JPH028768B2 - - Google Patents

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JPH028768B2
JPH028768B2 JP59186529A JP18652984A JPH028768B2 JP H028768 B2 JPH028768 B2 JP H028768B2 JP 59186529 A JP59186529 A JP 59186529A JP 18652984 A JP18652984 A JP 18652984A JP H028768 B2 JPH028768 B2 JP H028768B2
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JP
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synthetic surfactant
fatty acids
diacyl
glycero
phosphocholine
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JP59186529A
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Tsunetomo Takei
Yosaku Kanazawa
Kazuo Masuda
Toshimitsu Aiba
Juji Tanaka
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Tokyo Tanabe Co Ltd
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Tokyo Tanabe Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は肺胞腔内における気−液界面活性を有
する合成サーフアクタント及び該サーフアクタン
トを有効成分として含有する肺表面活性物質喪失
性無気肺の治療剤に関する。 従来の技術 肺表面活性物質喪失性無気肺は、肺胞内におけ
る肺表面活性物質の生成不全又は欠如による呼吸
窮迫症候群などのほかに、溺水又は気管支洗浄等
による、いわゆる誤咽によつても発症することが
知られている(肺表面活性−その基礎と臨床−54
頁昭和52年9月1日真興交易医書出版部発行)。 近年、肺表面活性物質喪失性無気肺、特に呼吸
窮迫症候群の治療法としては、欠損している肺表
面活性物質を当該物質と同程度又はそれ以上の気
−液界面活性を有する代用物で補充する方法が確
立されて来た。そして、かかる代用物として臨床
的評価を受け開発が進められている物質として
は、哺乳動物の肺臓組織に存在するリン脂質、中
性脂質、総コレステロール、炭水化物及び蛋白質
を一定の割合で含有する物質(以下TA−546と
略す、特開昭55−160721号公報、小児科臨床32巻
7号1343頁1979年)、これらの成分のほかに遊離
脂肪酸をも含有する物質(以下S−TAと略す、
特開昭58−45299号公報、小児科臨床37巻7号
1526頁1984年)及び豚の肺洗浄液より活性物質を
分離し、これにCa++を添加した物質(以下サー
フアクタントCKと略す、日本界面医学会雑誌12
巻1号1頁1980年、同14巻2号212頁1983年)な
どが報告されている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、誤咽により誘発される肺表面活
性物質喪失性無気肺(以下誤咽由来無気肺と略
す)においては、生体自体が肺表面活性物質の活
発な生成機能を保持しており、しかも肺表面活性
物質が完全欠如の状態に至る場合はまれであるこ
とから、呼吸窮迫症候群に比べてその無気肺症状
は一般に軽度である。このため、生体肺胞内にお
いて肺表面活性物質が生成され正常な呼吸機能が
回復するまでの間、生体生命を維持できる程度に
肺胞腔容量が確保されれば、誤咽由来無気肺の治
療は可能となる。従つて、この治療においては、
TA−546及びS−TAが有するほどの気−液界面
活性を具備していない物質であつても、生命維持
に必要な最小限の肺胞腔容量を確保できるもので
あれば、補充代用物として十分な治療効果が期待
できる。一方、サーフアクタントCKにあつても、
誤咽由来無気肺の治療薬として使用できることが
予測されるが、この物質には過剰量のCa++が共
存(サーフアクタントCK50mg中、CaCl2として
