JPH0277176A - 発光チップ - Google Patents

発光チップ

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JPH0277176A
JPH0277176A JP1111758A JP11175889A JPH0277176A JP H0277176 A JPH0277176 A JP H0277176A JP 1111758 A JP1111758 A JP 1111758A JP 11175889 A JP11175889 A JP 11175889A JP H0277176 A JPH0277176 A JP H0277176A
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diamond
light
crystal
light emitting
plane
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Pending
Application number
JP1111758A
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English (en)
Inventor
Akio Hiraki
昭夫 平木
Hiroshi Kawarada
洋 川原田
Naoya Igawa
井川 直哉
Shoichi Shimada
尚一 島田
Hirotoshi Yoshinaga
吉永 博俊
Kazuhito Nishimura
一仁 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Diamond Industrial Co Ltd
Original Assignee
Osaka Diamond Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、発光素材としてのダイヤモンド結晶に処理
を加えて、発光強度を著しく増大させた発光チップ及び
その製造方法に関するものである。
〔技術的背景] 近年、屋外表示やオーディオ等の民生用機器の表示器等
に、発光ダイオードを用いた発光装置が多く使用されて
いる。第1図はごの種の発光装置の1例を示しており、
ドーム型の透明樹脂2の内部に、加電圧回路3が接続し
た発光ダイオードチップ1を設置し、そのチップ1に電
圧を加えて、電気エネルギーを光エネルギーに変換して
発光させるものである。
ところで、このような発光装置には、装飾性や多様な表
示機能を得るために、赤色や緑色、黄色、青色などの多
種類の発光色が求められる0発光ダイオードの発光色は
、その材料の禁制帯幅(Eg)で決まり、発光波長をλ
(nm)とすると、λ≧hc/Eg=1240/Eg 
(eV)なる関係がある。ここで、hはブランク定数、
Cは光速であり、可視光は、700nm赤から400n
mの紫までであるから、Egに換算すれば1.7eVか
ら3.1eVに相当する。
従来、赤色や緑色の発光については、GaPやGaAs
 1−xPx等の半導体チップを用いることにより、強
くて明確な発光を得ることができ、現在では大量に生産
され、広(民生用や産業応用にまで使用されている。
これに対して青色光を得るためには、2.6eV以上の
禁制帯幅をもつ発光材料が必要であり、その発光材料と
して、従来SiCやGaN等が知られているが、これら
の材料が大量生産に付されて商品化されるまでには、大
きな困難な点がある。
すなわち、SiCは、−II的なウルツ拡形結晶構造を
もつもので、Egが室温で約3eVであり、青色までの
発光が可能であるが、実用に供せられているのは黄色発
光素子だけであり、発光効率も非常に低い、GaNも、
Egが室温で3.7eVもあって、紫外線発光まで得ら
れる可能性のある材料であるが、結晶成長がむずかしく
、まだρn接合をうるまでには達していない状態であり
、実用に供するためには、不純物のコントロールされた
良質の結晶が必要である。しかし、現在の結晶成長技術
は、はとんどその域に達していないのが実情である。
このように、従来すでに赤、緑色の発光に関しては同程
度の明るさのものが得られているが、光の3原色の残り
