JPH028208A - 情報記録媒体用樹脂組成物及び静電容量式情報記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えばビデオディスク又はデジタルオーディ
オディスク等の高密度の情報信号記録媒体、特に情報信
号を表面部の幾何学的形状の変化として記録されており
、表面を相対的に走査する再生針の電極との間の静電容
量が幾何学的形状の変化に応じて変化することにより情
報信号が再生される静電容量型のディスクに用いられる
情報記録媒体用ａｔ脂組成物及びこれに導電性カーボン
ブラックを所用箇混合してなる静電容量式情報記録媒体
に関するものである。

（従来の技＊） 例えば、静電容量再生方式のビデオディスクは、塩化ビ
ニル系樹脂にカーボンブラック等の導電性材料を混合し
てなる導電性プラスチックスより構成されていることは
周知の通りである。

又、このような静電容量再生方式のビデオディスクは、
円板状のディスク面上に１１】１μｌ、深さ０．３μ烏
程度の微小なビットが形成されたものであることも周知
の通りである。

そして、ビデオディスクのピット上を電極を有した幅５
μｍ、長さ６μ−程度の微小なダイヤモンド針で走査し
、ダイヤモンド針の電極とビデオディスクとの間の静電
容置を検出し、この検出された静電容重の変化で情報信
号を再生するものである。

このような再生システムにおいては、ビデオディスク表
面とダイヤモンド針との接触状態の変化が情報信号にノ
イズとして直ちに悪影響を及ぼすことから、ビデオディ
スク表面とダイヤモンド針との接触状態を安定にＨ持す
ることは極めて大事である。

このような観点から、本願出願人によってビデオディス
ク表面の平滑性及び潤滑性を損なわないように構成する
様々な技術が捉案されてきた。

そのひとつとして特願昭６２−１０４５９４［情報信号
記録媒体及び情報信号記録媒体用ａ４脂の製造法」があ
る。これは、本発明者が実験の結果、ドロップアウトや
針飛び等の現象を引き起こす原因が再生時に再生針の先
によってかき集められる油状物（高粘稠物）であること
に気付き、更にこの油状物について研究を進めた結果、
この油状物がビデオディスクの材料として用いる塩化ビ
ニル系樹脂に含まれている低分子の１合物等であること
を究明したことに起因した発明である。

この発明は、ドロップアウトや釘飛びを引き起こす原因
物質とも言うべき低分子量の重合物をビデオディスクの
素材中から除去してお番ノば良いであろうとの技術思想
を根底とし、μ体向手段としては情報信号記録媒体用樹
脂からの抽出物のｍが情報信号記録媒体用樹脂に対して
所定割合以下となるよう情報信号記録媒体用樹脂を有機
溶剤で洗浄することを特徴とする。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに、上記の方法では、ビデオディスクの素材中か
ら重合物を除去でき、再生時のドロップアウトや針飛び
を防止できる反面、洗浄に大量の有機溶剤が必要となり
、製造」ストが増大するという課題がある。また、樹脂
の製造［程に洗浄］［程が加わり工程が増えることによ
り、樹脂中に二次的異物が混入したり樹脂中の有機溶剤
が扱けきれず、ディスクの柔軟温度の低下等の問題を引
き起こすという課題がある。

本発明の目的は、製造工程を増すことなく簡単な工程で
油状物の発生を抑制し得る情報記録媒体用樹脂組成物を
提供することにある。更に本発明の他の目的は、有機溶
剤を用いることなく、油状物の発生を抑制し、長時間に
亘り安定再生を行ない得る情報記録媒体用樹脂組成物及
びこれに導電性カーボンブラックを所用準混合してなる
静°市容市式情報記録媒体を提供することを［コ的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者等は、前記した特願昭６２−１０４５９４に開
示した発明を更に改良すべくこれまでの研究を鋭意押し
進めると共に、油状物について種々検討を行なってきた
。その結果、この油状物は加熱下で静電容量式の情報記
録媒体の一部を構成する安定剤あるいは滑剤に溶解しや
すい塩化ビニルとグラフト重合されてないエチレン−酢
酸ビニル共重合物が安定剤あるいは滑剤と共にディスク
の成形時に表面に移行して来たものと推定するに到った
。

この知見にたちＮ息研究を重ねた結果、発明者等は特別
の後処理（洗浄処理）を実ｇＭＴｉることなく油状物の
発生防止が行ない骨ることを発見し本発明を完成させる
に至った。すなわち、本発明は特定のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合物に塩化ビニルをグラフト重合してなる情報
記録媒体用樹脂組成物である。