10mg存在)しており、このCa++が肺胞内の正常
なイオン状態を破壊し、その結果、局所的毒性の
発現が懸念される。 問題を解決するための手段 本発明者らはTA−546、S−TA及びサーフア
クタントCKを構成する個々の成分について鋭意
研究した結果、特定比率のコリンホスホグリセリ
ド、酸性リン脂質及び脂肪酸類の三成分からなる
合成サーフアクタントが、肺胞腔内において有用
な気−液界面活性を示し、誤咽由来無気肺におい
て相当の肺胞腔容量を確保せしめ、正常な呼吸機
能の回復を促進することを知り本発明を完成し
た。 本発明によれば、コリンホスホグリセリド、酸
性リン脂質及び脂肪酸類を主に含有し、総重量に
対するこれらの含量がコリンホスホグリセリドは
53.9〜87.8%(w/w)、酸性リン脂質は4.8〜
38.2%(w/w)、脂肪酸類は7.0〜26.2%(w/
w)であることを特徴とする合成サーフアクタン
トが提供される。更に本発明によれば、該サーフ
アクタントを有効成分とする肺表面活性物質喪失
性無気肺、特に誤咽由来無気肺の治療剤が提供さ
れる。 本発明合成サーフアクタントにおいてコリンホ
スホグリセリドとしては、1,2―ジパルミトイ
ルグリセロ―(3)―ホスホコリン、1,2―ジステ
アロイルグリセロ―(3)―ホスホコリン、1―パル
ミトイル―2―ステアロイルグリセロ―(3)―ホス
ホコリンもしくは1―ステアロイル―2―パルミ
トイルグリセロ―(3)―ホスホコリンなどの1,2
―ジアシルグリセロ―(3)―ホスホコリン、1―ヘ
キサデシル―2―パルミトイルグリセロ―(3)―ホ
スホコリンもしくは1―オクタデシル―2―パル
ミトイルグリセロ―(3)―ホスホコリンなどの1―
アルキル―2―アシルグリセロ―(3)―ホスホコリ
ン又は1,2―ジヘキサデシルグリセロ―(3)―ホ
スホコリンなどの1,2―ジアルキルグリセロ―
(3)―ホスホコリンが使用できる。これらの化合物
についてはグリセロール残基の2位炭素に基づく
光学異性体が知られているが、本発明合成サーフ
アクタントにおいては、いずれの異性体を問わず
使用することができる。またこれらの単品からな
るコリンホスホグリセリド以外に、炭素数が14〜
24個のアシル基を2個有する1,2―ジアシルグ
リセロ―(3)―ホスホコリン混合物及びこれと上述
の単品との混合物も使用することができる。 酸性リン脂質としては、1,2―ジアシル―sn
―グリセロ―(3)―リン酸、1,2―ジアシル―sn
―グリセロ―(3)―ホスホ―L―セリン、1,2―
ジアシル―sn―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グリ
セロール又は1,2―ジアシル―sn―グリセロ―
(3)―ホスホ―(1)―L―myo―イノシトールが使用
できる。これらの化合物において、1位及び2位
は同一又は異なる種類の炭素数14〜24個のアシル
基でそれぞれ置換されていてもよい。 次に脂肪酸類としては、遊離脂肪酸、脂肪酸の
アルカリ金属塩、脂肪酸アルキルエステルもしく
は脂肪酸アミド又はこれらの二種以上からなる混
合物、更には脂肪アルコール又は脂肪族アミンが
使用できる。本明細書において「脂肪酸類」とは
ここでいう脂肪アルコール及び脂肪族アミンも包
含する意味である。遊離脂肪酸としてはパルミチ
ン酸、ステアリン酸又はオレイン酸が、脂肪酸の
アルカリ金属塩としてはパルミチン酸ナトリウム
又はステアリン酸ナトリウムが、脂肪酸アルキル
エステルとしてはパルミチン酸エチルエステル
が、脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸アミドが
それぞれ挙げられる。脂肪アルコールとしてはヘ
キサデシルアルコール又はオクタデシルアルコー
ルが、脂肪族アミンとしてはヘキサデシルアミン
が挙げられる。 以上において説明したコリンホスホグリセリ
ド、酸性リン脂質及び脂肪酸類は動植物から分離
された製品、半合成品又は化学合成品のいずれで
もよく、それらの市販品を使用することができ
る。 本発明合成サーフアクタントは上述のコリンホ
スホグリセリド、酸性リン脂質及び脂肪酸類を主
要成分とするものである。しかし、これら三成分
以外の化合物、例えば、ヒト血清アルブミン、牛
血清アルブミン、ゼラチン、ヒトβ―グロブリ
ン、ヒト血清β―リポプロテイン、エラスチンも
しくはミオグロビンなどの特定蛋白質、顎下腺ム
チン、キトペントース、コンドロイチン硫酸もし
くはヒアルロン酸などの多糖類、リジン、ロイシ
ンもしくはプロリンなどのアミノ酸又はポリグル