の1つである青色に関しては不充分な状態にあり、強い
青色光を発光する材料が待たれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
−aに、物体に電子線を照射すると、散乱電子等の他に
二次電子や光子が生成される。この場合の光子は、電子
線により励起された物体中の電子がより低いエネルギ準
位に遷移する過程で放出されるもので、その発光現象は
、カソードルミネッセンス(CaLhodolumin
escence;以下CLと略する)と呼ばれている。
このような発光スペクトルにより物体中の不純物や格子
欠陥等の存在を知ることができる。
ところで、上記の電子線照射をダイヤモンドに対して行
なった場合、強い青色の発光が観察される。第2図は、
天然ダイヤモンドチップからのCLスペクトルを示すも
ので、図に示すように、このスペクトルは、2.9eV
付近にピークが存在し青色の発光をする。一方、第3図
は、IIa型の天然ダイヤモンドのCLスペクトルを示
しており、このスペクトルでは、2.9−3.Oc V
にピークが存在し、その発光は青紫色を呈する。また、
高圧合成や低圧気相合成の人造ダイヤモンドにも青色発
光を示すものが各種認められている。
これに対して、SiCチップのCLスペクトルは、第2
図に破線で示すように、3.OeV近傍がピークとなる
緩やかなカーブを示し、図から明らかなように、ダイヤ
モンドの発光強度は、SiCチップのものに比べて数倍
強いものが得られる。
したがって、従来の発光ダイオードに代えてダイヤモン
ドを発光チップとして用いることにより強い青色光の発
光装置が得られる可能性がある。
第4図は、このような考えに基づき、ダイヤモンドチッ
プを発光チップとして用いた発光装置を示すもので、容
器4の内部に、電子線照射器5とダイヤモンドチップ6
を対向して設けて形成されている。
ダイヤモンドチップ6内に入り込んだ電子線は、原子を
励起させて発光現象を生じさせる。この発光は、照射面
6aの界面近くで生ずるものであるが、ダイヤモンドが
光透過性をもつために、ダイヤモンドチップ6の全周囲
でその発光を観察することができる。
ところが、上記の発光装置を用いてダイヤモンド結晶を
発光させた場合、従来の天然や人造ダイヤモンド結晶の
多くは、発光強度が微弱なものしか得られず、時には強
い発光強度を備えるものも存在するが、これを安定して
選択することができない状態にある。さらに、同じタイ
プのダイヤモンド結晶であっても、発光輝度が高いもの
と低いものがあり、発光色も濃い青色から、緑色に近い
青色のものまでばらつきがある。
また、青色のような短波長は、視覚器に入る刺激、いわ
ゆる視覚的強度が緑色や黄色等に比べて弱く、印象の強
い青色光を得るには、他の色の発光に比べて強い発光強
度が必要とされ、赤色や緑と同程度の明るさを得るため
には、青色光の発光チップは、相当強い発光強度を備え
なければならない。
このため、ダイヤモンド結晶を用いて従来の赤色や緑色
の発光デバイスと同等の発光特性を有する青色発光デバ
イスを提供するためには、ダイヤモンド結晶の発光強度
をダイヤモンドが自然に持っている強度より数倍以上増
大させることが必要である。
また、ダイヤモンド結晶を発光ダイオード等の半導体材
料に代わる発光素子として用いる場合、ダイヤモンド結
晶には、構造的及び特性的に必要とされる以下に挙げる
ような要件がある。
(1)加工性が良いこと(ダイヤモンド結晶は極めて硬
度が多く、薄形の千ンブを形成する上で加工性の難易は
商品化する上で重要であり、また、発光面や電極面には
高精度の平坦面が必要である。) (2)  薄形で良質な結晶の作成(半導体結晶を絶縁
体ではさんで形成されるMIS型構造の発光デバイスに
おいては、半導体結晶は薄膜状に形成される必要がある
。) (3)良好な半導体特性、特に優れたショットキータイ
オード特性を備えること(エレクトロルミネッセンスを
得るには、良好なショットキーゲートが結晶表面に形成
できることが条件になる。) (4)低電気抵抗層の作成(高効率でキャリア注入を行
なうために必要であり、p−n接合による発光デバイス
を得るために必要になる。)〔発明の目的) そこで、この発明の第1の目的は、ダイヤモンド結晶に
