JPH0137622B2 - - Google Patents

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JPH0137622B2
JPH0137622B2 JP10946380A JP10946380A JPH0137622B2 JP H0137622 B2 JPH0137622 B2 JP H0137622B2 JP 10946380 A JP10946380 A JP 10946380A JP 10946380 A JP10946380 A JP 10946380A JP H0137622 B2 JPH0137622 B2 JP H0137622B2
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pressure
torque ratio
valve
hydraulic
throttle
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JP10946380A
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Shoji Yokoyama
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Aisin AW Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はVベルト式無段変速機を用いた車両用
自動変速装置の油圧回路に供給される油圧(ライ
ン圧)を調整するための油圧調整装置に関するも
のである。 Vベルト式無段変速機と前進後進切り換え用の
遊星歯車変速機とを組み合せてなる自動車などの
車両用の自動無段変速装置は、スロツトル開度、
車速、入力側プーリ回転速度、シフトレバー設定
位置など車両運転条件を入力とする電気制御回路
と、該電気制御回路により制御され、Vベルト式
無段変速機における入出力軸間のトルク比の変更
および遊星歯車変速機における前進と後進の切り
換えを司る油圧制御回路とからなる自動制御装置
で制御される。この自動制御装置の油圧制御回路
には、エンジンにより駆動されるオイルポンプの
吐出油圧を油圧調整装置で調整したライン圧が供
給されるが、油圧制御回路で必要とされるライン
圧は主にVベルト式無段変速機の入出力軸間のト
ルク比及び入力トルクに応じて変化し、該Vベル
ト式無段変速機においてベルトのスリツプが発生
しない必要最小限のライン圧が決定される。 本発明は、下記(1)〜(6)の如くライン圧を調整す
ることでライン圧を油圧制御回路が必要とする最
小限の油圧に近づけることができ、これに伴ない
オイルポンプによるエンジンの駆動力損失を減少
でき、エンジンの燃料消費率の低減が可能となる
車両用無段変速装置の油圧調整装置を提供するこ
とを目的とするものである。 (1) 各スロツトル開度に対して、エンジンを予め
設定された状態で運転する場合に必要な油圧
は、スロツトル開度(又は入力トルク)の増加
に対応して増加し、両プーリ間のトルク比(入
出力軸間のトルク比)の増加に対応して増加す
る特性を有するため、油圧調整装置により制御
されるライン圧をスロツトル開度(又は入力ト
ルク)又は両プーリ間のトルク比をパラメータ
として段階的に変化させることにより、Vベル
ト式無段変速機の油圧サーボ機構が必要とする
最小限の油圧にライン圧を近づける。 (2) 発進時等においては大きな駆動力を伝達する
必要から、油圧サーボ機構が必要とする最小限
の油圧は、目的(1)で述べた場合よりも大きくな
り、従つてこのような場合には目的(1)で述べた
ライン圧より大きなライン圧を発生させる。 (3) 目的(2)で述べた状態の検出は、Vベルト式無
段変速機の両プーリ間のトルク比(入出力軸間
のトルク比)によつて検出し、そのトルク比が
予め設定された値よりも大きくなつた場合に、
目的(2)で述べた状態とする。 (4) 目的(3)で述べた状態においても、スロツトル
開度が小さく、エンジン回転数が低い場合(例
えばアイドル時)には、目的(2)で述べたように
大きなライン圧を発生させると、オイルポンプ
吐出量が少ないため、高油温時に油路各部の洩
れが大きい場合に、ライン圧の低下、クーラ圧
の低下による温度上昇、潤滑圧低下等の問題を
生ずるため、スロツトル開度が一定値以下にお
いてはたとえトルク比の大きな状態でも、ライ
ン圧を上昇させない。 (5) マニユアル弁のシフト位置のLレンジは強い
エンジンブレーキを得るためのレンジであり、
スロツトルを踏み込んでエンジン側より駆動さ
れる場合には、Dレンジと同一のライン圧特性
とする。Lレンジにおいて強いエンジンブレー
キを得る場合には、スロツトル開度が低い場合
においてもエンジン側から駆動する場合に比較
して大きな油圧を油圧サーボ機構に供給する必
要が生ずるため、この場合にはスロツトル開度
が一定値以下においてもライン圧を上昇させ
る。 (6) Rレンジにおいても、安全性の面から強いエ
ンジンブレーキが得られることが望ましく、こ
の場合にはライン圧特性はLレンジの場合と同
一とする。 本発明は、平行的に配置された入力軸および出
力軸に油圧サーボにより実効径が可変とされる一
対のプーリを取り付けると共にプーリ間を伝動用
無端ベルトで連結したVベルト式無段変速機を、
車両の運転条件に応じて上記油圧サーボへの供給
油圧を制御することにより制御する油圧制御装置
に、ライン圧を供給する油圧調整装置において、
入出力軸間のトルク比に応じたトルクレシオ圧を
力するトルクレシオ圧制御弁と、スロツトル開度
に応じたスロツトル圧を出力するスロツトル弁
と、前記トルクレシオ圧を入力し、トルク比が設
定値以上のときスロツトル弁にトルクレシオ圧に
応じたカツトバツク圧を出力し、スロツトル圧を
トルクレシオ圧に関連せしめるカツトバツク弁
と、スロツトル圧を入力し入力に対応したライン
圧を出力するレギユレータ弁とを備え、スロツト
ル開度およびトルク比に応じると共にトルク比が
設定値以下のときのライン圧をトルク比に対して
一定としたことを構成とする。 つぎに本発明を図に示す一実施例に基づき説明
する。 第1図は無段変速装置を用いた自動車用伝動装
置の概略図である。 100はエンジン、102はキヤブレタ、20
は該エンジン100と駆動側車軸との間に設けら
れた伝動装置であり、エンジンの出力軸101に
連結されたフルードカツプリング21、デイフア
レンシヤルギア22に連結された減速歯車機構2
3、およびVベルト式無段変速機30と前進後進