タミン酸、ポリプロリン、ポリロイシン、リジル
―リジル―リジン、プロリル―フエニルアラニル
―リジン、プロリル―ヒスチジル―ロイシン、
(プロリル―プロリル―グリシン)5もしくはグル
カゴンなどの合成もしくは天然ペプタイド等を第
四成分として、コリンホスホグリセリド1部に対
し0.01〜0.1部の割合で更に添加し、共存せしめ
てもよい。これらの第四成分を含む合成サーフア
クタントの気−液界面活性は、三成分からなる合
成サーフアクタントの当該活性と同等乃至10%増
の活性を示すことが認められた。 本発明合成サーフアクタントは上述のコリンホ
スホグリセリド、酸性リン脂質及び脂肪酸類を有
機溶媒に溶解して混合し、この溶液を減圧乾固
し、得られた残留物を適当な懸濁溶媒を用いて懸
濁し、ついでこれを凍結乾燥する方法により製造
することができる。混合比は最終生成物の乾燥総
重量に対する三成分の重量比率が、コリンホスホ
グリセリドは53.9〜87.8%(w/w)、酸性リン
脂質は4.8〜38.2%(w/w)、脂肪酸類は7.0〜
26.2%(w/w)となるように設定する。使用す
る有機溶媒としてはクロロホルム―メタノール混
合液(容量比2:1乃至4:1)が、また懸濁溶
媒としては水又は水−エタノール混合液(容量比
4:1乃至20:1)がそれぞれ挙げられる。懸濁
は30〜60℃、望ましくは40〜50℃で、5〜60分
間、望ましくは15〜30分間かけて行う。凍結乾燥
は、残存水分の重量比率が総重量に対し、5.0%
(w/w)以下になるような条件で行う。 また、上述の三成分をそのまま練り合わせたの
ち乾燥する方法により本発明合成サーフアクタン
トを製造してもよい。 なお、上述の第四成分を含む合成サーフアクタ
ントは、コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質
及び脂肪酸類並びに第四成分を所定の比率で有機
溶媒又は水に溶解して混合し、以下上述の三成分
からなる合成サーフアクタントと同様の方法によ
り製造することができる。 作用及び発明の効果 次に、本発明合成サーフアクタントの気−液界
面活性及び薬理学的性質を詳述する。 〔気―液界面活性〕 (a) 表面張力低下作用 本発明合成サーフアクタントを54.0cm2の表面
積を有する生理食塩液に、1cm2あたり1.0〜
2.0μg滴下し、37℃で該表面積を54.0〜21.6cm2
の範囲内で2〜5分かけて増減した際の表面張
力をウイルヘルミー法に準じて連続的に測定し
た(図1)。結果は以下のとおりであつた。 最大表面張力 26.8〜50.3dynes/cm 最小表面張力 1.0〜13.5dynes/cm (b) 気液面拡散作用 37℃の生理食塩液の液面に、表面積1cm2あた
り0.8〜1.5μgの本発明合成サーフアクタント
を滴下し、120秒経過時の表面張力を垂直板法
により測定したところ、38.1〜52.9dynes/cm
であつた。 〔薬理学的性質〕 (a) 急性毒性 5週令の雄性ICR系マウスを用いて本発明サ
ーフアクタントの急性毒性を試験した。経口
LD50は2.7〜10.0g/Kg、腹腔内LD50は1.6〜5.0
g/Kgであつた。 (b) 誤咽由来無気肺における呼吸機能回復作用誤
咽由来無気肺を呈する10〜12週令のモルモツト
を用い、呼吸機能回復作用を試験した。試験
は、上述の無気肺モルモツト5匹を呼吸管理下
に1時間放置したのち、本発明合成サーフアク
タント80〜200mg/Kgを投与し、ついで3時間
放置して脱血屠殺し、その際の肺胞腔容量を測
定することにより行つた。正常群としては同週
令のモルモツト10匹をそのまま、対照群として
は無気肺モルモツト5匹を呼吸管理下に4時間
放置し、脱血屠殺してその際の肺胞腔容量を測
定した。誤咽由来無気肺モルモツトは体重1Kg
あたり37℃の生理食塩液35mlを用い、5分間隔
で5回肺洗浄することにより調製した。呼吸管
理はラツクマンらの方法(Acta
Anaesthesiologica Scandinavica 24巻 231
頁 1980年)に準じた。投与は本発明合成サー
フアクタントの濃度が2.0〜6.0%(w/v)に
なるように調整した生理食塩液懸濁液を気道内
に直接注入する方法を採用した。肺胞腔容量の
測定は、脱血屠殺したモルモツトの顎部を切開
し、露出させた気管に接続させた水マノメータ
ーを用い、気道内圧を増減することにより連続
的に行つた。気道内圧の増減は気管に接続させ
た2チヤンネル独立駆動シリンジポンプNo.940
(米国ハーバード社製)を用いて行つた。結果
