JPH027617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （利用分野） 本考案は、循環式風呂釜の浴槽側に設けるフイ
ルター装置に関するものであり、特に、既設の自
然循環型の風呂釜の連絡水管に装着できるように
したもので、当該風呂釜を強制循環式の風呂釜に
取り換える際に前記連絡水管をそのまま利用でき
るようにするものである。また、フイルターの洗
浄を簡便に行えるようにするものである。

（従来技術及びその問題点） 従来の自然循環型の風呂釜は、第３図のように
構成され、浴槽Ａと器具Ｂとは一対の水管１１，
１１及び連絡水管１２，１２により連結された状
態で、浴槽と器具とは熱交換器（図示せず）を介
して浴槽Ａ〜水管１１〜熱交換器〜水管１１の循
環回路が形成されて、器具内のガスバーナにより
熱交換器を加熱すると、浴槽内の水が対流を起し
て浴槽Ａ内が加熱される。

この形式の風呂釜に強制循環用ポンプを付加す
ると、浴槽内が強制循環加熱されることとなる
が、最近は、器具内にポンプを内蔵した形式の器
具が利用されるようになつている。

このものでは、強制循環によつて熱効率が向上
すると共に湧上り状態における浴槽内の温度分布
の不均一が解消される利点がある。さらに、この
形式のものでは、浴槽側にフイルター装置を付加
することによつて、浴槽内及び風呂釜内が常に正
常に保たれる利点がある。

そして、上記フイルター装置としては、既に提
案されている種々のフイルター装置が利用できる
がいずれも取扱が不便であつた。

例えば、実開昭54−141072号公報に開示された
構成のものでは、浴槽壁面に連設した水管の口部
にフイルター取付け用の環状部材をネジ止めによ
つて固定するようにし、この環状部材に連設する
フイルター取付け具にフイルターを取外し可能に
装着している。

このものでは、連絡水管に螺合するネジ体によ
つてフイルター取付け具が装着されるものである
から、既設の連絡水管の構成部品がそのまま利用
できる。浴槽と連絡水管とを固定するためのネジ
体が環状部材固定手段として機能するからであ
る。ところが、この従来のものでは、フイルター
が網袋で構成されるとともにこのフイルターが浴
槽内に露出して自由状態に支持される構成である
から、入浴時にこの網袋製のフイルターに引つ掛
かり易く、フイルター自体の耐久性が不十分であ
つた。

そこで、かかる不便を解消するために、前記フ
イルター部分及びこれの保持具を実公昭57−2018
号公報に記載の方式に変更することが考えられ
る。

フイルターを包囲するカバーと支持体との間に
フイルターを挟持して、前記支持体を環状部材に
装着する構成とし、このために、連絡水管の口部
にネジ止めする環状部材を筒状体としてこれの筒
状部に前記支持体を嵌着する方式である。

この改良案の場合には、フイルターがカバーに
よつて包囲された態様で浴槽内に突出することと
なるから、フイルターの保護が十分である。とこ
ろが、支持体が前記筒状保持体に嵌着されている
だけであるから入浴者がカバーに引つ掛かつた場
合において支持体と筒状保持体とが外れ易い。

本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであ
り、〓浴槽に接続された連絡水管に螺合されるネ
ジ体と浴槽壁面との間に挟持される環状保持体に
支持体４を取外し可能に装着し、前記支持体とこ
れに外嵌装着されるカバー６との間にフイルター
５を介装挟持するようにした循環式風呂釜のフイ
ルター装置〓において、支持体４とフイルター５
及びカバー６との組が衝撃によつては簡単に外れ
ることがなく且フイルター５の洗浄の際には簡単
に取外せるようにすることを課題とするものであ
る。

（手段） 上記課題を解決するために講じた本考案の技術
的手段は、〓環状保持体を、裏面外周縁部に複数
の係合部を配設した固定リング３として、前記係
合部を固定リング３の裏面側及び外周側に開放す
る係合凹部３１，３１とし、支持体４を、前記固
定リング３の外径に一致する内径の筒部４４の連
絡水管１２側の端部から複数の透孔４３，４３を
具備するつば部４５を張出させた構成として、前
記筒部４４の内周側に張出す桟から複数の突起４
６，４６を連絡水管１２側に突出させると共に筒
部４４の連絡水管１２側の端部の内周に複数の第
１フツク４２，４２を突出させ、支持体４を固定
リング３に外嵌したとき前記突起４６，４６が固
定リング３固定用の上記ネジ体に対接した状態で
第１フツク４２が上記係合凹部３１に嵌入して固
定リング３と係合するようにし、カバー６をキヤ
ツプ状に形成してその筒状部６２の胴部に通水口
６１，６１を開口させるとともに前記筒状部６２
の先端にフランジ部６３を形成し、このフランジ
部６３の外周側から、先端に第２フツク６４を具
備させた複数の係合片６５，６５を突出させ、前
記係合片６５，６５の配設位置を透孔４３，４３
のそれに一致させて、前記フランジ部６３と筒部
４４の浴槽側の端部との間にフイルター５を挟持
させた状態で前記各係合片６５が透孔４３の周壁
にワンウエイ係合するとともに、この係合状態に
おいて各係合片６５と透孔４３の周壁との間に係
合解除方向の一定の間隔を設け、この間隔を少な
くとも第２フツク６４の係合代に相当する間隔に
設定し、カバー６及び支持体４を弾性材料によつ
て構成した〓ことである。