切り換え用遊星歯車変速機40とからなる無段変
速装置により構成される。 フルードカツプリング21は、ポンプインペラ
211、およびフルードカツプリング出力軸21
4に連結されたタービンランナ212からなる周
知のものである。なお、フルードカツプリングの
代りに流体式トルクコンバータまたは機械的クラ
ツチが用いられてもよい。 Vベルト式無段変速機30は、該無段変速機3
0の入力軸であるフルードカツプリング出力軸2
14に連結された固定フランジ311、該固定フ
ランジと対向してV字状空間を形成するよう設け
られた可動フランジ312、および該可動フラン
ジ312を駆動する油圧サーボ313からなる入
力側プーリ31と、無段変速機30の出力軸であ
る中間軸26に連結された固定フランジ321、
該固定フランジ321と対向してV字状空間を形
成するように設けられた可動フランジ322、お
よび該可動フランジ322を駆動する油圧サーボ
323からなる出力側プーリ32と、これら入力
側プーリ31および出力側プーリ32との間を連
結するVベルト33とで構成される周知のもので
ある。 上記入力側プーリ31および出力側プーリ32
の可動フランジ312および322の変位量Lに
応じて入力軸214と出力軸26との間でトルク
比Tがt1〜t2〜t3(t1<t2<t3)の範囲で変化する
無段変速がなされる。なお、本実施例では入力側
の油圧サーボ313の受圧面積は出力側の油圧サ
ーボ323の受圧面積の2倍程度の大きさとし、
油圧サーボ313に加わる油圧を油圧サーボ32
3に加わる油圧と等しいかまたは小さい範囲で調
整することにより、入力側の可動フランジの押圧
力が出力側の可動フランジの押圧力よりも大きく
することも小さくすることも可能となるように構
成されている。この油圧サーボ313の受圧面積
の増大は、油圧サーボの直径を大きくするかまた
は油圧サーボに2重の受圧面を有するピストンを
採用することなどにより達成される。 前進後進切り換え用遊星歯車変速機40は、無
段変速機30の出力軸である中間軸26に連結さ
れたサンギア41、変速装置のケース400に多
板ブレーキ42を介して係合されたリングギア4
3、サンギア41とリングギア43との間に回転
自在に歯合されたダブルプラネタリギア44、該
ダブルプラネタリギア44を回転自在に支持する
とともに多板クラツチ45を介して中間軸26に
連結されさらに遊星歯車変速機40の出力軸であ
る第2中間軸47に連結されたプラネタリキヤリ
ヤ46、多板ブレーキ42を作動させる油圧サー
ボ48、および多板クラツチ45を作動させる油
圧サーボ49により構成される。この前進後進切
り換え用遊星歯車変速機40は、多板クラツチ4
5が係合し、多板ブレーキ42が解放していると
き減速比1の前進ギアが得られ、多板クラツチ4
5が解放し、多板ブレーキ42が係合していると
き減速比1.02の後進ギアとなる。この後進での減
速比1.02は通常の自動車用変速機の後進時の減速
比に比較し小さいが、本実施例では、Vベルト式
無段変速機において得られる減速比(たとえば
2.4)と、後記する減速歯車機構23において減
速を行つているので、全体として適切な減速比が
得られる。 減速歯車機構23は、Vベルト式無段変速機3
0で得られる変速範囲が通常の車両用変速装置に
より達成される変速範囲より低いことを補うため
のものであり、入出力軸間で減速比1.45の変速を
行いトルクの増大を行つている。 デイフアレンシヤルギア22は車軸(図示せ
ず)と連結され、3.727:1の最終減速を行つて
いる。 第2図は第1図に示した伝動装置における無段
変速装置を制御する油圧制御回路を示す。 油圧制御回路は、油圧源50、遊星歯車変速機
40における多板ブレーキおよび多板クラツチの
係合のタイミングを制御し、N―D,N―Rシフ
ト時のシヨツクを緩和するシフト制御機構70、
トルク比制御装置80、本発明にかかる油圧調整
装置60、本発明では油圧調整装置60に含まれ
るマニユアル弁62およびチエツク弁17,18
からなる。 油圧源50は、オイルストレーナ51からエン
ジンにより駆動されるオイルポンプ52で汲み上
げた作動油を、リリーフ弁54が取り付けられた
油路53を経てレギユレータ弁61に供給する。 マニユアル弁62は、運転席に設けたシフトレ
バーのシフト位置P,R,N,D,Lに対応して
スプール621がP,R,N,D,Lの各位置に
設定され、表1に示す如くライン圧が供給される
油路1と油圧制御回路の各所へ該ライン圧を分配
する油路3〜5とを連絡する。
【表】 油圧調整装置60は、油圧源50から供給され
た油圧を調整し、ライン圧として油圧回路の各所
に供給するレギユレータ弁61、後記するカツト
バツク圧を入力すると共に該レギユレータ弁61
から供給されるライン圧をキヤブレタ102のス
ロツトル開度θの変化およびカツトバツク圧の変
化に応じてスロツトル圧を出力するスロツトル弁
65、レギユレータ弁61から供給されるライン
圧を出力側プーリの可動フランジ322の変位量
Lに応じて調整しトルクレシオ圧として出力する
トルクレシオ圧制御弁66、該トルクレシオ圧を
入力し、本実施例ではスロツトル弁65から供給
されたスロツトル圧をトルクレシオ圧に応じたカ
ツトバツク圧として出力するカツトバツク弁67
および前記マニユアル弁62からなる。 レギユレータ弁61は、スプール611と後記
するスロツトル圧およびライン圧を入力してスプ
ール611と制御するレギユレータプランジヤ6
12とを備え、スプール611の変位に伴ない第
2出力ポート614と連通する隙間面積を調整
し、第1出力ポート616から油路1にライン圧
を出力する。第2出力ポート614からは油路1
3を経てフルードカツプリング、オイルクーラお
よび潤滑必要部へ油を供給する。 スロツトル弁65は、一方にスプリング652
が背設されるとともにキヤブレタ102のスロツ
トル開度θに応じスロツトル機構にリンクされて
移動するデイテント弁651と、一方にスプリン
グ654が背設され、他方からは上記スプリング
652を介してスロツトル開度θに応じた押圧力
が印加され、油路1から供給されたライン圧を、
該油路1と連絡するポート655と排油ポート6
56との開口面積を調整して調圧し、油路8から
スロツトル圧として出力すると共に、油路8aを
介して出力油圧がフイードバツクされる油室65
7と後記するカツトバツク圧が油路9を介して印
加される油室658を形成するスプール653を
備える。第3図に示すグラフにスロツトル開度に
対するスロツトル圧特性を示し、第4図に示すグ