即ち本発明は、３０℃で４時間シクロヘキサン溶解した
際に５重ｊ％以下の溶解Ｍをもつエチレン−酢酸ビニル
共重合物に塩化ビニルをグラフ１−重合したグラフト重
合体であって、３０℃、４時間でシクロヘキサン抽出し
たとき、その抽出量が０．１ｆｆｌｆ３％以下である情
報記録媒体用樹脂組成物及び静電容量式情報記録媒体で
ある。

ここで具体的な重合方法について説明する。エチレン−
酢酸ビニル共重合物に塩化ビニルをグラスト１合する場
合において、１合は懸濁重合で行なうのが好ましい。こ
の懸濁重合は具体的には、ジャケット付重合反応缶内に
、イオン交換水、ポリビニルアルコールの様な懸濁安定
剤と、必殻に応じて重合度低下剤を入れ、これにエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を入れて懸濁し、次いで缶内の
空気を排除し、その後塩化ビニルを圧入する工次いで共
重合体を塩化ビニルに膨潤もしくは溶解させた後、有機
過酸化物のような重合開始剤を添加しグラフト重合を開
始させる。屓望のところまで重合を進行させた後、未反
応の塩化ビニルを缶外へ回収除去してスラリー状のグラ
フト重合体を得る。このスラリー状のグラフト重合体は
脱水乾燥され、グラフト重合体粒子が得られる。

尚、使用する懸濁安定剤、重合開始剤は特に限定しない
。例えば懸濁安定剤として部分クン化ポリビニルアルコ
ール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ等があ
る。又、重合開始剤としてはラウロイルパーオキサイド
、ベンゾイルパー第４−サイド、オクタノイルバー第４
；す・イド等が挙げられる。

〔作用〕

前記のように本発明は塩化ビニルをグラフト重合してい
るエチレン−酢酸ビニル共重合物でシフ０ヘキサンに不
溶なものを使用したことを特徴とし、これにより油状物
の発生防止を実現したものである。

このようにシクロヘキサンに不溶なエチレン−酢酸ビニ
ル共重合物を選定することにより油状物の発生を防止で
きるのは、シクロヘキ号ンに不溶なエチレン−酢酸ビニ
ル共重合物が、塩化ビニルにグラフトされずに残ったと
しても、加熱下の成形にて安定剤や滑剤に膨潤したり溶
解したりしにくいことによると推定される。

シクロヘギサンに不溶なエチレン−酢酸ビニル共重合物
としては、酢酸ビニル含有量の多いもの、または架橋し
たもの、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合物に第三
成分を付加重合させたもの等が挙げられる。

一方、情報記録媒体の材料として使用する場合、材料強
度を考慮する必要がある。塩化ビニルをエチレン−酢酸
ビニル共重合物にグラフト重合すると耐衝撃性が向上す
ることが知られているが、エチレン−酢酸ビニル共重合
物中の酢酸ビニル含有ｍが７０重量％以上になると、ゴ
ム弾性が低下し耐衝撃性改良効果が少なくなり、ディス
ク成形工程中にディスクの割れが生じたり、ディスク再
生時の取扱い中に訓れが生じてしまい好ましくない。

また、情報記録媒体の構造物質であるカーボンとエチレ
ン鎖の結合が少なくなり、ディスクの軟化湯度が低下し
てしまい、耐候性の面で実用的でないと同時に、センサ
ー（ダイアモンドｔｌ　）とディスクとの間のａ蒸熱で
ディスクが加熱されるので、耐久性の面でも実用に乏し
い。従って、柔軟性において６０℃以上が好ましい。こ
の点より酢酸ビニルの含有量の上限を７０重潰％とする
ことが好ましい。

グラフト重合体の重合度は適宜な範囲内に納めることが
必要である。なぜならば、グラフドル合体の重合度が高
くなりすぎると溶融流動性がなくなり、ビデオディスク
の微少なピットは形成できなくなり、逆にグラフト重合
体の重合度が低くなると耐衝撃性が悪くなり、ディスク
の割れが生じやすくなる。したがって、重合度の範囲は
３５０〜６００が好ましい。

また、本発明者等は酢酸ビニルの含有量を上記の範囲に
限定することで新たな効果のあることを発見した。即ち
、酢酸ビニルの含有量を上記範囲とすることにより、情
報記録媒体用樹脂組成物の３０℃、４時間におけるシク
ロヘキ号ン抽出吊が０．１小量％以１・となり、ディス
クの高粘稠物の誘引物質が減少する。よって、このｍｉ
ｌを用いてディスクを成形した際、情報信号が刻まれた
金型に高粘稠物が付着することを防止でき、金型を劣化
させるという悪影響を低減することかできたのである。

更に、上記の様にシフ０ヘキサン溶解量の上限を規定し
た樹脂組成物を用い、これに適宜量のカーボンブラック
を混合して静電容量式情報記録媒体を作成した場合、前
記の１１Ｍ１１１成物の有１−る良好な特性を維持しつ
つ、かつカーボンとエヂレン鎮の結合も適宜状態となり
、耐久性、耐候性及び加工性の各面において静電容量式
情報記録媒体として好ましい特性を示す。

