JPH0286406A - 気泡含有水硬性物質の成形方法及び成形装置 - Google Patents

気泡含有水硬性物質の成形方法及び成形装置

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JPH0286406A
JPH0286406A JP23844488A JP23844488A JPH0286406A JP H0286406 A JPH0286406 A JP H0286406A JP 23844488 A JP23844488 A JP 23844488A JP 23844488 A JP23844488 A JP 23844488A JP H0286406 A JPH0286406 A JP H0286406A
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JP
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slurry
air bubbles
filtration layer
dense
water
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Application number
JP23844488A
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English (en)
Inventor
Iwazo Seo
瀬尾 岩三
Yoshihisa Matsunaga
佳久 松永
Tokio Kitagawa
北川 外喜夫
Motohiro Kondo
近藤 基宏
Yasuhiro Takimoto
滝本 康裕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AICHI JUTAKU KOGYO KK
Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
AICHI JUTAKU KOGYO KK
Misawa Homes Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、家屋建築用パネル、土木用パネル、模造石、
美術工芸品等のコンクリート製品或いは石膏製品等の成
形に係り、特に、軽量気泡コンクリートのように気泡を
含んだスラリーすなわち気泡含有水硬性物質の成形方法
及び成形装置に関する。
(従来の技術) 近年、建築、土木業界等においては、建築・土木用パネ
ルの軽量化と断熱性の向上等を図る目的で、気泡コンク
リート(ALC)が多用されるようになってきた。この
気泡コンクリートは、通常金属アルミ粉をセメントスラ
リー中に混入し、セメントスラリーの凝結途中にガス発
泡させるポストフオーム法や、予め界面活性剤等による
気泡をつくりセメントスラリーに混入するプレフォーム
法等によって成形体全体がほぼ均一な気泡分散状態で製
造されている。このような気泡が均一に分散されたコン
クリートは、表面に防水塗装を施したり、防水性を付加
する添加剤を加えることにより、防水性能の向上を図っ
ている。
(発明が解決しようとする課題〕 気泡が均一に入ったコンクリートは、軽量で断熱性が高
く、吸音性がよい長所を有する反面、強度が低く、製造
時や施工時に欠は易い。また、吸水性が非常に大きいた
め、雨水の浸入と凍結によるひび割れ等の凍害の危険性
や、浸入水による配筋の防錆性能の低下、さらには吸水
と乾燥の繰り返しに伴う長さ変化等による耐久性の低下
等の欠点がある。このため、前述の防水塗装等を十分に
行わねばならず、その処理が煩雑であるばかりでなく、
コスト高を招くという欠点がある。
また、スラリー状原料の流し込み成形では、流し込み時
に発生する空気溜まりが型枠面に残ったり、特に気泡コ
ンクリートでは含有する気泡が型枠面で合体し、外観上
及び塗装上支障のある大きな気泡が発生することがある
という問題点がある。
ところで、気泡コンクリート、例えば軽量気泡コンクリ
ートへのタイル張りは、従来手張りによる後付は工法が
用いられ、施工現場で下地処理材、張付はモルタル、目
地材等を使用して積み上げ張りや圧着張り等の方法で取
り付けられている。このため、下地処理材の塗布等の作
業工程が多く、作業が煩雑であり、作業コストが高いと
