JPH0285343A - 疲労強度の優れた肌焼鋼 - Google Patents

疲労強度の優れた肌焼鋼

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JPH0285343A
JPH0285343A JP23589688A JP23589688A JPH0285343A JP H0285343 A JPH0285343 A JP H0285343A JP 23589688 A JP23589688 A JP 23589688A JP 23589688 A JP23589688 A JP 23589688A JP H0285343 A JPH0285343 A JP H0285343A
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JP
Japan
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steel
fatigue
less
strength
carburizing
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JP23589688A
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Inventor
Mitsuo Uno
宇野 光男
Fukukazu Nakazato
中里 福和
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば自動車、土木建設機械、産業機械に使
用される歯車、シャフト等の機械部品に使用される肌焼
鋼に関するものである。
(従来の技術及びその課題) 通常、肌焼鋼は機械加工後、浸炭焼入れ、焼戻しを行い
、自動車部品の歯車やシャフトとして使用される。
しかし、最近はエンジンの高出力化に伴い疲労強度の優
れた肌焼鋼が必要となってきており、従来使用されてい
たJIS規格の肌焼鋼(SCr420、SCr420等
)では最近の高出力エンジンには対応できず、歯元疲労
、歯面疲労による破壊が生じる。
従って、最近の高出力エンジンに対応できる高疲労強度
の肌焼鋼を開発することが産業上きわめて重要となって
きた。
また、最近コスト低減のため短時間浸炭が望まれている
短時間浸炭を可能とするためには、高温にて浸炭処理を
行う必要があるが、従来使用されていた肌焼@ (JI
S 5Cr420、SCM420等)では、925〜9
30°Cが限界であり、それ以上の温度で浸炭処理を施
すと、結晶粒が粗大化し、熱処理歪を生じるという問題
があった。
本発明は上記した従来の問題点を解決し、優れた疲労強
度を有し、またこれと共に短時間浸炭を可能とした肌焼
鋼を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは前記従来技術の問題点を解決すべく種々検
討を重ねた結果、肌焼鋼の化学組成を厳密に制御するこ
とにより、従来技術では到底達成できなかった高温疲労
強度及びこれと短時間浸炭を満足する肌焼鋼を見出した
のである。
すなわち、本発明の重要な改良点は、先ず請求項1につ
いては、 ■ 鋼中のSis Mn、 Crの含有量を同時に3元
素とも低く抑える。
且つ、 ■、1中のPとSの含有量を同時に低く抑える或いはP
またはSの含有量を低く抑える。
更に、 ■ 鋼中にNbを添加する。
ことである。
次に、請求項2については、 ■°綱中のSi、 Mn、 Crの含有量を3元素とも
同時に低く抑える。
■′鋼中にNbを添加する。
■′銅鋼中Nb、 Nの2元素を同時に添加する。
ことである。
本発明者等は、浸炭処理した歯車やシャフトの破壊事例
を詳細に調査した結果、歯面疲労は旧オーステナイト粒
界に沿って破壊した粒界破壊であることを、また歯元疲