（作用） 本考案の上記技術的手段は次のように作用す
る。

固定リング３は、既設の筒ネジ２１を一旦取外
して浴槽壁面と前記筒ネジ２１のフランジ２４と
の間に挿入し、再度、この筒ネジ２１を連絡水管
１２にネジ込むと、この固定リング３は筒ネジ２
１のフランジ２４と浴槽壁面に挟圧され、しか
も、浴槽Ａの壁貫通部のシールはパツキン相互に
より確保されたものとなる。この状態では筒ネジ
２１から連絡水管１２への流路が外周気密状態に
連通している。

次いで、この固定リング３の係合凹部３１，３
１に支持体４の第１フツク４２を係合させて両者
を結合すると、突起４６が連絡水管１２に対接し
た状態で抜止め状態に装着される。従つて、支持
体４が安定的に固定リング３に結合装着されるこ
ととなる。

前記支持体４にカバー６を外嵌するとともに両
者間にフイルター５を介在させて係合片６５の先
端部を透孔４３に挿入させると、この係合片６５
の第２フツク６４の位置及び脚部６６の突出長さ
が所定の値に設定されているから、第２フツク６
４が透孔４３に抜止め状態に係合すると共にフイ
ルター５が筒部４４とカバー６のフランジ部６３
との間に挟持されることとなる。

そして、この状態では、カバー６の通水口６１
〜フイルター５〜筒部４４及び筒ネジ２１を介し
て浴槽Ａ内と連絡水管１２とが連通する。

尚、カバー６は、弾性変形可能な係合片６５と
透孔４３の周壁とがワンウエイ係合し、しかも、
係合片６５の係合解除方向に所定の移動余裕を有
するように前記透孔４３の大きさを設定してある
から、係合片６５を係合解除方向に押込むことに
よつて透孔４３の周壁と第２フツク６４との係合
が外れる。従つて、必要に応じてカバー６を取外
すことができる。

（効果） 本考案は上記の構成であるから次の特有の効果
を有する。

既設の筒ネジ２１をそのまま用いてフイルター
装置が取付けられるとともに、この取付け状態が
安定する。特に、固定リング３と支持体４との係
合及び支持体４とカバー６との係合が回動阻止状
態に係合することから、これらの回転方向の取付
け姿勢も安定する。換言すれば、カバー６が不用
意に回動して通水口の位置が変化する不都合も生
じない。

必要に応じてカバー６が簡単に取外せるからフ
イルター５の洗浄が簡単である。

又、フイルター５を支持体とカバー６との間に
挟持させ状態において、カバー６が支持体４に抜
止め状態に確実に保持され、衝撃力が作用して
も、これらが不用意に外れる心配がないから、カ
バー６およびフイルター５の取付け強度が十分で
しかも必要に応じて簡単に取外せるものとなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図〜第４図に基い
て説明する。

第１図〜第２図に示す実施例のものは、カバー
６をキヤツプ状に形成してその筒状部６２の胴部
下部に一対の通水口６１，６１を開口させ、さら
に、この筒部の先端にフランジ部６３を形成し、
このフランジ部の外周縁から、第２フツク６４を
先端に設けた一対の係合片６５，６５を突出さ
せ、これら係合片６５，６５の中間のそれぞれに
さらに脚部６６を突出させたものである。

他方、支持体４は筒部４４の先端（連絡水管１
２側の端部）の内周に第１フツク４２，４２を突
出させると共に、外周側に透孔４３，４３を設け
たつば部４５が設けられ、前記透孔４３は上記係
合片６５，６５及び脚部６６，６６に合わせて配
設されている。

又、前記筒部４４の浴槽側端面に架設された複
数の桟の裏面側には筒ネジ２１のフランジ２４と
当接する複数の突起４６，４６が配設され、これ
ら突起４６，４６と第１フツク４２，４２とは所
定の関係位置に設定され、前記第１フツクが固定
リング３に係合した状態では、第１図の如く、こ
れら突起４６，４６がフランジ２４の表面に当接
する。

次に、固定リング３は、同図の如く、筒ネジ２
１の外径に合わせた内径で、他方、その外径はフ
ランジ２４の外径よりも大きく設定し、さらに、
外周部の裏面側には、係合凹部３１，３１が多数
配設され、この凹部は裏面側と外周側に開放す
る。