は第1表に示すとおりであつた。
【表】 第1表から、本発明合成サーフアクタントは呼
吸機能を正常近くまで回復させたことが認められ
る。 以上に詳述した気−液界面活性及び薬理学的性
質から本発明合成サーフアクタントを有効成分と
する薬剤は肺表面活性物質喪失性無気肺、特に誤
咽由来無気肺の有用な治療剤ということができ
る。 本発明により提供される治療剤は1回投与量と
して、小児用には50〜1000mg、成人用には500〜
5000mgの本発明合成サーフアクタントを含有す
る。この用量を水又は生理食塩液に懸濁し、濃度
が2.0〜6.0%(w/v)になるように調整し、こ
れを呼吸障害発現直後乃至24時間以内に、気道内
に1〜10回注入又は噴霧させることにより使用す
る。そのほか、懸濁することなく、そのまま粉末
剤として直接、吸入させてもよい。用量、使用法
及び回数は患者の症状及び併用療法に応じて適宜
に変更してもよい。 本発明治療剤は必要に応じて安定剤、保存剤、
等張化剤、緩衝剤もしくは懸濁化剤等の医薬品添
加物又は気管支拡張剤もしくは殺菌剤を含有せし
めてもよい。剤形は液剤又は用時に懸濁して用い
る粉末剤が適当である。本発明治療剤はバイアル
瓶又はアンプル瓶等の密封容器内に充填され、無
菌製剤として保存される。 なお、本発明治療剤はTA−546又はS−TA処
置により呼吸機能の回復途次にある呼吸窮迫症候
群において、TA−546又はS−TAの代替薬又は
補助薬として使用することもできる。 実施例 1 クロロホルム−メタノール混合液(容量比4:
1)110mlに、無菌処理した1,2―ジパルミト
イルグリセロ―(3)―ホスホコリン90.0mg、1,2
―ジアシル―sn―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グ
リセロール(アシル基の炭素数14〜24個;シグマ
社製)10.0mg及びパルミチン酸10.0mgを加えて混
合溶解した。この溶液の溶媒を減圧留去し、得ら
れた残渣を水−エタノール混合液(容量比15:
1)40mlに40℃で30分間かけて懸濁し、ついでこ
れを−50℃で凍結させ真空度50〜90μmHgで36時
間乾燥したところ白色粉末の合成サーフアクタン
ト112.6mgを得た。総重量に対する各成分の含量
は1,2―ジパルミトイルグリセロ―(3)―ホスホ
コリンは79.9%(w/w)、1,2―ジアシル―
sn―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グリセロールは
8.9%(w/w)、パルミチン酸は8.9%(w/w)
及び水は2.3%(w/w)であつた。得られたサ
ーフアクタントの各作用は次のとおりであつた。
なお、誤咽由来無気肺における呼吸機能回復作用
の試験結果は、気道内圧5cmH2Oにおける肺胞
腔容量の平均値で表示した。以下の他の実施例に
おいても同様である。 表面張力低下作用 最大表面張力 26.8dynes/cm 最小表面張力 1.3dynes/cm 気液面拡散作用 120秒後 47.0dynes/cm 呼吸機能回復作用 肺胞腔容量(5cmH2O) 8.1ml/Kg 実施例 2〜4 1,2―ジパルミトイルグリセロ―(3)―ホスホ
コリン、1,2―ジアシル―sn―グリセロ―(3)―
ホスホ―sn―グリセロール及びパルミチン酸の各
使用量を上述の順に94.8mg、5.2mg及び7.6mg(実
施例2)、58.5mg、41.5mg及び8.4mg(実施例3)、
90.5mg、9.5mg及び36.2mg(実施例4)に変更した
以外は、操作等を上述実施例1と全く同様にし、
3種類の合成サーフアクタントを製造した。結果
は第2表に示したとおりであつた。
【表】 実施例 5 無菌処理した1,2―ジパルミトイルグリセロ
―(3)―ホスホコリン75.0mg、1,2―ジアシル―
sn―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グリセロール
(アシル基の炭素数14〜24個;シグマ社製)25.0
mg及びパルミチン酸20.0mgを室温でクロロホルム
−メタノール混合液(容量比2:1)100mlに溶
解して混合した。この溶液を減圧乾固し、得られ
た残査を45℃で20分間かけて水−エタノール混合
液(容量比9:1)35mlに懸濁した。この懸濁液
を−40℃で凍結させて真空度75〜90μmHgで24時
間乾燥し、合成サーフアクタント124.6mgを白色
粉末として得た。総重量に対する各成分の含量は
1,2―ジパルミトイルグリセロ―(3)―ホスホコ