労は浸炭処理工程中の浸炭異常層(粒界酸化及び不完全
焼入層からなる)の生成と密接な関係にあることを突止
めた。
更に歯面疲労の粒界破壊の起点は表層部の浸炭異常層で
あることを突止めた。
そして、浸炭異常層は請求項1及び2については上記■
及び■、又は■°及び■°を実施することにより、完全
にその生成を抑制できることを見出した。
まず、上記■、■″についてはSi、 Mn5Crの3
元素のうち1種或いは2種の含有量のみを低く制御する
だけでは浸炭異常層の発生を防止できない。
更に、Si、 Mn、 Crの3元素ともその含有量を
低く抑えても工業的な浸炭処理工程では完全に浸炭異常
層の発生を防止できない。
工業的な浸炭処理工程で完全に異常層の発生を防止する
ためには、上記■、■′のNb添加も併用することが不
可欠である。
51% Mn、 Cr量の低減は主に浸炭時の旧オース
テナイト粒界の酸化を防止することに有効であり、一方
Nb添加は浸炭層のオーステナイトの焼入性向上を通じ
て不完全焼入層の防止に有効であることを新たな知見と
して見出した。
次に、歯面疲労による損傷を防止するには、旧オーステ
ナイト粒界を強化し、浸炭異常層の発生を防止する必要
があるが、上記■■■を実施することにより粒界が著し
く強化され、歯面疲労強度が著しく向上することを突止
めた°(請求項1)。
まず■については、前述の浸炭異常層防止策と同じであ
るため省略する。
次に■については、P及びS含有量を同時、或いはPま
たはSのいずれかの含有量を低減することによって粒界
破面率(粒界破壊を生じた破面の面積率)を従来の10
0%から50%程度まで軽減することができる。
しかし、本発明の目的である粒界破面率0%を達成する
には上記■のNb添加も併用することが不可欠である。
P、Sは粒界を脆化させる作用があり、このP、Sを低
減することは粒界を強化するのに有効である。一方Nb
添加は結晶粒の微細化、浸炭層の焼入性向上の働き以外
に結晶粒界を強化する作用があることを今回新たな知見
として得た。
次に、本発明者等は浸炭温度を925.950.100
0.1050.1100°Cに変化させ、粗粒化特性に
及ぼす合金元素の影響を調査した結果、上記■゛を実施
することにより1050°Cまで粗粒化しないことを突
止めた(請求項2)。
なお、Nb、 Hの2元素のうち、両元素の単独添加で
は粗粒化は防止できない。
すなわち、請求項2に係る本発明の目的である1000
°C加熱、短時間浸炭(通常6時間均熱→3時間に短縮
)を実現するためには、Nb5Nの2元素を同時に添加
する必要があり、2元素同時に添加することにより、N
bの窒化物或いはNbの炭窒化物の生成によって粗粒化
防止に有効であることを突止めた。
本発明は上記知見に基づいて成されたものであり、その
要旨は、「重量%で、C:0.15〜0.35%、Si
 : 0.05%以下、Mn : 0.35%以下、C
r : 0.10%以下、Mo : 0.35〜2.0
0%、Nb : 0.010〜0.100%、P、Sの
少なくとも1種以上が0.012%以下、更に必要に応
じてNi : 3.50%以下、Cu : 1.00%
以下、Δ1 : o、oio 〜0.100 %、V 
: 0.01〜0.30%、Ti:0.010〜o、i
oo%、B : 0.0003〜0.0050%の1種
または2種以上を含み、残部Fe及び不可避的不純物力
、)らなること」、及び「重量%で、C:0.15〜0
.25%、si : o、os%以下、Mn : 0.
35%以下、cr:0、10%以下、Mo : 0.3
5〜2.00%、Nb : 0.010〜0、100%
、N : 0.0050〜0.0200%、更に必要に
応じてTi : 0.010〜0.100%、Cu :
 1.00%以下、Ni: 3.50%以下、Al :
 0.010−0.100%、V : 0.01〜0.