いう問題点がある。
一方、タイルの先付は工法は、コンクリートを打設する
際、予め型枠側にタイルをセットしておき、その上にコ
ンクリートを注型して養生した後、コンクリートにタイ
ルが一体化された状態で脱型させる方法である。この工
法は、作業を簡単に実行でき、低コストであることから
プレキャストコンクリート等に使用されている。
しかし、気泡コンクリートにタイル等の壁面被固着部材
を固定する際、このような先付は工法を使用すると、タ
イル等の目地部に露出した気泡コンクリートが吸水し、
前述と同様に凍害や鉄筋の発錆等の問題が生じたり、気
泡コンクリート自体が低強度のために、タイル等に衝撃
が加わった場合、タイル等が剥離、脱落する可能性があ
るという問題点がある。
このため、気泡コンクリートにおいて先付は工法でタイ
ル等を貼ることは、母材表面の強度の問題でタブー視さ
れており、コスト高という問題があるにも拘らず、前述
の後付は工法が採用されている。従って、気泡コンクリ
ートにおいても、タイル等の壁面被固着部材を先付は工
法で固着できる方法の開発が望まれている。
また、表面強度等の問題は、前記気泡コンクリートのみ
に限られず、モルタル、石膏、その他の水硬性物質に気
泡を含有させて軽量化等を図る場合にも同様である。
本発明の目的は、気泡含有水硬性物質における表面強度
及び表面防水性を強化でき、欠け、凍害等の問題を生じ
させない成形方法及び成形装置を提供するにある。
本発明の他の目的は、前記表面強度を高めることにより
、気泡含有水硬性物質にタイル等の壁面被固着部材を固
着する場合、先付は工法を適用できるようにした成形方
法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の成形方法は、気泡含有水硬性物質の表面から所
定深さにわたり、気泡を除去あるいは減少させて成形体
表面近傍に中心部よりも高比重の緻密層を形成すること
によって表面強度及び表面防水性を高めることができる
点に着目してなされたもので、表面近傍の気泡を減少さ
せる手段として水硬性物質のスラリーの鋳型面から、あ
る一定時間だけ気泡を減圧吸引した後養生硬化させたも
のである。これにより、スラリー成形体は表面組成が緻
密となり、内方に至るに従い順次粗となって、所定深さ
より中心部は一般の気泡含有水硬性物質と同様な気泡含
有状態となるインテグラルスキン(表面硬度漸変)成形
体を得、−aの気泡含有水硬性物質における軽量という
利点を残しつつ、表面強度の強化を図ったものである。
具体的には、型枠内に、非加圧時には通気性のみを有し
一方加圧時には通気性及び通水性を有し且つスラリー原
料はほとんど通過させない濾過層を介して減圧吸引室を
形成し、この減圧吸引室に減圧手段を連結し、前記濾過
層を挟んで減圧吸引室とは反対側の型枠内に気泡を含む
水硬性物質のスラリーを注入した後、前記減圧手段を所
定時間作動させてスラリーの濾過層に接する鋳型面から
水及び気泡を吸引し、鋳型面表面のスラリーは気泡のほ
とんどない高比重スラリーとし、鋳型面からスラリー内
方に至るに従い残留気泡が多くなるスラリーを形成し、
この後養生硬化させて表面組成が緻密で内方に至るに従
い順次粗となるインテグラルスキン成形体を得ることを
特徴とする気泡含有水硬性物質の成形方法である。
本発明において、前記減圧手段の作動時間は、スラIJ
 −!、9型面から気泡が吸引されて成形体中心部より
高比重とされる緻密層の厚さが、成形体の厚さの2〜5
0%の厚さになるに必要十分な時間とすることが好まし
い。
また、本発明において、スラリーの注入前に前記濾過層
上にタイル等の壁面被固着部材を所定間隔で配置するこ
とにより、タイル等の先付は工法を気泡含有水硬性物質
の成形方法に適用できる。
本発明の成形装置は、型枠内に、スラリー原料に接する
側の表面の開口寸法が1〜20μmで、この表面とは反
対側の面に連通ずる連通孔を有する板状部材からなる濾
過層を介して減圧吸引室を形成し、この減圧吸引室に減
圧手段を連結したことを特徴とする。
〔作用〕
本発明において、減圧手段によるスラリー鋳型面に作用
する減圧は、21v過層の作用により全面で均−且つ比
較的ゆるやかに行われ、鋳型面近傍のスラリー性状が・
適正に保持される。この減圧により、スラリーから順次
余剰水と気泡とが排除され、スラリーは各所でほぼ均一
