JPH0262112B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は対向して把持された管と短管や管フラ
ンジ等の一対の管状又は棒状又はその組合せの加
工物を、互いに相対回転させながら圧力下で摩擦
接触させて圧接する摩擦圧接機の改良に関するも
のである。

［従来の技術］ 一般に溶接作業のコストダウンを図るために、
摩擦圧接が多く利用されているが、プラント配
管、溶接作業の合理化では、管フランジを長尺管
又はすでに一次元又は二次元に曲げた管に摩擦圧
接するには、管フランジを回転させなければなら
ない。摩擦圧接を行うと、圧接部の内外側にバリ
を生じるため、このバリを除去しなければならな
いが、従来行われている圧接材を回転させてバリ
切削する方法では、圧接管を回転させることがで
きないため困難である。又圧接機外側にバリ切削
装置を備えなければならない欠点があつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は上記従来の実情に鑑みて提案されたも
ので、短加工物を回転させて摩擦圧接を行うよう
にして、摩擦圧接機の長さを短くすると共に、チ
ヤツクにより圧接された加工物を把持したまま、
主軸の回転を停止し、かつ固定側のクランプの把
持圧を開放した状態で、主軸又はクランプを軸芯
方向に相対的に進退移動させることにより外側バ
リを切削し得るようにし、切削した外側バリの切
屑の除去がしやすく、しかも、構造を簡略化して
コンパクト化を可能とし、能率よく作業を行うこ
とができ、操作も容易に製作し得る摩擦圧接機を
提供せんとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は上記問題点を解決するために、主軸筐
に収納された主軸に取付けたチヤツクで回転側の
加工物を、対向位置にあるクランプ台に装着した
クランプの爪で固定側の加工物を夫々把持し、主
軸を回転させながら圧力下で摩擦接触させて圧接
する摩擦圧接機において、固定側のクランプの爪
の内周摩擦圧接側に、加工物の外周を囲繞して摺
接する、外側バリ切削用の段差を有する半割成形
剪断刃を取付け、圧接後、主軸の停止時でかつク
ランプの爪の把持圧を開放した状態で、主軸又は
クランプを軸芯方向に相対的に進退移動させる移
動手段を主軸筐とクランプ台とに亘つてに取付け
たこ摩擦圧接機を構成したことを特徴とするもの
である。

［作 用］ 本発明の摩擦圧接機は上記のように構成されて
いるので、短加工物はチヤツクにより把持されて
回転されながら、対向して把持された長尺の管に
圧力下で摩擦接触させられ、互いに圧接されるこ
とになる。この時、圧接部の内外側にはバリを生
じるが、圧接によつて生じた外側バリは、固定側
の加工物を把持するクランプの把持圧を解放し、
回転側の短加工物を把持するチヤツクで圧接され
た加工物を把持したまま、主軸の回転を停止した
状態で、移動手段により主軸又はクランプを軸芯
方向に相対的に前進させることにより、クランプ
の爪前面側内周に取付けられた半割成形剪断刃に
より剪断されることになる。この時、剪断される
外側バリは、半割成形剪断刃の段差によつて分割
されることになる。

ここで、半割とは単に分割するという意味であ
り、剪断刃を目的に応じ、２つ若しくはそれ以上
の数に分けることをいう。

なお、外側バリが除去された後は、移動手段に
よつて主軸又はクランプを元の位置まで相対的に
後退させてチヤツクを解放し、クランプを大きく
解放させて、圧接された加工物を摩擦圧接機から
引き出せばよい。

［実施例］ 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて具
体的に説明する。

第１図は本発明の１実施例を示す摩擦圧接機の
平面図で、第２図は第１図に示す矢視Ａ−Ａ線に
沿つて切断した断面図、第３図はそのクランプ部
の水平断面図である。又、第４図は半割成形剪断
刃の正面図で、第５図はその側面図、第６図はそ
の断面図である。

