JP5108515B2 - 肺サーファクタント及びtnf由来ペプチドを含有する組成物 - Google Patents

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Description

本発明は治療目的のための一定の公知有効化合物の組合せ物に関する。本発明による組合せ物で使用される化合物は、公知の肺サーファクタント及びTNFに由来する公知の有効化合物である。本発明の範囲での治療目的のためのそれらの組合せ使用は従来技術にまだ記載されていない。
従来技術
ARDS(成人性呼吸促迫症候群)は、種々の病因による多数の急性のびまん性浸潤性肺部病変であって、重度のガス交換疾患(特に動脈性低酸素血症)に関連する場合に適用される記述的表現である[G.R.Bernard et al.:Report of the American−European consensus conference on ARDS:Definitions,mechanisms,relevant outcomes and clinical trial coordination;Intensive Care Medicine,1994,20:225−232]。また表現ARDSは、臨床的特徴と病理学的特徴の多くが共通しているためIRDS(新生児呼吸促迫症候群)にも用いられる。IRDSの場合に、肺サーファクタント欠乏が早産によって引き起こされるのであれば、ARDSの場合に肺サーファクタント不全は種々の病因に基づく肺の疾病によって引き起こされる。ALI(急性肺損傷)、例えばARDSの引き金となる原因は、例えば[ハリソンの内科原理、第10版、1983年、McGraw−Hill Int.Book Comp(Harrison's Principles of Internal Medicine 10th Ed.1983 McGraw−Hill Int. Book Comp.)に従って引用される]びまん性肺感染(例えばウイルス、細菌、菌類による)、例えば胃液吸入又は溺れかけた時、毒物もしくは刺激物(例えば塩素ガス、窒素酸化物、煙)の吸引、直接的又は間接的な外傷(例えば多発骨折又は肺挫傷)、肺外の炎症に対する全身反応(例えば出血性膵炎、グラム陰性敗血症)、高血液容量の輸血又は選択的に心肺バイパス後である場合がある。ARDSを患った患者において、肺サーファクタント機能は損なわれているので、肺胞サーファクタント層は無気肺を抑えず、酸素化に必要な生理的肺機能が保持されない。
健康な肺においては、肺内皮は血管と組織間隙との間で流体、溶質、巨大分子及び細胞の交換を制御している。ARDSで多く見られる炎症により、内皮障壁は交換についてより許容性となり、それによって間質性と肺胞性の浮腫の形成が導かれる。この過程により、更に酸素化の障害に導かれる。
現在では、ARDSの療法は主に、種々の形の換気(例えば呼吸気の酸素濃度増大)ないし体外膜型酸素化装置をできる限り早期に適用することにある。種々の換気技術の特定の使用をもっても死亡率が少し低下されるに過ぎず、これは圧力を伴う高いFiO2(吸入酸素分圧;呼吸気中の酸素の割合)での換気により肺を損傷させる危険をはらんでいる。特に、肺が換気により損傷を受けたARDS患者は血液の適した酸素化を得るために更に高い圧力とより高いFiO2を必要とする。
サーファクタント機能はARDSにおいては損なわれているので、ARDSにおける肺機能と酸素化の改善のためにサーファクタント補充療法が考えられる。またIRDSの治療にあたり、肺サーファクタント調剤を当該児童の肺に導入することが適していると判明している。WO01076619号及びWO03033014号は、急性肺疾患、例えばARDS、IRDS又はALIの予防、早期治療又は治療のために肺サーファクタント調剤を使用することを記載している。
Lucas他[Lucas R et al.(1994)Science 263:814]は、初めて、アミノ酸配列CGQRETPEGAEAKPWYCを有する新規のTNF由来ペプチドを開示した。このペプチドはまた、浮腫、特に肺浮腫の治療におけるTNF由来ペプチドの使用を記載する国際特許出願WO0009149号の対象である。
発明の要旨
本発明の課題は、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫の治療のために適した医薬組成物を得ることである。
ここで驚くべきことに、肺サーファクタントとTNF由来ペプチドとの組合せ使用は、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫の治療に有用であることが判明した。
従って、本発明は、肺サーファクタントと、ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドとを含有する医薬組成物、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫の治療のための医薬品としてのその使用並びにその治療方法に関する。
従って、本発明は、第一の態様においては、肺サーファクタントの有効量と、ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドの有効量とを含有する医薬組成物に関する。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドの有効量とを含有する医薬組成物が提供される。
本発明の更なる態様においては、該医薬組成物のペプチドは、更にヒトのTNF−αのSer100〜Glu116の領域に由来する7〜17個もしくは11〜16個もしくは13〜15個の連続アミノ酸鎖又は14個のアミノ酸鎖によって特徴付けられる。