な厚みで緻密化されて緻密層が形成され、この繊密層は
、余剰水と気泡との排除の影響をほとんど受けない中心
部の気泡含有スラリーと明確な界面を持たず、緻密層と
気泡含有層とが連続的に遷移した成形体とされる。
しかも、減圧手段による減圧は、スラリーの流動性が富
む所定時間内において、緻密層の形成範囲が必要十分と
なる所定時間とされるため、成形体の中心部には一般の
気泡含有成形体と同様の気泡が残留され、気泡含有水硬
性物質成形体としての軽量という利点が維持される。
なお、本発明において減圧手段による減圧は、スラリー
側からみれば濾過層に対し加圧となっており、これらの
減圧あるいは加圧は濾過層にとっては、同一の意味を有
している。また、本発明において、気泡を含む水硬性物
質のスラリーとは、スラリー中に気泡がプリフォーム法
により予め含まれているものに限らず、ポストフオーム
法により含まれるものも包含している。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下の各実施例において、同一もしくは相当構成部分に
は同一符号を用い、重複部分の説明は省略もしくは簡略
にする。
第1図〜第3図には本発明の第一実施例が示されている
。本実施例の装置の全体構成を示す第1図において、型
枠10は、上部型枠11と下部型枠15とから構成され
ている。上部型枠11は略角筒状に形成されるとともに
、外壁12と多数の貫通孔13Aを有する内壁13とか
らなる二重壁構造とされ、これらの外、内壁12.13
により減圧吸引室14が形成されている。一方、下部型
枠15は、偏平箱状に形成されるとともに、その外形が
上部型枠110角簡の外形と一敗するようにされ、且つ
、底壁16と多数の貫通孔17Aを有する上壁17とを
有する二重壁構造とされ、さらに、これらの底、上壁1
6,17の間に減圧吸引室18が形成されている。
型枠10内において、上部型枠11の内壁13及び下部
型枠15の上壁17に沿って濾過層20が形成されてい
る。濾過層20は、減圧透水板21とこの減圧透水板2
1上に被覆されるシート22とから構成されている。
減圧透水板21は、砂、小石等を適宜なバインダーで接
続して透水性を有する板状に形成され、シート22を補
強するものである。この減圧透水半反21としては、例
えば目の粗いグラインダー砥石あるいは軽石等を想像す
ればよい。
また、シート22は、減圧透水板21と適宜箇所で通気
性接着剤23により接着されている・このシート22は
、型′枠10内に注入されるコンクリート、モルタル、
石膏等の水硬性物質のスラリー30に対し次のような性
質を有している。すなわち、離型性が良く、延びに優れ
、スラリー30の濾過層20に接する鋳型面31への密
着性、転写性が良く、前記減圧吸引室14.18が吸引
減圧状態にあるとき(加圧時)、通気性及び通水性を有
し、水硬性物質のスラリー30から気泡の排出及び余剰
水の排水をでき、且つ、この吸引によってもスラリー3
0の粉体原料がほとんど流出しない濾過機能を有し、さ
らに、吸引を停止した場合(非加圧時)には、通気性の
みを有し、通水性がない性質を有している。シート22
の具体的構造としては、軟質塩化ビニル、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエステル、ナイロン
、フッ素樹脂、シリコン樹脂等の合成繊維か、もしくは
オイル、ワックス、シリコン等の離型剤を表面に塗布さ
れた天然繊維(紙を含む)からなり、開口寸法が主とし
て1〜20・μmの連通孔を有する織物または不織布等
から構成されている。
より具体的には、ポリプロピレンスパンポンド不織布(
商品名ニストラチック;出光石油化学■製)等が用いら
れる。この際、シート22としては薄層として認識して
もよい。
前記上部型枠11の上面には断面り字形のスラリー過給
壁25が上部型枠11の全周に沿って設けられ、スラリ
ー30を上部型枠11の上面より所定高さだけ過給でき
るようになっている。この際、過給されるスラリー30
の上縁30Aは、図中破線で示されるように、過給壁2
5の頂縁25Aより幾分盛り上がった状態となるように
されている。
前記上、下部型枠11.15の減圧吸引室14゜18に
は二股の管路41が接続され、この管路41には減圧側
バルブ42及び水分離タンクであるトラップ43を介し
