JPH0263269B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビデオテープレコーダー等の磁気記録
再生装置に組み込まれるカセツト移動装置に関す
るものである。

磁気記録再生装置において、近時採用されてい
るカセツトの出し入れ方式として、装置本体の前
面にカセツト出し入れ口を設け、このカセツト出
し入れ口から挿入されたカセツトをカセツト受台
に収容し、該カセツト受台を、モータを駆動源と
して後方（奥方）に水平移動させた後、引き続き
垂直に下降させて動作位置に到らしめ、イジエク
ト時にはカセツト受台を上記と逆に移動させてカ
セツト出し入れ位置に到達させる所謂カセツト前
面出し入れ方式がある。

本発明は、このようなカセツト出し入れ方式に
基づくカセツト移動装置において、カセツト受台
を出し入れ位置から動作位置またはその逆に移動
させる際に、上下の傾きや左右の振れ、ガタツキ
等がなく、カセツトを終始スムースに安定良く移
動させることができ、しかも構造が簡単なカセツ
ト移動装置を提供せんとするものであり、その構
成は次の通りである。

本発明は、磁気記録再生装置本体の前面に設け
られたカセツト出し入れ口から挿入されるカセツ
トをカセツト受台に収容し、動作時に該カセツト
受台をカセツトフレームに沿つて出し入れ位置か
ら後方に移動させた後、下降移動させて動作位置
に到らしめ、イジエクト時には動作位置から上記
と逆に移動させて出し入れ位置に戻すようにした
カセツト移動装置であつて、上記カセツトフレー
ムの左右両側壁内面に、前後方向に沿つた水平溝
部と、該水平溝部に連続する垂直溝部とからなる
固定ガイド溝を凹設するとともに、この固定ガイ
ド溝の水平溝部に、該水平溝部のみをスライド移
動しうる移動ガイド部材を嵌装し、この移動ガイ
ド部材には、該ガイド部材が上記水平溝部の後端
部に到達した状態で上記垂直溝部に連通する縦溝
を設け、一方、上記カセツト受台の左右両側壁外
面に、上記固定ガイド溝にスライド自在に嵌合し
且つ該固定ガイド溝の水平溝部では該水平溝部と
上記移動ガイド部材の双方に跨つて嵌合しうる被
ガイド凸部を設け、この被ガイド凸部を、上記固
定ガイド溝の水平溝部では上記移動ガイド部材と
ともに前後方向に水平移動させ、垂直溝部では、
水平溝部後端部で停止した移動ガイド部材の縦溝
および垂直溝部に沿つて垂直移動させるように構
成したことを特徴とするカセツト移動装置であ
る。

以下、本発明の実施例を図に依拠して説明す
る。

Ａはカセツトフレームで、該フレームＡはその
前面部が磁気記録再生装置本体（図示せず）の前
面部に設けられたカセツト出し入れ口に臨む状態
で該本体の基板等に固定される。Ｂはカセツト受
台で、上記カセツト出し入れ口から挿入されるカ
セツトを収容し、カセツトフレームＡに沿つて移
動する。

カセツトフレームＡは、プラスチツク等からな
る厚肉板状の左右両側壁１，２を連結杆３……
（あるいは天板）で連結して構成し、該フレーム
Ａの左右両側壁１，２の内面にそれぞれ固定ガイ
ド溝４，４を凹設している。この固定ガイド溝
４，４は、側壁１，２の内面上部に前後方向ほゞ
全長に亘つて凹設した水平溝部５と、この水平溝
部５の後端部および中間部から下方に連続して凹
設した後部および前部両垂直溝部６，７とから成
つている。この二条の垂直溝部６，７のうち、後
部垂直溝部６を水平溝部５より浅く凹設すること
により、該水平溝部５後端部と後部垂直溝部６の
境界部に段部８を形成している。

９，９はプラスチツク等からなる厚肉四角板状
の移動ガイド部材で、固定ガイド溝４，４の水平
溝部５，５に前後方向にスライド自在に嵌合させ
ている。この移動ガイド部材９の前後方向幅寸法
は前部垂直溝部７の幅員寸法よりも大きく形成し
ている。従つて、該ガイド部材９は水平溝部５か
ら前部垂直溝部７に移ることなく水平溝部５のみ
をスライド移動し、また水平溝部５後端部では段
部８によつて後部垂直溝部６への下降移動を阻止
されて停止する。さらに、同ガイド部材９の中央
部に、後部垂直溝部６と同一の幅員寸法を有する
縦溝１０を凹設しており、上記のように該ガイド
部材９が水平溝部５後端で停止したとき、この縦
溝１０と後部垂直溝部６とが上下に一致して連通
する。