30%、B : 0.0003〜0.0050%の1種
または2種以上を含み、残部Fe及び不可避的不純物か
らなること」である。
(作  用) 請求項1の本発明は鋼中の化学組成を厳密に制御するこ
とにより、旧オーステナイ′ト粒界を強化し、同じく化
学組成を厳密に制御することにより、浸炭焼入処理時の
粒界酸化、不完全焼入層を防止し、結果として極めて優
れた疲労強度を有する肌焼鋼を出現せしめたのである。
また、請求項2の本発明は、鋼中の化学組成を厳密に制
御することにより、浸炭処理中の異常層の発生を防止す
ることによって優れた疲労強度を有し、更に高温時の粗
粒化を防止することによって短時間浸炭を可能とした、
即ち、高疲労強度・短時間浸炭の両者を満足した肌焼鋼
を出現せしめたのである。
以下にこれら発明の化学組成の限定理由を説明する1 CTCは綱に所定の静的強度を付与するのに必要な元素
であるが、反面靭性を劣化させる元素である。特に浸炭
処理を施す肌焼鋼においては、静的強度と靭性のバラン
スが必要であり、最低限の静的強度を得るには0.15
%が必要である。
一方、請求項1では0.35%を越えると、また請求項
2では0゜25%を越えると靭性が急激に低下するため
、上限を0.35%又は0.25%とする。
Si : Siは鋼の脱酸に必要な元素であり、また鋼
に所定の静的強度を付与するのに必要な元素である。し
かしSLは酸素との結合力が強いために、浸炭処理を施
す肌焼鋼においては、浸炭処理時に粒界にSiの酸化物
が生成し、粒界脆化を生じ歯元疲労、歯面疲労、曲げ疲
労強度を低下させる。
特に0.05%を越えるとSiの酸化物の生成が著しく
、本発明の目的である疲労強度の向上を実現するために
は後述のMn、 Cr及びNb1lに関する限定に加え
てSiを0.05%以下に制限することが不可欠の要件
である。
Mn : MnもSi同様に鋼の脱炭に必要な元素であ
り、また鋼に焼入性を付与するのに有効な元素であるが
、酸素との結合力が強いためにSi同様浸炭処理時に粒
界にMn酸化物を生成し、粒界を脆化させ疲労強度を低
下させる。
特に0.35%を越えるとMn酸化物の生成が著しく、
本発明の目的である疲労特性の向上を実現するためには
前述のSi及び後述のCr、 Nb1iに関する限定に
加えてMn量を0.35%以下に制限する必要がある。
Cr : Crは鋼に焼入性を付与するのに有効な元素
である。また浸炭性を向上させるために、一般に肌焼鋼
には添加されることが多い。
しかし、Crも前述のSiSMnと同様に酸素との結合
力が強いため、浸炭処理時に粒界にCr酸化物を生成し
て粒界を脆化させ、疲労特性を低下させる。
特に0.10%を越えるとCr酸化物の生成が著しくな
るため、本発明の目的である疲労特性の向上を実現する
ためには前述のSi、 Mn及び後述のNb量に関する
限定に加えてCr1lを0.10%以下に制限する必要
である。
Mo : Moは鋼に所定の焼入性を付与し静的強度を
向上させると共に、靭性を向上させるのに有効な元素で
ある。本発明においては、前述のSi、 Mn、Cr量
に関する限定のもとで従来鋼と同等或いはそれ以上の焼
入性を与えるためにはMailを0.35%以上とする
必要がある。しかし、2.00%を越えて添加してもそ
の効果は飽和して経済性を損なう結果となるので2.0
0%を上限とする。
Nb : Nbは本発明において浸炭異常層、特に表面
の不完全焼入層の発生を防止するのに極めて有効な元素
であり、前述のSi、 Mn、 Cr量に関する限定に
加えてこのNbの添加によって浸炭異常層の発生を完全
に抑制することができるのである。
その効果を充分に発揮させるためには少なくくとも0.
010%以上の添加が必要である。
また、Nbは結晶粒の微細化、浸炭層の焼入性付与に有
効な元素であるが、請求項2の発明においては後述のN
に課せられた要件を満足する条件のもとでNbを添加す
ると高温処理時の粗粒化防止効果がある。その効果を発
揮させるためには少なくとも0.010%以上の添加が
必要である。
しかしo、 ioo%を越えて添加すると、部品の機械
加工時の切削性を損なう。更に、鋼の結晶粒を粗大化さ
せ、靭性を劣化させ、請求項2の発明においては高温処
理時の粗粒化防止効果を失うので0.100%を上限と
する。
FDPは鋼に焼入性を付与するのに有効な元素であるが
、反面鋼の旧オーステナイト粒界に析出或いは濃縮し、
粒界を脆化させる作用がある。
特に後述のs4が0.012%を越える場合においてP
量が0.012%を越えると粒界脆化が著しい。従って
、特に請求項1に係る本発明の目的である歯面疲労強度
、歯元疲労強度の向上を実現するためには、後述のsl
が0.012%を越える場合においては、P量を0.0
12%以下に制限する必要がある。
SO3は切削性を向上させるのに有効な元素であるが、
P同様鋼の旧オーステナイト粒界に析出或いは濃縮し、
粒界を脆化させる作用がある。
特に、前述のP量が0.012%を越える場合において
Siが0.012%を越えると粒界脆化が著しい。従っ
て特に請求項1に係る本発明の目的である歯面疲労強度
、歯元疲労強度の向上を実現するためには、前述のPf
tが0.012%を越える場合においてはSiを0.0
12%以下に制限する必要がある。
尚、PとSiは両方とも上記の上限以下にすることが望
ましい。しかし一方だけを0.012%以下にするだけ
でもよい。但し、一方が0.012%以下でも他方の上
限値は0.030%以下に抑えるべきである。それはい
ずれかが0.030%を越えると熱間加工性を損なうた
めである。
N:、Nは鋼に焼入性を付与し、静的強度を向上させる
が、請求項2の発明では前述のNbに課せられた要件を
満足するもとでNを添加すると、高温処理時の粗粒化抑
制に効果があり、熱処理歪の防止に有効である。
その効果を発揮させるためには少なくとも0.0050
%以上の添加が必要である。しかし現在の溶製技術では
、0.0200%以上の添加は困難であり、上限を0.