て減圧手段としての真空ポンプ44が接続されるととも
に、加圧側パルプ45を介して加圧手段としてのコンプ
レッサ46が接続されている。これにより、減圧吸引室
14.18は真空ポンプ44による減圧と、コンプレッ
サ46による加圧とができるようになっている。
このように構成された本実施例の装置を用いて第2図に
示される成形体35を形成する作用につき説明する。
濾過層20を挟んで減圧吸引室14.18とは反対側の
型枠10内に、プレフォーム法あるいはポストフオーム
法により気泡36を含んだ水硬性物質のスラリー30を
注入する。このスラリー30の注入量は、スラリー過給
壁25の頂縁25Aの位置まで注入する。この注入後、
真空ポンプ44を駆動するとともに、バルブ42を開き
、減圧吸引室14.18を減圧し、濾過M20を介して
スラリー30内の気泡36の吸引及び余剰水の排出を行
う。減圧吸引室14.18に吸引された気泡36の空気
及び余剰水は、トラップ43により気水が分離され、余
剰水はこのトラップ43内に溜まり、空気は真空ポンプ
44を介して排出される。この真空ポンプ44による空
気及び余剰水の排出は、所定時間行われた後、停止され
る。この所定時間とは、スラリー30を型枠10で成形
して得られる成形体35の板厚に対し、気泡36の空気
が排出されて高比重に形成される緻密層35A(第3図
参照)の厚さが2〜50%となるに必要十分な時間とさ
れている。
このようにして、真空ポンプ44の作動により吸引され
る気泡36の空気及び余剰水の水は、鋳型面31すなわ
ち前記シート22に接しているスラリー30の面のほぼ
全面から均−且つ鋳型面31の近傍以外のスラリー30
の性状が破壊されない程度のゆるやかさで排出される。
すなわち、吸引速度が速すぎるとスラリー30から排出
される水の流出速度が速くなりすぎ、スラリー30中に
いわゆる「す」が発生する可能性があるからである。こ
の吸引速度は、スラU −30の材質や厚さ等の形状に
より適宜選択される。空気及び余剰水が排出されると、
スラリー30のシート22に接する鋳型面31A側には
、第3図に拡大して示されるように気泡36の含有量が
少ない緻密N35Aが所定深さにわたり形成され、この
緻密層35Aより内側には通常の気泡含有1135Bが
形成される。この際、緻密層35Aは、鋳型面31側の
ほとんど気泡36を含有しない状態から、通常の気泡含
有層35B側に至るに従い、順次気泡含有量が増加した
状態とされ、この緻密層35Aから気泡含有層35Bへ
は明確な界面を持たず、緻密JE!135Aと気泡含有
層35Bとが連続的に遷移した状態の成形体35とされ
ている。換言すると、スラリー成形体35は、表面組成
である緻密層35Aが緻密で、内方に至るに従い順次粗
となるインテグラルスキン成形体となっている。
このようにして所定時間気泡36を吸引され、表面に緻
密WA35Aを形成されたスラリー30は、型枠10か
ら脱型され、図示しないオートクレーブ等に入れられて
養生硬化される。
なお、前記脱型にあたり、コンプレッサ46を作動させ
るとともに、加圧側パルプ45を開放してスラリー30
の鋳型面31を濾過層20を介して減圧吸引室14.1
8側から加圧してやり、脱型を円滑に行う。
このような本実施例によれば、次のような効果がある。
すなわち、本実施例の成形体35は、鋳型面31に面し
た成形体表面部分はど、吸引により緻密質となり、表面
から離れるにしたがって残留気泡が多くなって成形体3
5の大半は本来の気泡含套水硬性物質の多孔質状態を保
持した構造(インテグラルスキン状の構造)となるため
、従来とほぼ同様な軽量化を期待できる。また、このよ
うなインテグラルスキン状の成形体35を成形すること
により、表面強度が従来の2〜3倍に増大し、製造過程
における欠は等の製造不良率が減少し、施工中及び施工
後の物理的衝撃にも強くなり、建築用パネル等としての
耐力も増大する。また、従来行われているように、緻密
な板状体と多孔質体とを密着接合した複合パネルでは、
両者の熱膨張率の差、弾性率の違い等により密着面に集
中応力がかかり、層間剥離を起こす危険があるのに対し
、本実施例によるインテグラルスキン状の一体成形体3
5の場合は、緻密層35Aから多孔質の気泡含有層35
Bへ連続的に遷移しているため二層間の応力が緩和され
、眉間剥離を起こさず、耐久性能を高くできる。さらに
