JPH028356B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は同一機でシロツプ系の清涼飲料とコ
ーヒー、ココアなどの粉末を主原料とする飲料が
併売できる、いわゆるコンビネーシヨンベンダと
呼ばれるカツプ式飲料自動販売機の冷水供給回路
に関する。

〔従来の技術〕

まず第１図により、従来における頭記自動販売
機の飲料系統を説明する。図において、１は水道
２から入口弁を介して給水を受ける水リザーバ、
３は同じく水道から給水を受けるヒータ内蔵の湯
タンク、４は水リザーバ１から給水を受ける製氷
機、５，６はココア、コーヒー等の粉末原料箱、
７はシロツプタンク、８は冷凍機９と接続された
冷却水槽、１０はカーボネータ、１１，１２はベ
ンドステージに搬出された飲料カツプであり、シ
ロツプ系のコールド飲料はシロツプタンク７、水
リザーバ１およびカーボネータ１０からそれぞれ
シロツプ原料、冷水および炭酸水をカツプ１１へ
供給して調整販売される。また粉末系飲料のうち
コールド飲料は、粉末原料箱５あるいは６、水リ
ザーバ１からそれぞれ供給された粉末原料と冷水
をミキシングボウルで撹拌混合した上でカツプ１
２に供給され、ホツト飲料は冷水の代りに湯タン
ク３から搬出される湯を使用して調整販売される
ことは周知の通りである。

一方、シロツプ系の冷水供給ライン１３は、水
リザーバ１とカツプ１１への冷水供給端との間に
送水ポンプ１４、水冷却器１５、カーボネータ給
水弁を兼ねた三方弁としての冷水弁１６を経て配
管されている。また前記冷水弁１６から分岐して
炭酸水供給端の間にはカーボネータ１０、炭酸水
弁１７を介して炭酸水ライン１８が配管されてい
る。一方、粉末系の冷水供給ライン１９は前記シ
ロツプ系の冷水供給ラインと独立して構成され、
ミキシングボウルに向けて開口する冷水供給端と
水リザーバ１との間に送水ポンプ２０、ドレン用
切換コツク２１、水冷却器２２、および冷水弁２
３，２４を経て配管されている。またこの冷水供
給ライン１９の途中、特に各冷水弁２３，２４の
上流側と水リザーバ１の上部との間にはサイクリ
ング制御弁２５を介して水戻りライン２６が配管
されている。

上記の構成でシロツプ系の飲料を選択すれば、
送水ポンプ１４、冷水弁１６に動作指令が与えら
れ、水冷却器１５で冷やされた冷水がカツプ１１
に向けて供給される。同時に炭酸水弁１７が開い
てカーボネータ１０に貯蔵されている炭酸水が、
またシロツプタンク７からシロツプがそれぞれカ
ツプ１１へ向けて供給され同時に製氷機４からは
氷がカツプ１１へ供給される。これに対し、粉末
系のコールド飲料を選択すれば、まず原料箱５，
６のいずれか一方から粉末原料がミキシングボウ
ルへ搬出され、同時に送水ポンプ２０が始動され
るとともに、所定時間だけサイクリング制御弁２
５が開いて庫内温度にさらされていた冷水供給ラ
イン２６の生ぬるい水を水戻りライン２６を通し
て水リザーバ１へ還流した後に、次に選択飲料に
対応する冷水弁２３，２４のいずれかが開いて水
冷却器２２で十分に冷やされた冷水がミキシング
ボウルへ供給され、同時に製氷機４からカツプ１
２へ氷が供給される。また製氷機４の貯氷室に貯
えられていた氷の量が減少すると、水リザーバ１
から製氷機４へ給水が行われ、製氷を開始する。

〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで上記した従来構成の冷水供給回路は、
元来別々な機種として構成されていたシロツプ系
飲料の自動販売機と、粉末系飲料の自動販売機の
各冷水供給ラインを寄せ集め、特に水リザーバ
１、冷却水槽８の共通化を図つて構成したにとど
まり、独立した二系列の冷水供給ラインを備えて
構成されている。したがつて送水ポンプおよび水
冷却器も二基ずつ必要とし、この結果これ等機器
の機内占有スペースが増大するばかりでなく、機
器のレイアウトが複雑になつて保守点検の面での
サービス性が低下する難点がある。さらに加えて
上記飲料回路のうち、冷水供給ライン１３，１９
は販売の都度、水がラインの配管パイプの中を流
れるので長時間停滞したままになることがない
が、これに対し製氷水供給ライン２７を介して水
リザーバ１より給水を受ける製氷機４は、周知の
ように製氷部４１にて一度に集中して氷を作つて
貯氷室４２に貯えておき、販売ごとに少量ずつ飲
料カツプへ向けて氷を搬出し、やがて貯氷量が減
つて氷売切れ状態になれば、再び製氷を開始する
ように運転される。このために製氷水供給ライン
２７は、他の給水ライン１３，１９と異なり販売
ごとに水が流れず、製氷から次の製氷までの比較
的長い時間の間、水は配管パイプの中に殆ど停滞
したままの状態となる。しかもこのように長時間
水が停滞したままでいると、水道水に含まれてい
る僅かな微生物、藻などが繁殖し易くなり、水質
が劣化して飲料用に適さなくなる食品衛生上の問
題が派生する。このために従来では、製氷機４に
付属して設けた排水コツク２８を切換えて製氷水
供給ライン２７内に停滞していた水、および貯氷
室４２の融水を排水することが必要となる。しか
も夏期など周囲温度の高い環境では水質劣化が早
まるので、規定水質基準の維持を図るためには短
い周期で頻繁な排水操作を行わなければならず、
このことが保守面でのサービス性を低下させる原
因となつている。