ラフにトルク比Tに対するスロツトル圧特性を示
す。 トルクレシオ圧制御弁66は、Vベルト式無段
変速機の出力側プーリ32の可動フランジ322
とリンク機構で連結され、第2トルクレシオ圧出
力機構66bを構成する第2のスプール662
と、該スプール662とスプリング663を介し
て直列的に配設され、第1トルクレシオ圧出力機
構66aを構成する第1のスプール661とを有
する。第1トルクレシオ圧出力機構66aは、油
路1を介してライン圧が供給されるポート664
と、カツトバツク弁67への出力ポート665お
よび排油ポート666に連絡されトルク比Tに応
じて第1のスプール661が移動し前記ポート6
64と排油ポート666の開口面積を調整するこ
とにより出力ポート665から油路6を介してカ
ツトバツク弁67に出力するトルクレシオ圧を調
圧し、さらにカツトバツク圧がフイードバツクさ
れる油路667を備える。第5図にトルク比Tに
対するトルクレシオ圧の特性を表わす。第5図に
示すように本実施例ではトルク比が減少するに従
つてトルクレシオ圧が増加するように構成してあ
る。第2トルクレシオ圧出力機構66bは、トル
ク比Tが設定したトルク比t1より大きくなつたと
き、スプール662は油路1とデイテントバルブ
651へ第2トルクレシオ圧を出力するための油
路7とを連絡するよう作動する。すなわち、本実
施例のトルクレシオ圧制御弁はT>t1でライン圧
に等しい第2トルクレシオ圧を出力する。この第
2トルクレシオ圧は、デイテントバルブ651を
介して、スロツトル開度θが設定値θ1より大きい
とき油路10、チエツク弁17、油路11、チエ
ツク弁18および油路12を介して、レギユレー
タ弁61のレギユレータプランジヤ612に入力
される。 レギユレータ弁61は、上記スロツトル圧が入
力される図示下端の油室618を形成し、ランド
612aとランド612bとの間に第2トルクレ
シオ圧またはライン圧が入力される油室619を
形成するレギユレータプランジヤ612がスプー
ル611を押圧し出力するライン圧を調整する。 カツトバツク弁67は、油路6を介してトルク
レシオ圧が入力する油室671と、油路8から分
枝した油路8cと連絡するポート670を介して
スロツトル圧が供給される油室672と、これら
油室671とカツトバツク圧のフイードバツク油
室677に印加される油圧により作動され、上記
スロツトル圧が供給されるポート670と油室6
72に形成された排油ポート674との開口面積
を調整して油室672の油圧を調圧するスプール
673とを備え、油室672に連絡した油路9か
らスロツトル弁65の油室658にカツトバツク
圧として出力する。このカツトバツク圧は、カツ
トバツク圧をPM、スロツトル圧をPth、トルク
レシオ圧をPR、トルクレシオ圧が印加されるス
プール673の図示右端のランド675の受圧面
積をS2、カツトバツク圧PMがフイードバツクさ
れる油室677を構成するスプール673の図示
左端のランド676の受圧面積をS1(S1<S2)と
すると次の()式、()式で表わされる。 PM=S2/S1PR…(PR×S2<Pth×S1のとき) () PM=Pth…(PR×S2>Pth×S1のとき) () 第6図にスロツトル開度θをパラメータとした
トルク比Tに対するカツトバツク圧の特性を表示
する。 チエツク弁17は、デイテントバルブと連絡す
る油路10および油路4から分枝した油路4aか
ら入る油圧をチエツクボール171を経てチエツ
ク弁18に連絡する油路11に供給する。チエツ
ク弁18はマニユアル弁との連絡油路5およびチ
エツク弁17との連絡油路11から供給される油
圧をチエツクボール181を介してレギユレータ
弁61のレギユレータプランジヤ612に設けら
れた油室619に出力する。 シフト制御機構70は、一方にスプリング71
1が背設され他端に設けられた油室713からラ
イン圧を受けるスプール712を備えたシフト制
御弁71、油室713へライン圧を供給する油路
1に設けられたオリフイス72、該オリフイス7
2と油室713との間に取り付けられたプレツシ
ヤーリミツテング弁73、および後記する電気制
御回路により制御され図示左端の油室713の油
圧を調整するソレノイド弁74からなる。ソレノ
イド弁74が通電され作動してドレインポート7
41を開き油室713を排圧しているときは、シ
フト制御弁71のスプール712はスプリング7
11の作用で図示左方に移動され、遊星歯車変速
機40の多板クラツチ45を作動させる油圧サー
ボ49に連絡する油路14と多板ブレーキ42を
作動させる油圧サーボ48に連絡する油路15と
をそれぞれドレインポート714と715とに連
絡して排圧させ、多板クラツチ45または多板ブ
レーキ42を解放させる。ソレノイド弁74が非
通電され作動していないときはドレインポート7
41は閉ざされ、スプール712は油室713に
供給されるライン圧で図示右方に位置し、それぞ
れ油路3および油路4を上記油路14および油路
15に連絡し、多板ブレーキ42または多板クラ
ツチ45を係合させる。 マニユアル弁62がL位置またはD位置にシフ
トされた状態において、油路1と油路3とが連絡
し、油路4が排圧されている。このときはシフト
制御機構70において、シフト制御ソレノイド7
4がOFF状態で油室713にライン圧が供給さ
れている場合には、スプール712が図示右方に
位置することにより、油路3と油路14とが連絡
され、油路3に供給されたライン圧が油路14を
通して前進用の多板クラツチ45の油圧サーボ4
9に作用し、車両は前進走行可能な状態となつて
いる。またマニユアル弁62がR位置にシフトさ
れているときは、油路1と油路4とが連絡され、
油路3が排圧されている。このときシフト制御機
構70において、シフト制御ソレノイド74が
OFF状態で油室713にライン圧が供給されて
いる場合には、スプール712が右方に位置する
ことにより、油路4と油路15とが連絡され、油
路4に供給されたライン圧が油路15を通して後
進用多板ブレーキ42の油圧サーボ48に供給さ
れ、車両は後進走行可能な状態となる。 本実施例においては、シフト制御弁71に油路
14および油路15の出力油圧をフイードバツク
する油室717と油室716を設け、出力油圧の
立ち上りを緩和し第1図に示す多板クラツチ45
および多板ブレーキ42の係合時のシヨツクを防
止している。 トルク比制御装置80は、トルクレシオ制御弁
81、オリフイス82と83、ダウンシフト用ソ
レノイド84、およびアツプシフト用ソレノイド
85からなる。トルクレシオ制御弁81は、一方