一方、カセツト受台Ｂは、左右両側板１１，１
１と底板１２とを一体に連成したＵ字形枠状に形
成し、底板１２の後端左右両側に、カセツトが収
容位置から後方移動することを防止するストツパ
１３，１３を起立形成している。このカセツト受
台Ｂには、左右両側板１１，１１の外面にプラス
チツク等からなる被ガイド板１４，１４を固設
し、この被ガイド板１４，１４を介してカセツト
受台ＢをカセツトフレームＡの左右両側壁１，２
間に移動自在に支承している。すなわち、被ガイ
ド板１４，１４は、前記カセツトフレームＡにお
ける固定ガイド溝４，４にスライド自在に嵌合し
うる凸部１５，１６を前後両側外面に一体に有
し、前側凸部１５を水平溝部５に直接スライド自
在に嵌合させ、後側凸部１６を、水平溝部５にス
ライド自在に嵌合させた移動ガイド部材９の縦溝
１０に嵌合させている。こうして、被ガイド板１
４を、固定ガイド溝４の水平溝部５では移動ガイ
ド部材９と一体に移動させ、後進時に移動ガイド
部材９が水平溝部５の後端部で停止した後、前側
凸部１５が前部垂直溝部７に、また後側凸部１６
が、停止状態の移動ガイド部材９の縦溝１０に沿
つて後部垂直溝部６に、それぞれ入り込むことに
より同ガイド板１４を下降移動させ、また前進時
には上記と逆に移動させるように構成している。
従つて、このような固定ガイド溝４，４と移動ガ
イド部材９，９と被ガイド板１４，１４とによる
ガイド作用により、カセツト受台Ｂが、動作時に
はカセツト出し入れ位置から後方に水平移動した
後、垂直に下降移動して動作位置に到達し、イジ
エクト時には、上記と逆に移動して出し入れ位置
に戻ることとなる。

つぎに、カセツト受台Ｂを上記のように移動さ
せる駆動装置について説明する。

カセツトフレームＡの左右両側壁１，２に形成
された固定ガイド溝４，４における水平溝部５，
５の奥面に、それぞれ水平部１７ａと該水平部後
端から下方に連続する垂直部１７ｂとから成るＬ
字形の溝孔１７，１７を設けるとともに、左右両
側壁１，２の外面に該溝孔１７，１７に沿つて水
平部１８ａと垂直部１８ｂとから成るラツク１８
を設けている。このラツク１８，１８は、左右両
側壁１，２と別体に形成して該側壁１，２に固着
してもよいが、通常は図示の如く同側壁１，２に
一体に膨隆形成する。一方、カセツト受台Ｂの前
後方向ほゞ中央部において、左右両側板１１，１
１の上端部間に連動杆１９を、該側板１１，１１
および被ガイド板１４，１４を貫通する状態で回
転自在に懸架固定し、この連動杆１９の両端部を
さらにカセツトフレームＡの上記溝孔１７，１７
に貫通させて、その貫通端部にピニオン２０，２
１を該連動杆１９と一体回転しうるように取付
け、該ピニオン２０，２１を上記ラツク１８，１
８に噛合させている。この両側ピニオン２０，２
１のうち、正面からみて右側のピニオン２１を、
次に述べる駆動機構部に連動連結して駆動ピニオ
ンとし、左側ピニオン２０を連動杆１９を介して
この右側ピニオン２１に連動させるようにしてい
る。以下、右側ピニオン２１を駆動ピニオン、左
側ピニオン２０を従動ピニオンと称す。