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、QRETPEGAEAKPWYを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドの有効量とを含有する医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、CGQRETPEGAEAKPWYCを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドの有効量とを含有する医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つの合成ペプチドの有効量とを含有する医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つの環状ペプチドの有効量とを含有する医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つのペプチドの有効量とを含有し、該肺サーファクタントが、ポラクタントアルファ、ベラクタント、ボバクタント(BOVACTANT)、パルミチン酸コルフォセリル、サーファクタントTA、カルファクタント、プマクタント(PUMACTANT)、ルスプルチド(LUSUPULTIDE)及びシナプルチドからなる群から選択される医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つのペプチドの有効量とを含有する、医薬品として使用するための医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量と、(3)場合により製剤学的に認容性の担体とを含有する固定組合せ物(fixed combination)が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量と、(3)場合により製剤学的に認容性の担体とを固定組合せ物として含有する粉末形の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量と、(3)場合により製剤学的に認容性の担体とを固定組合せ物として含有する液体形の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量と、(3)場合により製剤学的に認容性の担体とを固定組合せ物として含有する気管内又は気管支内注入用の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量と、(3)場合により製剤学的に認容性の担体とを固定組合せ物として含有する吸入用の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体とを含有する自由組合せ物(free combination)が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体とを自由組合せ物として含有する、液体形の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体とを自由組合せ物として含有する、粉末形の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体とを自由組合せ物として含有する、気管内又は気管支内注入用の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、(1)肺サーファクタントの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体と、(2)前記のペプチドの一つのペプチドの有効量及び場合により製剤学的に認容性の担体とを自由組合せ物として含有する、吸入用の医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つのペプチドの有効量とを含有する、医薬品として使用するための医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つのペプチドの有効量とを含有する医薬組成物を、ALI、IRDS、ARDS及び肺浮腫からなる群から選択される疾患の治療用の医薬品の製造のために用いる使用が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つのペプチドの有効量とを含有する医薬組成物を、ARDS、IRDS、ALI及び肺浮腫からなる群から選択される疾患の治療のために用いる使用が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫を治療するにあたり、それを必要とする患者に、肺サーファクタントの有効量と、前記のペプチドの一つのペプチドの有効量とを含有する医薬組成物の有効量を投与することによって治療する方法が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫を治療するにあたり、それを必要とする患者に、(1)肺サーファクタントの有効量と、(1)CGQRETPEGAEAKPWYCのアミノ酸を有する環状ペプチドの有効量とを含有する医薬組成物の有効量を同時に投与することによって治療する方法が提供される。
本発明のもう一つの態様においては、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫を治療するにあたり、それを必要とする患者に、(1)肺サーファクタントの有効量と、(1)CGQRETPEGAEAKPWYCのアミノ酸を有する環状ペプチドの有効量とを含有する医薬組成物の有効量を、連続的に、時間的に接近して又は時間的に離して、任意の順序で投与することによって治療する方法が提供される。
発明の詳細な説明
本発明の発明主題は、肺サーファクタントとTNF由来ペプチドとを含有する組合せ物並びにこの組合せ物をARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫の治療において用いる使用である。
従って、本発明は、肺サーファクタントの有効量と、ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸]を有するアミノ酸によって特徴付けられるペプチドの有効量とを含有する医薬組成物並びにこれらの単独の化合物をARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫の治療のために組み合わせて用いる使用に関する。
本発明において有用な"肺サーファクタント"は、天然の肺サーファクタントと同じ界面活性特性(天然の肺サーファクタントは、例えば肺胞中の表面張力を下げる)を有することが知られている任意の化合物又は肺サーファクタント調剤であってよい。
