JPH026498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビデイオ・デイスク、デイジタル・
オーデイオ・デイスク等に対する記録再生のため
に用いる光ピツクアツプ装置に関する。

一般に、この種光ピツクアツプ装置は、半導体
レーザ及びレンズ、反射鏡等を用いた光学系によ
り構成されるのが普通であり、第１図に示すよう
な光ピツクアツプ装置が知られている。

第１図は、従来技術による光ピツクアツプ装置
における対物レンズとミラーより成る光学系とそ
の駆動機構を示すもので、第１図ａは対物レンズ
とガルバノミラーを駆動する構造の光ピツクアツ
プ装置の構成図、第１図ｂはその斜視図である。
図において、１は対物レンズ、２は対物レンズ
筒、３は支持筒、４は対物レンズ筒保持用板バ
ネ、５はガルバノミラー、６は対物レンズ駆動用
アクチユエータ、７はミラー駆動用アクチユエー
タ、８は情報記録デイスクである。

第１図ａ及びｂに示す光ピツクアツプ装置は、
対物レンズ１を保持する対物レンズ筒２が支持筒
３内に該支持筒３の両端部に設けた支持用板バネ
４を介して支持され、レンズ筒２の下部に配置さ
れた対物レンズ駆動用アクチユエータ６が対物レ
ンズ１をレンズ筒２を介してデイスク８の情報記
録面に垂直な方向に駆動制御できるように配置さ
れ、さらに、前記アクチユエータ６の下方にミラ
ー駆動用アクチユエータ７により駆動制御可能な
ガルバノミラー５を配置して構成される。図示し
ない半導体レーザ等の光源からのレーザビーム
は、ガルバノミラー５で90゜偏向され、対物レン
ズ１を介して情報記録デイスク８の情報記録面に
焦点を結ぶ。また、該情報記録面からの反射光
は、前述の経路を逆に戻り、図示しない公知の方
法により検出され、デイスク８に記録された情報
が再生される。その際、デイスク８の回転に伴な
うデイスク８の上下のぶれによるフオーカシング
エラー及びデイスク８の偏芯によるトラツキング
エラーを補償するため、アクチユエータ６及び７
は、公知の図示しないサーボ系により制御され、
対物レンズ１及びガルバノミラー５を駆動する。

このような、従来技術による光ピツクアツプ装
置は、対物レンズ１を駆動するアクチユエータ６
の下部にレーザビームの偏向手段も兼ねるトラツ
キングエラー補償用のガルバノミラー５を設けて
いるため、光ピツクアツプ装置自体の高さH₁が
大きくなりがちであり、光ピツクアツプ装置全体
の小型化、薄形化のみならず、デイスク記録再生
装置自体の薄形化を困難にしているという欠点が
あつた。

本考案の目的は、前述した従来技術の欠点を除
去し、薄型に構成できる光ピツクアツプ装置を提
供するにある。

この目的を達成するため、本考案は、対物レン
ズ筒の内部に同軸にミラーを保持するミラー筒を
設けるようにした点を特徴とする。

以下、本考案による光ピツクアツプ装置の実施
例を図面について説明する。

第２図は、本考案による光ピツクアツプ装置の
一実施例を示すもので、第２図ａは断面側面図、
第２図ｂは正面図、第２図ｃはミラーの移動によ
るトラツキングエラー補償の説明図、第２図ｄは
対物レンズ筒とミラー筒の保持方法の説明図、第
２図ｅは分解図である。図において、対物レンズ
１、対物レンズ筒２、支持筒３、対物レンズ筒保
持用板バネ４、情報記録デイスク８は、第１図の
場合と同じであり、９は全反射ミラー、１０はミ
ラー筒、２２は偏向レンズ、１１はミラー筒保持
用板バネ、１２は支持アーム、１３は全反射ミラ
ー駆動用アクチユエータ、１４は光ビーム通過用
窓、１５は切欠部、１６は半導体レーザ、１７は
コリメータレンズ、１８は偏光ビームスプリツ
タ、１９は1/4波長板、２０は収束レンズ、２１
は光センサである。