図中１は互いに圧接される一方の管状の加工物
である長尺の管で、クランプ２の爪３により把持
され、水平に固定されるようになつている。４は
回転側の短加工物の管フランジで、主軸筐５に支
承された、モータ６により回転駆動される主軸７
の、先端に保持されたチヤツク８のチヤツク爪９
により把持され、管１と管フランジ４は丁度対向
せしめられている。

１０はクランプ２を主軸７の軸芯と直角方向に
対向して近接させたり遠ざけたりするクランプシ
リンダーで、そのピストン１１のロツド１２の先
端は、一方のクランプ２の背面に、垂直腕１３を
介して螺着されている。１４はスリーブ１５によ
り移動自在に支持された水平腕で、その一端は垂
直腕１３の下端にボルト１６により固定されてい
る。１７はピン１８により傾倒自在に枢支された
傾倒腕で、傾倒腕１７の下端と水平腕１４の他端
とは、ピン１８を介して連結腕１９により連結さ
れている。２０は揺動腕で、その一端はピン１８
を介して傾倒腕１７の上端に枢支され、他端はピ
ン１８を介して他方のクランプ２の背面に枢支さ
れている。２１はクランプ２を主軸７の軸芯と直
角方向に案内する案内ケースで、機台２２上に設
置されている。従つて、今、油圧ポートａよりク
ランプシリンダー１０内に油圧を供給すると、ピ
ストン１１が前進し、ロツド１２、垂直腕１３、
水平腕１４、連結腕１９、傾倒腕１７、揺動腕２
０等によつて、クランプ２が案内ケース２１に案
内されながら、主軸７の軸芯と直角方向に対向し
て近接し、その爪３により長尺の管１が把持され
ることになる。又、逆に油圧ポートｂよりクラン
プシリンダー１０内に油圧を供給すると、ピスト
ン１１が後退し、逆にクランプ２が互いに遠ざか
る方向に移動して、その爪３による長尺の管１の
把持が解放されることになる。２３は圧接部に生
じた外側バリ２４を切削するための半割成形剪断
刃で、クランプ２の爪３の前面側内周に、ビス２
５にて着脱自在に取付けられ、加工物である管１
の外周を囲繞して摺接するように取付けられてい
る。なお、半割成形剪断刃２３には段差２６が設
けられており、剪断される外側バリ２４がこの段
差２６によつて分割されるようになつている。

次に、２７は回転側の短加工物である主軸７
を、圧接後回転を停止した状態で軸芯方向に進退
移動させる主軸移動用シリンダーで、主軸７の軸
芯と平行に配置され、一方は案内ケース２１の上
部に、又他方は案内ケース２１に下部に設置され
て、それぞれのロツド２８の先端は、主軸筐５の
両側前面に連結されている。

上記構成よりなる本発明の摩擦圧接機において
は、短加工物である管フランジ４をチヤツク爪９
により把持し、モータ６を駆動させると、管フラ
ンジ４はチヤツク爪９により把持されて回転され
ながら、対向してクランプ２の爪３により把持さ
れた長尺の管１に圧力下で摩擦圧接させられ、互
いに圧接されることになる。

なお、圧接すると圧接部の内外周にはバリを生
じるが、圧接によつて生じた外側バリ２４を除去
するには、圧接終了後、主軸７の回転を停止した
状態で、チヤツク爪９により圧接された加工物の
管フランジ４を把持せしめたまま、油圧ポートｂ
よりクランプシリンダー１０に油圧を供給し、ク
ランプ２の爪３による管１の把持圧を解放する。
次に、主軸移動用シリンダー２７により、ロツド
２８を縮めて、主軸筐５ごと主軸７を、回転を停
止した状態でクランプ２に対し相対的に前進させ
る。すると、圧接された加工物は、チヤツク爪９
により把持されているため、主軸７と共に軸芯方
向に前進し、圧接によつて生じた外側バリ２４
は、クランプ２の爪３の前面内周に取付けられて
いる半割成形剪断刃２３により剪断され、剪断さ
れた外側バリ２４は、半割成形剪断刃２３の段差
２６により分割されて落下し、除去されることに
なる。