２２はカセツトフレームＡにおける右側壁２の
外面に回転自在に取付けたウオーム歯車で、この
ウオーム歯車２２の外面に径方向に沿つてアーム
ガイド２３を設け、該アームガイド２３に駆動ア
ーム２４をスライド自在に係合させている。この
駆動アーム２４は該アーム長さ方向に沿つた長孔
２４ａを有し、この長孔２４ａをウオーム歯車２
２の支軸２２ａに係合させることにより、該長孔
２４ａの範囲で駆動アーム２４がウオーム歯車２
２径方向にスライド移動しうるようにしている。
この駆動アーム２４の先端部を、前記駆動ピニオ
ン２１が装着された連動杆１９の右側端部に連結
しており、ウオーム歯車２２の回転力を駆動アー
ム２４を介して駆動ピニオン２１に伝達する。こ
の場合、駆動アーム２４は、ラツク１８に沿つた
駆動ピニオン２１の移動に従つてウオーム歯車２
２の径方向内外にスライド移動する。上記ウオー
ム歯車２２は、二段のウオーム歯車機構２５を介
して正逆回転可能なモータ２６に連動連結し、こ
のモータ２６の回転力が駆動ピニオン２１に伝え
られる。

以上の構成において、作用を総括的に説明する
と、カセツト受台Ｂがカセツト出し入れ位置にあ
る状態でモータ２６を回転させると、その回転力
がウオーム歯車機構２５、ウオーム歯車２２、駆
動アーム２４を介して駆動ピニオン２１に伝えら
れる。これにより該ピニオン２１が回転すると同
時に、これと同期して従動ピニオン２０が回転
し、この両ピニオン２０，２１がラツク１８，１
８に沿つて回転移動することにより、カセツト受
台Ｂが、前記したカセツトフレームＡの固定ガイ
ド溝４，４およびカセツト受台Ｂの被ガイド板１
４，１４ならびに移動ガイド部材９，９から成る
本発明にかゝる移動装置のガイド作用によつて、
まず後方に水平移動した後、垂直に下降移動して
動作位置にセツトされる。また、イジエクト時に
は、モータ２６が逆回転してカセツト受台Ｂが上
記と逆に、動作位置から垂直上昇したのち前方に
水平移動して出し入れ位置に戻る。

しかして、本発明にかゝるカセツト移動装置に
よるときは、カセツトフレームＡ側に凹設した固
定ガイド溝４，４の水平溝部５に対し、カセツト
受台Ｂ側の被ガイド板１４，１４の凸部１５，１
６、および中間部材としての移動ガイド部材９，
９を、それぞれ前後方向にスライド自在に嵌め込
むことにより、これらが互いの上下面の広い面積
部分で面接触しながらスライド運動を行なうよう
に構成してあるため、カセツト受台Ｂが水平溝部
５に沿つて水平移動する過程で上下方向または左
右方向に傾いたり、水平姿勢で左右方向に振れた
り、あるいは前後方向にガタついたりするおそれ
がなく、スムースに安定良く水平移動しうること
となる。また、被ガイド板１４が水平溝部５から
垂直溝部６，７に移行する過渡期において、移動
ガイド部材９を水平溝部５後端部で停止させた状
態で、被ガイド板１４の後側凸部１６を該ガイド
部材９の縦溝１０に沿つて後部垂直溝部６に導入
させるようにしているため、この後側凸部１６の
後部垂直溝部６への移行が非常にスムースに行な
われる。すなわち、たとえば移動ガイド部材９を
省略し、後側凸部１６を直接後部垂直溝部６に移
行させる構成とした場合のように、後側凸部１６
が水平溝部５から後部垂直溝部６に向かう曲がり
角で該凸部１６が一時的に支持を失なうことによ
つて、被ガイド板１４、すなわちカセツト受台Ｂ
が後下がりに傾いたり、後部垂直溝部６に突つ
かゝつたりするおそれがない。この点は、カセツ
ト受台Ｂを動作位置から出し入れ位置に移動させ
る場合についても全く同様である。

従つて、このカセツト移動装置によるときは、
簡単な構造でありながら、カセツトを出し入れ位
置から動作位置またはその逆に終始スムースに安
定良く、そして確実に移動させることができるも
のである。

