JPH026123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンクリートブロツクの改良、詳し
くは、配列および重積が利便で法面・崖面の土留
ブロツク、護岸ブロツクなど土木・建築用とし
て、さらには園芸あるいは道路用の花壇ブロツク
としても利用することができる多目的コンクリー
トブロツクに関するものである。

〔従来の技術、および解決すべき問題点〕 周知のとおり、これまでのコンクリートブロツ
クは、土留用ブロツク、護岸用ブロツク、花壇ブ
ロツクなどの如く、その用途が土木・建築、ある
いは農業・園芸の一分野に特化されており、例え
ば土留用のコンクリートブロツクを花壇ブロツク
に転用したり、花壇用として成形されたコンクリ
ートブロツクを土留ブロツクや護岸ブロツクなど
として転用したりすことは全く不可能であつた。

何故なれば、これまでのコンクリートブロツク
は、もともと敷設予定箇所に応ずる既成の形状・
構造というものが設定されてあつて、配列の自由
度が全くなく、もし、それを無視して勝手な配
列・重積をすれば崩壊・倒壊などの危検が予想さ
れるからである。

本考案は、従来コンクリートブロツクにおける
配列の自由度が前述の如く皆無に近く、そのこと
が生産・販売者のストツク負担を過重にしている
ことに鑑みてなされたもので、配列・重積の自由
度が大きくて多目的使用のできる実用的コンクリ
ートブロツクを提供しようとしてなされたもので
ある。

〔技術的課題の解決手段〕

本考案は、従来コンクリートブロツクの用途が
単一用途に限定されている原因がそれ自体の形
状・構造にあることに着目し、その解決のキーポ
イントとして、ブロツク自体の基本的形状、ブロ
ツク相互の結合機構、ブロツク内部の通水・通気
機構を有機的に巧みに取り合わせることによつて
多目的に利用できるコンクリートブロツクを実現
したものである。

即ち、本考案が実現した多目的コンクリートブ
ロツクは、略三角筒状のコンクリート成形体Ｂで
あつて、その筒口上端面１にはジベル２が突設さ
れ、かつ、その下端面１′は前記ジベル２と噛合
可能に形成されていると共に、扶壁面３を形成す
べき前部可視面には形象的アクセント４が施さ
れ、さらに後部稜角５近傍にはジヨイナー板６を
挿入結合さすべきジヨイントチヤンネル７，７が
形成されて成ることを特徴としている。

〔実施例、および施工例〕

第１図から第７図は本考案を適用して構成した
コンクリートブロツクの実施例および施工態様例
を示したものである。

第１図において、Ｂは略正三角筒状のコンクリ
ート成形体である。この成形体Ｂの上下面は開放
されており、その筒口上端面１にはジベル２が前
後２列に並ぶ如く突設されている。そして、この
ブロツク成形体Ｂの前部可視面（第２図において
扶壁面３を形成すべき側）には、格子状の凹凸模
様が形象的アクセント４として形成されており、
さらに当該成形体Ｂの後部稜角５の両側には、ジ
ヨイナー板６を挿入連結させるべきジヨイントチ
ヤンネル７，７が形成されている。第１図〜第３
図の実施例においては、ジヨイナー板６は比較的
広幅に成形された〓形の屈曲板体となつているけ
れども、成形体Ｂの後部稜角５相互の連結間隔に
応じて種々のサイズ・形状のものが準備されるの
であり、例えば第７図のように小幅の「へ」形の
ものも用いられる。なお、図中の符号８は当該成
形体Ｂの側面に開設されたスリツト、９は前部可
視面に形成された貫通孔、１０は上端面１および
下端面１′に穿設された通溝である。

このように構成された本実施例ブロツクは、第
２図に示すように、階段状に積み重ねて各ブロツ
クおよびジヨイナー６が成形する三角筒状の空間
へ壌土を充填し、其処へ適当な草木を植えれば花
壇ともなるので山道や切通道路の法面化粧にも利
用できる。

また、本実施例ブロツクは、第３図のように歩
道沿いに配設することによつて街路花壇を形成す
ることもできる。もつとも、この場合にはジヨイ
ナー板６の外面も奇麗に仕上げておく必要があ
り、そうすることによつて前後何れの面から見て
も美しい花壇壁となる。

第４図は、本実施例ブロツクを傾斜状に積み上
げる場合を示したものであり、この場合にはベー
ス台１１を用いることによつて当該ブロツク壁の
傾斜角度が作出される。

第５図〜第７図は、本実施例ブロツクのコーナ
部分の接合態様を示したものであり、鈍角コーナ
（第５図）も、鋭角コーナ（第６図）も、さらに
直角コーナ（第７図）も、後部稜角５相互の間隔
を適宜調整することにより、工事現場の状況に応
じて自由に配設することができる。

〔本考案の効果〕

以上説明したとおり、本考案ブロツクは、略三
角筒状のコンクリート成形体Ｂを基本形状として
内筒部に壌土に充填できるようになつており、し
かもスリツト８、貫通孔９、および通溝が１０が
設けてあつて水抜孔として機能するので、植物を
育成するのにも適していると共に、その筒口上端
面にはジベルが突設されているので、これを積重
した場合には前記ジベルが歯止機能を発揮して決
して積重面の辷動きが生ずることがなく非常に安
定的な法面・階段状斜面を形成することができ、
また道路などのコーナ部分に敷設するる場合に
も、後部稜角相互の間隔を適宜調節することによ
り如何なる角度部位にも対応することができる
等、土木、建築、農、園芸など非常に多目的に使
用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ブロツクの１実施例を示す斜視
図、第２図は同実施例ブロツクを用いて築造した
階段状法面の施工図、第３図は同実施例ブロツク
を用いて道路花壇を築造する場合の施工図、第４
図は同実施例ブロツクを傾斜状に積み上げて斜面
壁を形成する場合の概略図、第５図〜第７図は同
実施例ブロツクを道路等のコーナ部分に配設する
場合の施工例を示す説明図、第８図は作用土圧の
特に大きい土留箇所を対象とする場合の施工例を
示す説明図である。 １……筒口上端面、１′……筒口下端面、２…
…ジベル、３……扶壁面、４……形象的アクセン
ト、５……後部稜角、６……ジヨイナー板、７…
…ジヨイントチヤンネル、８……スリツト、９…
…貫通孔、１０……通溝、Ｂ……成形体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略三角筒状のコンクリート成形体Ｂであつ
   て、その筒口上端面１にはジベル２が突設さ
   れ、かつ筒口下端面１′は前記ジベル２と噛合
   可能に形成されていると共に、扶壁面３を形成
   すべき前部可視面には形象的アクセント４が施
   され、さらに後部稜角５近傍にはジヨイナー板
   ６を挿入結合さすべきジヨイントチヤンネル
   ７，７が形成されて成る多目的コンクリートブ
   ロツク。 コンクリート成形体Ｂの各面に、スリツト８
   または貫通孔９が開設されている請求項記載
   の、多目的コンクリートブロツク。 筒口上端面１および下端面１′に、対応的に
   通溝１０が設けられてある請求項またはに
   記載の、多目的コンクリートブロツク。 コンクリート成形体Ｂの各面の横幅が、略同
   長に成形されている請求項〜の何れかに記
   載の、多目的コンクリートブロツク。