主軸７の前進により圧接部が半割成形剪断刃２
３を通過して、外側バリ２４が切削除去される
と、主軸筐５が図示せざるリミツトスイツチに当
接して主軸移動用シリンダー２７への油圧の供給
が切換えられ、ロツド２８が伸びて、主軸筐５ご
と主軸７が元の位置まで軸芯方向に後退し、主軸
筐５が図示せざるリミツトスイツチに当接して主
軸移動用シリンダー２７への油圧の供給が停止さ
れ、主軸７の後退は停止する。次に、チヤツク爪
９を解放すると共に、油圧ポートｂよりクランプ
シリンダー１０にさらに油圧を供給して、クラン
プ２の爪３を介して解放し、圧接された加工物を
摩擦圧接機より引き出し、全作業工程を終了す
る。次に、再び圧接工程を開始するには、油圧ポ
ートａよりクランプシリンダー１０に圧油を供給
して、長尺の管１のクランプ２の爪３で把持せし
めると共に、管フランジ４をチヤツク９により把
持せしめて、同様の操作を繰返せばよい。この
時、管サイズを変化する場合には、チヤツク爪９
やクランプ２の爪３及び半割成形剪断刃２３等
を、管サイズに応じて適宜交換し得るようになつ
ている。

なお、圧接によつて生じた外側バリは、主軸７
の中心に保持せしめた図示せざる内側バリ切削用
のバリ切削ドリルやバリ切削刃等により、主軸７
を回転させながら、或は主軸７の回転を停止した
状態で主軸７を前進させることにより、押抜きで
切削除去することができるが、外側バリ２４と同
時に、内側バリも主軸７を前進させるだけで、押
抜きで切削除去することができるようにしておけ
ば、作業工程を短縮することができ、きわめて好
都合である。

次に、第７図は本発明の他の実施例を示す摩擦
圧接機の平面図で、図中第１図に示す部材に対応
する部材には同一符号を示し、各部材の重複した
説明を省略する。

第１図に示す実施例においては、圧接終了後、
主軸７の回転を停止した状態で、チヤツク爪９に
より圧接された加工物の管フランジ４を把持せし
めたまま、クランプ２の爪３による管１の把持圧
を開放して、主軸移動用シリンダー２７によりロ
ツド２８を縮めて、主軸筐５ごと、主軸７を、回
転を停止した状態で、クランプ２に対し相対的に
前進させて、半割成形剪断刃２３により外側バリ
２４を切削除去せしめているが、主軸筐５ごと、
主軸７を、回転を停止した状態で、クランプ２に
対し相対的に前進させる代りに、逆に管１の把持
圧を開放させたクランプ２を、回転を停止した主
軸７に対し、相対的に前進させて、半割成形剪断
刃２３により外側バリ２４を切削除去せしめても
よい。

そこで、第７図に示す実施例においては、主軸
筐５は主軸筐固定ボルト２９により機台２２上に
固定されており、クランプ２はクランプ台３０上
に設置され、そのクランプ台３０は機台２２の摺
動面３１上を軸芯方向に進退移動し得るようにな
つている。

図中２７′はクランプ移動用シリンダーで、第
１図に示す主軸移動用シリンダー２７と同様に、
主軸７の軸芯と平行に配置され、一方は案内ケー
ス２１の上部に、又他方は案内ケース２１の下部
に設置されて、それぞれのロツド２８の先端は、
主軸筐５の両側前面に連結されている。

