JPH0262258B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、洗浄液、輸液等の薬液を収納する容
器に係り、特に簡単に開口でき、必要に応じてカ
テーテル等を接続して使用することができる薬液
収納容器に関する。

先行技術 上述のように本発明は種々の容器に適用できる
が、生理食塩水等の洗浄液を収納する洗浄バツグ
を代表例にとつて説明する。

洗浄バツグは、軟質塩化ビニル、エチレンビニ
ルアセテート等の軟質樹脂を袋状にして内部に洗
浄液を入れ、熱圧着により密封した構造のもの
で、その使用方法は、洗浄バツグの角部等をはさ
み等で切断して開封し、バツグ内部の洗浄液を噴
出させ、その噴流によつて患部の洗浄を行つてい
た。

しかるに、このような従来の洗浄バツグでは、 １ 開封口が大きく、洗浄液が多量に噴出するた
め、患部全体の洗浄には適するが、患部を部分
的に洗浄したり、孔部の奥まで洗浄するのには
不都合が生じる。

２ バツグは軟質樹脂製であるため、洗浄中に開
封口の形状が変化し、洗浄液噴流の状態が不安
定（流量変化、揺動等）となり、洗浄効率が悪
くまた洗浄しにくい。

３ 開封にはさみ等の道具を用いることが必要な
ため、不便である。

４ はさみ等の道具を用いることにより汚染され
る可能性がある。

等の欠点がある。

発明の目的 本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解
消し、開封が容易かつ衛生的で、薬液の噴出量、
噴出状態を規定することができる薬液の噴出収納
容器を提供することにある。

発明の開示 このような目的は、以下の本発明によつて達成
される。

即ち、本発明は、薬液を収納する容器本体と、
該容器本体に接続された薬液排出管と、基端が前
記薬液排出管とほぼ同径で末端にかけて縮径し、
該排出管の末端部を密封する筒状キヤツプを具え
る薬液収納容器であつて、 前記キヤツプは、該キヤツプの末端に形成さ
れ、かつ該キヤツプの中心軸から半径方向に離れ
た位置にあつて破断して開口を許容する破断部
と、該破断部から前記キヤツプの半径方向に該中
心軸をこえ、かつ前記キヤツプの基端の周縁まで
の距離をこえない位置まで伸び、該破断部の破断
を容易にする把持部を備えたことを特徴とする薬
液収納容器を提供するものである。

発明の具体的構成 以下、本発明の薬液収納容器を添付図面に示す
好適実施例について詳細に説明する。

なお、以下の説明では、代表的に洗浄バツグに
ついて説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、輸液バツグ等にも適用することがで
きる。

第１図は、本発明の薬液収納容器の一構成例を
示す部分断面正面図である。

同図に示すように、薬液収納容器１は、薬液を
収納する可撓性の容器本体２と、この容器本体２
に接続された薬液排出管３と、この薬液排出管３
の末端部４に装着されたキヤツプ７とで構成され
ている。

容器本体２は、塩化ビニル、エチレンビニルア
セテート等の軟質樹脂で構成され、これを熱圧着
等により、袋状に成形したものが好ましい。この
容器本体２に収納される薬液としては、生理食塩
水、注射用蒸留水等の洗浄液や輸液等が可能であ
る。

容器本体２の一端部に接続された薬液排出管３
は、硬質塩化ビニル、ポリプロピレン等のプラス
チツク類のような硬質（自己形状保持性を有す
る）材料で構成されているのが好ましく、その末
端部４は後述するキヤツプ７が嵌合する形状とな
つている。なお、第１図に示すように薬液排出管
３は、末端部４に向つて拡大管５となつているも
のでもよい。

本発明は、薬液排出管３の末端部に装着して用
いられるキヤツプ７の構造に特徴を有するもので
ある。

以下、キヤツプ７の構造のキヤツプの基端部８
から末端部（第１図の下方から上方）１３に向つ
て順次説明する。

キヤツプ７の基端部８は開口を形成し、薬液排
出管の末端部３に嵌合して薬液収納容器１と密封
する。即ち、キヤツプ基端部８に形成された嵌入
部９が拡大管５内に嵌入し、嵌入部９の外周に形
成されたフランジ１０が、薬液排出管側のフラン
ジ６と接合するような構成となつている。キヤツ
プ７は、使用時に薬液排出管３から外れることが
なく、しかも液漏れがないようにすることが必要
であるため、薬液収納後嵌入部９は拡大管の末端
部４に対し、しまりばめあるいは接着を行つても
よい。