にスプリング811が背設されたスプール81
2、それぞれオリフイス82および83を介して
油路1からライン圧が供給された両端の油室81
5および816、ライン圧が供給される油路1と
連絡するとともに、スプール812の移動に応じ
て開口面積が増減する入力ポート817およびV
ベルト式無段変速機30の入力側プーリ31の油
圧サーボ313に油路2を介して連絡する出力ポ
ート818が設けられた油室819、スプール8
12の移動に応じて油室819を排圧するドレイ
ンポート814およびスプール812の移動に応
じて油室815を排圧するドレインポート813
を備える。ダウンシフト用ソレノイド84とアツ
プシフト用ソレノイド85とは、それぞれトルク
レシオ制御弁81の油室815と油室816とに
取り付けられ、双方とも後記する電気制御回路の
出力で作動されそれぞれ油室815と油室816
とを排圧する。 第7図は第2図に示した油圧制御回路における
シフト制御機構70のソレノイド弁74、入力側
プーリを制御するトルク比制御機構80のダウン
シフト用ソレノイド弁84およびアツプシフト用
ソレノイド弁85を制御する電気制御回路90の
構成を示す。 901はシフトレバーが、P,R,N,D,L
のどの位置にシフトされているかを検出するシフ
トレバースイツチ、902は入力側プーリ31の
回転速度を検出する回転速度センサ、903は車
速センサ、904はキヤブレタのスロツトル開度
を検出するスロツトルセンサ、905は回転速度
センサ902の出力を電圧に変換するスピード検
出処理回路、906は車速センサ903の出力を
電圧に変換する車速検出回路、907はスロツト
ルセンサ904の出力を電圧に変換するスロツト
ル開度検出処理回路、908〜911は各センサ
の入力インターフエイス、912は中央処理装置
(CPU)、913はソレノイド弁74,84,8
5を制御するプログラムおよび制御に必要なデー
タを格納してあるリードオンリメモリ(ROM)、
914は入力データおよび制御に必要なパラメー
タを一時的に格納するランダムアクセスメモリ
(RAM)、915はクロツク、916は出力イン
ターフエイス、917はソノレイド出力ドライバ
であり、出力インターフエイス916の出力をア
ツプシフトソレノイド85、ダウンシフトソレノ
イド84およびシフトコントロールソレノイド7
4の作動出力に変える。入力インターフエイス9
08〜911とCPU912、ROM913、
RAM914、出力インターフエイス916との
間はデータバス918とアドレスバス919とで
連絡されている。 つぎに、本実施例の油圧調整装置60の作用を
説明する。 油圧制御回路に供給される作動油は、エンジン
で駆動されるポンプ52を供給源としており、ラ
イン圧が高ければそれに応じてポンプ52により
動力の消耗が増大する。よつて車両を低燃費で走
行させるためには油圧制御回路に供給するライン
圧を必要最小限に近づけることが必要となり、無
段変速装置において該ライン圧は入力側プーリ3
1および出力側プーリ32の各油圧サーボがVベ
ルト33の滑りを生ずることなくトルクの伝達を
行なえる油圧で規定される。入出力軸間のトルク
比Tの変化に対する必要最小限のライン圧をスロ
ツトル開度θをパラメータとして第8図の実線で
示す。車両の発進時には両プーリによつて実現可
能なトルク比の範囲ではエンジンを最良燃費で作
動させることが不可能であるので、点線で示す如
く上記実線で示した最良燃費の特性曲線より20%
程度大きな破線で示すライン圧とすることが望ま
しく、またエンジンブレーキ時にはスロツトル開
度θ=0においても一点鎖線で示す如くより高い
ライン圧とすることが必要となる。 本実施例の油圧調整装置においては、レギユレ
ータ弁は第3図および第4図に示すスロツトル圧
と、第2トルクレシオ圧またはライン圧をレギユ
レータプランジヤ612の油室618および61
9に入力し、第9図および第10図に示すライン
圧を出力する。 マニユアル弁62がP,N,D位置(レンジ)
に設定(シフト)されているとき; 前記の如くカツトバツク圧をPM、スロツトル
圧をPth、スプール673のランド675の受圧
面積をS2、ランド676の受圧面積をS1、トルク
レシオ圧をPRとした場合 (A) PR×S2≦Pth×S1のとき この場合カツトバツク圧PMはPM=S2/S1
×PRで示され、トルクレシオ圧PRの増大(ト
ルク比は減少)に伴ない第6図に示す如くカツ
トバツク圧が増大するので(第6図右上り部
分)、カツトバツク圧を入力するスロツトル弁
のスロツトル圧Pthは減少し(第4図右下り部
分)、スロツトル圧Pthを入力とするライン圧
も第9図に示す右下りの勾配を有する。トルク
比T>t2では、トルクレシオ圧制御弁66が第
2トルクレシオ圧を出力し、該第2トルクレシ
オ圧はスロツトル開度θがθ>θ1(本実施例で
はθ1=10%)のときデイテント弁651を介し
てレギユレータプランジヤの油室619に入力
され、レギユレータ弁の出力するライン圧を2
割程度レベルアツプする。 (B) PR×S2>Pth×S1のとき この場合カツトバツク圧PMはPM=Pthで示
されトルクレシオ圧(トルク比T)に対して一
定となる(第6図)。 該カツトバツク圧(PM=Pth)はスロツト
ル弁に入力され、スロツトル圧はトルク比に関
係なく一定となる(第4図)。スロツトル圧は
レギユレータプランジヤに入力され、従つてラ
イン圧も第9図に示すようにトルク比に関係な
く一定の値となる。 A,Bより得られたライン圧特性を第9図およ
び第10図に実線で示す。 マニユアル弁62がL位置にシフトされている
とき; マニユアル弁62において油路1と油路5とが
連絡され、油路5、チエツク弁18、および油路
12を経てレギユレータプランジヤ612の油室
619に常時ライン圧が供給されているので、第
9図に点線で示す如くトルク比TがT<t2の範囲
でレベルアツプされたものとなる。 マニユアル弁62がR位置にシフトされている
とき; マニユアル弁62において、油路1と油路4と
が連絡し、油路4、該油路4から分枝した油路4
b、チエツク弁17、油路11、チエツク弁18
および油路12を経てレギユレータプランジヤ6
12の油室619に常時ライン圧が供給されてお
り、レギユレータ弁61はマニユアル弁62がL
位置にシフトされたとき同一のライン圧を出力す
る。 第10図は第9図におけるトルク比Tとライン
圧との関係をスロツトル開度θとライン圧との関
係に変換したグラフである。 このライン圧調整においてマニユアル弁62を
D,N,Pの各シフト位置にシフトしている場