0200%とする。
本発明は、既に述べたC% S1% Mns Cr−、
MO% Nbs及び請求項1の発明ではP、S、又請求
項2の発明ではNに関する規定を骨子とするものである
が、必要に応じて下記の成分を、下記の限定範囲内で添
加することができる。
Cu : Cuは鋼に所定の焼入性を付与し、静的強度
を上昇させるのに有効な元素である。その効果を発揮さ
せるために、適宜必要に応じて添加することができるが
、1%を越えて添加すると綱の熱間加工性が低下する。
更に静的強度も劣化させるので、1.00%を上限とす
る。
Ni : NiはCuと同様に鋼に所定の焼入性を付与
し、静的強度を上昇させるのに有効な元素である。
また、Niは鋼の靭性を向上させるので所定の焼入性と
靭性を確保するために任意に添加することができる。更
にNi添加は前述のC,si、 Mn5Cr、 Mo、
 Nbに対する限定範囲内で、浸炭部の焼入性を向上せ
しめ、特に大型歯車の場合に不完全焼入層の発生防止に
有効であり、疲労特性を向上させる。
しかし、3.50%を越えて添加してもその効果が飽和
し、経済性を損なう結果となるので、3.50%を上限
とする。
Al : Alは鋼の結晶粒を微細化し、靭性を向上さ
せる効果を有する。その効果を発揮させるためには0.
010%以上の添加が必要である。一方、0.100%
を越えて添加すると、鋼の清浄度が劣化し、切削性を損
なう。更に過剰なAIの添加はかえって鋼の結晶粒を粗
大化させ、靭性を劣化させるので、0.100%を上限
とする。
■:vは鋼中で炭窒化物を析出させ、鋼の高温強度を増
加させるのに有効な元素である。高出力エンジン用の肌
焼鋼として使用中の歯車の温度上昇を想定した時、昇温
時の静的強度を向上させるためVは有効であり、その効
果を発揮させるためには、0.01%以上の添加が必要
である。
しかし、0.30%を越えて添加すると熱間加工性が劣
化するので、0.30%を上限とする。
Ti : TiはA1と同様、鋼の結晶粒を微細化し、
靭性を向上させるのに有効な元素である。その効果を発
揮させるためには、0.010%以上の添加が必要であ
る。一方、0.100%を越えて添加すると綱の清浄度
が劣化し、切削性を損なう。更に過剰なTiの添加はか
えって鋼の結晶粒を粗大化させ、靭性を劣化させるので
、0.100%を上限とする。
BIBは鋼の焼入性を向上させ、静的強度を上昇させる
のに有効な元素である。その効果を発揮させるためには
0.0003%以上の添加が必要である。しかし、0.