肺サーファクタントの界面活性を測定できる簡単かつ迅速な生体内試験は、例えばいわゆるウィルヘルミーバランスである[Goerke,J.Biochim.Biophys.Acta,344:241−261(1974),King R.J.and Clements J.A.,Am.J.Physicol.223:715−726(1972)]。この方法は肺サーファクタントの質についての情報を与え、これはほぼゼロmN/mの表面張力を達成する肺サーファクタント作用として測定される。肺サーファクタントの界面活性を測定するためのもう一つの測定装置は、脈動気泡表面張力計(pulsating bubble surfactometer)[Possmayer F.et al.,Prog.Resp.Res.,Ed.v.Wichert,Vol.18:112−120(1984)]である。肺サーファクタント調剤の活性は、例えばHafer他[D.Haefner et al.:急性肺損傷のラット肺洗浄モデルにおける酸素化と組織学に対するrSP−Cサーファクタントの効果(Effects of rSP−C surfactant on oxygenation and histology in a rat lung lavage model of acute lung injury.)Am.J.Respir.Crit.Care Med.1998,158:270−278]によって記載されるように生体内試験によって測定することもできる。
本発明において肺サーファクタントとして有用に使用できる公知の肺サーファクタント調剤とそれらの修飾物の群は、例えば天然の肺サーファクタントの機能を有する肺サーファクタント調剤である。有利な肺サーファクタント調剤は、例えば前記の試験において活性を有するものである。特に有利な肺サーファクタント調剤は、かかる試験において天然の、特にヒトの肺サーファクタントと比較して高められた活性を示すものである。この関連で、これらは、リン脂質のみを含有する組成物であるが、リン脂質の他に、とりわけ付加的に肺サーファクタントタンパク質を含有する組成物であってもよい。
本発明による有利なリン脂質は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、パルミトイルオレイルホスファチジルグリセロール(POPG)及び/又はホスファチジルグリセロール(PG)である。特に有利には、リン脂質は、種々のリン脂質の混合物、特にジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)及びパルミトイルオレイルホスファチジルグリセロール(POPG)の、有利には7対3〜3対7の比の混合物である。
肺サーファクタント調剤として挙げることができる市販製品は、
・ クロサーフ(登録商標)(CUROSURF)(INN:ポラクタントアルファ(PORACTANT ALFA))(セロノ医薬研究所(Serono, Pharma GmbH)、Unterschleissheim)、均質化されたブタ肺由来の天然のサーファクタント;
・ サーバンタ(登録商標)(SURVANTA)(INN:ベラクタント)(アボット・ゲーエムベーハー(Abbott GmbH)、ヴィースバーデン)、ウシ肺の抽出物;
・ アルベオファクト(登録商標)(ALVEOFACTO)(INN:ボバクタント(BOVACTANT))(ベーリンガーインゲルハイム)、ウシ肺の抽出物;
・ エキソサーフ(登録商標)(EXOSURF)(INN:パルミチン酸コルフォセリル)(グラクソスミスクライン)、賦形剤を含有する合成リン脂質;
・ サーファクテン(登録商標)(INN:サーファクテンTA)(三菱ウェルファーマ株式会社)、ウシ肺から抽出された肺サーファクタント;
・ インファサーフ(登録商標)(INFASURF)(INN:カルファクタント(CALFACTANT)(フォレスト・ファーマシューティカル(Forest Pharmaceutical))、仔ウシ肺から抽出されたサーファクタント;
・ アレック(登録商標)(ALEC)(INN:プマクタント(PUMACTANT))(ブリタニア・ファーマシューティカル(Britannia Pharmaceutical)、DPPCとPGの人工サーファクタント;及び
・ ブレス(登録商標)(BLESS)(ブレス・バイオケミカル・インク(BLES Biochemical Inc.))、ウシ脂質抽出物サーファクタント
である。
好適な肺サーファクタントタンパク質は、天然源、例えば肺洗浄又は羊水からの抽出により得られるタンパク質、及び遺伝子工学又は化学合成によって製造されるタンパク質の両者である。本発明によれば、特にSP−B(サーファクタントタンパク質B)及びSP−C(サーファクタントタンパク質C)と呼ばれる肺サーファクタントタンパク質並びにそれらの修飾誘導体に関心が持たれる。これらの肺サーファクタントタンパク質のアミノ酸配列、それらの単離又は遺伝子工学による製造は公知である(例えばWO8603408号、EP0251449号、WO8904326号、WO8706943号、WO8803170号、WO9100871号、EP0368823号及びEP0348967号)。ヒトのSP−Cとは幾つかのアミノ酸置換によって異なる、SP−Cと呼ばれる肺サーファクタントの改質誘導体は、例えばWO9118015号及びWO9532992号に記載されている。この関連で特に強調されるべきは組み換えSP−C(rSP−C)誘導体であり、これらはWO9532992号に記載され、特にヒトのSP−Cとは4位と5位においてシステインがフェニルアラニンに置換され、かつ32位においてメチオニンがイソロイシンによって置換されることで異なっている[そこではrSP−C(FF/I)又はルスプルチド(LUSUPULTIDE)(INN)又はベンチキュート(登録商標)(VENTICUTE)と呼ばれる]。肺サーファクタントタンパク質の改質誘導体は、例えばEP0593094号及びWO9222315号に記載されるような、肺サーファクタントタンパク質に関連して完全に最初から設計されたアミノ酸配列を有するタンパク質を意味するとも解される。有利には、この関連でポリペプチドKL4(INN:シナプルチド、サーファキシン(登録商標))を挙げることができる。本発明による肺サーファクタントタンパク質という名称は、種々の肺サーファクタントタンパク質の混合物も含むものである。EP0100910号、EP0110498号、EP0119056号、EP0145005号及びEP0286011号では肺サーファクタントタンパク質を含有するリン脂質組成物と該タンパク質を含有しないリン脂質組成物とが記載されており、これらは同様に調剤の成分として適している。
肺サーファクタント調剤中に存在してよい更なる成分として、脂肪酸、例えばパルミチン酸が挙げられる。肺サーファクタント調剤は、有利な粘性を達成するために、電解質、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩及び/又はナトリウム塩(例えば塩化カルシウム、塩化ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウム)を含有してもよい。本発明による有利な肺サーファクタント調剤は、80〜85質量%のリン脂質、0.5〜3.0質量%の肺サーファクタントタンパク質、3〜15質量%の脂肪酸、有利にはパルミチン酸及び0〜3質量%の塩化カルシウムを含有する。