成形体35の表面が緻密化されたことにより、耐水性能
を向上させることができる。これは、同一素材の場合、
比重と吸水率とは一般に反比例の関係にあるから、本実
施例では表面側の比重を上げることによって吸水率を下
げるようにしたものである。この耐水性の向上により、
これまで気泡コンクリート等の気泡含有水硬性物質によ
る成形体の最大の欠点であった吸水や、それに伴う凍害
、配筋の発錆等を他の特性を損なうことなく防止できる
。また、緻密層35Aを成形体35の厚さの2〜50%
、好ましくは10〜20%程度にすることにより、従来
の気泡コンクリート等の特徴である軽量、断熱性、吸音
性を大きく損なうことなく、前記各特性を効率良く付加
できる。また、スラリー30の注入時において、鋳型面
31にできやすい空気の巻き込みによる泡も、吸引室1
4.18における吸引によって排除することができるか
ら、緻密で平滑性のよい美麗な表面性状を備えた成形体
35を得ることができる。さらに、成形体35の脱型に
当たり、加圧手段としてのコンプレッサ46を駆動して
加圧側バルブ45を介して減圧吸引室14.18を加圧
するようにしたから、成形体35の脱型を促進すること
ができる。
ス」L倒」− 次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例1
につき説明する。
第1図に示す型枠10を用いる。この型枠10において
、各貫通孔13A、17Aは、直径10mmで20 m
m間隔に設けられ、これらの貫通孔13A、17Aを形
成された内壁13及び上壁17上にi!!置される減圧
透水板21は、平均孔径0゜5圓、空隙率30%、厚さ
10賦の連通多孔質板とされ、さらにこの減圧透水板2
1上に通気性接着剤23を介して接着されるシート22
は、平均孔径15μm、空隙率25%、厚さ100μm
のポリ塩化ビニル系樹脂製の多孔質フィルムとされてい
る。この際、シート22としては、より具体的には、市
販されている紙おむつの吸湿剤を覆うシート(表面材)
と同様なシート、スポーツウェアの基布と同様なシート
、あるいは生ごみの処理等に使う透水性シート等と同様
な製品が用いられる。
このような型枠10内に注入される気泡含有水硬性物質
としては、表−1に示される原料を用いる。
表−1 前記表−1の原料を用いた水硬性物質のスラリー30す
なわち気泡コンクリートスラリーは、プレフォーム法で
比重が0.7〜0.8となるように調整してスラリー過
給壁25の頂縁25Aまで注型する。注型後、ただちに
真空ポンプ44を作動し、減圧用バルブ42を解放する
と、スラリー30はシート面すなわち鋳型面31から気
泡36を吸引され、次第に緻密1?i35Aが形成され
る。
本実験では吸引を2分間行い、この2分経過後にバルブ
42を閉じた。この吸引により、スラリー30の表面水
位すなわち上縁30Aは、スラリー過給壁25の頂縁2
5Aから約15+nm低下した状態となった。
このようにして形成された成形体35には、表面緻密層
35Aが約10mm形成された。この表面緻密化された
気泡コンクリートの成形体35の脱型の際には、コンプ
レッサ46を作動し、脱型を促進させた。
このようにして脱型した気泡コンクリート成形体35を
オートクレーブで180°C18時間養生して作られた
気泡コンクリートは、緻密面を引張り側に配置して曲げ
強度試験を行ったところ、緻密面を形成しなかった通常
の気泡コンクリートに比べ、約3倍の強度が得られた。
また、250mm水柱の圧力下で透水試験をしたところ
、通常の気泡コンクリートに比べ、50〜100分の1
の透水量で済み、表面に防水塗装を施した通常の気泡コ
ンクリートとほぼ同等の性能を有していることが確認さ
れた。
次に、本発明の第二実施例を第4図に基づいて説明する
本実施例は濾過層20の構成を変更したものである。す
なわち、本実施例では、上部型枠11の内壁及び下部型
枠15の土壁を設けることなく、これらの内壁及び土壁
に相当する部分に直接濾過層20を配置したものである
本実施例における濾過層20は、シート22の形状補強
用として所定メツシュの金網24を張設して形成され、
全体として板材からなる箱状に形成されている。また、
下部型枠15内には通気孔15Aを有する支持壁15B
が立設され、前記金網24を支持するようになっている
。さらに、本実施例においては、水分離用タンクである
