JPH0261687B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ガス、電気、水道等のメーター封
印具に関する。

従来、この種の封印具としては、帯状のブラケ
ツトと、これの両端部を合わせ止める証印鉛とに
よつて構成されたものが知られている（実開昭52
−14700号公報参照）。しかしながら、この従来の
封印具は、重金属である鉛を使用しているため、
製造コストが非常に高くつくとともに、封印具は
その使用後に捨てられるものであるため、証印鉛
の廃棄により鉛害等の公害を生ずるおそれがある
という欠点があつた。

この発明は、上記の欠点を除去するためになさ
れたもので、従来のような証印鉛を使用すること
なく合成樹脂製の封印用中空ブロツクを使用し、
したがつて鉛害などの公害を全く生じるおそれが
なく、しかも製造コストが非常に安くつくうえ
に、ガスメータ等のメータをきわめて簡単な操作
で確実に封印することができる非常に便利な新し
いタイプの封印具を提供しようとするものであ
る。

この発明を以下図面に示す実施例に基づいて説
明する。

この明細書において、上下、前後および左右は
第１図を基準とし、上とは第１図上側、下とは同
図下側をいい、また前とは同図左側、後とは同左
側をいい、さらに左とは同図図面紙葉の表側、右
とは同裏側をいうものとする。

図面において、１はガス・メータの収納ボツク
ス、２はこれのカウンタ表示部に被せられたカバ
ーで、内部のカウンタの表示を読み取るためにカ
ラス板が嵌め込まれている。３はカバー２周縁の
鍔部、４はカバー２をメータ・ボツクス１に取り
付けるための所要数のねじで、これはカバー２の
鍔部３にあけられたねじ挿通孔６を貫通してメー
タ収納ボツクス１の雌ねじ孔７にねじ込まれてい
る。８は鍔部３とメータ収納ボツクス１との間に
介在されたシール材である。

１０はこの発明によるメータ封印具で、これは
ねじ挿通孔１６を有する取付座部１３と、これの
左右両側に連なるねじ頭被覆部１４，１４と、こ
れらのねじ頭被覆部１４，１４よりそれぞれ延長
状に連なる差込部１５，１５とよりなる帯状板１
１、および帯状板１１の差込部１５，１５同志を
重合状態に結合する小さい円盤状の封印用中空ブ
ロツク１２によつて構成されている。中空ブロツ
ク１２はABSおよびナイロン等の合成樹脂によ
りつくられている。１７，１７は帯状板１１の差
込み部１５，１５にそれぞれ設けられた略Ｕ形の
切込みで、これらの切込み１７，１７の内側に中
空ブロツク戻止め用遊離部１８，１８が形成され
ている。封印前の状態においてはこれらのうち右
側の遊離部１８だけが右方へ斜め下向きに突出す
るように折り曲げられている。１９は中空ブロツ
ク１２の厚みの略中央部にあけられた差込み部挿
入孔で、これは下方にのみ開口している。２０は
中空ブロツク１２の内部に挿入孔１９の左側に連
なるように設けられた正面より見て円形の陥没用
凹部、２１は同じく中空ブロツク１２の内部に挿
入孔１９の右側に連なるように設けられた正面よ
り見て方形の遊離部掛止め用凹部、２２は陥没用
凹部２０の周縁部において中空ブロツク１２の左
側壁外面に設けられた環状の凹溝で、この凹溝２
２の底壁部分に陥没用凹部２０をめぐる破断用薄
肉部２３が形成され、またこの薄肉部２３に囲ま
れた部分が陥没用側壁部２４となされている。２
５はこの側壁部２４の内面に設けられた遊離部押
込み用突起で、これは掛止め用凹部２１にのぞま
せられるように配置されている。２６は中空ブロ
ツク１２の右側壁外面に設けられた正面より見て
円形の銘板嵌合凹部で、これにはアルミニウム板
製の銘板２７が嵌め込まれている。なお封印用中
空ブロツク１２は、たとえば、これの厚みの中央
で左右に分離した形状の左半体と右半体を合成樹
脂で予め金型成形によりつくり、これらの左半体
と右半体との融着等により一体に接合することに
より製作されたものである。

つぎに、上記メータ封印具１０の使用方法を説
明する。

まず検査前のガス・メータを収納したボツクス
１に、メータ表示部のカバー２を取り付けるねじ
４の１つを利用して、帯状板１１中央の取付座部
１３を固定する。つぎに帯状板１１をねじ４のね
じ頭５の左右両側と上側で折り曲げることによ
り、ねじ頭５を帯状板１１の取付座部１３とこれ
の左右両側の被覆部１４，１４とによつて囲むと
ともに、帯状板１１の差込み部１５，１５を相互
に重ね合わせる。このとき右側差込み部１５の遊
離部１８だけを右方へ斜め下向きに突出するよう
に若干折り曲げておく。つぎに、重合状態の差込
み部１５，１５に中空ブロツク１２を嵌め被せ
る。これにより差込み部１５，１５が挿入孔１９
内に差し込まれる。このとき右側の遊離部１８は
挿入孔１９の内壁に押えられることにより素材の
弾発力に抗して切込み１７内に押え込まれ、差込
み部１５，１５の先端が挿入孔１９の上壁２８に
突き当たつた位置において右側差込み部１５の遊
離部１８が掛止め用凹部２１内に素材の弾発力に
より入り込み、これによつて中空ブロツク１２が
帯状板１１に仮止めされる（第２図参照）。そし
てこの状態においてガス・メータは所定の性能検
査を受ける。