この発明は上記の点にかんがみなされたもので
あり、その目的は前記従来回路の難点を解消し、
部品点数が少なくて安価に製作でき、かつサービ
ス性、水質管理面での改善が図れるコンビネーシ
ヨンベンダにおける冷水供給回路を提供すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、上記目的を達成するために機内に
水リザーバ、シロツプ系コールド飲料ライン、粉
末系コールド飲料ライン、および製氷機を備え、
指令に基づき水リザーバよりシロツプ系と粉末系
の各コールド飲料ラインおよび製氷機へ向けて給
水を行うカツプ式自動販売機の冷水供給回路にお
いて、水リザーバから製氷機、送水ポンプ、水冷
却器を直列に経由して三方切換弁に至る間に配管
された部分を共通給水ラインとして、前記三方切
換弁から分岐させてシロツプ系冷水供給ラインお
よび粉末系冷水供給ラインを配管して構成する。

〔作用〕

上記構成によれば、シロツプ系コールド飲料お
よび粉末系コールド飲料の販売毎に、水リザーバ
１から製氷機４、送水ポンプ１４、水冷却器１
５、三方切換弁２９を通り飲料カツプ１１，１２
に給水されるので、製氷機４への製氷用水が頻繁
に新しい水と入れ代わるようになり、第１図の回
路のように製氷機４および製氷水供給ライン２７
に長時間水が停滞したままになることがない。し
かもシロツプ系冷水供給ライン１３′、粉末系冷
水供給ライン１９′の２系列の冷水供給ラインに
対して送水ポンプおよび水冷却器が共用化される
ので、第１図の回路のように独立した２系列の冷
水供給ラインを備えたものに比べて、部品点数の
削減とともに機内の機器配置が簡素化されるよう
になる。

〔実施例〕

以下この発明の実施例を図面に基づき説明す
る。

第２図および第３図はそれぞれこの発明に基づ
く異なる実施例の飲料系統図の要部を示すもので
あり、第１図と同じ符号は同一部品を示す。まず
第２図、第３図に示すこの発明の実施例と第１図
の従来回路との相違点は、この発明によりシロツ
プ系および粉末系の各冷水供給ラインに対して１
基の送水ポンプ１４および水冷却器１５が共通に
使用されるように回路が組まれていることであ
る。すなわち、水リザーバ１から製氷機４、送水
ポンプ１４、水冷却器１５、および新たに設置さ
れた三方切換弁２９との間を順に直列に結んで配
管されたラインを共通給水ライン３０として、前
記三方切換弁２９より分岐させてシロツプ系冷水
供給ライン１３′および粉末系冷水供給ライン１
９′が配管されている。ここで三方切換弁２９は
入口ポートａ、常開ポートｂおよび常閉ポートｃ
を備えた電磁弁として構成されており、飲料選択
に応じて三方切換弁が切換え制御される。すなわ
ちシロツプ飲料を選択した場合には、弁２９は非
通電のままでポートａ−ｂの間が導通しているの
に対し、粉末コールド飲料を選択すると弁２９に
指令が与えられて切換動作し、ポートａ−ｃの間
が導通するようになる。また送水ポンプ１４はシ
ロツプ系および粉末系のいずれのコールド飲料を
選択した場合にも運転される。したがつてシロツ
プ系飲料選択時には、水冷却器１５で冷やされた
冷水が三方切換弁２９の常開ポートｂ、冷水弁１
６を経てカツプ１１に供給される。これに対し粉
末系のコールド飲料選択時には、同じ水冷却器１
５で冷やされた冷水が送水ポンプ１４により三方
切換弁２９の常閉ポートｃを通じて送り出され、
サイクリング制御弁２５の開放によつて冷水弁２
３，２４まで到り、その後いずれかの冷水弁の開
放によつてミキシングボールへ向けて供給され
る。一方、上記の給水過程で、水リザーバ１から
送り出された水は必ず製氷機４を経由してその製
氷部の水通路および配管パイプの中を流れ、また
貯氷室４２に生じた融水も速やかに流下排出さ
れ、第１図の回路のように製氷機４および製氷水
供給ライン２７に長時間水が停滞したままになる
ことがない。したがつて当該部分での微生物の繁
殖、水垢発生等による水質劣化を確実に回避てき
る。