トラップ43と減圧手段としての真空ポンプ44との間
に調圧タンク47及び調圧バルブ48を設け、この調圧
バルブ4日を制御するとともに調圧タンク47内の圧力
を検出する真空度針49を設けている。
このように構成された第二実施例においても、前記第一
実施例と同様の作用効果を奏することができる。また、
本実施例では調圧タンク47を設けたことにより、吸引
室14.18内の減圧度合を常に適正に保持することが
できるという効果を付加できる。従って、この減圧度合
い調整することによって、スラリー30の注入時にもポ
ンプ44で吸引動作を行い、シート22を介して型枠1
0内を空気を吸引しておき、スラリー30が空気を巻き
込まないようにすることもできる。また、濾過層20の
構造が簡単となり、濾過層20を安価に提供できるとい
う効果も付加できる。
遺りW准LL 次に、本実施例の効果を確認するためなされた実験例2
について説明する。
実験例2では第4図の型枠1oを用い、金網24のメツ
シュを100メツシユとした。シート22は、実験例1
と同様に平均孔径15μm、空隙率25%、厚さ100
μmのポリ塩化ビニル系樹脂製の多孔質フィルムシート
を用いた。また、気泡コンクリートスラリーも、実験例
1に示される表−1と同様なスラリー30を用い、調圧
タンク47内は、真空度針49により制御される調圧バ
ルブ48を調整し、700 Torrの圧力を保つよう
にして気泡36の吸引を行った。
このようにして気泡36を吸引されたスラリー30の成
形状態及び性能は、実験例1と同様であり、その養生硬
化した成形体35も同様な性能が得られた。
次に、本実施例の第三実施例を第5図及び第6図に基づ
いて説明する。
本実施例は、成形体35内に壁面被固着部材としてのタ
イル61を一体に成形したものである。
本実施例における型枠10を構成する上部型枠11には
減圧吸引室は形成されず、下部型枠15にのみ減圧吸引
室1日が形成されている。また、下部型枠15には上壁
が形成されることがなく、土壁が形成される部分には濾
過層20を構成する減圧透水板21が配置されている。
この減圧透水板21上にはシート22が通気性接着剤2
3により固定され、この減圧透水板21及びシート22
からなる濾過層20上には壁面被固着部材としてのタイ
ル61が所定間隔で載置されている。
なお、下部型枠15には前記第一実施例と同様に管路4
1、減圧側バルブ42)トラップ43を介して真空ポン
プ44が接続され、トラップ43には真空度針49が設
けられている。
このような構成において、上部型枠11内にスラリー3
0を打設して、その直後に真空ポンプ44を一時的に作
動して吸引室18を減圧し、前記実施例と同様にスラリ
ー30から気泡36及び余剰水を吸引する。これにより
、前記各実施例と同様に第6図に示すように緻密層35
A及び通常の気泡含有135Bを存する成形体35が形
成される。この際、成形体35の緻密層35A内にはタ
イル61が一体に固着される。また、これらのタイル6
1間には緻密層35Aで構成されるタイル目地部62が
形成されている。
前記緻密層35Aは、第6図に示されるように、タイル
61が介在されることにより、タイル61の近傍と目地
部62の近傍ではその厚さすなわち深さが異なっている
。すなわち、目地部62においては、成形体35の図中
下面すなわち鋳型面31から寸法Aだけ緻密層35Aが
形成され、一方、タイル61の部分ではタイル61の内
面から寸法B (<A)だけ緻密層35Aが形成される
。また、タイル目地部62の周辺は、前記実施例と同様
に、緻密層35Aと成形体内部の気泡含有N35Bとが
界面を作らず、連続的に緻密化すなわち高比重化されて
いる。
このような本実施例によれば、タイル目地部62の周辺
が緻密化された状態で形成され、この緻密j1535A
内にタイル61が埋設された状態で養生硬化されるから
、軽量気泡コンクリートにタイル先付は工法を適用して
も、タイル61が成形体35から剥離するようなことが
ない、また、本実施例においても、前記実施例と同様に
気泡コンクリートにおける軽量性、断熱性、吸音性等の
特長を保持したままタイル先付は工法ができ、施工工程
及び施工期間の短縮が図れる。さらに、従来の気泡コン
クリートの先付は工法で難点とされていた表面の耐水性
、表面強度が大幅に改善され、且つ、安価に成形体35
を提供できるという効果がある。