合、トルク比Tがt2≦T≦t3の範囲にあるときの
ライン圧を第8図のグラフの如くスロツトル開度
θ%(θ=10%)以下で比較的低く設定したの
は、アイドリングなどスロツトル開度θが小さく
且つポンプの吐出量が少ない運転状態においてラ
イン圧を高く設定しておくと、高油温で油圧回路
の各所からの油洩れが大きいときなどはライン圧
の保持が困難となり、さらにはオイルクーラーへ
供給される油量の減少により油温がさらに上昇し
てトラブルの原因となりやすいためである。マニ
ユアル弁62がL,Rの各シフト位置にシフトし
ている場合、第9図のグラフに示す如くトルク比
Tがt2≦T≦t3の範囲で且つスロツトル開度θが
θ%(θ=20%)以下の運転条件においてライン
圧を高く設定したのは、エンジンストール時に比
較的高い油圧が要求されることによる。このよう
にライン圧を第8図に示す必要最少限の油圧に近
づけることにより、ポンプ52による動力損失を
小さくできるので燃費および燃料消費率が向上で
きる。 つぎに電気制御回路90と、該電気制御回路9
0により制御されるシフト制御機構70およびト
ルク比制御装置80の作動を第11図〜第26図
とともに説明する。 本実施例では電気制御回路90により、各スロ
ツトル開度θにおいて最良燃費となるよう入力側
プーリ回転数Nを制御する例が示されている。 一般に、エンジンを最良燃費の状態で作動させ
る場合、第12図のグラフに示す破線の最良燃費
動力線に従つて運転する。第11図で横軸はエン
ジン回転数(rpm)、縦軸はエンジン出力軸のト
ルク(Kg・m)を示し、最良燃費動力線は次の様
にして得られる。第11図で実線で示すエンジン
の等燃料消費率曲線(単位はg/ps・h)と、二
点鎖線で示す等馬力曲線(単位はps)とから、図
中のA点における燃料消費率Q(g/ps・h)、馬
力をP(ps)とすると、A点では毎時 S=Q×P(g/h) の燃料を消費することになる。各等馬力曲線上の
全ての点において1時間当りの燃料消費量Sを求
めることにより各等馬力線上でSが最小となる点
が決定でき、これらの点を結ぶことにより各馬力
に対し最良燃費となるエンジン運転状態を示す最
良燃費動力線が得られる。しかるに本実施例の如
く、エンジン100と流体式伝達機構であるフル
ードカツプリング21とを組合わせた場合には同
様の方法にて、第12図に示す各スロツトル開度
θにおけるエンジン出力性能曲線と、第13図に
示すフルードカツプリング性能曲線と第14図に
示すエンジン等燃費率曲線から第15図に示すよ
うにフルードカツプリング出力性能曲線上に最良
燃費フルードカツプリング出力線を求めることが
できる。第16図は第15図に示す最良燃費フル
ードカツプリング出力線をスロツトル開度とフル
ードカツプリング出力回転数の関係におきかえた
ものである。このフルードカツプリング出力回転
数は、本実施例の無段変速装置ではそのまま入力
側プーリ回転数となる。 本実施例の無段変速装置では以上の様にして得
られた最良燃費入力側プーリ回転数と検出した実
際の入力側プーリ回転数により、入力側プーリ3
1および出力側プーリ32間の変速比を制御す
る。 トルク比制御装置80の制御は、第16図で求
めた最良燃費入力側プーリ回転数と、実際の入力
側プーリ回転数とを比較することにより、入出力
プーリ間の変速比の増減をトルク比制御装置80
に設けた2個のソレノイド弁84および85の作
用により行い、実際の入力側プーリ回転数を最良
燃費入力側プーリ回転数に一致させるようになさ
れる。第17図は入力側プーリ回転数制御の全体
のフローチヤートを示す。 スロツトルセンサ904によりスロツトル開度
θの読み込み921を行つた後、シフトレバース
イツチ901によりシフトレバー位置の判別92
2を行う。判別の結果、シフトレバーがP位置ま
たはN位置の場合には、第18図に示すP位置お
よびN位置処理930サブルーチンによりソレノ
イド弁84および85の双方をOFFし(931)、
PまたはN状態をRAM914に記憶せしめる。
(932)これにより入力側プーリ31のニユートラ
ル状態が得られる。シフノレバーがP位置または
N位置からR位置に変化した場合、およびN位置
からD位置に変化した場合には、それぞれN―R
シフトおよびN―Dシフトに伴なうシフトシヨツ
クを緩和するためにシフトシヨツクコントロール
処理940および950を行う。シフトシヨツク
コントロールは第19図に示す如く1周期K〓に
おけるバルス巾がL〓−nM〓(n=1・2・3
…)で表わされ、しだいに巾が小さくなつていく
バルス第20図に示すシフト制御機構70のシフ
ト制御ソレノイド弁74に加えることによりなさ
れる。(以下これをデユーテイーコントロールと
いう)このようにシフト制御ソレノイド弁74を
デユーテイーコントロールすることにより、シフ
ト制御弁71の油室713にデユーテイーに対応
して調整された油圧Psが生じる。 シフト制御機構70は、電気制御回路90の出
力により制御されるソレノイド弁74の作用で、
遊星歯車変速装置40の油圧サーボ48および4
9への油圧の給排タイミングを調整しシフト時の
衝撃を防止するとともに、プレツシヤリミツテイ
ング弁73の作用で油圧サーボ48および49へ
供給される油圧の上限を設定値以下に保つ作用を
有し、クラツチおよびブレーキの係合圧を制限し
ている。 第21図は第19図で示した波形図の各パラメ
ータK〓,L〓,M〓により制御を行なう場合の
プログラムフローチヤートを示す。シヨツクコン
トロール処理中であるか否かのFLUGの判別94
1をし、処理中であればその処理を継続し、処理
中でなければ、シフトレバースイツチ901にお
いてP位置またはN位置からR位置への変化の有
無の判別942およびN位置からD位置への変化
の有無の判別943を行ない、いずれかの変化が
生じている場合はそれに対応するK〓,L〓,
M〓の各パラメータの設定944または945を
し、Kを0に設定し、シフトシヨツクコントロー
ル処理を行なう状態であることを示すFLUGを
ON状態にする。(955)いずれの変化も生じてい
ない場合にはリターンし、シフトシヨツクコント
ロール処理はなされない。シヨツクコントロール
は一周期K〓の終了を判別するパラメータKが正
の値か否かの判別946を、Kが正の値でないと
きはK=K〓−1,L=L〓L〓=L〓−M〓と設
定し(947)、Lが0以下か否かの判別948を
し、Lが0以下ならFLUGOFF949をしてリ
ターンする。この場合、LがL≦0であり、
FLUGをOFFするということは、全てのシフト
シヨツクコントロール処理が終了したことを示し