0050%を越えて添加するとかえって鋼の結晶粒を粗
大化させ、靭性を劣化させるので、0.0050%を上
限とする。
(実 施 例) その1) 請求項1について 下記第1表に本発明で規制する鋼の化学成分及び比較鋼
の化学成分を示す。
供試材は150 kg真空溶解炉にて溶製した後、鋼塊
を1250°Cに1時間加熱し、100 mm径及び3
0ma+径に鍛伸し、以下の調査工程にて調査を行った
歯車疲労試験については、100 m径の鍛伸材を92
5°Cに5時間加熱後空冷して焼準し、第2図に示す歯
車試験片1に加工後、炭素ポテンシャル1.0、浸炭温
度925°CX6時間という浸炭処理条件で浸炭を施し
、油焼入れし、しかる後170°Cで60分焼戻し処理
を行い、更にショットピーニング(0,6am径、47
m/S、15分)処理を施し、動力循環式歯車疲労試験
機にて歯車疲労特性(歯面疲労、歯元疲労)について調
査を行った。
尚、歯面疲労については107回にて破壊を生じなかっ
た歯車の歯面の損傷程度を目視観察した。
粒界破面率は、破壊歯車の破面を電子顕微鏡にて観察し
、更に画像処理装置にて粒界破壊をした面積率を測定し
た。
更に、歯元疲労強度は、107回において破壊を生じな
かった強度(疲労限)にて評価した。
合わせて浸炭部の結晶粒度及び浸炭異常層深さを測定し
た。
上記第1表から明らかなように歯面疲労は本発明で規定
する化学成分を有する本発明鋼及び、比較鋼の中でSi
、 Mn、 Cr、 Nb、 P、 Sの規定を満足し
な鋼(No、19.20.24.28.29.30.3
2.33.34)は規定を外れたその他の比較鋼に比し
、全く損傷していないことがわかる。
同じ(、第1表から明らかなように、歯元疲労強度のに
ついても本発明で規定する化学成分を有する本発明鋼は
比較鋼に比し、30〜40%、更に比較鋼のNa37.
38で示す従来鋼5Cr420、S0M420に比し約
2倍の疲労強度の向上が認められる。
次に粒界破面率についても第1表から明らかなように本
発明で規定する化学成分を有する本発明鋼及び比較鋼の
中でSi、 Mn、 Cr、 Nb、 P、 Sの規定
を満足LJ、:I(k19.20.24.28.29.
30.32.33.34)は粒界破面率は0%で粒界破
壊は全く認められない。
即ち、歯面疲労及び歯元疲労強度の向上を図るにはSi
、 Mn%Crs Nb、、P、 S量を請求項1の本
発明が規定する範囲内に抑える必要がある。
静的曲げ試験については30mm径鍛伸材を925°C
に1時間加熱後、空冷して焼準し、第3図に示すような
静的曲げ試験片2に加工後、炭素ポテンシャル1.0、
浸炭温度925°CX6時間という浸炭処理条件で浸炭
を施し、油焼入れし、しかる後170°Cで60分焼戻
し処理を行い、更にショットピーニング(0,6mm径
、47m/S、15分)処理を施し、10−”/Sの歪
速度で静的曲げ強度を調査した。
尚、静的曲げ強度は亀裂発生荷重にて評価した。
その結果を同じく上記第1表に示す。
第1表から明らかなように、clが請求項1の本発明の
規定から外れた鋼(No、19) 、Cu1tが上限に
外れた鋼(Nα30) 、Mo量が下限に外れたm(N
α24)は、本発明鋼及びその他の比較鋼に比し、静的
曲げ強度が低下することがわかる。
シャルピー衝撃試験については30InI11径の鍛伸
材を925°Cに1時間加熱後空冷して焼準し、25I
nI11径に切削した後、925°CX1時間で水焼入
れを施し、更に170°Cで1時間焼戻し処理を行い、
しかる後JIS3号(2mm Uノツチ)シャルピー試
験片に加工を行い、常温にて衝撃特性を調査した。
その結果を同じく上記第1表に示す。
第1表から明らかなように・Al量が請求項1の本発明
の規定から上下限に外れた比較#(Na28.29)、
Nb11が上限に外れた比較1121(Nα32)、B
itが上限に外れた比較鋼(Nα34)、及びTi量が
上限に外れた比較E (Na33)は、結晶粒が粗大化
し、衝撃値が劣っていることがわかる。
以上の実施例から明らかなように、請求項1の本発明は
515Mn5Cr、 PSSを低く抑え、且つNbを添