キヤツプ７の中央部は、流路の断面積が大なる
第１筒状体１１で構成される。この第１筒状体１
１は通常は大径の円筒管であるのがよい。

更に、第１筒状体１１の末端部には、流路の断
面積が小なる第２筒状体１２が継合されている。
通常は小径のノズルであるのがよい。

ここで、第１図に示すようにキヤツプ７の中心
軸（通常は第１筒状体１１の中心軸と等しい）１
８と第２筒状体１２の中心軸１９とが異なるよう
な位置関係にて、即ち、第１筒状体１１と第２筒
状体１２が偏心して連結されている。このような
構造とすることにより、後述する第２筒状体末端
部１３の破断をし易くすることができる。

キヤツプの末端部即ち第２筒状体の末端部１３
は、閉塞部材１５により閉塞されている。

さらに、閉塞部材１５は前記キヤツプ７の半径
方向に前記中心軸１８を超え、かつ前記キヤツプ
の基端８の周縁までの距離をこえない位置まで延
長しており、その延長部分に把持部１６が連結さ
れている。この把持部１６を指でつまみ、閉塞部
材１５を第２筒状体１２から破断除去し、薬液収
納容器１の開封を行う。前記閉塞部材１５を破断
除去しないときには、その延長部分の外側端は第
１筒状体１１の上方で、かつ前記キヤツプの基端
の周縁の延長面の内側にあるから前記把持部１６
も第１筒状体１１の上方で、かつ前記キヤツプの
基端の周縁の延長面の内側にあり、従つて収納容
器１を格納または移動する際などに突起物等と接
触して開封してしまうという危険が回避できるよ
うになつている。

また、第２筒状体１２と閉塞部材１５の接合部
分（破断部）には、その接合部分に沿つて破断用
の溝１４が形成されている。この溝１４を形成す
ることによつて、破断部分が確実に規定されかつ
少量の力で容易に破断を行うことができる。

また、第２図に示すように、溝１４の他に第１
筒状体１１の外周に切断用溝１７等の切断部を形
成し、この溝１７をはさみ等により切断して第１
筒状体１１を上下に分断するよう構成してもよ
い。

このような構成とすることにより、溝１４にお
いて破断したときは小流量の薬液を噴出させ、溝
１７を切断したときは大流量の薬液を噴出させる
ことができ、目的、用途に応じて流量の大小を選
択して使用できるので便利である。

なお、キヤツプ７は、生産性、操作性の面から
一体成形により形成されているのがよく、前述し
た薬液排出管３と同様、硬質塩化ビニル、ポリプ
ロピレン等のプラスチツク類のような硬質材料で
構成するのが好ましい。

発明の具体的作用 以下、本発明の薬液収納容器１の使用方法、特
に洗浄バツグとして用いた場合の使用方法につい
て、第３図〜第７図に基づき説明する。

薬液収納容器１は、容器本体２内に生理食塩水
等の洗浄液を入れ、薬液排出管３の末端部４にキ
ヤツプ７を装着して密封した状態で保存されてい
る。

この薬液収納容器１（洗浄バツグ）を使用する
場合には、まず、第３図に示すようにキヤツプの
把持部１６を指でつまんで、同図中の矢印方向に
ねじり切るようにして第２筒状体（ノズル）１２
から閉塞部材１５を破断除去し、薬液収納容器を
開封する。

破断部には溝１４が形成されており、薄肉とな
つた部分に応力集中が生じるため、指先の力で簡
単に破断することができる。また、第２筒状体
（ノズル）１２の末端に手を触れることなく容器
の開封をすることができるので衛生的である。