ところで、駆動ピニオン２１と従動ピニオン２
０とを、カセツト受台Ｂに懸架させた連動杆１９
で連動連結することによつて該両ピニオン２１，
２０を同期回転させるように構成した上記実施例
によれば、上記しかつ図示せる如くウオーム歯車
２２、駆動アーム２４、ウオーム歯車機構２５を
備えた駆動装置の機構部をカセツトフレームＡの
片側のみに装備すればよいため、駆動装置全体の
構成が簡単ですみ、部品コスト、組立コストが安
くてすむとともに、組立が容易で量産性に富む等
の利点を有する。但し、本発明においては駆動装
置の具体構成はとくに限定されず、たとえばカセ
ツトフレームＡの左右両側に同一の駆動機構を設
け、この両側駆動機構を、カセツトフレームＡに
懸架固定した動力伝達軸でつなぎ、該伝達軸を、
カセツトフレーム片側に設置したモータで回転駆
動する構成をとつてもよい。また、同駆動装置に
おいて、駆動機構からの駆動力をカセツト受台Ｂ
に移動力として付与する手段として、上記実施例
では、スリツプのおそれがなくて左右の同期が確
実となるという利点を有するラツク１８，１８と
ピニオン２０，２１を用いたが、これに代えて転
動ローラを用いてもよい。一方、本発明の移動装
置において、上記実施例では、カセツト受台Ｂの
左右両側板１１，１１外面に、カセツトフレーム
Ａ側の固定ガイド溝４，４にスライド自在に嵌装
される凸部１５，１６を備えた被ガイド板１４，
１４を固設したが、たとえばカセツト受台Ｂをプ
ラスチツクにて形成し、該受台両側壁外面に被ガ
イド凸部を一体に突設してもよい。さらに、上記
実施例ではカセツトフレーム側の垂直溝部、およ
び該垂直溝部に係合するカセツト受台側の被ガイ
ド凸部をそれぞれ前後に二条設けたが、これら垂
直溝部および被ガイド凸部は、カセツト受台移動
時のバランスさえ保持できるならば一条のみでも
よい。

以上述べたように本発明のカセツト移動装置に
よれば、カセツトフレーム側に固定ガイド溝を凹
設し、このガイド溝に移動ガイド部材およびカセ
ツト受台側の被ガイド凸部を嵌め込んだだけの簡
単な構造でありながら、これらによつて、カセツ
トを出し入れ位置と動作位置との間で、終始、傾
きや振れ、ガタツキ等が一切生じない安定した状
態でスムースにかつ確実に移動させることがで
き、この種の所謂カセツト前面出し入れ方式をと
る磁気記録再生装置におけるカセツトの装填、取
出し動作の信頼性向上に大いに寄与しうるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示し、第１図はカセツト
受台がカセツト出し入れ位置にある状態を示す斜
視図、第２図は同カセツト受台が動作位置にある
状態を示す斜視図、第３図は分解斜視図、第４図
は第１図状態での拡大横断面図、第５図は第２図
状態での拡大横断面図、第６図は第４図−線
に沿う縦断側面図、第７図は第５図−線に沿
う縦断側面図、第８図は第４図−線に沿う側
面図である。 Ａ……カセツトフレーム、Ｂ……カセツト受
台、１，２……カセツトフレームの左右両側壁、
４……固定ガイド溝、５……水平溝部、６，７…
…垂直溝部、９……移動ガイド部材、１０……同
ガイド部材の縦溝、１１，１１……カセツト受台
の左右両側板、１５，１６……被ガイド凸部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁気記録再生装置本体の前面に設けられたカ
   セツト出し入れ口から挿入されるカセツトをカセ
   ツト受台に収容し、動作時に該カセツト受台をカ
   セツトフレームに沿つて出し入れ位置から後方に
   移動させた後、下降移動させて動作位置に到らし
   め、イジエクト時には動作位置から上記と逆に移
   動させて出し入れ位置に戻すようにしたカセツト
   移動装置であつて、上記カセツトフレームの左右
   両側壁内面に、前後方向に沿つた水平溝部と、該
   水平溝部に連続する垂直溝部とからなる固定ガイ
   ド溝を凹設するとともに、この固定ガイド溝の水
   平溝部に、該水平溝部のみをスライド移動しうる
   移動ガイド部材を嵌装し、この移動ガイド部材に
   は、該ガイド部材が上記水平溝部の後端部に到達
   した状態で上記垂直溝部に連通する縦溝を設け、
   一方、上記カセツト受台の左右両側壁外面に、上
   記固定ガイド溝にスライド自在に嵌合し且つ該固
   定ガイド溝の水平溝部では該水平溝部と上記移動
   ガイド部材の双方に跨つて嵌合しうる被ガイド凸
   部を設け、この被ガイド凸部を、上記固定ガイド
   溝の水平溝部では上記移動ガイド部材とともに前
   後方向に水平移動させ、垂直溝部では、水平溝部
   後端部で停止した移動ガイド部材の縦溝および垂
   直溝部に沿つて垂直移動させるように構成したこ
   とを特徴とするカセツト移動装置。