加することによって浸炭層及び母材のオーステナイトを
粒界を強化し、優れた歯面疲労強度と、歯元疲労強度を
兼ね備えた鋼を出現せしめたのである。
その2)請求項2について 第2表に請求項2の本発明で規制する鋼の化学成分及び
比較鋼の化学成分を示す。
供試材は、前記実施例その1)と同様、150 kg真
空溶解炉にて溶製した後、鋼塊を1250°Cに1時間
加熱し、100 mm径、30mm径に鍛伸し、以下の
調査工程にて調査を行った。
まず30flII11径の鋼材を925°Cに1時間加
熱後空冷して焼準した後25閣径に旋削し、第1図に示
す温度条件で浸炭処理を行い、粗粒化調査を行った。
また、合わせて浸炭深さ(硬度Hv550の位置の表面
からの深さ)を測定した。
これらの結果を第3表に示す。
尚、粗粒化判定は、比較法にて粒度を測定し、平均粒度
番号よりも最大値の粒度番号が3以上小さいもの(粒度
番号が小さくなる程、粒径は太き(なる)が1個でも存
在する場合は粗粒化と判断した。
また、平均粒度番号が5以下のものについても粗粒化と
判断した。
次に100 mm径の鋼材を925°Cに5時間加熱後
空冷して焼準した後、第2図に示す歯車試験片lに加工
し、炭素ポテンシャル1.0、浸炭温度925°C1t
ooo℃、均熱時間6時間、3時間の条件にて浸炭処理
を施した。しかる後170°Cで60分焼戻し処理ヲ行
い、更にショットピーニング(0,6m径、47m/S
、15分)処理を施し、動力循環式歯車疲労試験機にて
疲労強度を調査した。
その結果を第3表に示す。
尚、疲労強度は107回にて破壊を生じなかった強度(
疲労限界)にて評価した。
また、合わせて浸炭深さを調査した。
静的曲げ試験については30ma+径の鍛伸材を925
゛Cに1時間加熱後、空冷して焼準し、第3図に示すよ
うな静的曲げ試験片2に加工後、炭素ポテンシャル1.
0、浸炭温度925°CX6時間という浸炭処理条件で
浸炭を施し、油焼入れし、しかる後170 ’Cで60
分焼戻し処理を行い、更にショットピニング(0,61
11I11径、’ 47m / S 、 15分)処理
を施して10−”/Sの歪速度で静的曲げ強度を調査し
た。
尚、静的曲げ強度は亀裂発生荷重にて評価した。
その結果を下記第3表に示す。
シャルピー衝撃試験については30皿径の鍛伸材を92
5“Cに1時間加熱後空冷して焼準し、25mm径に切
削した後925℃×1時間で水焼入れを施し、更に17
0°Cで1時間焼戻し処理を行い、しかる後JIS3号
(2am Uノツチ)シャルピー試験片に加工を行い、
常温にて衝撃特性を調査した。
その結果を下記第3表に示す。
第3表から明らかなように、浸炭粗粒化テストの結果は
、本発明で規定する化学成分を有する本発明鋼及び比較
鋼の中でN、Nbの規定を満足した鋼(NcL16.1
7.18.29.30.31.32.33.34)はそ
の他の比較鋼が950°Cで粗粒化しているのに比べ1
050°Cまで粗粒化しないことがわかる。尚、比較鋼
の中r T i、Nb、B、AIが本規定から高目に外
レタ比較w4(Na22.25.26.27)ハ、92
5°Cでも既に粗粒化している。
歯車疲労試験において、本発明で規定する化学成分を有
する本発明鋼は、浸炭均熱温度1000’C1浸炭均熱
時間3時間(従来のl/2)でも、浸炭深さは従来の9
25℃、6時間浸炭処理の場合の浸炭深さと同等であり
、且つ、歯車の疲労強度(疲労限界)も従来鋼の従来浸
炭方法の約1.5倍である。尚、比較鋼においてNb、
 Nの規定を満足した鋼(NcL16.17.18.2
9.30.31.32.33.34)以外は、浸炭10
00℃では粗粒化によって熱処理歪が生じ、テスト不可
であった。
静的曲げ試験において本発明で規定する化学成分を有す
る本発明鋼は従来鋼(SCr420、SCr420 )
の約1.5倍の値を示している。尚、比較鋼の中でcl
の規定を低目に外れた!21(Nα16)及びCuが高
目に外れたm(Nα34)は静的曲げ強度が他の鋼に比
べ劣っている。
シャルピー衝撃値についても本発明で規定する化学成分
を有する本発明鋼は比較鋼(Nα35.36)で示した
従来鋼の2〜4倍の値を示している。尚、比較鋼の中で