なお、本実施例において、壁面被固着部材であるタイル
61は、成形体35内にほとんど全部が埋設される必要
はなく、少なくとも一部が埋設されていれば、前述の固
着強度の増加という効果は十分に発揮できる。
一部」L桝」− 次に、本実施例の効果を確認するため行った実験例3に
つき説明する。
本実験例に用いられる減圧透水板22は、実験例1と同
様に平均孔径0.5I1m、空隙率30%、厚さ10I
III11とされ、シート22も前記実験例1と同様に
平均孔径15μm、空隙率25%、厚さ100μmのポ
リ塩化ビニル系樹脂製の多孔質フィルムシートが用いら
れる。タイル61としては、厚さ7+nm、縦95胴、
横45閣の乾式タイルが用いられ、目地幅が5mで整列
配置される。スラリー30としては、前記実験例1にお
ける表−1と同一組成の原料を用い、プリフォーム法で
作成したものを用いる。
吸引条件は、真空度肝49が60Torrを指した状態
で3分間吸引し、その後養生硬化させる。
このように形成された成形体35は、タイル目地部62
の部分における緻密層35Aの厚さAが16mm、タイ
ル61の裏面の厚さBが51111であり、これらの緻
密層35Aの比重は約1.2で、多孔質N35Bの比重
0.5であった。また、緻密層35Aと気泡含有層35
Bとの間には明瞭な界面は見られなかった。
この成形体35を用い、タイル目地部62の表面で25
0m水柱圧の透水試験を行ったところ、24時間で1o
mLか浸透せず、耐水性が確認できた。また、IKgの
おもりを1.5mの高さから成形体35のタイル面に落
下させる衝撃試験では、本実験例の成形体35はタイル
61が全て一体化して剥離が全くなく、一方、比較例と
して実験した単なる気泡コンクリートへのタイル先付は
工法で製作したものはタイルが剥落した。
次に、第7図及び第8図により本発明の第四実施例を説
明する。
本実施例では、第三実施例におけるタイル目地部62の
内方に防錆処理を施した所定直径、例えば直径5mmの
鉄製の金網65を配置して成形体35を形成したもので
あり、緻密層35Aがこの金網65により補強されたも
のである。
なお、本発明は、前記各実施例に限定されるものではな
く、本発明の目的を達成し得る範囲での変形は、本発明
に含まれるものである。
例えば、型枠10は、上部型枠11と下部型枠l5とに
分離して設けるものに限らず、両者を一体に設けるもの
であってもよい、また、気泡含有水硬性物質としては、
気泡コンクリートに限らず、美術工芸品等においては、
石膏等も用いることができ、さらにはモルタル等も用い
ることができる。
また、濾過層20としても、前記各実施例の構成に限定
されるものではなく他の構成でもよく、例えば、減圧透
水板21を設けずともシート22だけで十分な強度と濾
過性とを付与できれば、透水板21は必ずしも設けなく
てもよい、一方、シート22を用いず、減圧透水板21
だけで濾過層20としての必要性能を満足できれば、シ
ート22を用いなくてもよい、従って、濾過層20にお
いて、スラリー原料に接する側の表面の開口寸法が1〜
20μmでこの表面とは反対側の面に連通ずる連通孔と
は、濾過層20が一体物であるか、シート22と透水板
21との別体物であるとかを問わず、濾過1!20全体
として実質的に前記形状の孔であればよい、さらに、第
三、第四実施例において壁面被固着部材としては、タイ
ル61に限らず、砕石、ガラス板、その他を用いること
ができ、成形体35の表面に意匠性、その他の目的で固
着される部材であってもよい。
〔発明の効果〕
前述のような本発明によれば、気泡コンクリート等の気
泡含有水硬性物質の軽量性という特質をほぼ保持したま
ま、表面強度を高めることができるという効果がある。
また、タイル等の壁面被固着部材の先付は工法に適用し
ても、壁面被固着部材の剥離等を有効に防止できるとい
う効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第一実施例を示すもので、第
1図は本実施例装置の概略断面図、第2図は第一実施例
の装置により形成された成形体の断面図、第3図は第2
図の丸で囲む■部の拡大図、第4図は本発明の第二実施
例を示す装置の断面図、第5図は本発明の第三実施例を
示す装置の断面図、第6図は第三実施例の装置により形
成された成形体の断面図、第7図は本発明の第四実施例