肺サーファクタント調剤は、自体公知の方法及び当業者によく知られた方法、例えばWO9532992号に記載された方法によって製造される。本発明によれば、肺サーファクタント調剤は、有利には凍結乾燥された、特に噴霧乾燥された肺サーファクタント調剤である。凍結乾燥された調剤は、例えばWO9735882号、WO9100871号及びDE3229179号に開示されている。WO9726863号は、噴霧乾燥により粉末化された肺サーファクタント調剤の製造方法を記載している。本発明によれば、前記のように製造された調剤が好ましい。
本発明による医薬組成物で使用することができるTNF由来ペプチドは、ヒトのTNF−αのSer100〜Glu116の領域又はマウスのTNF−αのSer99〜Glu115の領域の7〜17個の連続アミノ酸鎖、有利には11〜16個の連続アミノ酸鎖、より有利には13〜15個の連続アミノ酸鎖、最も有利には14〜16個の連続アミノ酸鎖を有するペプチドである。これらのペプチドは、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫の治療用の医薬品の製造のために肺サーファクタントと組み合わせて使用することができる。
特に、本発明におけるペプチドは、ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドである。殊に、本発明におけるTNF由来ペプチドは、ヘキサマーが配列TPEGAEを有するペプチドである。特に、アミノ酸QRETPEGAEAKPWY、例えばCGQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドが好ましい。前記ペプチドは、Lucas他[Lucas R et al.(1994)Science 263:814]によって記載されている。CGQRETPEGAEAKPWYCは、肺サーファクタントと組み合わせて、線状又は環状の形態のいずれにおいても使用することができる。
従って、本発明によれば、用語"ペプチド"は、Lucas他[Lucas R et al.(1994)Science 263:814]によって記載される、レクチン様親和性を有する溶トリパノソーマ性TNFドメインに由来するアミノ酸(aa)のポリマーに関連するものである。更に、その用語は、ヒトのTNF−αのSer100〜Glu116の領域又はマウスのTNF−αのSer99〜Glu115の領域に由来する7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個又は17個の連続アミノ酸のポリマーに関連するものである。
殊に、前記用語"ペプチド"は、前記TNF領域のヘキサマーTPEGAEを有するペプチド又は前記ヘキサマーの相応のアミノ酸T、E及びE(これらはLucas他[Lucas R et al.(1994)Science 263:814]によって3つの決定的なアミノ酸であると示されている)を有する任意のペプチドに関するものである。
更に、本発明は、肺サーファクタントと、前記のTNF由来ペプチドの環状ペプチドとを有する医薬組成物に関する。殊に、本発明は、肺サーファクタントとTNF由来ペプチドとを含有し、該ペプチドは、NH2末端及びCOOH末端のアミノ酸をシステインと置換して、それらのシステイン間でジスルフィド結合を形成させることによって環状となっている医薬組成物に関する。これに関して、本発明は、肺サーファクタントとTNF由来ペプチドとを含有し、該環状ペプチドが、Lucas他[Lucas R et al.(1994)Science 263:814]によって記載されるCGQRETPEGAEAKPWYCである医薬組成物に関する。
本発明は、前記のTNF領域に由来する任意のペプチドに関するものであり、ペプチドの翻訳後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化、脂肪酸による修飾などを排除するものでないことが明りょうにされるべきである。本発明に含まれるのは、例えばアミノ酸(非天然アミノ酸を含む)の1種又は複数種のアナログを有するペプチド、置換された結合を伴うペプチド、ペプチドの天然配列の選択肢の突然変異型、システイン残基間にジスルフィド結合並びに当該技術分野で公知の他の修飾を有するペプチドである。
本発明のペプチドは、当該技術分野で公知の任意の方法、例えばHouben−Weyl[Houben−Weyl Methods of Organic Chemistry.Synthesis of Peptides and Peptidomimetics(M.Goodman,A.Felix,L.Moroder,C.Toniolo,Eds]によって記載される古典的な化学合成によって、又はMolecular Cloning[Houben−Weyl Methods of Organic Chemistry.Synthesis of Peptides and Peptidomimetics(M.Goodman,A.Felix,L.Moroder,C.Toniolo,Eds),Georg Thieme Veriag,Stuttgart and New York,2003]において、特にLucas他[Lucas R et al.(1994)Science 263:814]によって記載される組み換えDNA技術を用いて製造することができる。
用語"浮腫"は、結合組織又は漿液腔における(漿)液の任意の過剰な蓄積に関連するものである。特に、前記の用語は、"肺浮腫"に関連するものである。
本発明によれば、肺浮腫は、肺血管から間質腔と腺胞腔への液体の移行(間質性浮腫又は肺胞性浮腫)を特徴とする。それらの発生に基づいて、浮腫は静水圧性浮腫(hydrostatic edema)と透過性浮腫(permeability edema)に分けることができ、その際、静水圧性浮腫は心臓性由来(高血圧)を有し、そして透過性浮腫は肺中の気道/血管界面での内皮細胞及び/又は上皮細胞の透過性をより高める変化後に生ずる。従って、表現"肺浮腫を治療する"とは、肺血管から間質腔と腺胞腔への液体の移行の前記の機構を部分的に又は完全に後退させ、静水圧性浮腫と透過性浮腫の両方を後退させる任意の介入、療法、状態又は変化を指す。