、Ciiが本規定から高目に外れた鋼(随17)は靭性
が劣化し、Ti5Nb、 B5Al量が本規定から高目
に外れた鋼(Nα22.25.26.27)は粗粒化に
よって靭性が同じく劣っている。
以上の実施例から明らかなようにSi、 Mn、 Cr
を極力低減し、Nb、 Nを添加することによって高疲
労強度、短時間浸炭の両者を満足した鋼を出現せしめた
のである。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項1の本発明に係る肌焼鋼は
、肌焼鋼の化学組成を厳密に制御すると共に、■鋼中の
Si、 Mn、 Crの含有量を同時に3元素とも低く
抑え、且つ■鋼中のPとSの含有量を同時又はどちらか
一方を低く抑え、更に■鋼中にNbを添加することによ
り、極めて優れた疲労強度を備えさせることができる。
また請求項2の本発明に係る肌焼鋼は、請求項1の前記
■、■と共に、■に代えて鋼中のNb、 Hの2元素を
同時に添加することにより、前記請求項1と同様、極め
て優れた疲労強度を備えさせると共に、更に短時間の浸
炭を可能とする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は浸炭粗粒化テストのヒートパターンを示す図、
第2図は歯車試験片の形状を示す図、第3図は静的曲げ
試験片の形状を示す図である。 1は歯車試験片、2は静的曲げ試験片。 第1!!! 時間 第2図 第3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)重量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.
    05%以下、Mn:0.35%以下、Cr:0.10%
    以下、Mo:0.35〜2.00%、Nb:0.010
    〜0.100%、P、Sの少なくとも1種以上が0.0
    12%以下、更に必要に応じてNi:3.50%以下、
    Cu:1.00%以下、Al:0.010〜0.100
    %、V:0.01〜0.30%、Ti:0.010〜0
    .100%、B:0.0003〜0.0050%の1種
    または2種以上を含み、残部Fe及び不可避的不純物か
    らなることを特徴とする疲労強度の優れた肌焼鋼。 (2)重量%で、C:0.15〜0.25%、Si:0
    .05%以下、Mn:0.35%以下、Cr:0.10
    %以下、Mo:0.35〜2.00%、Nb:0.01
    0〜0.100%、N:0.0050〜0.0200%
    、更に必要に応じてTi:0.010〜0.100%、
    Cu:1.00%以下、Ni:3.50%以下、Al:
    0.010〜0.100%、V:0.01〜0.30%
    、B:0.0003〜0.0050%の1種または2種
    以上を含み、残部Fe及び不可避的不純物から成ること
    を特徴とする疲労強度の優れた肌焼鋼。
JP23589688A 1988-09-20 1988-09-20 疲労強度の優れた肌焼鋼 Pending JPH0285343A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02125842A (ja) * 1988-07-27 1990-05-14 Sumitomo Metal Ind Ltd 疲労特性の優れた浸炭肌焼鋼
CN110343955A (zh) * 2019-07-11 2019-10-18 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种高强度长寿命齿轮钢的晶粒细化方法

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JPH02125842A (ja) * 1988-07-27 1990-05-14 Sumitomo Metal Ind Ltd 疲労特性の優れた浸炭肌焼鋼
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