上記した実施例のものでは、筒ネジ２１により
固定された固定リング３に支持体４の筒部４４を
外嵌させると、第１フツク４２，４２が係合凹部
３１，３１に係合した時点で突起４６，４６がフ
ランジ２４の表面側に当接し、抜け止め状態に固
定され、しかも、係合凹部３１と第１フツク４２
の係合関係から回転阻止状態に取付けられ、さら
に、支持体４に設けた流入口部４１，４１のみを
介して筒ネジ２１内と浴槽Ａとが連通する。

次いで、第２フツク６４，６４を支持体４の透
孔４３，４３に嵌入させると、これらの寸法関係
から、第１図の如く係合し、他方、フランジ部６
３は支持体４との間にフイルター５を挟圧した状
態でこの支持体４の浴槽側の端面に当接し、カバ
ー６が前記第２フツクと透孔４３の外側端縁との
係合により抜け止め状態に取付けられる。

この場合、第２フツク６４，６４の係合と同時
に脚部６６，６６も他の透孔４３，４３に嵌入す
るから、支持体４に対するカバー６の取付状態が
安定する。又、相対回動が阻止される。

尚、このカバー６の取付姿勢については、通水
口６１，６１を下方に向けることが望ましいが、
このためには、予め、支持体４の取付姿勢を固定
リング３との関係で一定に規制すれば良い。固定
リング３に多数の係合凹部３１，３１を形成した
のは、このカバーの取付姿勢に影響する固定リン
グ３の取付姿勢の自由度を高めるためである。

以上において、支持体４及びカバー６はいずれ
も弾性を具備する材質、例えば、合成樹脂で製作
されており、この弾性復帰力により係合状態に保
持される。

従つて、第２フツク６４，６４は筒状部６２か
ら突出した係合片６５，６５に設けられているこ
とから、この脚部の弾性変形は容易であり、これ
ら脚部を外側から押込むと、第２フツク６４と透
孔４３との係合が外れ、カバー６及びフイルター
５が簡単に取外せることとなる。

尚、固定リング３はパツキン２３と別体に構成
したが固定リング３をシール機能を具備する材質
で形成すれば、パツキン２３は不要となる。

さらに、上記実施例のものでは、カバー６の中
央裏面に突出筒部６７を設けて、これにより、支
持体４の中央部にフイルター５の中央部を押圧す
る構成としたから、強制循環状態におけるフイル
ター５の振動も防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の取付状態の断面図、第
２図はその分解図、第３図は自然循環式風呂釜の
説明図、第４図はその連絡水管取付部の説明図で
あり、図中 １１……水管、１２……連絡水管、２１……筒
ネジ、２４……フランジ、３……固定リング、３
１……係合凹部、４……支持体、４１……流入口
部、４２……第１フツク、４３……透孔、５……
フイルター、６……カバー、６１……通水口、６
３……フランジ部、６４……第２フツク、６５…
…脚部、６６……ガイド片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽に接続された連絡水管に螺合されるネジ体
   と浴槽壁面との間に挟持される環状保持体に支持
   体４を取外し可能に装着し、前記支持体とこれに
   外嵌装着されるカバー６との間にフイルター５を
   介装挟持するようにした循環式風呂釜のフイルタ
   ー装置において、環状保持体を、裏面外周縁部に
   複数の係合部を配設した固定リング３として、前
   記係合部を固定リング３の裏面側及び外周側に開
   放する係合凹部３１，３１とし、支持体４を、前
   記固定リング３の外径に一致する内径の筒部４４
   の連絡水管１２側の端部から複数の透孔４３，４
   ３を具備するつば部４５を張出させた構成とし
   て、前記筒部４４の内周側に張出す桟から複数の
   突起４６，４６を連絡水管１２側に突出させると
   共に筒部４４の連絡水管１２側の端部の内周に複
   数の第１フツク４２，４２を突出させ、支持体４
   を固定リング３に外嵌したとき前記突起４６，４
   ６が固定リング３固定用の上記ネジ体に対接した
   状態で第１フツク４２が上記係合凹部３１，３１
   に嵌入して固定リング３と係合するようにし、カ
   バー６をキヤツプ状に形成してその筒状部６２の
   胴部に通水口６１，６１を開口させるとともに前
   記筒状部６２の先端にフランジ部６３を形成し、
   このフランジ部６３の外周側から、先端に第２フ
   ツク６４を具備させた複数の係合片６５，６５を
   突出させ、前記係合片６５，６５の配設位置を透
   孔４３，４３のそれに一致させて、前記フランジ
   部６３と筒部４４の浴槽側の端部との間にフイル
   ター５を挟持させた状態で前記各係合片６５が透
   孔４３の周壁にワンウエイ係合するとともに、こ
   の係合状態において各係合片６５と透孔４３の周
   壁との間に係合解除方向に一定の間隔を設け、こ
   の間隔を少なくとも第２フツク６４の係合代に相
   当する間隔に設定し、カバー６及び支持体４を弾
   性材料によつて構成した循環式風呂釜のフイルタ
   ー装置。