１ヂレン一酢酸ビニル共重合物のＭを１〜１０重量部と
したのは、１重用部以下だと耐衝撃性改良効果がなくな
ってしまい、また１０重吊出以上だとディスクの軟化１
度が低下してくることによる。

尚、静電容量式情報記録媒体を製造する際には、本発明
の樹脂組成物に導電性カーボンブラックを配合し普通の
混合機を用いて混練すればよいのであるが、カーボンブ
ラックは一般に高密度が小ざく、凝集しやすい性質があ
るので、充分に混練して均一に分散させるようにするこ
とが人事であり、例えばヘンシェルミキサーのように高
い剪断１ネルギーを与えることのできる混合機を用いた
り、あるいはカーボンブラックを０．００４履以下の微
粒子とし、この微粒子を段階的に添加すること等が考え
られる。尚、このような導電性カーボンブラックはグラ
フト重合体ｊｉＡ脂に対して約１０〜３０重品％配合さ
れるものである。

又、情報信号記録媒体を構成するには、上記グラフト重
合体にカーボンブラックを配合するだけでなく、必要に
応じて各種の添加剤、例えば安定剤、滑剤、ｒａｗ４剤
等を配合することも望ましい。

（実施例） 以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれ
に限定されるものではない。

また、使用するエチレン−Ｍ酸ビニルのシクロへキリン
溶解量は次の方法により求めた。

（シクロヘキサン溶解用） １チレン一酢酸ビニル１ｇを精秤し、１００ｍのシクロ
ヘキサン溶液に浸漬する。温億３０℃で４時間スタラー
で攪拌復冷却し、濾過する。この炉液を蒸発乾固し、シ
クロヘキサンに溶解した吊を次式により求める。

シクロヘキサン溶解ｍ（％） ＝（蒸発乾固残量／試料聞）ｘ１００ 尚、シクロヘキサン溶解口５％以下のものを不溶とした
。

（１）重合方法及び未反応物の定量 重合　　　１〜　　　Ａ　　　　〜 内容積１６０２の攪拌器を備えたジャケット付き重合反
応器に、イオン交換水１分散剤、ラジカル開始剤、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体を所定間仕込み密１明後、残
存する空気を除去し、塩化ビニル単同体を仕込み懸濁重
合を行った。重合反応が終了した後、残存単量体を回収
除去しイオン交換水にて洗浄後、脱水乾燥を行った。次
に３２メツシユ鴎で粗大粒子を除去し、情報記録媒体用
樹脂組成物とした。この製法については特開昭６０−１
５８４４号等に記載されたものに準する。又、このグラ
フト重合体についてシクロヘキサンにて抽出を行った。

この結果を表１に示す。

尚、同表においてシクロヘキサン抽出量の締出は次の方
法によった。

樹脂的３０９を精秤しシクロヘキサン９０ａｄ！を加え
３０℃、４時間スタラー攪拌手で抽出を行なう。次いで
一過を行い炉液を蒸発乾固し蒸発残分の用量測定し、次
式によりシクロへ４１ノン抽出吊を算出した。

シクロヘキサン抽出■（％）＝ （蒸発残分吊／試ｒｌ巾楢）ｘｌｏｏ （以下、余白） （エブルンー酢酸ビニル共重合体の商品名）＊１　　ウ
ルトラセン６３４　　東洋曽達社製＊２　　ソアブレン
Ｂ　ｌ−（日本合成化学社製＊３　　エバスレン４５０
Ｐ　　大日本インキ社製＊４　　ソアプレンＤＨ ＊５　　エバフレックス４０ＬＸ 三井ポリケミカル社製 ＊６　　レバプレン４５ＯＮ　　西独バイエル社製＊７
　　ソアブレンＦ　Ｈ （以下、余白） ■　記録媒体での評価 ！直■ユニ１ 上記各実施例のグラフト重合物を用いて下記の方法によ
り情報記録媒体（ビデオディスク）を製造した。

グラフト重合体１００ｆｆｌω部、カーボンブラック（
米国４−ヤボット社Ｂｌａｃｋ　　Ｐｅａｒｌｓ　　２
Ｇ００）２０重山部、安定剤（ジブデルスズメルカプト
）５４１部、滑剤（脂肪酸グリセリンニスデル）２重量
部、潤滑剤（ジメチルボリシロキナン）０．７Ｉｆｆ１
部を２０ＩｌヘンシＩルミキリ°−に入れ約２０分間攪
拌混合する。出来上ったコンパウンドをブス羽製コニー
ダーＰＲ−４６に入れ十分渥練し造粒した。このベレッ
トをφ５０ｊｍψ軸挿出機に入れシリンダー温度１５０
℃にて予備成形品とし、圧縮成形機に供給しビデオディ
スクを作成した。