本考案による光ピツクアツプ装置は、第２図に
示すように、対物レンズ筒２内にミラー筒１０が
設けられて構成されている。対物レンズ筒２は、
その上端部に対物レンズ１を保持し、上端部及び
下端部に設けられた２組の対物レンズ筒保持用板
バネ４により上下に移動可能に支持筒３に保持さ
れている。支持筒３の内壁に固定されて取付られ
た磁気回路６′と対物レンズ筒２に取付られ、前
記磁気回路６′の磁気ギヤツプ内に挿入されたボ
イスコイル６″とは、対物レンズ駆動用アクチユ
エータ６を構成している。この対物レンズ駆動用
アクチユエータ６は、第１図により説明した従来
技術の場合と同様に、対物レンズ筒２を介して対
物レンズ１を上下方向すなわち図示Ｚ軸方向に駆
動して、情報記録用デイスク８の上下のぶれによ
つて生じるフオーカシングエラーの補償のために
用いられる。

対物レンズ筒２内に同軸状に設けられるミラー
筒１０は、該ミラー筒１０の軸に対して45゜の角
度で全反射ミラー９をその上端部に保持し、ミラ
ー筒１０の下端部及び全反射ミラー９の下部に設
けられた２組のミラー筒保持用板バネ１１により
上下に移動可能に支持筒３に保持されている。対
物レンズ筒２には、切欠部１５が設けられ、前記
ミラー筒保持用板バネ１１は、この切欠部１５を
通してミラー筒１０を支持筒３に保持している。
２組のミラー筒保持用板バネ１１の間の支持筒３
の内壁に取付られた磁気回路１３′とミラー筒１
０に支持アーム１２を介して取付られ前記磁気回
路１３′の磁気ギヤツプ内に挿入されたボイスコ
イル１３″とは、全反射ミラー駆動用アクチユエ
ータ１３を構成している。ボイスコイル１３″を
支持している支持アーム１２は、前述した対物レ
ンズ筒２に設けられた切欠部１５を通してボイス
コイル１３″をミラー筒１０に固定的に保持して
いる。全反射ミラー駆動用アクチユエータ１３
は、ミラー筒１０を介して全反射ミラー９を上下
方向、すなわち図示Ｚ軸方向に駆動して、情報記
録デイスク８の偏芯等により生じるトラツキング
エラーを補償するために用いられる。

このトラツキングエラーの補償動作を説明する
のが第２図ｅである。いま、全反射ミラー９が図
のａの位置にある場合、図の右方から全反射ミラ
ー９に達するレーザビームＬは、全反射ミラー９
で90゜偏向され、偏向レンズ２２の中心及び対物
レンズ１の中心を通り、情報記録デイスク８上の
a′に示す点に達する。全反射ミラー９が駆動され
てａの位置から上方または下方のｂまたはｃに位
置にある場合、レーザビームは、偏向レンズ２２
で偏向され対物レンズ１の中心からずれた部分を
通り、情報記録デイスク８上のb′またはc′に示す
点に達することになる。この情報記録デイスク８
上の点a′，b′，c′は、情報記録デイスク８の中心
線上にあり、全反射ミラー９を上下方向、すなわ
ちＺ軸方向に駆動することにより、対物レンズ１
から情報記録デイスク８上に焦点を結ぶレーザビ
ームの位置を情報記録デイスク８の中心線方向に
移動制御でき、これによりトラツキングエラーの
補償が行ない得る。

全反射ミラー９に対向して対物レンズ筒２の側
壁には、光ビーム通過用窓１４が設けられてい
る。また、支持筒３の対物レンズ筒２に設けられ
た光ビーム通過用窓１４に対応する位置には、同
様な光ビーム通過用窓１４′が設けられており、
その外側には、公知のレーザビーム発生及び検出
用の光学系が設けられている。この光学系は、第
２図ａ及びｂに示すように、半導体レーザ１６、
コリメータレンズ１７、偏向ビームスプリツタ１
８、1/4波長板１９、収束レンズ２０、光センサ
２１により構成されている。

次に、以上説明したような構成の光ピツクアツ
プ装置の動作を説明する。

半導体レーザ１６で発生されたレーザビーム
は、コリメータレンズ１７、偏向ビームスプリツ
タ１８、1/4波長板１９、支持筒３に設けられた
光ビーム通過用窓１４′、対物レンズ筒２に設け
られた光ビーム通過用窓１４を経て全反射ミラー
９に導びかれる。レーザビームは、この全反射ミ
ラー９により、90゜偏向され対物レンズ１を介し
て情報記録デイスク８上の情報記録トラツクに焦
点を結ぶ。