ている。判別946において一周期K〓の終了を
判別するパラメータKが正の値のときは、K−1
をKと設定し(950)、判別948において、L≦
0でない場合とともに、一周期K〓におけるON
時間の終了を判別するパラメータLがL=0か否
かの判別951を行なう。L=0のときはソレノ
イド弁74のOFF指令952を発し、Lが0以
外のときはソレノイド弁74のON指令953を
発した後L−1をLと設定し(954)、リターンす
る。また、同様のシフトシヨツクコントロール処
理は第7図920に示すプログラマブルタイマを
用いても行なうことが可能である。 N―Dシフトシヨツクコントロール処理950
のつぎには、入力側プーリの回転速度センサ90
2により実際の入力側プーリ回転数Nの読み込み
923を行う。つぎにスロツトル開度θが0か否
かの判別924をし、θ≠0のときは、第22図
に示すサブルーチンに従いあらかじめデータとし
てROM913に格納してある第16図のスロツ
トル開度θに対応する最良燃費入力側プーリ回転
数N〓設定960をするためスロツトル開度に対
応した入力側プーリ回転数N〓のデータの格納ア
ドレスのセツト961をし、セツトしたアドレス
からN〓のデータを読み出し(962)、読み出した
N〓のデータをデータ格納用RAM914に一時
格納する(963)。 つぎに実際の入力側プーリ回転数Nと最良燃費
入力側プーリ回転数N〓との比較927を行う。
N<N〓のときはダウンシフトソレノイド弁84
の作動指令928を発し、N>N〓のときはアツ
プシフトソレノイド弁85の作動指令929を発
し、N=N〓のときは両ソレノイド弁84および
85のOFF指令920を発する。θ=0でスロ
ツトル全閉時には、エンジンブレーキの必要性を
判断するためシフトレバーがD位置に設定されて
いるかまたはL位置に設定されているかの判別9
26を行い、必要に応じてエンジンブレーキ制御
970または980を行う。D位置のエンジンブ
レーキ処理970は、第23図に示す如く、車速
センサ903により車速Vの読み込み971を
し、その時点での加速度aを算出し(972)、つぎ
に該加速度aが車速に対して適当な加速度Aであ
るか否かの判別973をする。α>Aのときはダ
ウンシフトのコントロール974を行うためN〓
にNより大きい値を設定したのち、リターンし、
α≦AのときはN〓にスロツトル開度θに対応す
る最良燃費入力側プーリ回転数N〓の設定(975)
を行なつた後リターンする。車速と適当な加速度
Aとの関係は、各車両について実験または計算に
より求められるものであり、第24図のグラフに
示す。 L位置のエンジンブレーキ処理980では、第
25図に示す様に、車速Vの読み込み981をし
た後車速Vと入力側プーリ回転数Nからトルク比
Tを次式から算出する演算を行う(982)。 T=N/V×k kはトランスミツシヨン内部の減速歯車機構2
3の減速比、車両の最終減速比およびタイヤ半径
等とから決定される定数である。つぎに現在のト
ルク比Tがその車速Vに対して安全かつ適正なエ
ンジンブレーキが得られるトルク比T〓より大き
いか否かの判別983を行い、T<T〓のときは
DOWNSHIFTがなされるようN〓にNより大き
い値の設定984を行い、T≧T〓のときはN〓
にNと等しい値の設定985を行つてリターンす
る。各車速に対して安全かつ適正なエンジンブレ
ーキが得られるトルク比T〓は、各車両について
実験または計算により求められるものであり、第
26図のグラフに示す。 N―DシフトおよびN―Rシフト時における係
合シヨツクを緩らげる場合、油圧サーボ48また
は油圧サーボ49へ供給油圧PbまたはPcの立ち
上りを第27図に示す油圧特性曲線の如くコント
ロールし、図中AC間で多板クラツチ45または
多板ブレーキ42の係合を完了せしめる。このよ
うに油圧サーボ48または49への供給油圧をコ
ントロールするためのソレノイド弁74のデユー
テイ(%)とソレノイド弁74の作動で油室71
3に生ずるソレノイド圧Psとの関係を第28図
に示す。デユーテイ(%)は次式で与えられる。 デユーテイ =1周期におけるソレノイドON時間/ソレノイド作動
周期×100 (%) 第28図に示すソレノイド圧は、シフト制御弁
71により増巾され、第29図に示す油圧サーボ
48または49への供給油圧PbまたはPcが得ら
れる。 本実施例において、第26図に示す如く、シフ
ト制御弁71のスプール712に設けたランドの
受圧面積を、図示左側から順にS1,S1,S1,S2
スプリング711の弾性力をFs1、油室713の
油圧をPsとすると、前進時に係合される多板ク
ラツチ45の油圧サーボ49および後進時に係合
される多板ブレーキ42の油圧サーボ48への供
給油圧PcおよびPbは、それぞれシフト制御弁7
1の油圧平衡式である第(1)式および第(2)式から次
のように与えられる。 前進時 Ps×S1=Pc×S2+Fs1 (1) Pc=S1/S2Ps−Fs1/S2 後進時 Ps×S1=Pb×(S1−S2)+Fs1 (2) Pb=S1/S1−S2Ps−Fs1/S1−S2 またプレツシヤリミツテング弁73内に挿設さ
れた弁体731の受圧面積をS3、該弁体731に
背設されたスプリング732の弾性力をFs2とす
ると、プレツシヤリミツテング弁73は油圧平衡
式第(3)式によりPsの最高圧Plimitで作動する。 Plimit×S3=Fs2 (3) Plimit=Fs2/S3 このときPc,Pbは第(4)式および第(5)式に従つ
て最高圧Pclimit、Pblimitが制限される。 前進時 Pclimit=S1/S2Plimit−Fs1/S2 (4) 後進時 Pblimit=S/S1−S2Plimit−Fs/S1−S2(5) つぎにトルク比制御装置80の作用を第31図
とともに説明する。 定速走行時 第31図Aに示す如く電気制御回路90の出力
により制御されるソレノイド弁84および85は
OFFされている。これにより油室816の油圧
P1はライン圧となり、油室815の油圧P2もス
プール812が図示右側にあるときはライン圧と
なつている。スプール812はスプリング811
による押圧力P3があるので図示左方に動かされ
る。スプール812が左方に移動され油室815
とドレインボート813とが連通するとP2は排
圧されるので、スプール812は油室816の油
圧P1により図示右方に動かされる。スプール8
12が右方に移動されるとドレインポート813
は閉ざされる。よつてスプール812はこの場
合、第31図に示す如くドレインポート813と
