JPH0258976A - 画像特性の変換処理法 - Google Patents

画像特性の変換処理法

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JPH0258976A
JPH0258976A JP63209431A JP20943188A JPH0258976A JP H0258976 A JPH0258976 A JP H0258976A JP 63209431 A JP63209431 A JP 63209431A JP 20943188 A JP20943188 A JP 20943188A JP H0258976 A JPH0258976 A JP H0258976A
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沼倉 孝
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進 北沢
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Iwao Numakura
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、絵画、モノクロやカラー写真などの印刷用原
稿や複写用原稿、撮像管やCCDに蓄積されている被写
体に関する画像情報など(以下、これらを総称して「原
画像」という。)から、印刷画像などのハード画像やC
RT (ビデオ)画像などのソフト画像(光による一過
性の表示画像)など(以下、これらを総称して「複製画
像」という。)を作成するときの、即ち原画像から複製
画像を作成するときの新規な画像特性の変換処理法とそ
れを利用した機器に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 原画像から複製画像を作成するときの画像特性の変換処
理技術において、原画像の調子(原画像の階調と色調を
いう。以下同じ。)を再現性良く複製画像に変換するこ
とができる基礎技術が確立されていないのが現状である
別画すれば、原画像の複製画像における調子再現におい
て、その基本ともなる「画像の濃度領域における非線形
変換処理技術」が、全く人間の経験と勘に依存しており
非科学的、非合理的なものである。
ここに言う、「画像の濃度領域における非線形変換処理
技術」 (以下、画像の濃度領域における変換処理技術
、あるいは単に画像特性の変換処理技術という。)とは
、空間領域における画像処理、空間周波数領域における
画像処理、所与の画像の統計的手法による画像処理、あ
るいは所与の画像のパターン解析などに係る画像特性の
処理技術とは根本的に相違する領域の技術であり、むし
ろ、これら画像処理技術の基礎技術ともなるものである
何となれば、画像特性の変換処理技術において原画像の
特性の何列にかかわらず、かつその技術的構成や手段の
如何にかかわらず、原画像の調子が1=1で変換され、
かつ得られた複製画像の調子が人間の視覚感覚にとって
自然であると感じられる適切な濃度勾配をもっているこ
とが、複製画像を作成するときの画像特性の変換処理の
核心であり、基礎であり、基本であるからである(例え
ば、特開昭61−82576号、特開昭61−2537
2号を参照)。
しかしながら、現在の画像の濃度領域における画像特性
の変換処理技術は、全く人間の経験と勘に依存しており
、しかもこれを科学的で合理的な技術体系に改めようと
する試′みがなされていない。
このため、従来の画像特性の変換処理技術に基づく複製
画像を得るための具体的な機械、装置、部品など、ある
いはこれらを組合わせたシステム技術やシステム機械・
装置などは、複製画像における原画像の調子の再現性が
良くないことはもとより、その機構が不必要に複雑・高
度化しており、製造コスト、使用上の便宜さ、修理やメ
ンテナンスなどの点で問題がある。
これは科学的かつ合理的に原画像の調子を1:1に複製
画像に変換することができる。前記した画像特性の変換
処理の基礎技術としての画像の濃度領域における変換処
理技術が確立されていないことに主因がある。
この点を、具体的な画像特性の変処理技術について少し
考察してみる; (i)  印刷画像の作成においては、(イ)製版作業
に規則性がなく、特に、非標準的品質(例えば露光オー
バーまたはアンダー)をもつカラーフィルム写真画像(
現在、約30〜70%がこのような非標準的な原稿であ
る。)を原稿画像として製版する場合、合理的な対処の
方法がなく、全く人間の経験と勘に依存している。この
分野での科学的アプローチが進展しない大きな理由の1
つは、印刷物に宿命的に付随している芸術的要素という
、合理的な技術の探究にとっての逃避場があるためであ
る。
(ロ)製品の品質を安定させ、製版作業の生産性を高め
ようとすると、それに対応して製版機器であるスキャナ
ーの機構が複雑かつ高価なものとなる。しかも機械装置
の操作が難かしく、そのための関係技術者の教育訓練に
多大の労力を要する。
(ハ) このような高度化かつ複雑化したスキャナーを
導入しても、その色分解作業はヤレの理由などに基づき
作業の30〜40%はやり直しである。
(n)  カラー複写機などのデジタル画像処理装置や
そのためのソフトウェアにおいては、依然としてテスト
刷りをしてみなければならず、また、画像処理機能を高
度化し、処理速度を早くし、かつその機能にフレキシビ
リティを持たせようとすればするほど、幾何級数的にソ
フトウェア−とハードウェアーの機構が複雑となり、か
つ製作コストが増大し、逆にフレキシプリティを失って
いく結果となっている。同時に、ソフトウェア−のハー
ドウェアー化を益々、困難にしている。
(■) テレビ画像などの輝度画像においては、調子の
