポート814と連通して排圧され、入力側プーリ
31は拡がる方向に作動してトルク比増大する。
このようにソレノイド弁84のON時間を制御す
ることによりトルク比を増大させダウンシフトさ
せる。 以上のように入力側(ドライブ側)プーリ31
の油圧サーボ312は、トルクレシオ制御弁81
の出力油圧が供給され、出力側(ドリブン側)プ
ーリ32の油圧サーボ323にはライン圧が導か
れており、入力側油圧サーボ312の油圧をPi
出力側油圧サーボ322の油圧をPpとすると、
Pp/Piはトルク比Tに対して第28図のグラフに
示す如き特性を有し、例えば、スロツトル開度θ
=50%、トルク比T=1.5(図中a点)で走行して
いる状態からアクセルを緩めてθ=30%とした場
合、Pp/Piがそのまま維持されるときはトルク比
T=0.87の図中b点に移行し、逆にトルク比T=
1.5の状態を保つ場合には、入力側プーリを制御
するトルク比制御機構80の出力によりPp/Pi
値を増大させ図中c点の値に変更する。このよう
にPp/Piの値を必要に応じて制御することによ
り、あらゆる負荷状態に対応して任意のトルク比
に設定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は車両用Vベルト式無段変速機の概略
図、第2図は本発明の1実施例を示す無段変速機
の油圧制御回路図、第3図はマニユアル弁の作動
を説明するための図、第4図はデイテント弁およ
びスロツトル弁の作動を説明するための図、第5
図はトルクレシオ弁の作動を説明するための図、
第6図は電気制御回路の構成図、第7図は油圧制
御回路の必要ライン圧特性を示す図、第8図はス
ロツトル圧の特性を示す図、第9図、第10図お
よび第11図は本発明の制御装置により得られる
ライン圧特性を示す図、第12図はエンジンの最
良燃費動力線を示す図、第13図はエンジンの出
力性能の特性を示す図、第14図は流体伝達機構
の性能曲線を示す図、第15図はエンジンの等燃
費率曲線を示す図、第16図は最良燃費フルード
カツプリング出力曲線を示す図、第17図は最良
燃費フルードカツプリング出力回転数の特性を示
す図、第18図、第19図、第21図、および第
22図A、第23図Aは電気制御回路における処
理の流れを説明するための図、第20図はソレノ
イド弁の作用を説明するための図、第22図Bは
設定加速度を示す図、第23図Bは設定トルク比
を示す図、第24図Aはシフト制御機構の作動を
説明するための図、第24図Bは入力側および出
力側の油圧サーボの供給油圧の特性を示す図、第
25図はソレノイド圧の特性を示す図、第26図
はシフト制御弁の出力油圧の特性を示す図、第2
7図はトルク比制御装置の作動を説明するための
図、第28図はトルク比と入出力側油圧サーボの
圧力比との関係を示す図、第29図はトルク比制
御装置の他の実施例を示す構成図、第30図は従
来の車両用Vベルト式無段変速機の概略図であ
る。 30……無段変速機、214……入力軸、26
……出力軸、31……入力側プーリ、32……出
力側プーリ、313,323……油圧サーボ、3
3……Vベルト、90……電気制御回路、84…
…ダウンシフトソレノイド弁、85……アツプシ
フトソレノイド弁、81……トルクレシオ制御
弁、812a……切り欠き、821……オリフイ
ス。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 入力軸および出力軸にそれぞれ取付けられ、
    実効径が可変の入力側プーリおよび出力側プーリ
    と、これらプーリ間に張設されたVベルトと、前
    記プーリの実効径を油圧により調節して入出力軸
    間のトルク比を制御するトルクレシオ制御弁とを
    備えた車両用Vベルト式無段変速機において、前
    記トルクレシオ制御弁は変速用油圧サーボへの作
    動油を供給、閉止または排出する状態が可能であ
    り、該トルクレシオ制御弁が閉止状態にあるとき
    油圧源と変速用油圧サーボとをオリフイスを介し
    て連結することを特徴とする車両用Vベルト式無
    段変速機の変速制御装置。 2 上記オリフイスは、トルクレシオ制御弁のス
    プールに設けられた切り欠きであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の車両用Vベルト
    式無段変速機の変速制御装置。
JP6778187A 1987-03-24 1987-03-24 車両用vベルト式無段変速機の変速制御装置 Granted JPS63176748A (ja)

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