表現"組合せ使用"(又は"組合せ物")は、肺サーファクタントと本発明のペプチドとを、これらの治療剤の相互作用から有用な効果を提供することを意図した特定の治療計画の一部として投与することを含む。これらの治療剤を組合せ物として投与することは、一般に規定の期間(通常は、選択された組合せ物に依存して、分、時間、日又は週)にわたり実施される。"組合せ使用"は、一般に、これらの治療剤の2つを、本発明の組合せ物を偶発的かつ恣意的にもたらす別個の単独療法計画の一部として投与することを含む意図はない。
本発明の範囲内での"組合せ使用"又は"組合せ物"は、組合せ物の個々の成分を同時に(組合せ医薬品の形で − "固定組合せ物")又は、大体同時にあるいは連続的に(別個の個装から − "自由組合せ物";直接連続的にか、あるいは選択的に比較的長い時間間隔で)自体公知かつ慣用の様式で投与できることを意味すると解されるべきである。例としては、一方の治療剤を朝に摂取し、そしてもう一方をその日中に摂取してよい。また、別の筋書きでは1種の治療剤を一日一回投与し、もう一方を1週間に二回投与してよい。個々の成分を直接連続的に投与するのであれば、第二の成分の投与の遅延は、その組合せ物の有用な治療効果を失わないようにするべきであると解される。
本発明は、本願に記載される本発明の特定のかつ有利な態様の全ての組合せ物を含むと解釈されるべきである。このように、本発明は明らかに、肺サーファクタントの例として本願に挙げた全ての化合物又は調剤を指し、そしてペプチドとして本願に挙げた全ての化合物を指し、そして全ての考えられる必然的な組合せ物を指す。特に、肺サーファクタントとペプチドとの組合せ物の好ましい例としてあげられる組合せ物は以下の通りである:
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ルスプルチドとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ルスプルチドとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、ルスプルチドとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、ルスプルチドとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、ルスプルチドとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ポラクタントアルファとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ポラクタントアルファとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、ポラクタントアルファとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、ポラクタントアルファとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、ポラクタントアルファとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ベラクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ベラクタントとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、ベラクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、ベラクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、ベラクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ボバクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ボバクタントとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、ボバクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、ボバクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、ボバクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、パルミチン酸コルフォセリルとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、パルミチン酸コルフォセリルとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、パルミチン酸コルフォセリルとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、パルミチン酸コルフォセリルとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、パルミチン酸コルフォセリルとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、サーファクタントTAとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、サーファクタントTAとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、サーファクタントTAとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、サーファクタントTAとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、サーファクタントTAとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、カルファクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、カルファクタントとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、カルファクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、カルファクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、カルファクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、プマクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、プマクタントとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、プマクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、プマクタントとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、プマクタントとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ブレスとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ブレスとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、ブレスとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、ブレスとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、ブレスとの組合せ、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、シナプルチドとの組合せ、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、シナプルチドとの組合せ、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、シナプルチドとの組合せ、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、シナプルチドとの組合せ、並びに
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、シナプルチドとの組合せ。
特に、
− ヘキサマーTX1EX23E[式中、X1、X2及びX3は、任意の天然アミノ酸又は非天然アミノ酸であってよい]を有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ルスプルチドとの組合せ使用、
− ヘキサマーTPEGAEを有するアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドと、ルスプルチドとの組合せ使用、
− アミノ酸QRETPEGAEAKPWYを有するペプチドと、ルスプルチドとの組合せ使用、
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有するペプチドと、ルスプルチドとの組合せ使用、又は
− アミノ酸CQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドと、ルスプルチドとの組合せ使用
が好ましい。
各治療剤を多かれ少なかれ同時に投与することは、例えばそれを必要とする患者に、各治療剤の固定比率を有する溶解された治療剤の注入として又はエーロゾル化された液体として又は乾燥粉末として気管内又は気管支内の投与によって実施できる。
それぞれの治療剤を、連続的に、時間的に接近して又は時間的に離して投与することは、任意の好適な経路によって、例えばこれらに制限されないが、気管内又は気管支内注入又は吸入によって行うことができる。治療剤は、同じ経路又は異なる経路によって投与してよい。例えば、肺サーファクタントを、気管内又は気管支内注入によって投与する一方で、ペプチドを吸入によって投与することができる。治療剤を投与する順序は厳密には重要ではない。
肺サーファクタントの投与の最も有利な経路は、液体形で又はエーロゾル化された液体として又は乾燥粉末としての注入による気管内経路又は気管支内経路である。また、肺サーファクタントは、エーロゾル化された液体又は乾燥粉末の形で吸入によって投与される。肺サーファクタントの乾燥粉末製剤は、有利には噴霧乾燥法によってWO9726863号に記載のように製造される。
本発明のペプチドの投与の最も有利な経路は、液体形で又はエーロゾル化された溶液として又は乾燥粉末としての注入による気管内経路又は気管支内経路である。
肺サーファクタント調剤を気管内又は気管支内で投与する場合に、10〜100mgのリン脂質を1mlの懸濁液中に含有する本発明による調剤の懸濁液又は溶液を投与することが好ましいことが判明している。有利には、本発明による調剤は、1回服用あたり、リン脂質の量が体重kgあたり10〜400mgとなる量で投与される。一般に、投与は1〜7日の期間にわたり一日1〜3回実施される。使用される肺サーファクタント懸濁液又は溶液が0.5〜2.0mgのrSP−C(FF/I)を1mlの溶剤あたりに含有する方法が好ましい。使用される肺サーファクタント溶液が0.75〜1.5mgのrSP−C(FF/I)を1mlの溶剤あたりに含有する方法が特に挙げられる。
一般に、本発明におけるペプチドは、1μg/kg〜10mg/kg、より有利には10μg/kg〜5mg/kg、最も有利には0.1〜2mg/kgの用量で投与される。気管内又は気管支内注入の場合に、本発明におけるペプチドは、1〜10mg/ml/kg(体重)の用量で、特に有利には1〜2mg/ml/kg(体重)の用量で投与される。本発明におけるペプチドを、エーロゾルとして又は気管内噴霧によって投与する場合に、該ペプチドは、1〜10mg/ml/kg(体重)の用量で、特に有利には1〜2mg/ml/kg(体重)の用量で投与される。
それにもかかわらず、適切には時として、主に体重又は投与形路の種類に依存して、該薬剤に対する個体の挙動に依存して、その配合の様式に依存して、かつ投与が行われる時間又は間隔に依存して前記の量から逸脱する必要もある場合がある。このように、幾つかの場合には、前記の最少量未満で十分に扱われうるが、他の場合には前記の上限を超過する必要がある。比較的多量を投与する場合には、これらを一日にわたって幾つかの個々の用量に分けることが望ましくもある。
気管内又は気管支内注入又は吸入を意図する固定の医薬組成物の場合には、治療剤を配合して、自体公知の方法及び当業者によく知られた方法に従って医薬品が得られる。該治療剤は、医薬品として、有利にはNaClのような塩と組み合わせて、有利には0.9%NaClにおいて使用され、その際、該治療剤含量は、全容量の0.1〜95質量%である。
気管内又は気管支内注入を意図する自由な医薬組成物の場合には、治療剤を配合して、自体公知の方法及び当業者によく知られた方法に従って医薬品が得られる。それぞれの治療剤は、医薬品として、有利にはNaClのような塩と組み合わせて、有利には0.9%NaClにおいて使用され、その際、該治療剤含量は、全容量の0.1〜95質量%である。