次に、第４図に示すように、第２筒状体（ノズ
ル）１２を洗浄する患部に向け、容器本体２を手
で圧迫すると、内部の洗浄液が第２筒状体（ノズ
ル）１２の末端から噴出し患部が洗浄される。こ
こで第２筒状体１２は硬質材料で構成されてお
り、形状が変形しないため、安定した噴流２１を
得ることができ、かつ第２筒状体（ノズル）１２
は小口径であるため、細く強力な噴流２１とな
り、よつて患部の部分的な洗浄や、孔部の奥のよ
うな従来では洗浄しにくかつた部分の洗浄が可能
となる。

また、第５図に示すように、第２筒状体１２に
カテーテル２０の一端（アダプター等を介しても
よい）を装着し、カテーテル２０の他端より洗浄
液を噴出させて患部の洗浄を行うこともできる。
この場合、カテーテル２０は可とう性を有するの
で、洗浄の方向を自由に選択することができ便利
である。

キヤツプの構造を第２図に示すような第１筒状
体の外周に切断用溝１７を形成したものとした場
合には、第６図に示すように溝１７の部分をはさ
み等により切断することにより大口径の開封口が
得られる。よつて第７図に示すように容器本体２
を手で圧迫すると大流量の噴流２２が得られ、患
部全体を一度に洗浄するのに好都合である。

発明の具体的効果 本発明の薬液収納容器によれば、容器の開封が
し易く、しかも薬液の噴出口付近に手を触れるこ
となく開封できるので衛生的である。

さらに、容器内の薬液は硬質のキヤツプを経て
噴出するため、硬質樹脂製容器の切断部を噴出口
としていた従来の薬液収納容器と比べ、噴流の揺
動がなく流量も安定で、またノズル（第２筒状
体）内径に伴つて細い小流量の噴流をも得ること
ができるため、患部の部分的な洗浄や、孔部の奥
のような部分の洗浄に大変好都合である。

また、ノズルにカテーテル等を装着することも
可能であり、この場合、洗浄に際しては洗浄の方
向を自由に選択することができ、洗浄が容易とな
る。

加えて、キヤツプの第１筒状体の外周に溝を形
成し、この溝部をはさみ等で切断して大口径の開
封口を得られるようにすれば、大流量の噴流が得
られ、患部全体を一度に洗浄することもできる。

つまり、このような構成の薬液収納容器では、
前述した小流量の噴流と、大流量の噴流を使用目
的、用途等に応じて適宜選定することができ便利
である。

また、把持部はキヤツプの基端の上方で、かつ
その周縁の延長面の内側にあるから、収納容器を
使用しないときに誤つて把持部が突起物等と接触
して開封する危険がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の薬液収納容器の構成例を示
す部分断面正面図である。第２図は、本発明の薬
液収納容器のキヤツプの他の構成例を示す部分断
面正面図である。第３図〜第７図は本発明の薬液
収納容器の使用方法を示す説明図である。 符号の説明、１…薬液収納容器、２…容器本
体、３…薬液排出管、４…薬液排出管末端部、５
…拡大管、６，１０…フランジ、７…キヤツプ、
８…キヤツプ基端部、９…嵌入部、１１…第１筒
状体、１２…第２筒状体、１３…第２筒状体末端
部、１４…破断用溝、１５…閉塞部材、１６…把
持部、１７…破断用溝、１８…キヤツプの中心
軸、１９…第２筒状体の中心軸、２０…カテーテ
ル、２１，２２…噴流。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 薬液を収納する容器本体と、該容器本体に接
   続された薬液排出管と、基端が前記薬液排出管と
   ほぼ同径で末端にかけて縮径し、該排出管の末端
   部を密封する筒状キヤツプとを備える薬液収納容
   器であつて、 前記キヤツプは、該キヤツプの末端に形成さ
   れ、かつ該キヤツプの中心軸から半径方向に離れ
   た位置にあつて破断して開口を許容する破断部
   と、該破断部から前記キヤツプの半径方向に該中
   心軸をこえ、かつ前記キヤツプの基端の周縁まで
   の距離をこえない位置まで伸び、該破断部の破断
   を容易にする把持部を備えたことを特徴とする薬
   液収納容器。