処理を加えて、発光強度を大幅に増大させた発光チップ
及びそ0製造方法を提供することにある。
また、第2の目的は、上述したようなELやr2EDの
発光デバイスに適用する上で必要とされる特性や構造に
、ダイヤモンド結晶を改良しうる技術を提供することで
ある。
[目的を達成するための手段〕 この発明は、上記の第1の目的を達成するため、ダイヤ
モンド結晶から成るチップにおいて、その発光面に多数
の結晶欠陥を設けた構造を採用したのである。
また、製造方法として、ダイヤモンド結晶を加応力状態
において酸素含有雰囲気中で熱処理する方法を採用する
一方、第2の目的を達成するため、その第1手段として
、発光チップの発光面がダイヤモンド結晶における(1
001面、+1101面、(3111面又はそれらの各
面に対して10度の傾斜範囲にある結晶面とする構造を
採用する。
なお、上記構造において、発光面を20n信Rwax以
下の面粗度で形成するのが望ましい。
また、第2の手段として、上述した発光チップを形成す
るダイヤモンド結晶を、酸素または炭酸ガスを含むガス
雰囲気中でCVD法により生成した構造を採用する。
第3の手段として、上述した発光チップを形成するダイ
ヤモンド結晶を、ボロン、またはボロンに酸素と炭酸ガ
スのいずれか1つ又はその両者を混合したガスを含むガ
ス雰囲気中で、CVD法により生成する構造を採用する
第4の手段として、上述した発光チップを形成するダイ
ヤモンド結晶を、基板上にエピタキシャル成長により生
成した構造を採用する。
なお、上記第4の手段においては、基板にダイヤモンド
結晶を用い、そのエピタキシャル成長面を、(1001
面、(1101面、(3111面又はそれらの各面に対
して10度の1頃斜範囲にある結晶面とするのが好まし
い。
〔作用〕
く第1の目的達成手段について〉 本発明者等は、ダイヤモンド結晶中に含まれる不純物や
格子欠陥と発光との関連について研究を進め、青色発光
及び発光強度に関係するエネルギーバンドや発光中心の
同定を行なった。
従来、ダイヤモンドの光物性検査に用いられているCL
においては、可視領域で数多くの発光中心が報告されて
いる。このうち、発光強度の高いものは、青色および緑
色領域に存在し、この領域で代表的なものとして、バン
ドA、H3センター、N3センター、及び転位からの発
光等がある。
バンドAの発光は、ダイヤモンドの全てのタイプ(Ia
、Ib、Ila、nb)で共通して観測され、そのピー
クは、2.2−3.、Oe Vに存在する。この発光機
構は、ドナーとアクセプターのペア間での再結合過程に
より説明されており、天然ダイヤモンドでは、1型(N
が多い)、■型(Nが少ない)を間゛わずピークが2.
6−3.Oe Vにある青色発光をするものが大半であ
る。
N3センターによる発光は、2.46eVにゼロ・フォ
ノン線が存在し、発光スペクトルは2.3eVにピーク
を持ら、黄緑色に発光する。ダイヤモンドのタイプでは
、天然ダイヤモンドのIa型で多く観測されており、I
b型やIla型でも観測される。
N3センターは、N3センターと似たタイプの発光をし
、2.99eVにゼロ・フォノン線が存在し、発光スペ
クトルは2.8eV付近にピークをもつ。
このセンターは炭素(C)原子と四面体結合する4個の
原子のうち3個がN原子となる構造で説明され、Nが非
常に多いダイヤモンドで観測される。
転位からの発光は、CLでのみ観測され、スペクトルは
2.4eVから少なくとも3.1eVにわたり、ピーク
は2.8eV付近に存在する。この発光の原因について
は、転位周辺の格子歪による禁制帯幅のnarrowi
ng 、転位芯が作る局在した電子状態、転位周辺に集
った近接したドナーアクセプタベアなどが考えられてい
る。
このように、ダイヤモンド結晶の発光は、結晶格子の中
に含まれる窒素等の不純物や、転位、空孔等の結晶欠陥
、及びこの結晶欠陥と不純物との結合したものが発光中
心となり、その存在により発光特性が太き(左右される
。すなわち、各種のダイヤモンド結晶における発光強度
や発光色のばらつきは、ダイヤモンド結晶中に存在する
発光中心の量や種類の相異に由来していると推察できる
このため、逆に、ダイヤモンド結晶に人為的に発光中心
を付加してやれば、発光強度を増大させることができる