を示す装置の概略断面図、第8図は第四実施例により形
成された成形体の断面図である。 第1図 10・・・型枠、14・・・減圧吸引室、18・・・減
圧吸引室、20・・・濾過層、21・・・減圧透水板、
22・・・シート、24・・・金網、30・・・水硬性
物質のスラリ31・・・鋳型面、35・・・成形体、3
5A・・・緻密層、35B・・・気泡含有層、36・・
・気泡、44・・・減圧手段としての真空ポンプ、61
・・・壁面被固着部材としてのタイル、62・・・タイ
ル目地部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)型枠内に、非加圧時には通気性のみを有し一方加
    圧時には通気性及び通水性を有し且つスラリー原料はほ
    とんど通過させない濾過層を介して減圧吸引室を形成し
    、この減圧吸引室に減圧手段を連結し、前記濾過層を挟
    んで減圧吸引室とは反対側の型枠内に気泡を含む水硬性
    物質のスラリーを注入した後、前記減圧手段を所定時間
    作動させてスラリーの濾過層に接する鋳型面から水及び
    気泡を吸引し、鋳型面表面のスラリーは気泡のほとんど
    ない高比重スラリーとし、鋳型面からスラリー内方に至
    るに従い残留気泡が多くなるスラリーを形成し、この後
    養生硬化させて表面組成が緻密で内方に至るに従い順次
    粗となるインテグラルスキン成形体を得ることを特徴と
    する気泡含有水硬性物質の成形方法。
  2. (2)特許請求の範囲第1項において、前記減圧手段の
    作動時間は、スラリー鋳型面から気泡が吸引されて成形
    体中心部より高比重とされる緻密層の厚さが成形体の厚
    さの2〜50%の厚さになるに必要十分な時間とされて
    いることを特徴とする気泡含有水硬性物質の成形方法。
  3. (3)型枠内に、非加圧時には通気性のみを有し一方加
    圧時には通気性及び通水性を有し且つスラリー原料はほ
    とんど通過させない濾過層を介して減圧吸引室を形成し
    、この減圧吸引室に減圧手段を連結し、前記濾過層上に
    所定間隔で壁面被固着部材を配置するとともに、濾過層
    を挟んで減圧吸引室とは反対側の型枠内に気泡を含む水
    硬性物質のスラリーを壁面被固着部材の少なくとも一部
    を包含するように注入した後、前記減圧手段を所定時間
    作動させてスラリーの濾過層に接する鋳型面から水及び
    気泡を吸引し、鋳型面表面近傍のスラリーは気泡のほと
    んどない高比重スラリーとし、鋳型面からスラリー内方
    に至るに従い残留気泡が多くなるスラリーを形成し、こ
    の後養生硬化させて表面組成が緻密で内方に至るに従い
    順次粗となるインテグラルスキン成形体を得ることを特
    徴とする気泡含有水硬性物質の成形方法。
  4. (4)型枠内に、スラリー原料に接する側の表面の開口
    寸法が1〜20μmでこの表面とは反対側の面に連通す
    る連通孔を有する板状部材からなる濾過層を介して減圧
    吸引室を形成し、この減圧吸引室に減圧手段を連結した
    ことを特徴とする気泡含有水硬性物質の成形装置。
  5. (5)特許請求の範囲第4項において、前記濾過層は、
    水硬性物質のスラリーに対し離型性を有する繊維質素材
    を前記連通孔を有するように形成してなるシートと、こ
    のシートを支持する板状に形成された剛体の多孔質透水
    部材とから構成されたことを特徴とする気泡含有水硬性
    物質の成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100406213B1 (ko) * 2000-05-26 2003-11-17 마츠시다 덴코 가부시키가이샤 브러시가 부착된 드라이어

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JPS5226525A (en) * 1975-08-27 1977-02-28 Obayashi Gumi Kk Production of foam plastics concrete body
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