Ｌ１阻ユニュ 重比較例１〜３のグラフト重合物を用い、上記実施例１
へ・８と同じ方法により、情報記録媒体（ビデオディス
ク）を製造した。

止Ｊ目１ま 重合比較例２のグラフト重合物を特願昭６２−１０４５
９４に開示した方法でトルエン洗浄を行ない、これより
上記製造方法によりビデオディスクを製造した。

上記の如く作成された各ビデオディスクに対して、プレ
ス時のディスク割れ、金型の劣化、ドロップアウトが初
めて発生したリピート回数、針飛びが初めて発生したリ
ピート回数を調べたので、その結果を表−２に示す。

尚、具体的な評価方法としては、プレス成形した、ディ
スクの１枚目とｉ　ｏｏｏ枚目の再生信号のＹ　−Ｓ　
／　Ｎをもって金型の劣化尺度とした（Ｙ−８／Ｎの劣
化値としては、３（Ｂ以下が望ましい）。

さらに、このディスクをプレーヤーを用いて、再生時間
３０〜３４分までの４分間をリピート再生を行い、その
再生画面にドロップアウト針飛び等が発生するまでの回
数を記録した。又、強度の尺度としては、プレス成形時
にディスクが破損した枚数を割合で表わした。

これによれば、エチレン−酢酸ビニル共重合物の３０℃
、４時間のシクロヘキサン溶解量が５１１五％以上の時
ドロツブアラ］・及び針飛びの発生が起きにくくなって
おり、再生特性が著しく向上している。また、エチレン
−酢酸ビニル共重合体種のｍＭビニル含有聞が７０１吊
％以下においてディスク割れの発生率も小であり、エチ
レン−酢酸ビニル共重合物の間が１〜１０重量％の時ビ
デオディスクとしての強度も保持している。

更に、トルエン洗浄品である比較例４と実施例１〜８を
比較すると、ド〔１ツブ７ウト及び針飛びの発生は、洗
浄品と同等或はそれ以上に抑制されていることがわかる
。即ち、エチレン−酢酸ビニル共重合物のシクロヘキサ
ン溶解量を適宜選定することにより、トルエン洗浄を行
なったと同様の効果を得ることができることがこれによ
り実証できた。

尚、表−１を参照しつつグラフト重合体として重合度を
みるに、上記効果は重合度が３５０〜６００の範囲で生
じている９、 一方、金型の劣化に注目すると、シクロヘキサン抽出量
が少ない時その特性が著しく向上している。従って、エ
チレン−酢酸ビニル共重合物のシクロヘキサン溶解量と
、グラフト物のシクロヘキサン抽出量を本発明で示した
範囲に選定することにより、再生特性向上に加えて金型
劣化防止を図ることができる。

〔発明の効果〕

本発明に係る情報記録媒体用樹脂組成物では、後処理（
例えばトルエン洗浄等）を行なうことなく、単に重合時
におけるエチレン−酢酸ビニル共重合物のシクロヘキサ
ン溶解量と、グラフト物のシクロヘキサン抽出量を適宜
量に選定するだけの簡単な操作により油状物の発生を確
実に防止でき、この組成物を用い、これに所定量の導電
性カーボンブラックを混合してなる静電容量式情報記録
媒体とした場合、ドロップアウト及び針飛びの発生は防
止され、再生特性を著しく向上することができる。また
、後処理が不要となるため、製造°［程の簡易化を図り
得、樹脂中に二次的異物が１入することを防止でき、更
に上記洗浄に用いる溶剤が樹脂中に残存することもなく
なる。更に、洗浄に用いる溶剤が不要となるためコスト
低減を図ることができる等の特長を有する。

特許出願人　日本ビクター株式会社 同 積木化学、［業株式会社 同 徳山積水工業株式会社 同

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）塩化ビニル単量体９０〜９９重量部をシクロヘキ
   サン３０℃、４時間において溶解量５重量％以下のエチ
   レン−酢酸ビニル共重合体１０〜１重量部にグラフト重
   合してなる情報記録媒体用樹脂組成物。
2. （２）３０℃、４時間におけるシクロヘキサン抽出層が
   情報記録媒体用樹脂組成物に対し０．１重量％以下であ
   る請求項１の情報記録媒体用樹脂組成物。
3. （３）グラフト重合体として重合度が３５０〜６００の
   ものを使用してなる請求項１又は請求項２記載の情報記
   録媒体用樹脂組成物。
4. （４）請求項１乃至３の情報記録媒体用樹脂組成物を用
   い、これに導電性カーボンブラック１０〜３０重量％を
   混合してなる静電容量式情報記録媒体。