情報記録トラツクからの反射ビームは、前述と
逆の経路で偏向ビームスプリツタ１８迄戻り、該
偏向ビームスプリツタで90゜偏向され、収束レン
ズ２０を経て光センサ２１に達する。光センサ２
１は、反射ビーム中に含まれる情報信号、フオー
カシングエラー信号、トラツキングエラー信号を
検出する。検出されたフオーカシングエラー信号
及びトラツキングエラー信号は、図示しないサー
ボ系を介してボイスコイル６″及び１３″に印加さ
れ、対物レンズ駆動用アクチユエータ６及び全反
射ミラー駆動用アクチユエータ１３を駆動制御
し、前述したように、フオーカシングエラー及び
トラツキングエラーの補償を行なう。

なお、前述した本考案による光ピツクアツプ装
置において、２組の対物レンズ筒保持用板バネ４
相互間の距離及び２組のミラー筒保持用板バネ１
１相互間の距離は、対物レンズ筒２及びミラー筒
１０の駆動時における横ぶれを少なくするため、
前述した構成の範囲内においてできるだけ大きく
なるように構成される。また、対物レンズ筒保持
用板バネ４及びミラー筒保持用板バネ１１は、特
に板バネに限定される必要はなく、対物レンズ筒
２、ミラー筒１０を支持筒３に移動可能に保持で
きるものであれば、どのような形式の弾性支持体
であつてもよい。

本考案による光ピツクアツプ装置は、前述した
ように、全反射ミラーを保持するミラー筒を対物
レンズ筒の内部に収納し、さらに、対物レンズ駆
動用アクチユエータ及び全反射ミラー駆動用アク
チユエータを支持筒の内部空間に設けて構成され
ているので、光ピツクアツプ装置自身の高さH₂
を、支持筒の高さと同じにすることができ、第１
図により説明した従来技術による光ピツクアツプ
装置に比較して、より薄型に構成できる。このた
め、本考案による光ピツクアツプ装置は、ビデイ
オ・デイスク、デイジタル・オーデイオ・デイス
ク等の記録再生装置に用いて、これら装置の小型
化を達成させることができ、また、情報記録装置
等に用いられている光情報フアイル用デイスク・
プレーヤに用いて好適である。また、本考案にお
いては、フオーカシングエラー補償のための対物
レンズ駆動用アクチユエータ及びトラツキングエ
ラー補償のための全反射ミラー駆動用アクチユエ
ータとして、ボイスコイル式のものを用いている
ので、これらアクチユエータの電磁−力学変換効
率が大きく、アクチユエータの制御効率を高くす
ることができ、フオーカシングエラー及びトラツ
キングエラーの補償精度を向上させることができ
る。

以上説明したように、本考案によれば、小型、
薄型で、フオーカシングエラー及びトラツキング
エラーの補償精度の高い光ピツクアツプ装置を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来技術による光ピツクアツプ装置
の構成図、第１図ｂはその斜視図、第２図は本考
案による光ピツクアツプ装置の一実施例を示すも
ので、第２図ａは断面側面図、第２図ｂは正面
図、第２図ｃはミラーの移動によるトラツキング
エラー補償の説明図、第２図ｄは対物レンズ筒の
保持方法の説明図、第２図ｅは分解図である。 １……対物レンズ、２……対物レンズ筒、３…
…支持筒、４……対物レンズ筒保持用板バネ、５
……ガルバノミラー、６……対物レンズ駆動用ア
クチユエータ、７……ミラー駆動用アクチユエー
タ、８……情報記録デイスク、９……全反射ミラ
ー、１０……ミラー筒、１１……ミラー筒保持用
板バネ、１２……支持アーム、１３……全反射ミ
ラー駆動用アクチユエータ、１４……光ビーム通
過用窓、１５……切欠部、１６……半導体レー
ザ、１７……コリメータレンズ、１８……偏光ビ
ームスプリツタ、１９……1/4波長板、２０……
収束レンズ、２１……光センサ、２２……偏向レ
ンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対物レンズ及びミラーよりなる光学系と、該対
   物レンズ及びミラーを可動的に保持する弾性支持
   体と、フオーカシングエラー及びトラツキングエ
   ラーを補償するためサーボ系により制御され、前
   記対物レンズ及びミラーを駆動する駆動機構によ
   り構成される光ピツクアツプ装置において、前記
   光学系は、前記対物レンズを保持し光ビーム通過
   用窓を有する対物レンズ筒と、該対物レンズ筒と
   同軸にその内側に配置された前記ミラーを保持す
   るミラー筒と対物レンズ及び前記ミラーからの光
   ビームの軸を偏向させるレンズと、前記対物レン
   ズ筒を移動可能に保持する平行弾性支持体と、前
   記ミラー筒を移動可能に保持する平行弾性支持体
   とを交互に取りつけたものにより構成されたこと
   を特徴とする光ピツクアツプ装置。