また定期的に行う飲料系統の洗浄時には、水リ
ザーバ１に洗浄溶液を投入し、三方切換弁２９の
常閉ポートｃとサイクリング制御弁２５を開放し
て送水ポンプ１５を運転すれば、水リザーバ１を
中心に製氷機４→ポンプ１４→水冷却器１５→三
方切換弁２９→冷水供給ライン１９′→水戻りラ
イン２６を経由してクローズドループ式に洗浄水
を循環させることができ、この洗浄工程でシロツ
プ系と共用される水リザーバ１から三方切換弁２
９に到る製氷機４を含む共通給水ライン３０が同
時に能率よく短時間で洗浄されることになる。か
かる点、第１図の従来回路では、洗浄作業は水リ
ザーバ１を通じて各給水ライン１３，１９，２７
ごとに個別に行われるために作業時間もかかる
し、さらに製氷機４への給水ライン２７について
は、洗浄水をオープンループ式に排棄しながら行
うので作業が非能率的である。これに対し実施例
ではクローズドループ方式で行う洗浄範囲が拡大
され、それだけ洗浄作業の能率向上が図れる。

また第３図に示した実施例では、特に共通給水
ライン３０における水リザーバ１と送水ポンプ１
４との間に三方継手３１を介して製氷機４を経由
する製氷水供給ライン３２と、製氷機４を経由し
ないバイパス給水ライン３３が並列に配管されて
いる。ここで三方継手３１はその詳細を第４図に
示すごとく、出口ポートＸと二つの入口ポート
Ｙ，Ｚを有し、かつ入口ポートＹ，Ｚにはそれぞ
れ絞り弁３４，３５としての流入比調節機構を備
えた構造である。かかる構成により、絞り弁３４
と３５を適宜に設定して給水時に製氷水供給ライ
ン３２を流れる流量を十分絞るようにしておけ
ば、コールド飲料の販売ごとに製氷機４を貫通す
る比較的水温の高い水の量が僅かな量に抑えられ
るので、製氷能力の低下を防ぐとともに、貯水室
４２から融水ドレンパイプ４３を通じて空気が給
水ラインへ吸込まれるのを確実に防止することが
できる。

〔発明の効果〕

以上述べたことから明らかなように、この発明
によれば、従来の冷水供給回路と較べて、まず製
氷機回路に水が長時間停滞することがなく、水質
劣化の問題を解消できる。さらに２系列の冷水供
給ラインに対して送水ポンプおよび水冷却器を共
用したことにより、部品点数の削減とともに機内
の機器配置が簡素化されて、価格の低減および保
守面でのサービス性改善が図れる。また循環式洗
浄回路の範囲が製氷機を含めて拡大できるので洗
浄作業を能率よく短時間で行うことができるし、
更には送水ポンプが１基で済むのでそれだけ自動
販売機全体としての電力容量の仕様を低値に抑え
ることができる等の実用的効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来におけるカツプ式飲料自動販売機
の飲料系統図、第２図および第３図はそれぞれこ
の発明の異なる実施例の冷水供給回路図、第４図
は第３図における三方継手の詳細構造を示す断面
図である。 １……水リザーバ、１３′……シロツプ系冷水
供給ライン、１４……送水ポンプ、１５……水冷
却器、１９′……粉末系冷水供給ライン、１６，
２３，２４……冷水弁、２５……サイクリング制
御弁、２６……水戻しライン、２９……三方切換
弁、３０……共通給水ライン、３１……三方継
手、３２……製氷水供給ライン、３３……バイパ
ス給水ライン、３４，３５……流入比調節機構と
しての絞り弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機内に水リザーバ、シロツプ系コールド飲料
   ライン、粉末系コールド飲料ライン、および製氷
   機を備え、指令に基づき水リザーバよりシロツプ
   系と粉末系の各コールド飲料ラインおよび製氷機
   へ向けて給水を行うカツプ式自動販売機の冷水供
   給回路において、水リザーバから製氷機、送水ポ
   ンプ、水冷却器を直列に経由して三方切換弁に至
   る間に配管された部分を共通給水ラインとして、
   前記三方切換弁から分岐させてシロツプ系冷水供
   給ラインおよび粉末系冷水供給ラインを配管した
   ことを特徴とするカツプ式飲料自動販売機の冷水
   供給回路。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の冷水供給回路に
   おいて、送水ポンプの上流側に流入比調節機構を
   備えた三方継手を介挿してその吸入ポートの一方
   に製氷機を経由した製氷水供給ラインが接続さ
   れ、さらに三方継手の他方の吸込ポートと水リザ
   ーバとの間を直接結んで前記製氷水供給ラインと
   並列なバイパス給水ラインが追加して配管されて
   いるカツプ式飲料自動販売機の冷水供給回路。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の冷
   水供給回路において、粉末系冷水供給ラインに介
   挿された冷水弁の上流側と水リザーバとの間を結
   んでサイクリング制御弁を備えた水戻しラインが
   配管され、この水戻しラインを経由して水リザー
   バから製氷機を含む共通給水ラインおよび粉末系
   冷水供給ラインを通じて水リザーバへ戻る循環水
   路を形成したカツプ式飲料自動販売機の冷水供給
   回路。