結晶に欠陥を付与する方法として、酸化によるエツチン
グが知られている。これは、結晶表面を酸素雰囲気中で
熱処理すると、結晶表面の原子が酸素と結合して、結晶
面から飛ばされる現象を利用したものであり、飛ばされ
た原子の後の結晶面には、原子空孔等の点欠陥が1発生
する。
また、物体を加熱すると、その物体を構成している原子
の熱振動が増大し、ある活性化エネルギ以上のエネルギ
を持つに至った原子は、原子間に介在する空孔等分して
移動する。(所謂原子の拡散現象が生じる。) 上記の原子の移動を規制する活性化エネルギの大きさは
、原子の界面部においては、その界面部に作用する表面
張力に影響される。
すなわち、物体に引張応力を加えた状態で加熱すると、
物体の表面にある原子には、表面張力により外部空間に
向かう力が作用し、表面から外部空間側への移動に対す
る活性化エネルギの大きさを小さくする。このため、物
体の表面においては、原子が表面から外部空間に向かっ
て張り出す頻度が相対的に高くなり、表面近傍での空孔
濃度が高くなる。
以上の現象により、いま、発光面に引張り力が作用する
ようにダイヤモンド結晶に応力を加えて酸素雰囲気中で
加熱すると、引張り場によって発光面表層の原子は隣接
する原子との結合力が弱められ、結晶内側の原子に比べ
て不安定な状態になっているため、発光面表層の原子が
優先的に酸化作用を受け、多量の原子が酸化物となって
外部へ飛ばされる。このため、発光面表層には、応力を
加えないで行なう単なる熱処理に比べて、著しく多量の
原子空孔等の点欠陥が発生する。また、結晶に応力を加
えることにより、結晶内部の転位を増大させることがで
きる。
このような結晶欠陥は、加熱により結晶内部に拡散し、
結晶に含まれた不純物や他の結晶欠陥と結合して発光中
心となる。例えば、拡散した原子空孔がダイヤモンド結
晶中の窒素と結合すると、N原子−空孔−N原子(N−
V−N)の構造で結晶中に存在する。このN−V−Nの
構造は、上述したII 3センタの構造と似ているが、
窒素の分布状態の濃度や距離等の差により、青色の発光
中心になると見られている。
以上のように、結晶に応力を加えて原子同士を引き離し
て原子を飛び出しやすい状態におき、その状態で酸化処
理することにより、結晶表面の原子が多量にエツチング
され、空孔、転位等の結晶欠陥を高濃度で形成すること
ができる。この結晶欠陥は次に結晶内部で発光中心を形
成するため、発光面の発光強度が飛躍的に増大する。
上記の作用を確認した実験例を、後述のく実験例1〉及
び〈実験例2〉で述べる。
く第2の目的達成手段について〉 (第1の手段に関して) ダイヤモンド結晶の硬度は、結晶面により異なり、最も
軟らかいのが(1001面、ついで+1101面、(3
111面で、最も硬い面が(11,11面である。この
ため、(100)而から+110)面、[3111面ま
での範囲の結晶面を、精密加工を要する発光面に選ぶこ
とにより、成形作業が容易に行なえる。
また、floo 1面は、他の面に比べてエピタキシャ
ル層が平坦性に優れており、またダイヤモンドのエピタ
キシャル層の成長が他の面より良好になる利点がある。
一方、発光面の表面に激しい凹凸があると、その表面に
形成されたショットキー電極とダイヤモンド結晶との間
に多(の界面準位が形成され、シッフ)・キー特性にお
いて逆方向の漏れ電流が大きくなる原因となる。また、
エピタキシヤル膜を成長させる上でもその成長面には良
好な而粗さが必要になる。このため、発光面は20 n
mRmax以下の面粗さで形成する必要がある。特に良
好なショットキー接合を得るには、2 nmR+wax
以下で形成するのが好ましい。
上記の面粗さの形成は、加工性の良い+100 +面や
(1101面に、(311)面おいて簡単に行なえる。
また、上記の+1001面や(1101面、(3111
面は、発光特性の点でも(111)面に比べて優れてい
る。参考図1はダイヤモンド結晶に電子線を当てた場合
のCL像を示したものであり、黒くみえる部分は(11
11面、白くみえる部分(発光部分)は+1001面と
(3111面である。  (1111面に比べ+100
1面や(311)面の方が明らかに強く発光しているの
がわかる。また、(1to 1面及び+3111面も(
1001面と同等以上の発光強度を示しており、これら