リンは60.2%(w/w)、1,2―ジアシル―sn
―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グリセロールは
20.1%(w/w)、パルミチン酸は16.1%(w/
w)及び水は3.6%(w/w)であつた。 表面張力低下作用 最大表面張力 29.3dynes/cm 最小表面張力 7.5dynes/cm 気液面拡散作用 120秒後 50.1dynes/cm 呼吸機能回復作用 肺胞腔容量(5cmH2O) 8.4ml/Kg 実施例 6〜9 実施例5において、1,2―ジパルミトイルグ
リセロ―(3)―ホスホコリン75.0mgのかわりに、1
―パルミトイル―2―ステアロイルグリセロ―(3)
―ホスホコリン(実施例6)、1―ヘキサデシル
―2―パルミトイルグリセロ―(3)―ホスホコリン
(実施例7)又は1,2―ジヘキサデシルグリセ
ロ―(3)―ホスホコリン(実施例8)の各75.0mg、
更には1,2―ジパルミトイルグリセロ―(3)―ホ
スホコリン65.0mgと1,2―ジアシルグリセロ―
(3)―ホスホコリン混合物(アシル基の炭素数14〜
24個;シグマ社製)10.0mgとの混合物を使用した
以外は、他の二成分の使用量及び操作等を同様に
して行い、4種類の合成サーフアクタントを製造
した。結果を第3表に示す。
【表】 実施例 10〜12 実施例1において、1,2―ジアシル―sn―グ
リセロ―(3)―ホスホ―sn―グリセロール10.0mgの
かわりに、1,2―ジアシル―sn―グリセロ―(3)
―リン酸(アシル基の炭素数14〜24個;サーダリ
ー社製)(実施例10)、1,2―ジアシル―sn―グ
リセロ―(3)―ホスホ―L―セリン(アシル基の炭
素数14〜24個;シグマ社製)(実施例11)、1,2
―ジアシル―sn―グリセロ―(3)―ホスホ―(1)―L
―myo―イノシトール(アシル基の炭素数14〜24
個;サーダリー社製)(実施例12)の各10.0mgを
用いた以外は、他の二成分の使用量及び操作等を
同様にして行い、3種類の合成サーフアクタント
を製造した。結果を第4表に示す。
【表】 実施例 13〜18 実施例5において、パルミチン酸20.0mgのかわ
りに、ステアリン酸(実施例13)、パルミチン酸
ナトリウム(実施例14)、パルミチン酸エチルエ
ステル(実施例15)、パルミチン酸アミド(実施
例16)、ヘキサデシルアルコール(実施例17)又
はヘキサデシルアミン(実施例18)の各20.0mgを
使用したことを除き、他の二成分の使用量及び操
作等を同様にして行い、6種類の合成サーフアク
タントを製造した。結果を第5表に示す。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図1は生理食塩液の表面張力をアコマウイルヘ
ルミーバランス(アコマ医学工業(株)製)で測定
し、X−Yレコーダー・モデルRW−11(理化電
気工業(株)製)を用いて記録したヒステリシス曲線
を示す。斜線領域は本発明合成サーフアクタント
を37℃で表面積1cm3あたり1.0〜2.0μg滴下した
時のヒステリシス曲線の出現領域を、領域内の太
実線はその1実施例を意味する。縦軸は表面張力
を、横軸は測定時の最大表面積(54.0cm2)の百分
率で表わした表面積を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質及び
    脂肪酸類を主に含有し、総重量に対するこれらの
    含量がコリンホスホグリセリドは53.9〜87.8%
    (w/w)、酸性リン脂質は4.8〜38.2%(w/
    w)、脂肪酸類は7.0〜26.2%(W/W)であるこ
    とを特徴とする合成サーフアクタント。 2 コリンホスホグリセリドが1,2―ジアシル
    グリセロ―(3)―ホスホコリン、1―アルキル―2
    ―アシルグリセロ―(3)―ホスホコリン又は1,2
    ―ジアルキルグリセロ―(3)―ホスホコリンである
    特許請求の範囲1記載の合成サーフアクタント。 3 酸性リン脂質が1,2―ジアシル―sn―グリ
    セロ―(3)―リン酸、1,2―ジアシル―sn―グリ
    セロ―(3)―ホスホ―L―セリン、1,2―ジアシ
    ル―sn―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グリセロー
    ル又は1,2―ジアシル―sn―グリセロ―(3)―ホ
    スホ―(1)―L―myo―イノシトールである特許請