本発明の治療剤は、当該技術分野で知られる様々な方法によって投与できるが、多くの治療的服用のためには、有利な投与形路は、肺サーファクタントと本発明によるペプチドとの固定組合せ物であって、その際、該組合せ製品は乾燥粉末もしくはエーロゾルとして吸入により又は液体の気管内もしくは気管支内注入によって投与される。幾つかの治療的服用のために、肺サーファクタントと本発明によるペプチドとを、自由組合せ物として投与することが好ましいことがあり、その際、有利な投与形路は、単独の液体製剤の気管支内注入である。
治療剤は、個々の用量に慣例のオーダーで投薬される。治療剤の個々の作用が相互に良い影響を及ぼし、こうして治療剤を組み合わせて投与するとそれぞれの用量は通常と比較して少なくすることができる。
効用
本発明による肺サーファクタントとペプチドとの組合せを有する医薬組成物は、これらの有効成分を単独で1つ含有する医薬組成物と比較して優れた効果を示す。
第一に、驚くべきことに、予測されない治療作用、特に相乗作用が、肺サーファクタントと本発明によるペプチドとをARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫を患う患者に投与することによって見られることが判明した。例えば、肺サーファクタントと本発明によるペプチドとを、酸素化の優れた回復のために、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫を患うそれを必要とする患者において組み合わせて使用することによって可能である。肺サーファクタントと本発明のペプチドとの組合せ物の相乗効果を実施例5と図1で概説されたインビボ研究によって示した。
第二に、改善された酸素化の結果として、肺サーファクタント単独で使用した場合と比較して、患者の身体能力に大きな改善をもたらす。
第三に、本発明の組合せ物の前記の相乗効果のために、肺サーファクタントの量は、本発明におけるペプチドと組み合わせて使用した場合に、大きく低減することができる。肺サーファクタントは比較的高価でも、本発明におけるペプチドは化学合成により費用を削減して製造できるので、ARDS、IRDS、ALI又は肺浮腫を患う患者の治療コストを大きく減らすことができる。
第四に、本発明の組合せ製品を、ARDS,IRDS、ALI又は肺浮腫を患う患者の治療のために用いた場合に、肺サーファクタントを、例えば注入によって服用することに関連する不快感の頻度を、肺サーファクタント単独を使用した場合と比較して減らすこともできる。
第五に、肺サーファクタントと本発明のペプチドの組合せ物の使用が、ARDS又はIRDSに罹う患者が換気されるのに必要とされる時間を減らすことが判明し、そうして、肺サーファクタントと本発明のペプチドの組合せ物の投与によって換気の副作用を回避することができ、例えば患者に対する院内感染又は肺炎の危険性を肺サーファクタントを単独で使用したのと比較して低減することができる。
最後に、単一のパッケージ中に全治療コースを含む"患者パック(patient pack)"の形で一回の有効成分の組合せ物を規定するのに好ましいことが分かった。この手順は、本発明の医薬組成物のためにも適用できる。患者パックは、薬剤師が大量の供給品から患者の医薬品支給分を分配する古典的な処方より好ましく、その際、患者は、常に患者パックに含まれる、古典的な処方において通常であれば見逃すような添付文書に到達する。添付文書を内包することは医師の指示との患者のコンプライアンスを改善し、従って一般により効果的な治療をもたらすことになる。患者に本発明の正しい使用を説明する添付文書を含む、単一の患者パッケージ又は各成分の化合物の複数の患者パッケージによる本発明の組合せ物の投与は本発明の望ましい付加的な特徴であり、これはそれぞれ単独の成分の投与と比較して患者のコンプライアンスを高めるものと解される。
図面の説明
図1:環状ペプチドCGQRETPEGAEAKPWYC(=TIP)とルスプルチドとの組合せ投与が動脈血酸素化にもたらす影響
実施例5に開示されるようにして、雄のウィスターラットを準備した。NaCl0.9%(白抜きの丸)、ルスプルチド12.5mgPL/kg(黒塗りの四角)、環状ペプチドCGQRETPEGAEAKPWYC(=TIP)500μg/動物(星型)又はルスプルチド12.5mgPL/kgとTIP500μg/動物との組合せ物(白抜きの四角)を、気管内投与した(投与量は1.2mL、溶剤NaCl0.9%)。動脈血酸素化(PaO2)を薬剤投与(t=210分)後150分まで30分ごとに測定した。NaCl及びTIPの単独投与は酸素化に影響を有さないが、ルスプルチド12.5mgPL/kgは酸素化を約200〜300mmHgにまで改善した。両者の薬剤の組合せ物、つまりTIP500μg/動物を含有するルスプルチド12.5mgPL/kgの組合せ物により、酸素化回復における大きな相乗効果が示された。データは平均±SEMとして示す。*p<0.05、***p<0.001、ルスプルチド12.5mgPL/kgに対して。
実施例
本発明によれば、以下の実施例で使用される用語"TIP"は、アミノ酸配列CGQRETPEGAEAKPWYCを有する本発明の環状ペプチドを指す。
実施例1:気管支内注入用のルスプルチドとTIPとの固定組合せ物
9.8gの1,2−ジパルミトイル−3−sn−ホスファチジルコリン、4.2gの1−パルミトイル−2−オレオイル−3−sn−ホスファチジルグリセロールアンモニウム、0.7gのパルミチン酸、0.36gの塩化カルシウム及び0.28gのrSP−C(FF/I)を820mlの2−プロパノール/水(90:10)中に溶解させ、そしてBuechi B 191型の研究室用噴霧乾燥器中で噴霧乾燥させる。噴霧条件:乾燥ガスは窒素、入口温度は110℃、出口温度は59〜61℃。微粉末が得られ、これを超微粉砕できる。180mgのTIPを、0.9%の塩化ナトリウム180mL中に溶解させる。この溶液に15.34gのサーファクタント組成物を添加し懸濁させる。ヒトにおける単独服用のために、1ml/kg(体重)の前記懸濁液を気管支鏡の案内により気管支内注入することができる。
実施例2:気管内噴霧用のルスプルチドとTIPとの固定組合せ物