の結晶面を発光1fflに選ぶことにより良好な発光強
度を得ることができる。
なお、発光面を+100 )面、(1101面又は(3
111面で設定する場合、出来る限り発光面を基準とな
る+ 1001面、(1101面又は+3111面に一
致させておくのがよく、通常上記結晶面に対して±10
@の範囲に設定するのがよい。
(第2、第3、第4の手段に関して) CVD法において、原料ガス中に酸素や炭酸ガスを混入
すると、酸素原子が生成されたダイヤモンド結晶表面の
炭素原子と吸着し、炭素原子と水素原子との吸着を防止
する。すなわち、通常の原料ガスは、CH4とH2の混
合ガスであるが、このガスに、NI素(02)や−酸化
炭素(CO)、二酸化炭素(Co□)等を添加してCV
D反応を行なうと、添加物に含まれる酸素が結晶表面の
炭素と反応して結び付き、第12図(ト))に示すよう
な表面に酸素が吸着した状態になる。このように吸着し
た酸素は、ショットキーダイオード特性を向上させる働
きをする。この作用については、後述の〈実験例3〉で
説明する。
酸素又は炭酸ガスを原料ガスに添加する場合の組成比の
例を第1表に示す。なお、第1表には、基板温度を90
0°C1反応管内圧力を3.3KPaとして気相合成す
る場合の形成速度も表示しである。
第1表 一方、ダイヤモンドは、炭素原子の共有結合であって一
般に優秀な電気の絶縁体であるが、結晶内部にボロンが
介在している場合、p型の半導体特性を示すようになる
このようなp型持性を有するダイヤモンドは、気相合成
、或いは高圧合成のダイヤモンドにボロンを不純物とし
て混入して人工的に形成することができる。
気相合成法によるボロンの結晶内への含有は、ジボラン
(Bg H6)を水素ガスで希釈し、それらを炭素や酸
素と混合した化合物ガスからダイヤモンドを生成すれば
、行なうことができる。このドープ量は、水素ガスとジ
ボラン(Bz Hb )との混合比を、結晶中にtop
p−以上の含有されるように設定する。この設定範囲は
、特に、lO〜11000ppの範囲にあるのが好まし
い。
このようにボロンをドープしたダイヤモンド薄膜をエピ
タキシャル成長法により生成した例を、く実験例3〉で
説明する。
〔実験例〕
以下、この発明について行なった実験例を説明する。
く実験例1〉 ダイヤモンド単結晶の試料の表面に、ヘルツ破壊試験機
の押圧子によりリングクランクを形成して応力場を形成
した。
試料の結晶面は(111)面であり、球形の押圧子によ
るリングクランクは略正六角形となる。第5図はリング
クランクの断面を模型的に示している。押圧子の加圧面
7の近傍部8は、試料内部に進行したクラツク9先端部
の高いせん断力のため上側に盛り上っている。このため
、加圧面7から外側に向かって進行したクランク9に対
して表面側の部分10は、上記近傍部8の盛り上りによ
り引張られて引張り場が与えられ、逆に奥側の部分11
には圧縮場が作用している。
上記の試料を、大気中で300°C及び600°Cの温
度でそれぞれ1時間加熱し、その熱処理の前後でCLを
採取した。
参考図2(a)(b)及び参考図3(a)(b)は得ら
れたCL像の顕微鏡写真を示している。同図に示すよう
に、300℃の加熱温度では熱処理による発光領域にあ
まり変化はみられないが、600℃の加熱温度では熱処
理の前後で明らかにリングクランクの近傍で発光強度と
発光領域の増大が見られる。
上記発光強度と発光領域の増大は、700℃を越える加
熱温度でも得られる。また、発光強度の増加だけに限っ
ていえば、加熱温度200 ’Cから見ることができる
各種テストの結果、顕著な発光強度と発光領域の増大を
得るためには、ダイヤモンドが連続的酸化を起す温度範
囲(350°C〜700°C)の範囲で加熱温度を設定
するのがよい。なお、上記範囲は大気圧下での条件であ
り、真空度を高めるか、不活性ガスを添加する等により
酸素分圧が小さくなれば、上記適用温度は高温側にシフ
トする。また、加熱温度の上限は、ダイヤモンドが燃焼
して炭化する1100℃となる。
(追試■)熱処理時間の影響 熱処理時間の影響をみるため、600 ”Cの温度で加
熱する過中で、時間経過ごとの発光特性の変化を調べた
参考図4(a)乃至(d)は、それぞれ熱処理時間を5