スプール812のランドエツジにフラツトな平面
812bを設けることにより、より安定した状態
でスプール812を第31図Aの如く中間位置の
平衡点に保持することが可能となる。第31図A
の如く中間位置の平衡点に保持された状態におい
ては油路2は閉じられており、入力側プーリ31
の油圧サーボ313の油圧は、出力側プーリ32
の油圧サーボ323に加わつているライン圧によ
りVベルト33を介して圧縮される状態になり、
結果的に油圧サーボ323の油圧と平衡する。実
際上は油路2においても油洩れがあるため、入力
側プーリ31は除々に拡げられてトルク比Tが増
加する方向に変化していく。したがつて第31図
Aに示すようにスプール812が平衡する位置に
おいては、ドレインポート814を閉じ、油路1
はやや開いた状態となるようスプール812のラ
ンドエツジにフラツトな面812aを設け、油路
2における油洩れを補うようにしている。また第
32図に示すように面812aの代りに油路1と
油路2の間をオリフイス821を有する油路82
2で連絡しても同様な機能をはたすことは明らか
である。 アツプシフト時 第31図Bに示す如く電気制御回路90の出力
によりソレノイド弁85がONされる。これによ
り油室816が排圧されるため、スプール812
は図示左方に動かされ、スプール812の移動に
伴ない油室815もドレインポート813から排
圧されるが、スプリング811の作用でスプール
812は図示左端に設定される。 この状態では油路1のライン圧がポート818
を介して油路2に供給されるため油圧サーボ31
3の油圧は上昇し、入力側プーリ31は閉じられ
る方向に作動してトルク比Tは減少する。したが
つてソレノイド弁85のON時間を必要に応じて
制御することによつて所望のトルク比だけ減少さ
せアツプシフトを行う。 ダウンシフト時 第31図Cに示す如く電気制御回路90の出力
によりソレノイド弁84がONされ、油室815
が排圧される。スプール812は油室816のラ
イン圧による図示右方に動かされ、油路2はドレ
インポート814と連通して排圧され、入力側プ
ーリ31は拡がる方向に作動してトルク比Tは増
大する。このようにソレノイド弁84のON時間
を制御することによりトルク比を増大させダウン
シフトさせる。 このように入力側(ドライブ側)プーリ31の
油圧サーボ313は、トルクレシオ制御弁81の
出力油圧が供給され、出力側(ドリブン側)プー
リ32の油圧サーボ323にはライン圧が導かれ
ており、入力側油圧サーボ313の油圧をPi、出
力側油圧サーボ323の油圧をPoとすると、
Po/Piはトルク比Tに対して第29図のグラフ
に示す如く特性を有し、たとえばスロツトル開度
θ=50%、トルク比T=1.5(図中a点)で走行し
ている状態からアクセルをゆるめてθ=30%とし
た場合Po/Piがそのまま維持されるときはトル
ク比T=0.87の図中b点に示す運転状態に移行
し、逆にトルク比T=1.5の状態を保つ場合には
入力側プーリを制御するトルク比制御機構80の
出力によりPo/Piの値を増大させ図中C点の値
に変更する。このようにPo/Piの値を必要に応
じて制御することによりあらゆる負荷状態に対応
して任意のトルク比に設定できる。 以上の如く本発明にかかる油圧調整装置は、ト
ルクレシオ圧制御弁、スロツトル弁、レギユレー
タ弁、およびデイテント弁によりライン圧を必要
最小限に近づけているので、オイルポンプによる
エンジン出力の損失を小さくでき、燃費および動
力性能の向上が可能となるとともに次の効果を有
する。 (1) 各スロツトル開度に対して、エンジンを予め
設定された状態で運転する場合に必要な油圧
は、スロツトル開度(又は入力トルク)の増加
に対応して増加し、両プーリ間のトルク比(入
出力軸間のトルク比)の増加に対応して増加す
る特性を有する為、油圧調整装置により制御さ
れるライン圧をスロツトル開度(又は入力トル
ク)又は両プーリ間のトルク比をパラメータと
して段階的に変化させることにより、Vベルト
式無段変速機の油圧サーボ機構が必要とする最
小限の油圧にライン圧を近づけることができ
る。 (2) 発進時等においては、大きな駆動力を伝達す
る必要から、油圧サーボ機構が必要とする最小
限の油圧は、効果(1)で述べた場合よりも大きく
なり、従つてこのような場合には効果(1)で述べ
たライン圧より大きなライン圧を発生させるこ
とができる。 (3) 効果(2)で述べた状態の検出は、Vベルト式無
段変速機の両プーリ間のトルク比(入出力軸間
のトルク比)によつて検出し、そのトルク比が
予め設定された値よりも大きくなつた場合に、
効果(2)で述べた状態とすることができる。 (4) 効果(3)で述べた状態においても、スロツトル
開度が小さく、エンジン回転数が低い場合(例
えばアイドル時)には、効果(2)で述べた様に大
きなライン圧を発生させると、オイルポンプ吐
出量が少ない為、高油温時に油路各部の洩れが
大きい場合に、ライン圧の低下、クーラ圧の低
下による温度上昇、潤滑圧低下等の問題を生ず
る為、スロツトル開度が一定値以下においては
たとえトルク比の大きな状態でも、ライン圧を
上昇させないことが可能である。 (5) Lレンジにおいて強いエンジンブレーキを得
る場合には、スロツトル開度が低い場合におい
てもエンジン側から駆動する場合に比較して大
きな油圧を油圧サーボ機構に供給する必要が生
ずる為、この場合にはスロツトル開度が一定値
以下においてもライン圧を上昇させることがで
きる。 (6) Rレンジにおいても、安全性の面から強いエ
ンジンブレーキが得られることが望ましく、こ
の場合にはライン圧特性はLレンジの場合と同
一とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はVベルト式無段変速機を用いた車両用
無段変速装置の概略図、第2図は本発明の油圧調
整装置を含む無段変速装置の油圧制御回路図、第
3図、第4図はスロツトル圧を表すグラフ、第5
図はトルクレシオ圧を表すグラフ、第6図はカツ
トバツク圧を示すグラフ、第7図は電気制御回路
のブロツク図、第8図は油圧制御回路の必要ライ
ン圧特性を示すグラフ、第9図は本発明の油圧調
整装置による出力ライン圧の特性をスロツトル開
度θをパラメータとして表わしたグラフ、第10
図は本発明の油圧調整装置により得られるライン
圧特性をトルク比Tをパラメータとして表わした
グラフ、第11図はエンジンの最良燃費動力線を
示すグラフ、第12図はエンジンの出力性能の特
性を示すグラフ、第13図は流体伝達機構性能曲
線を示すグラフ、第14図はエンジンの等燃費率
