JPH028846B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は所謂ロータリーステイツクと呼ばれ
る工具の先端に取り付けて、活線状態の架空配電
線やバインド線及びコネクターカバー等を切断す
る切断工具に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の切断作業はテコの原理を利用し
た長尺のロツドやワイヤーの先端にハサミ形状の
カツター部材を取り付けて、手元で当該ロツド等
を手で操作して架空にある電線等の切断作業を行
つていた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながらこのような工具による切断作業
は、長尺のロツド等を介して先端のカツター部材
の刃部の切断運動と同じ動作を手元で行わなけれ
ばならず、そのためスムーズな作業は難しく、か
つ熟練を要する。

しかも手作業にて操作及び切断作業を行うので
あるから、被切断物が多数あつたり、連続して切
断する場合などは非常な労力と時間を要していた
のである。そのうえ切断力もさほど強くないとい
点も否めなかつた。

（問題点を解決するための手段） そこでこの発明はロータリーステイツクと呼ば
れる、回転軸をその内部に有する工具の先端に取
り付けて、この回転軸の回転運動を利用して切断
運動を連続的に行うようにしたものである。

而してその具体的構成について言えば、ロータ
リーステイツクと脱着自在な略筒状の保持部材の
中にロータリーステイツクの回転軸と連動する回
転盤を回転自在に保持せしめ、この保持部材から
は固定刃部を有する固定刃を適宜手段で保持部材
に固定する等して保持部材から突出せしめる。一
方、一端に可動刃部を有し他端に長孔を有する可
動刃を、当該可動刃部と上記固定刃部とが向き合
うように上記固定刃と交叉させ、この交叉点で固
定刃と可動刃とを回動自在に軸着し、いわばハサ
ミの如き構成を持たせる。そして可動刃の長孔の
中を摺動、回動自在な形体のピンを上記回転盤の
偏心位置に設け、このピンに当該長孔をはめこ
み、回転盤が一回転する間に可動刃の可動刃部が
固定刃の固定刃部と一回重合する如く、当該長孔
を構成しかつ固定刃を位置せしめたものである。

（作 用） 可動刃と固定刃とは１対のハサミの関係を有し
ており、このうち一の柄の部分に相当するのは固
定刃を突出させるいる保持部材で、他の柄に相当
するのは可動刃の長孔の縁になる。この長孔には
これと回転摺動自在な形体のピンがはまつてお
り、このピンは回転盤の偏心位置に設けられてい
るものなので、回転盤が回転してこのピンが円運
動を行えば、それによつて長孔は往復回動運動を
する。この往復回動運動によつて可動刃が回動
し、切断動作を行うのである。なお上記作用を鑑
みれば、この発明における可動刃の長孔とは貫通
孔に限らず、長溝形状のものをも指す。

（実施例） 以下この発明の一実施例を説明する。

１は直角に折り曲げた筒体でこの筒体１の下端
開口部には爪２ａを外周に有する下筒２が固着し
てあり、これらの中に回転伝達軸３が回転自在に
保持してある。この回転伝達軸３の下筒２側端部
には、ロータリーステイツクの回転軸と連動する
ためのピン４が設けてあり、他端にはベベルギヤ
５が固着してある。

筒体１の他の開口端部には基盤６が固着してあ
り、この基盤６の中心に主軸７が回転自在に貫通
し、一端には回転伝達軸３のベベルギヤ５に噛合
するベベルギヤ８が固着してある。基盤６には固
定刃９の一端にある輪形の基部９ａがボルト１０
によつて固定してある。而してこの基盤６に被冠
せしめた蓋体１１の側面に設けた窓１２から固定
刃９は突出しているのである。また主軸７の他端
には回転盤１３が固着してある。

１４は可動刃で、その可動刃部１４ｂが固定刃
９の固定刃部９ｂと向き合うように固定刃９と交
叉しており、その交叉点はボルト軸１５等によつ
て軸着され、両者は回動自在である。而して可動
刃１４の端部には長溝１４ａを回転盤１３側に設
けてある。この長溝１４ａ内を摺動、回転自在な
ピン１６が回転盤１３の偏心位置にワツシヤ１７
を介して固着してあつて、このピン１６のピン頭
は上記長溝１４ａにはまつているのであるが、そ
の関係はピン１６の主軸７を中心とする回転が妨
げられないものである。また固定刃９と可動刃１
４との関係は、ピン１６が一回転する間に可動刃
９の回動によつて可動刃部１４ｂと固定刃部９ｂ
とが一回重合する如く固定刃９が位置しているも
のである。なお１８ａ，１８ｂ，１９ａ，１９ｂ
はベアリングである。

本実施例によれば第２図から第３図から移行す
る状態で切断を行うが、このときテコの支点とな
るボルト軸１５の位置から最も離れた位置で、作
用点の位置にある長孔１４ａをピン１６の回転に
よつて回動させるので、当該切断は最大トルクに
て行われ、その切断力は強力である。

以上の実施例に係るカツター工具を既存のロー
タリーステイツクに装着するには第４図に示した
ように、まずロータリーステイツク２１の回転軸
２２にロータリージヨイント２３の一端を固定
し、このロータリージヨイント２３の他端に設け
た凹部２３ａに、回転伝達軸３のピン４を嵌め込
みながらロータリーステイツク２１の外周に下筒
２を被せて、そのあと下筒２にある爪２ａをロー
タリーステイツク２１外周の爪２１ａに係合させ
ればよい。

（効 果） この発明によれば、ロータリーステイツクの回
転によつて連続的に切断できるので、極めて迅速
かつ容易に切断作業が行える。

また作業員の手元での操作は、手動によれば単
なる回転操作で済み、これに代えて適宜モーター
等を使用すれば、単にロータリーステイツクを支
持するだけでよい。

従つて、被切断物が多数あつたり、長尺に渡つ
たりしていても、極めてスムーズにかつ短時間に
切断することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の一部断面側面図、第２図、第
３図は夫々実施例の正面図、第４図はロータリー
ステイツクへの取り付けの様子を示す一部断面要
部側面図である。 なお図中、１は筒体、２は下筒、３は回転伝達
軸、４はピン、７は主軸、９は固定刃、９ｂは固
定刃部、１３は回転盤、１４は可動刃、１４ａは
長溝、１４ｂは可動刃部、１６はピン、２１はロ
ータリーステイツク、２２は回転軸である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ロータリーステイツクと脱着自在な略筒状の
   保持部材の中にロータリーステイツクの回転軸と
   連動する回転盤を回転自在に保持せしめ、この保
   持部材からは固定刃部を有する固定刃を突出せし
   め、一端に可動刃部を有し他端に長孔を有する可
   動刃を、その可動刃部と上記固定刃部とが向き合
   うように上記固定刃と交叉させ、この交叉点で固
   定刃と可動刃とを回動自在に軸着し、さらに可動
   刃の長孔の中を摺動、回転自在な形体を有するピ
   ンを上記回転盤の偏心位置に設け、このピンに可
   動刃の長孔をはめこみ、回転盤が一回転する間に
   可動刃の可動刃部が固定刃の固定刃部と一回重合
   する如く、固定刃及び長孔を構成したことを特徴
   とする、連動型カツター工具。