分、10分、20分と変化させた場合のCL像を示して
いる。また、参考図5(a)乃至(d)は、熱処理時間
を30分、1時間、2時間、4時間と変化させた場合の
CL像を示している。
上記結果により、加熱時間が5分の状態で、加熱前に比
べて発光強度と発光2n域の顕著な増大が見られる。ま
た、30分程度で発光領域がほぼ決まり、それ以上加熱
しても、発光強度は若干増大するものの、発光領域の変
化はあまりみられない。
(追試■)酸素の影響の考察 上記ダイヤモンド結晶の試料を、真空中(10−”To
rr )で600℃の温度で加熱し、熱処理前後のCL
像を採取した。参考図6(a)伽)はその結果を示す。
上記結果により、酸素の無い真空中では熱処理の前後で
、発光強度、及び発光領域の増大はほとんどみられなか
った。この結果と参考図3(a)(b)の結果との比較
により、発光特性の増大に対して酸素の影響の大きいこ
とが明らかである。
(追試■)応力場と発光領域との関連性発光領域がクラ
ックのどの部分で発生しているかをみるために、試料に
複数のリングクランクを1列に並べて形成して600 
’Cの温度で1時間加熱し、その試料を次にリングクラ
ンクの列とほぼ平行にリングクランクにかかるまで側面
を研摩し、その断面のCL像を観察した。その結果、第
5図においてクラック9より表面側の部分10で発光が
みられ、クラック9より奥側の部分11では発光領域が
見られなかった。これにより、引張り場が発光現象に影
響のあることが分る。
(追試■)加応力状態の影響 応力の有無により影響をみるため、上記試料に応力を加
えないで大気中で600 ’Cの温度で加熱し、その熱
処理前後のCL像を採取した。参考図7(a)(b)は
そのCL像を示しており、熱処理の前後で発光強度や発
光領域の特別な増大がみられない。
このため、加応力状態が発光特性の増大に必要なことが
解る。
く実験例2〉 第6図に示すように、ダイヤモンド単結晶の試料12(
厚さ0.50111、長さ3.2m、幅1.5mm)の
下面に、金属層13 (NiSMo、Ti等)をコーテ
ィングし、これを高真空(1,2X10−’Torr)
下でタングステンの台金14に金ろう15を用いてろう
付けした(ろう付温度は1200°C前後)。
次に、上記のように形成した試験品16を室温まで戻す
と、ダイヤモンド結晶とタングステンの熱膨張係数の違
いにより、台金14と接着した試料12の下面は収縮に
よる圧縮応力が加わり、逆に試料12の上面には引張り
応力が加わることになる。
このように加応力状態においた試験品16を、次に大気
中で600℃の温度で1時間加熱し、その熱処理前後の
CL像を採取した。参考図8(a)(b)はそのCL像
を示したものである。
上記結果により、熱処理前は発光の弱かった部分が熱処
理後は強く発光し、かつその発光強度も著しく増大して
いるのが分る。
なお、ダイヤモンド結晶からなる発光チップに応力を加
える方法は、上記のく実験例1.2〉の方法の他に、チ
ップをセラミック製のバイスやねじなどで圧縮して行な
うこともできる。すなわち、チップを圧縮すると、圧縮
方向と直交する方向では引張応力が生じることになり、
この場合、引張応力の作用面を結ぶ方向を電子線の照射
方向にとる。なお、加圧するバイス等を金属製とすると
、熱処理中に金属とダイヤモンドが反応・してダイヤモ
ンドチップの表面が汚れるという欠点があり、好ましく
ない。
〈実験例3〉 マイクロ波プラズマCVD装置を用いて、P9−3i基
板、及び高圧合成1bダイヤモンドの基板上に、ホモエ
ピタキシャル成長によりボロンドープダイヤモンド薄膜
を形成した。
製造条件は第2表に示す通りである。この場合、ドーピ
ングガスとしてB t Hh (100pp+w)を使
用した。
p”−5tl板は、トリクレン、アセトン、メタノール
中で、各15分間の超音波洗浄後、ダイヤモンド微粒子
を用いて表面処理した。また、ダイヤモンド基板は、エ
ピタキシャル成長面をアセトンで有機洗浄した。
ダイヤモンドの製造は、上記基板プラズマ装置のを反応
容器内で保持し、その反応容器内に原料ガスを導入して
、圧力30To r rにてプラズマ発生源よりプラズ
マを発生させ、管内圧力を保ちながら結晶を基板上に成
長合成させて行なった。
上記の方法で得られたP型半導体ダイヤモンド薄膜を、