なお、本実施例においては、クランプ２の前進
により半割成形剪断刃２３が圧接部を通過して、
外側バリ２４が切削除去されると、クランプ台３
０が図示せざるリミツトスイツチに当接して、ク
ランプ移動用シリンダー２７′への油圧の供給が
切換えられ、ロツド２８が伸びて、クランプ台３
０ごとクランプ２が元の位置まで軸芯方向に後退
し、クランプ台３０が図示せざるリミツトスイツ
チに当接して、クランプ移動用シリンダー２７′
への油圧の供給が停止され、クランプ台３０の後
退が停止するようになつているが、他の操作は第
１図に示す実施例の摩擦圧接機と同様である。

但し、主軸７やクランプ２を軸芯方向に相対的
に進退移動させる移動手段や、クランプ２の開閉
手段は、図示の各実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて任意に設計変更し得ることは言
うまでもない。又、本実施例においては、半割成
形剪断刃２３の半割面で段差２６を設けたが、半
割刃を山形にして、剪断された外側バリ２４が、
山数に応じて分割されるようにしてもよい。

［発明の効果］ 以上具体的に説明したように、本発明によれ
ば、長尺の管を固定側に、短加工物を回転側に把
持して摩擦圧接を行うことができるため、摩擦圧
接機の長さが短かくなり、安価となるばかりか、
工事現場への運搬も容易である。

又、外側バリを切削する半割成形剪断刃は、段
差を有しているため、剪断される切屑は分割され
て容易に落下し、除去することができる。

又、外側バリは主軸の回転を停止し、かつ固定
側のクランプの把持圧を開放したまま、主軸又は
クランプを軸芯方向に相対的に進退移動させるだ
けで切削除去することができるので、外側バリを
除去する際に主軸を回転させる必要はなく、主軸
の回転駆動機構を簡略化することができる。又、
半割成形剪断刃はクランプの爪の前面側内周に取
付けるだけでもよいため、装置全体のコンパクト
化を図ることができ、取扱いも容易で、安価に製
作することができる。等多くの利点を有し、作業
能率がよく、例えば数多くの管の両端に短管や管
フランジ等を接合する必要がある、プラント建設
における現地配管作業等に適用して、実用上きわ
めて有効な摩擦圧接機を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例を示す摩擦圧接機の
平面図で、第２図は第１図に示す矢視Ａ−Ａ線に
沿つて切断した断面図、第３図はそのクランプ部
の水平断面図、第４図は半割成形剪断刃の正面図
で、第５図はその側面図、第６図はその断面図、
第７図は本発明の他の実施例を示す摩擦圧接機の
平面図である。 １……管、２……クランプ、３……爪、４……
管フランジ、５……主軸筐、６……モータ、７…
…主軸、８……チヤツク、９……チヤツク爪、１
０……クランプシリンダー、１１……ピストン、
１２……ロツド、１３……垂直腕、１４……水平
腕、１５……スリーブ、１６……ボルト、１７…
…傾倒腕、１８……ピン、１９……連結腕、２０
……揺動腕、２１……案内ケース、２２……機
台、２３……半割成形剪断刃、２４……外側バ
リ、２５……ビス、２６……段差、２７……主軸
移動用シリンダー、２７′……クランプ移動用シ
リンダー、２８……ロツド、２９……主軸筐固定
ボルト、３０……クランプ台、３１……摺動面、
ａ，ｂ……油圧ポート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主軸筐に収納された主軸に取付けたチヤツク
   で回転側の加工物を、対向位置にあるクランプ台
   に装着したクランプの爪で固定側の加工物夫々把
   持し、主軸を回転させながら圧力下で摩擦接触さ
   せて圧接する摩擦圧接機において、固定側のクラ
   ンプの爪の内周摩擦圧接側に、加工物の外周を囲
   繞して摺接する、外側バリ切削用の段差を有する
   半割成形剪断刃を取付け、圧接後、主軸の停止時
   でかつクランプの爪の把持圧を開放した状態で、
   主軸又はクランプを軸芯方向に相対的に進退移動
   させる移動手段を主軸筐とクランプ台とに亘つて
   取付けたことを特徴とする摩擦圧接機。