JPH028022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テラス、バルコニー等の施工の際に
使用される防水機能を持つた巾木に関するもので
ある。

一般に、巾木とは、壁と床と接する基部に設け
られた横板のことをいい、壁面下部の損傷を防ぐ
ためと、壁と床の接合部を隠すために用いられる
もので、同接合部からの漏水を防止する機能は全
く有していないため、テラス、バルコニー等の雨
水が侵入するような個所には通常の巾木は使用で
きず特別の防水施工を行つているのが現状であ
る。

然るに、本考案は、床仕上げを行うと同時に防
水施工を行うことができる新規な防水巾木を提供
するもので、以下図示する実施例について本考案
の具体的構成を説明する。

即ち、多数の孔２₁…２₁を穿つた水平片２と、
途中に段部３₁、上端に上方に開口する溝３₂を形
成した垂直片３とから成る金属製乃至硬質合成樹
脂の本体１と、同垂直片の溝３₂に下端部が嵌合
するへの字型の軟質合成樹脂製の封止板４とから
成る構造を特徴とするものである。

尚、図中、３₃はその端部が壁面に当接する垂
直片３と一体の水平片、３₄は壁面下端に貼着さ
れた防水用の帯状の小縁５に面接する垂直片の立
上り片である。

次に、本考案に係る巾木を使用してテラス、バ
ルコニー等の防水施工を行う場合について説明す
る。

即ち、コンクリート製の下地の上に防水マツト
を敷設し、この上にモルタル等を所定の厚さに流
し込み、硬化させて床下地Ａを構成した後、この
床下地面上にタイルＣを貼着するための接着剤を
塗布する。次いで、壁Ｂの下端部に先のモルタル
を流し込むときに予じめ貼着しておいた防水用の
帯状の小縁５に本体１の垂直片３の立上り片３₄
を面接させるように、かつ、垂直片３上端の水平
片３₃の端部が壁面に当接するようにして水平片
２を床下地に押し付けると、床下地面に塗布され
た接着剤が孔２₁…２₁を通して水平片上面に出て
くるから、水平片上面から段部３₁までの距離だ
けの厚みのあるタイルＣをこの水平片２と段部３
_１の間に差し込むようにして押し付けると、この
接着剤にタイルＣが粘着して貼着される。このタ
イル貼りは壁際だけでなく床下地全面に於いて行
われる。このときには壁全面に亘つて巾木本体が
取付けられた状態になつている。

而して、タイル貼り作業が完了した後、本体１
の垂直片３上端の溝３₂にへの字型の封止板４の
下端部を嵌合させれば、上端部が壁面にその弾性
により密着し、本案巾木による防水施工が完了す
る。

つまり、本考案に係る防水巾木によれば、床下
地とタイルとの間に挾着される水平片と、同水平
片に連続する段部付の垂直片及び垂直片上端の溝
に嵌着される軟質の封止板とから成るものである
から、通常の巾木としての機能はいうに及ばず、
床に溜つた雨水は本体によつて、壁面に沿うて落
ちる雨水は封止板によつてそれぞれ堰止められ、
床下地には浸入することがない防水機能をも奏し
得るもので、従来のように防水不全による階下へ
の水漏れ事故は完全に防止できるものである。

尚、水平片２と段部３₁の間隔は使用されるタ
イルの厚みに応じて変えておくもので、この間隔
の違つた数種類の巾木本体を用意しておけば、使
用されるタイルに応じて選択使用できるものであ
る。また、防水の完全性を期するために、水平片
２と段部３₁の間にタイルを差し込んだ後、この
部分にモルタルを詰めたり、壁面と当接する水平
片３₃の部分にはシリコン等を流し込んで封水す
ればよいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、第
１図は本考案に係る防水巾木の斜視図、第２図は
同縦断側面図である。 １……防水本体、２……水平片、３……垂直
片、４……封止板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の孔２₁…２₁を穿つた水平片２と、途中に
   段部３₁、上端に上方に開口する溝３₂を形成した
   垂直片３とから成る本体１と、同垂直片の溝３₂
   に下端部が嵌合するへの字型の軟質材料製の封止
   板４とから成る防水巾木。