次に第7図に示すポイントコンタクト法を用いてI−V
特性を観測した。結果を第8図(a)(b)(C)に示
す。なお、第7図において、17は/1の金属電極、1
8はP型半導体ダイヤモンド薄膜、19は基板、20は
オーミック接合の金属電極である。
第8図に示す結果により、明らかに反応ガスによりショ
ットキーダイオード特性に違いのあることが分かる。
次に、この特性が表面状態に依存することを確認するた
め、第3表に示す製造条件でダイヤモンド結晶を形成し
、そのI−V特性を採取した。結果を第9図(a)(ロ
)(C)に示す、また、第1O図及び第11図に、これ
らのサンプルのラマンスベクトルヲ示す。
第3表 上記の第9図の結果と、第10図と第11図に示された
′ラマンスペクトルの一致から、ショットキーダイオー
ド特性は、バルクの性質には依存していないことが明ら
かであり、ダイヤモンド表面状態は、表面に吸着する原
子によって決まり、ダイオード特性はこの表面状態に依
存していることが分る。
上記の表面状態の構造をみるため、第12図に示すよう
な表面状態のモデルを考えた。第12図(a)は水素原
子が吸着したモデル、第12図℃)は酸素原子が吸着し
たモデルであり、反応ガスがCHaの場合第12図のモ
デルに、反応ガスにCOや0□など酸素が含まれている
場合、第12図[有])のモデルになると推察できる。
また、第13図は、ダイヤモンド表面のC−H。
C−0ポンドの分子軌道ダイヤグラムを示している。こ
の第13図から、表面に吸着する酸素原子と炭素原子と
の化学結合により誘起するエネルギー準位は、ダイヤモ
ンドのバンドギャップ中に存在し、フェルミレベルのピ
ニング効果をもたらすが、水素原子では誘起準位がバレ
ンスパント中にあり、フェルミレベルはピニングされな
いことが導き出される。
なお、上記と同じ現象は、酸素含有雰囲気中でダイヤモ
ンドを加工することによっても得ることができる。例え
ば、大気圧中でダイヤモンドを研磨加工をすると、その
研磨された加工面の炭素には酸素が吸着し、上述したよ
うに表面状態が改質される。
〔その他のダイヤモンドの改良技術〕
良質結晶の作成は、ダイヤモンドを異種基板上にエピタ
キシャル成長させて実現できるが、他に核形成位置を制
御することにより粒径が数十−数百一の良質の単結晶粒
子からなる多結晶グイヤモンド基板を得ることができる
。気相合成法による結晶ダイヤモンドの粒界は、表面に
存在するC−H結合により電気伝導路となっていないこ
とが確認されており、粒径がある程度制御された多結晶
基板であれば、p−n接合における電気特性はデバイス
動作上なんら支障はなく、その場合の発光特性も単結晶
のそれに匹敵する。
一方、高効率でキャリア注入を行うためには、低電気抵
抗層が必要であるが、Bドープのp型結晶ダイヤモンド
薄膜では10− ”〜lO″Ωlの抵抗層が得られ、こ
の値はS+のそれに匹敵する。青色発光する値の広禁制
帯幅の半導体では数ΩC1を得るのでさえ非常に困難で
あることから、ダイヤモンド薄膜ではキャリアの増大に
よる高い発光強度が期待できる。
なお、発光チップは、少なくとも1部分に発光面(又は
照射面)と光透過面との間を挿通ずるダイヤモンドが存
在していればよく、例えば、ダイヤモンド単結晶をスラ
イスして一体で形成したり、気相合成で作成したダイヤ
モンド薄膜を利用する。
また、発光チップは、粉砕した天然ダイヤモンド粉末か
ら形成することもできる。この粉末からの形成は、大面
積のチップの形成を可能とし、例えば第14図(a)に
示すように、ダイヤモンド粉末21をN122により電
解メツキで接合し、その両表面をボリンシュ加工して、
第14図(b)に示すように、ダイヤモンドを表面に露
出させて形成する。
なお、上記のようにNiメンキで行なう場合、Niメツ
キにサッカリン等の添加物を添加すると、メンキ接合時
にNiが強く収縮してダイヤモンド粉末21を強い応力
を加えた状態で接着する。このため、成形後のチップは
、加応力状態になり、この状態のまま加熱炉に入れるこ
とにより上記したような発明の効果を得ることができる
(発明の効果) 以ト説明したように、この発明は、ダイヤモンドが持つ
青色発光性に基づいて、ダイヤモンドを半導体デバイス
に応用した場合に、安定した青色発光で強い発光強度を