9.8gの1,2−ジパルミトイル−3−sn−ホスファチジルコリン、4.2gの1−パルミトイル−2−オレオイル−3−sn−ホスファチジルグリセロールアンモニウム、0.7gのパルミチン酸、0.36gの塩化カルシウム及び0.28gのrSP−C(FF/I)を実施例1に記載のように噴霧乾燥する。360mgのTIPを、0.9%の塩化ナトリウム180mL中に溶解させる。この溶液に15.34gのサーファクタント組成物を添加し懸濁させる。ヒトにおける単独服用のために、1ml/kg(体重)の前記懸濁液をAeroneb Pro型エーロゾル発生器(Aerogen Inc.,Stierlin Court,CA)によって噴霧することができる。
実施例3:気管内注入用のベラクタントとエーロゾル投与用のTIPとの自由組合せ物
ヒトにおける単独服用のために、市販のベラクタント(サーバンタ(登録商標))を100mg/kgで気管内に、0.9%塩化ナトリウム中の懸濁液であって、25mgのリン脂質を1mL(11.0〜15.5mg/mLの二飽和ホスファチジルコリン、0.5〜1.75mg/mLのトリグリセライド、1.4〜3.5mg/mLの遊離脂肪酸及び1.0mg/mL未満のタンパク質からなる)あたりに含有する懸濁液として投与する。この服用を、1回又は複数回のTIP投与と組み合わせる。従って、TIP2mg/mLを、0.9%の塩化ナトリウム中に溶解させる。ヒトにおける単独服用のために、1ml/kg(体重)の前記懸濁液をAeroneb Pro型エーロゾル発生器(Aerogen Inc.,Stierlin Court,CA)によって噴霧することができる。
実施例4:気管内注入用のポラクタントと気管内注入用のTIPペプチドとの自由組合せ物
ヒトにおける単一服用のために、市販のポラクタントアルファ(クロサーフ(登録商標))は、気管内に100〜200mg/kgで投与される。懸濁液1mLあたりの組成:ブタ肺由来のリン脂質分画80mg/mL、約74mg/mLの総リン脂質と同等及び0.9mg/mLの低分子量の疎水性タンパク質。この服用を、1mg/mlの0.9%塩化ナトリウム中に溶解されたTIP1mg/kgの1回又は複数回の気管内投与と組み合わせる。
実施例5:アミノ酸配列CGQRETPEGAEAKPWYCを有する環状ペプチドとルスプルチドとの組み合わせ投与が、ラットにおける生理食塩水による繰り返しの肺洗浄後の動脈血酸素化にもたらす影響
雄のウィスターラット(230〜280g)に麻酔をかけ、カテーテルを挿入して、動脈血を採取し、純粋酸素(=>PaO2 〜 500〜550mmHg)で換気した。30分後に、NaCl0.9%(=>PaO2 〜 50〜100mmHg)により肺洗浄を5〜9回行った。60分後に、NaCl0.9%、ルスプルチド12.5mgPL/kg、TIP(500μg/動物)又はルスプルチド(12.5mgPL/kg)とTIP(500μg/動物)との組合せ物を、気管内に投与した(投与量1.2mL、溶剤NaCl0.9%)。動脈血酸素化(PaO2)を薬剤投与(t=210分)後150分まで30分ごとに測定した。
図1は、環状ペプチドCGQRETPEGAEAKPWYC(=TIP)とルスプルチドとの組合せ投与が動脈血酸素化にもたらす影響を示すグラフである

Claims (21)

  1. 肺サーファクタントの有効量と、環状ペプチドであるCGQRETPEGAEAKPWYCアミノ酸配列によって特徴付けられるペプチドの有効量とを含有する、酸素化の回復を必要とする患者における、酸素化の回復のための医薬組成物。
  2. 肺サーファクタントが、ポラクタントアルファ、ベラクタント、ボバクタント、パルミチン酸コルフォセリル、サーファクタントTA、カルファクタント、プマクタント、ルスプルチド又はシナプルチドからなる群から選択される、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 肺サーファクタントが、ルスプルチドである、請求項2記載の医薬組成物。
  4. 固定組合せ物として、
    − 肺サーファクタントの有効量と、
    − ペプチドの有効量
    を含有する、請求項1〜3までのいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. さらに、製剤学的に認容性の担体を含有する、請求項4記載の医薬組成物。
  6. 粉末製剤である、請求項4または5記載の医薬組成物。
  7. 液体製剤である、請求項4または5記載の医薬組成物。
  8. 気管内又は気管支内注入用の固定医薬組成物である、請求項4または5記載の医薬組成物。
  9. 吸入用の固定医薬組成物である、請求項4または5記載の医薬組成物。
  10. 自由組合せ物として、
    − 肺サーファクタントの有効量と、
    − ペプチドの有効量
    を含有する、請求項1〜3までのいずれか1項記載の医薬組成物。
  11. さらに、肺サーファクタントのための製剤学的に認容性の担体と、
    ペプチドのための製剤学的に認容性の担体
    を含有する、請求項10記載の医薬組成物。
  12. 肺サーファクタントとペプチドが液体形で製剤化されている、請求項10または11記載の医薬組成物。
  13. 肺サーファクタントとペプチドが粉末形で製剤化されている、請求項10または11記載の医薬組成物。
  14. 気管内又は気管支内注入用の自由医薬組成物である、請求項10〜13までのいずれか1項記載の医薬組成物。
  15. 吸入用の自由医薬組成物である、請求項10から13までのいずれか1項記載の医薬組成物。
  16. ペプチドが、合成ペプチドである、請求項1から15までのいずれか1項記載の医薬組成物。
  17. 請求項1から16までのいずれか1項記載の医薬組成物を、ALI(急性肺損傷)、IRDS(新生児呼吸促迫症候群)、ARDS(成人性呼吸促迫症候群)及び肺浮腫からなる群から選択される疾患の治療用の医薬品の製造のために用いる使用。
  18. 請求項1から16までのいずれか1項記載の医薬組成物を、酸素化の回復を必要とする患者における、酸素化の回復のための医薬品の製造のために用いる使用。
  19. 酸素化の回復を必要とする患者が、ALI、IRDS、ARDS及び肺浮腫からなる群から選択される疾患を患う患者である、請求項1から16までのいずれか1項記載の医薬組成物。
  20. 請求項17または18記載の使用において、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)ペプチドの有効量とを、それを必要とする患者に同時に投与する使用。
  21. 請求項17または18記載の使用において、(1)肺サーファクタントの有効量と、(2)ペプチドの有効量とを、連続的に、時間的に接近して又は時間的に離して、任意の順序でそれを必要とする患者に投与する使用。
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