曲線、第15図は最良燃費フルードカツプリング
出力曲線を示すグラフ、第16図は最良燃費フル
ードカツプリング出力回転数の特性を示すグラ
フ、第17図、第18図、第21図〜第23図お
よび第25図は電気制御回路のプログラムフロー
チヤート図、第19図はデユーテイコントロール
の波形図、第20図はシフト制御装置の部分拡大
図、第24図は設定加速度を示すグラフ、第26
図は設定トルク比を示すグラフ、第27図は入力
側プーリの油圧サーボと出力側プーリの油圧サー
ボの供給油圧の特性を示すグラフ、第28図はソ
レノイド圧Psの特性を示すグラフ、第29図は
シフト制御弁の出力油圧の特性を示すグラフ、第
30図はシフト制御機構の作動説明図、第31図
はトルク比制御装置の作動状態図、第32図はト
ルク比制御装置の他の実施例を示す構成図、第3
3図はVベルト式無段変速機の入出力軸間のトル
ク比Tと入出力側油圧サーボ間の圧力比との間係
を示すグラフである。 図中、30…Vベルト式無段変速機、31…入
力側プーリ、32…出力側プーリ、33…Vベル
ト、313…入力側油圧サーボ、323…出力側
油圧サーボ、40…前進後進切り換え用遊星歯車
変速機、42…多板ブレーキ、45…多板クラツ
チ、48,49…油圧サーボ、60…油圧制御回
路、50…油圧源、52…ポンプ、61…レギユ
レータ弁、612…レギユレータバルブプランジ
ヤー、62…マニユアル弁、65…スロツトル
弁、66…トルクレシオ圧制御弁、70…シフト
制御機構、71…シフト制御弁、72…オリフイ
ス、73…プレツシヤリミツテイング弁、74…
シフト制御ソレノイド、80…トルク比制御装
置、81…シフトレシオ制御弁、82,83…オ
リフイス、84…ダウンシフト用ソレノイド弁、
85…アツプシフト用ソレノイド弁。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 平行的に配置された入力軸および出力軸に油
    圧サーボにより実効径が可変とされる一対のプー
    リを取り付けると共にプーリ間を伝動用無端ベル
    トで連結したVベルト式無段変速機の、車両の運
    転条件に応じて上記油圧サーボへの供給油圧を制
    御することにより入出力軸のトルク比を無段階に
    変化させる油圧制御装置に、ライン圧を供給する
    油圧調整装置において、入出力軸間のトルク比に
    応じたトルクレシオ圧を出力するトルクレシオ圧
    制御弁と、スロツトル開度に応じたスロツトル圧
    を出力するスロツトル弁と、前記トルクレシオ圧
    を入力し、トルク比が設定値以上のときスロツト
    ル弁にトルクレシオ圧に応じたカツトバツク圧を
    出力し、スロツトル圧をトルクレシオ圧に関連せ
    しめるカツトバツク弁と、スロツトル圧を入力し
    入力に対応したライン圧を出力するレギユレータ
    弁とを備え、スロツトル開度およびトルク比に応
    じると共にトルク比が設定値以下のときのライン
    圧をトルク比に対して一定としたことを特徴とす
    る車両用Vベルト式無段変速機の油圧調整装置。 2 トルクレシオ圧はトルク比の増大に応じて低
    下し、スロツトル圧はスロツトル開度の増大に応
    じて増大することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の車両用Vベルト式無段変速機の油圧調
    整装置。 3 カツトバツク弁は、前記トルクレシオ圧と対
    向するようスロツトル圧を入力し、スロツトル圧
    がトルクレシオ圧の一定割合より大きいときスロ
    ツトル圧を調圧してトルクレシオ圧に応じたカツ
    トバツク圧を出力し、スロツトル圧がトルクレシ
    オ圧の一定割合より小さいときはスロツトル圧を
    調圧せずそのままカツトバツク圧として出力する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の車両用Vベルト式無段変速機の油圧調
    整装置。 4 トルクレシオ圧制御弁は、トルク比が設定値
    以上のとき第2トルクレシオ圧をレギユレータ弁
    に出力し、トルク比が設定値以上のときレギユレ
    ータ弁の出力ライン圧をレベルアツプさせたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の車両用
    Vベルト式無段変速機の油圧調整装置。 5 第2トルクレシオ圧は、スロツトル開度が設
    定値以上のとき開状態となるデイテント弁を介し
    てレギユレータ弁に供給され、トルク比が設定値
    以上で且つスロツトル開度が設定値以上のときレ
    ギユレータ弁の出力ライン圧をレベルアツプさせ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の
    車両用Vベルト式無段変速機の油圧調整装置。 6 平行的に配置された入力軸および出力軸に油
    圧サーボにより実効径が可変とされる一対のプー
    リを取り付けると共にプーリ間を伝動用無端ベル
    トで連結したVベルト式無段変速機の、車両の運
    転条件に応じて上記油圧サーボへの供給油圧を制
    御することにより制御する油圧制御装置に、ライ
    ン圧を供給する油圧調整装置において、入出力軸
    間のトルク比に応じたトルクレシオ圧を出力する
    トルクレシオ圧制御弁と、スロツトル開度に応じ
    たスロツトル圧を出力するスロツトル弁と、前記
    トルクレシオ圧を入力し、トルク比が設定値以上
    のときスロツトル弁にトルクレシオ圧に応じたカ
    ツトバツク圧を出力し、スロツトル圧をトルクレ
    シオ圧に関連せしめるカツトバツク弁と、R位置
    およびL位置にシフトされたときレギユレータ弁
    にライン圧を出力するマニユアル弁と、前記スロ
    ツトル圧およびマニユアル弁を介したライン圧を
    入力し入力に対応したライン圧を出力するレギユ
    レータ弁とを備え、スロツトル開度およびトルク
    比に応じると共にトルク比が設定値以下のときの
    ライン圧をトルク比に対して一定とすると共にマ
    ニユアル弁がR位置およびL位置にシフトされた
    ときのライン圧をレベルアツプしたことを特徴と
    する車両用Vベルト式無段変速機の油圧調整装
    置。
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