備えた発光チップを提供するものであり、従来はとんど
存在していなかった青色光の発光装置を実現する。そし
て、このような発光装置は、ダイヤモンドの光物性を自
然体で利用することになるため、デバイス特性の信頼性
およびデバイスの量産性において極めて有利になる利点
を有する。
また、発明の処理を加減することにより、ダイヤモンド
の青色発光強度を調節できる111点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は発光ダイオードを用いた発光装置の構造図、第
2図及び第3図はそれぞれ天然ダイヤモンドのCLスペ
クトルを示す図、第4図は電γ線照射を利用した発光装
置の構造図、第5図はリングクランクの断面図、第6図
は試験品の構造を示す図、第7図はポイン1コンタク[
法の概略図、第8図(a)(b) (C)及び第9図(
a) (b) (C)は、それぞれ1−■特性を示す図
、第10図及び第11図はラマンスペクトルを示す図、
第12図(a) (b)はそれぞれダイヤモンド表面状
態のモデルを示す図、第13図は分子軌道ダイヤグラム
を示す図、第14図(al (b)は発光チップの製造
例を示す図である。 第10図 分  光  値  (cm−1) 第11図 分  光  値  (cm−)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ダイヤモンド結晶から形成され、発光面に多数の
    結晶欠陥を有する発光チップ。
  2. (2)ダイヤモンド結晶を加応力状態において酸素含有
    雰囲気中で熱処理して成る発光チップの製造方法。
  3. (3)発光面が、ダイヤモンド結晶における{100}
    面、{110}面、{311}面又はそれらの各面に対
    して10度の傾斜範囲にある結晶面である請求項(1)
    に記載の発光チップ。
  4. (4)発光面が、20nmRmax以下の面粗度で形成
    されている請求項(3)に記載の発光チップ。
  5. (5)ダイヤモンド結晶が、酸素または炭酸ガスを含む
    ガス雰囲気中でCVD法により生成されている請求項(
    1)、(3)又は(4)に記載の発光チップ。
  6. (6)ダイヤモンド結晶が、ボロン、またはボロンに酸
    素と炭酸ガスのいずれか1つ又はその両者を混合したガ
    スを含むガス雰囲気中でCVD法により生成されている
    請求項(1)、(3)又は(4)に記載の発光チップ。
  7. (7)ダイヤモンド結晶が、基板上にエピタキシャル成
    長により生成されている請求項(1)、(3)、(4)
    、(5)又は(6)に記載の発光チップ。
  8. (8)基板にダイヤモンド結晶を用い、そのエピタキシ
    ャル成長面が{100}面、{110}面、{311}
    面又はそれらの各面に対して10度の傾斜範囲にある結
    晶面である請求項(7)に記載の発光チップ。
JP1111758A 1988-04-30 1989-04-28 発光チップ Pending JPH0277176A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1114524A (ja) * 1997-06-25 1999-01-22 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド圧子
JP2007521176A (ja) * 2003-07-03 2007-08-02 ストツケ・エイ・エス 子供用座席及び伸縮自在に調節可能な足支持具

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JPH1114524A (ja) * 1997-06-25 1999-01-22 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド圧子
JP2007521176A (ja) * 2003-07-03 2007-08-02 ストツケ・エイ・エス 子供用座席及び伸縮自在に調節可能な足支持具

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