検査の終了後、ガス・メータが所定基準の性能
を有しているものと認められた場合には、これを
封印するために中空ブロツク１２の陥没用側壁部
２４を外側より押え込む。これによつて、薄肉部
２３が破断されて、側壁部２４が陥没用凹部２０
内に落し込まれるとともに、遊離部押込み用突起
２５によつて帯状板１１の差込み部１５，１５の
遊離部１８，１８が掛止め用凹部２１内に同時に
押え込まれ、これらの遊離部１８，１８の先端が
掛止め用凹部２１の下壁２９に掛け止められ、ま
た押込み用突起２５が差込み部１５，１５の切込
み１７，１７内に入り込み、もはや中空ブロツク
１２を帯状板１１から取り外すことが不可能とな
り、ガス・メータの封印を完了する。（第３図参
照）。中空ブロツク１２の陥没用側壁部２４を外
側より押え込むさいに、同時にガス・メータの合
格の検定印および年月日が銘板２７に刻まれるよ
うになつている。

なお、上記実施例に示すように、ねじ４のねじ
頭５は、帯状板１１の取付座部１３とこれの左右
両側の被覆部１４，１４によつて囲まれており、
したがつて外部からねじ４を取り外すことができ
ず、ガス・メータを封印することができるもので
あるが、封印をさらに厳重にする場合には、ねじ
頭５に合成樹脂等によりつくられたキヤツプ（図
示略）を嵌め被せたのち、帯状板１１の左右両側
の被覆部１４，１４によつてこのキヤツプとねじ
頭５とを一緒に被覆するようにしてもよい。ある
いはまた、帯状板１１の取付座部１３の前側縁部
および後側縁部のうちの少なくとも一方にねじ頭
被覆用突片（図示略）を設けておき、この突片を
取付座部１３に対して折り返すようにしてねじ頭
５に被せたのち、帯状板１１の左右両側の被覆部
１４，１４によつてこの折返し状突片とねじ頭５
とを一緒に被覆するようにしてもよい。なお、実
施例におけるねじ４の代わりにリベツトを使用す
ることもある。

なお、上記実施例においては、帯状板１１の差
込み部１５，１５にＵ形の切込み１７，１７が設
けられているが、これらの切込み１７，１７はＶ
形あるいはその他類似の形状であつても勿論よ
い。また遊離部押込み用突起２５は、図示のもの
は、切込み１７，１７とほぼ同じ大きさにつくら
れていて、帯状板１１の差込部１５，１５の遊離
部１８，１８を掛止め用凹部２１内に押え込むと
ともに、突起２５自体も差込み部１５，１５の切
込み１７，１７に入り込んで差込部１５，１５の
移動を阻止するようになされているが、要する
に、突起２５は遊離部１８，１８を掛止め用凹部
２１内に押え込み得る大きさを有するものであれ
ばよい。また実施例では、中空ブロツク１２の左
側壁の外面に環状凹溝２２が設けられているが、
これは左側壁の内面に設けられていてもよいし、
あるいは内外両面に設けられていてもよい。中空
ブロツク１２は、図示のものは小さい円盤状であ
るが、勿論方形その他の形状であつてもよい。

なお、上記実施例において、この発明によるメ
ータ封印具をガス・メータの封印に適用したが、
この発明によるメータ封印具は、その他電気メー
タあるいは水道メータ等のメータの封印にも同様
に適用可能である。