    求の範囲1又は2記載の合成サーフアクタント。 4 脂肪酸類が遊離脂肪酸、脂肪酸のアルカリ金
    属塩、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸アミド、
    脂肪アルコールもしくは脂肪族アミン又はこれら
    の二以上からなる混合物である特許請求の範囲
    1、2又は3記載の合成サーフアクタント。 5 コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質及び
    脂肪酸類を含有し、これらの含量がコリンホスホ
    グリセリドは53.9〜87.8%(w/w)、酸性リン
    脂質は4.8〜38.2%(w/w)、脂肪酸類は7.0〜
    26.2%(w/w)である合成サーフアクタント
    に、更に第四成分として特定蛋白質、多糖類、ア
    ミノ酸又はペプタイドをコリンホスホグリセリド
    1部に対し0.01〜0.1部の割合で添加して含有せ
    しめることを特徴とする合成サーフアクタント。 6 コリンホスホグリセリドが1,2―ジアシル
    グリセロ―(3)―ホスホコリン、1―アルキル―2
    ―アシルグリセロ―(3)―ホスホコリン又は1,2
    ―ジアルキルグリセロ―(3)―ホスホコリンである
    特許請求の範囲5記載の合成サーフアクタント。 7 酸性リン脂質が1,2―ジアシル―sn―グリ
    セロ―(3)―リン酸、1,2―ジアシル―sn―グリ
    セロ―(3)―ホスホ―L―セリン、1,2―ジアシ
    ル―sn―グリセロ―(3)―ホスホ―sn―グリセロー
    ル又は1,2―ジアシル―sn―グリセロ―(3)―ホ
    スホ―(1)―L―myo―イノシトールである特許請
    求の範囲5又は6記載の合成サーフアクタント。 8 脂肪酸類が遊離脂肪酸、脂肪酸のアルカリ金
    属塩、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸アミド、
    脂肪アルコールもしくは脂肪族アミン又はこれら
    の二以上からなる混合物である特許請求の範囲
    5,6又は7記載の合成サーフアクタント。 9 特定蛋白質がヒト血清アルブミン、牛血清ア
    ルブミン、ゼラチン、ヒトβ―グロブリン、ヒト
    血清β―リポプロテイン、牛血清β―リポプロテ
    イン、エラスチン又はミオグロビンである特許請
    求の範囲5,6,7又は8記載の合成サーフアク
    タント。 10 多糖類が顎下腺ムチン、キトペントース、
    コンドロイチン硫酸又はヒアルロン酸である特許
    請求の範囲5,6,7又は8記載の合成サーフア
    クタント。 11 アミノ酸がリジン、ロイシン又はプロリン
    である特許請求の範囲5,6,7又は8記載の合
    成サーフアクタント。 12 ペプタイドがポリグルタミン酸、ポリプロ
    リン、ポリロイシン、リジル―リジル―リジン、
    プロリル―フエニルアラニル―リジン、プロリル
    ―ヒスチジル―ロイシン、(プロリル―プロリル
    ―グリシン)5又はグルカゴンである特許請求の範
    囲5,6,7又は8記載の合成サーフアクタン
    ト。 13 コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質及
    び脂肪酸類を主に含有し、総重量に対するこれら
    の各成分の含量が上述の順に53.9〜87.8%(w/
    w)、4.8〜38.2%(w/w)、7.0〜26.2%(w/
    w)である合成サーフアクタントを有効成分とす
    ることを特徴とする肺表面活性物質喪失性無気肺
    の治療剤。 14 コリンホスホグリセリド、酸性リン脂質及
    び脂肪酸類を含有し、これらの含量がコリンホス
    ホグリセリドは53.9〜87.8%(w/w)、酸性リ
    ン脂質は4.8〜38.2%(w/w)、脂肪酸類は7.0〜
    26.2%(w/w)である合成サーフアクタント
    に、更に第四成分として特定蛋白質、多糖類、ア
    ミノ酸又はペプタイドをコリンホスホグリセリド
    1部に対し0.01〜0.1部の割合で添加して含有せ
    しめた合成サーフアクタントを有効成分とするこ
    とを特徴とする肺表面活性物質喪失性無気肺の治
    療剤。
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