JPH027978Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、使用時には水道の給水圧の作用によ
つて所定位置にまで自動伸長し、使用後には邪魔
にならない状態に縮小して収納することができる
随時収納可能な水圧浮上水栓柱に関するもので、
業務用としても、一般家庭用水栓としても大いに
利用できるものである。

〔従来の技術，および解決すべき問題点〕

周知のとおり、従来の給水設備として利用され
る屋外用水栓には、パイプを通したボールを介し
て蛇口を所定の高さに配設せしめるスタンド式の
給水栓と、玄関や車庫など家屋の敷地内に蛇口ボ
ツクスを埋込配設しておいて、地表よりも低い位
置から給水する這伏式の給水栓（例えば「散水
栓」）とがある。

そして、これら２タイプの屋外用水栓には、そ
れぞれ一長一短があるのであつて、 例えば前者のスタンド式給水栓にあつては、蛇
口の高さが人の作業姿勢を考慮して設定されてい
るので使い勝手が良いという利点がある反面、常
時地上に突出しているので敷地のデツトスペース
が大きくなるという不便が指摘されており、ま
た、後者の這伏式給水栓にあつては、敷地のデツ
トスペースは小さくできるという利点がある反
面、蛇口が地表よりも低い位置になるので一々屈
み込んで給・停水操作をしなければならず、使い
勝手が悪いという不便が指摘されているのであ
る。

本考案は、従来の屋外用給水栓に上記の如き不
便があつたことに鑑み、これを解消せんとしてな
されたものであつて、不使用時には邪魔にならな
い状態に収縮短小化し、使用時には使い勝手の良
いように自動伸長して蛇口が適正給水レベルに位
帯する水圧浮上水栓柱を提供しようとするもので
ある。

〔課題解決のために採用した手段〕

本考案は、上記技術的課題解決のキーポイント
として、給水時の水圧に着目し、この水圧を利用
した水栓柱が伸長するように構成することによつ
てスタンド式給水栓の利点と這伏式給水栓の利点
とを兼備した随時収納可能な水圧浮上水栓柱を実
現したものである。

即ち、本考案によれば、給水管Ｓに連通する如
く地中に埋設された有底筒状のシース部材１と；
このシース部材１と給水管Ｓとの間に介在され、
シース部材１への給・停水を制御する開閉バルブ
２と；前記シース部材１にスライド自在に内装さ
れ、前記開閉バルブ２がが開放されてシース部材
１中に給水圧が生じたときには当該シース部材の
筒口部より緩衝的に伸出動作する一方、開閉バル
ブ２を閉塞しシース部材１中の水圧を解除して挿
入方向へ押圧することによつて同シース部材１中
に収縮される可動栓管３とを包含することを特徴
とした随時収納可能な水圧浮上水栓柱が提供され
るのである。（第１図，第２図参照）。

〔実施例〕

本考案水栓柱を第１図〜第３図の実施例に基い
て更に詳細に説明すれば、次のとおりである。

即ち、本実施例の水栓柱は、家屋等の敷地Ａの
適宜な箇所に埋設した水栓ボツクスＢに設置され
るのが普通である。

図中、符号１で指示する部材は水栓ボツクスＢ
を貫通して地中に垂直に埋設された有底筒状のシ
ース部材である。このシース部材１は、給水管Ｓ
に連通されており、同給水管Ｓとの間には図示例
では手回し式の開閉バルブ２が介在され、給・停
水を制御できるようになつている。

シース部材１の内筒部には可動栓管３がスライ
ド自在に内装してある。このシース部材１の上端
には、可動栓管３との間に、滑りの良い素材（例
えば、ポリエチレン樹脂）で作製したガイドアダ
プター１１が介装してあり、また、可動栓管３の
下端には、通水可能なガイドスライダー３１（図
示例ではギアー形状）が固定されている。ちなみ
に、ガイドスライダー３１には滑りの良いことが
要求されることから、硬質ポリエチレン樹脂のよ
うな合成樹脂で作製されることになる。なお、第
２図中，１２は水密性を保障するためのグランド
パツキング、１３はシース部材１の上端を被冠封
止するグランドカバーであり、さらに符号４で指
示されるものは蛇口である。

しかして、可動栓管３がシース部材１内に引込
まれた状態あるときに、開閉バルブ２を開放する
と給水管Ｓよりの水は、先ずシース部材１と可動
栓管３との間の空間部H₁に流入し其処に充満す
る。そして、更に流入量が増えると、空間部H₁
に充満した水は、ガイドスライダー３１の空隙部
３１ａを通つてシース部材底部の空間部H₂へど
んどん流入することとなり、空間部H₂に水圧を
生ぜしめる。かくして、空間部H₂に水圧が一定
限度を超えると、その圧力は可動水管３全体を
徐々に持ち上げ、水撃を起すことなくガイドスラ
イダー３１とガイドアダプター１１の下端が衝合
する位置まで当該可動水管３を伸長せしめ、蛇口
４のレベルは予じめ設定した位置に達する。そこ
で、蛇口４を開けば、楽な姿勢で所望の水作業を
することができるのである。

ついで、水作業を終わつて水栓柱を収納する場
合には、開閉バルブ２を閉じ、蛇口４を開いた状
態で可動栓管３をシース部材１へ押し込めれば、
当該水栓柱は水栓ボツクスＢに収納されて邪魔に
ならない状態となるのである。

次に、本実施例においてはシース部材１の内筒
面形状との関係において、可動栓管３の外形、お
よび可動栓管下端のガイドスライド３１の外形が
回転可能な形態に作製してあるので、蛇口４の向
きを360゜任意に旋回変更することができ、使用上
頗る利便である。

〔本考案の効果〕

以上、実施例をもつて説明したように本考案水
栓柱は、シース部材１に内装された可動栓管３を
開閉バルブ２の開放による水圧上昇によつて収納
状態から使用利便な状態に自動的に伸出させ得る
と共に、使用が終わつた時には、開閉バルブ２を
閉塞して給水圧の除去することにより可動水栓３
をシース部材１内に容易に押込収納することがで
きるのである。また、このように不使用時に地中
に押込収納しておくことができる構造になつてい
るので、本考案を適用して構成した屋外用水栓は
寒冷地で用いても、凍結によつて断水したりする
こともなく、冬季でも安心して使用することがで
きるのである。

したがつて、本考案を適用して構成した屋外用
水栓は、スタンド式給水栓の利点と這伏式給水栓
の利点とを兼備しており、デツトスペースが非常
に少なくて、しかも使い勝手の頗る良好である
等、誠に実用性の高いものと云える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用して構成した屋外用給水
栓の概要図、第２図は本考案の要部を拡大して示
した要部拡大断面説明図、第３図は可動栓管下端
に装着されるガイドスライダーの１形状例を示す
平面図である。 １……シース部材、２……開閉バルブ、３……
可動栓管、Ｓ……給水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水管Ｓに連通する如く地中に埋設された有底
   筒状のシース部材１と；このシース部材１と給水
   管Ｓとの間に介在され、シース部材１への給・停
   水を制御する開閉バルブ２と；前記シース部材１
   にスライド自在に内装され、前記開閉バルブ２が
   開放されてシース部材１中に給水圧が生じたとき
   には当該シース部材の筒口部より緩衝的に伸出動
   作する一方、開閉バルブ２を閉塞しシース部材１
   中の水圧を解除して挿入方向へ押圧することによ
   つて同シース部材１中に収納される可動栓管３と
   を包含することを特徴とした随時収納可能な水圧
   浮上水栓柱。