この発明によるメータ封印具は、上述のよう
に、ねじ挿通孔１６を有する取付座部１３と、こ
れの左右両側に連なるねじ頭被覆部１４，１４
と、これらのねじ頭被覆部１４，１４よりそれぞ
れ延長状に連なる差込み部１５，１５とよりなる
帯状板１１、および帯状板１１の差込み部１５，
１５同志を重合状態に結合する合成樹脂製の封印
用中空ブロツク１２によつて構成され、帯状板１
１の差込み部１５，１５にそれぞれ略Ｕ形の切込
み１７，１７が設けられて、各切込み１７，１７
の内側に中空ブロツク戻止め用遊離部１８，１８
が形成され、中空ブロツク１２に下方にのみ開口
した差込み部挿入孔１９があけられるとともに、
中空ブロツク１２の内部にこの挿入孔１９の一側
に連なる陥没用凹部２０と、同他側に連なる遊離
部掛止め用凹部２１とが互いに対向状に設けら
れ、陥没用凹部２０の周縁部において中空ブロツ
ク１２の側壁に破断用薄肉部２３が設けられて、
この破断用薄肉部２３に囲まれた部分が陥没用側
壁部２４となされ、この側壁部２４の内面に遊離
部押込み用突起２５が上記掛止め用凹部２１にの
ぞんだ状態に設けられており、メータ収納ボツク
ス１の所定箇所に帯状板１１の取付座部１３がね
じ４によつて固定され、このねじ４のねじ頭５が
帯状板１１の取付座部１３とこれの左右両側の被
覆部１４，１４とによつて囲まれかつ帯状板１１
の差込み部１５，１５が相互に重ね合わせられた
状態において、これらの差込み部１５，１５に中
空ブロツク１２が嵌め被せられ、差込み部１５，
１５の先端が中空ブロツク１２の挿入孔１９の上
壁２８に突き当たつた位置において陥没用側壁部
２４が外側より押え込まれることにより、薄肉部
２３が破断されて、側壁部２４が陥没用凹部２０
内に落し込まれるとともに、遊離部押込み用突起
２５によつて差込み部１５，１５の遊離部１８，
１８が掛止め用凹部２１内に同時に押え込まれ、
これらの遊離部１８，１８が掛止め用凹部２１の
下壁２９に掛け止められるようになされているも
ので、従来のような証印鉛を使用することなく、
合成樹脂製の封印用中空ブロツク１２を使用して
いるから鉛害等の公害を全く生じるおそれがな
く、しかも製造コストが非常に安くつくうえ、ガ
ス・メータ等のメータをきわめて簡単な操作で確
実に封印することができ、非常に便利であるとい
う効果を表する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示すもので、メー
タ封印具を取り付けたガス・メータ収納ボツクス
の左側面図、第２図は第１図Ａ―Ａ線に沿う拡大
断面図で、封印前の状態を示している。第３図は
同じく第１図Ａ―Ａ線に沿う拡大断面図で、封印
後の状態を示している。第４図は第１図における
封印具の帯状板の展開状態の拡大斜視図、第５図
は同封印具の中空ブロツクの拡大左側面図、第６
図は同底面図である。 １…ガス・メータ収納ボツクス、２…カバー、
４…ねじ、５…ねじ頭、１０…メータ封印具、１
１…帯状板、１２…封印用中空ブロツク、１３…
取付座部、１４…ねじ頭被覆部、１５…差込み
部、１６…ねじ挿通孔、１７…切込み、１８…遊
離部、１９…差込み部挿入孔、２０…陥没用凹
部、２１…遊離部掛止め用凹部、２２…環状凹
溝、２３…破断用薄肉部、２４…陥没用側壁部、
２５…遊離部押込み用突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ねじ挿通孔１６を有する取付座部１３と、こ
   れの左右両側に連なるねじ頭被覆部１４，１４
   と、これらのねじ頭被覆部１４，１４よりそれぞ
   れ延長状に連なる差込み部１５，１５とよりなる
   帯状板１１、および帯状板１１の差込み部１５，
   １５同志を重合状態に結合する合成樹脂製の封印
   用中空ブロツク１２によつて構成され、帯状板１
   １の差込み部１５，１５にそれぞれ略Ｕ形の切込
   み１７，１７が設けられて、各切込み１７，１７
   の内側に中空ブロツク戻止め用遊離部１８，１８
   が形成され、中空ブロツク１２に下方にのみ開口
   した差込み部挿入孔１９があけられるとともに、
   中空ブロツク１２の内部にこの挿入孔１９の一側
   に連なる陥没用凹部２０と、同他側に連なる遊離
   部掛止め用凹部２１とが互いに対向状に設けら
   れ、陥没用凹部２０の周縁部において中空ブロツ
   ク１２の側壁に破断用薄肉部２３が設けられて、
   この破断用薄肉部２３に囲まれた部分が陥没用側
   壁部２４となされ、この側壁部２４の内側に遊離
   部押込み用突起２５が上記掛止め用凹部２１にの
   ぞんだ状態に設けられ、更に上記陥没用側壁部２
   ４の他方側の中空ブロツク１２の表面には証印刻
   設用の銘板２７が嵌着されて成り、メータ収納ボ
   ツクス１の所定箇所に帯状板１１の取付座部１３
   がねじ４によつて固定され、このねじ４のねじ頭
   ５が帯状板１１の取付座部１３とこれの左右両側
   の被覆部１４，１４とによつて囲まれ且つ帯状板
   １１の差込み部１５，１５が相互に重ね合わされ
   た状態において、これらの差込み部１５，１５に
   中空ブロツク１２が嵌め被せられ、差込み部１
   ５，１５の先端が中空ブロツク１２の挿入孔１９
   の上壁２８に突き当たつた位置において陥没用側
   壁部２４が外側より押え込まれることにより、薄
   肉部２３が破断されて、側壁部２４が陥没用凹部
   ２０内に落し込まれるとともに、遊離部押込み用
   突起２５によつて差込み部１５，１５の遊離部１
   ８，１８が掛止め用凹部２１内に同時に押え込ま
   れ、これらの遊離部１８，１８が掛止め用凹部２
   １の下壁２９に掛け止められるようになされてい
   るメータ封印具。