再現性が強く求められており、また調子の調整のための
簡素な方法が求められている。テレビ画像の調子を手動
で調整する場合には、ブライトネス、コントラスト、R
−G−Bの3色の調整など複雑な調整手続が必要であり
、自動調整の場合には機構が複雑かつ高価なものとなっ
ているが、十分に満足しうる調子の再現性が得られてい
ない。
(iv)  人間の視覚にとっての不可視域の撮像の代
表的の一つである、低照度領域(暗視界)における撮像
においては、撮影対象物の変動速度による撮影条件の時
間的制約を受けるが、これを単純な増幅手段等によって
解決しようとしても鮮明かつ調子再現性の優れた画像を
得ることが困難である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、前記した従来の原画像から複製画像を作
成するときの画像の濃度領域における画像特性の変換処
理技術全般において、それらが共通している欠陥は、そ
の画像特性の変換処理が、人間の経験と勘に大きく依存
しているという基本認識をもっている。
本発明の目的は、原画像から複製画像を作成するときの
濃度域域における画像特性の変換処理技術を、人間の経
験と勘に依存する技術体系から科学的で合理的な技術体
系へ改めること、かつ経済的な画像処理装置を提供する
ことにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は、最明部濃度値がHnで
ある原画像から、下記濃度領域における<画像特性変換
式〉を用いて複製画像を作成するにあたり、下記〈画像
特性変換式〉中のγ値として採用するγn値を、 最明部濃度値(H値)が相違する複数の原画像から所望
の画質の複製画像を与えるときのγ値を求め、前記H値
とγ値の相関関係よりHn値に対応するγn値を設定す
ること、 を特徴とする原画像から複製画像を作成するときの画像
特性の変換処理法ならびに該処理法により原画像を変換
処理する記構を内蔵した各種の複製画像作成機器に関す
ものである。
〈画像特性変換式〉 以下、本発明の構成について詳しく説明する。
(x)本発明のく画像特性変換式〉の開発について。
本発明者らは、先に印刷画像等の複製画像を作成すると
きの画像の階調変換方法について提案した(特願昭62
−148912号、特願昭63−114599号参照)
ここにおいて、本発明者らは画像の階調変換技術から人
間の経験や勘を排除するために、理論的に求めたく階調
変換式〉により画像の階調変換作業を行なうことを提案
した。
本発明の技術的構成は、この先に提案した階調変換技術
をさらに一般化した関係にあり、先に提案した階調変換
時に用いられろく階調変換式〉の誘導過程は、本発明の
技術的構成の理解を深めるために有用であると考える。
従って、まず、先に提案した印刷画像などの腹’!A 
LjI 像を作成するときの画像の階調変換時に用いる
、〈階調変換式〉の誘導過程から説明する。なお、ここ
では複製画像として印刷画像に的を絞って説明する。
印刷物の作成時において写真製版カメラ等を使い、カラ
ー写真原稿から網点階調画像を作成するとき、あるいは
電子的色分解装置(モノクロ・スキャナー、カラー・ス
キャナー)を使ってカラー写真原稿から色分解作業を行
なうとき、原稿画像の階調を連続階調から印刷画像の網
点階調に変換しなければならないことは周知のことであ
る。
もとより、この変換作業は色分解特性曲線(後述するよ
うに、これは作業基準特性曲線とか網点階調特性曲線と
いわれるものである。)のもとで行なわれる。
その際、次の点を留意しなければならない。
印刷画像である網点階調画像において、・印刷画像の濃
度階調を表現するための具体的構成要素が「網点の面積
」と「インキの反射濃度」の2つであること、 ・経験上、前記「インキの反射a度」のファクターにつ
いては、印刷版上の1(およびSにおける網点を正しく
印刷用紙上に再現させて印刷をする、いわゆる適正な印
刷を行なうという条件下では、印刷機上で加減できるイ
ンキの量は適性インキ量を中心として士約10%である
が(ものによっては画質や墨文字をよくするために、墨
版では士約20%も加減することがあるが)、インクの
量が階調や色調を変化させる度合が小さいこと、 ・経験上、人間の視覚感覚は「網点面積jパーセントに
おける1%の差異をも濃度差として容易に識別する能力
をもっており、その精度は濃度計よりも優れていること
、また製版及び印刷作業工程において同一網点における
面積変動量は数10%にも及ぶこと、 という客観的事実及び経験則を考えると、網点階調画像
である印刷画像の作成において網点の面積の管理が極め
て重要であることがわかる。
また、前記したことと関連して写真製版作業においては
、原稿画像の品質内容が千差万別であること、写真製版
作業に続く印刷画像形成工程が多様であり、しかもそれ
ぞれの工程はそれぞれの工程なりの作業特質を持ってい
ること、印刷画像を表現する印刷用紙などの基材及び印
刷インキなどの色材の特質が多様であること、ならびに
印刷物発注者の印刷画像に対する品質評価基準が一様で
ないことなどの背景を抱えている。
従ってこれら写真製版、印刷に係る複雑で不安定な要因
を吸収し克服するためには、カラーフィルムなどの連続
階調画像である製版用原稿画像を網点階調画像である印
刷画像に変換するにあたって、作成する網点階調画像(
印刷画像)における最明部最小網点(yh)と最暗部最
大網点(ys)を所望のものに任意に選択することが出
来、しかも最明部から最暗部に至る画像の階調を所望し
た通りの階調に、合理的でしかも簡便に設定し調整管理
することができる手だてを設けることが是非とも必要で
ある。
このような考え方に立脚して、本発明者らは下記に示さ
れろく階調変換式〉を理論的に、かつ製版実務と整合す
るように導出した。なお、ここで注意を換起すると、下
記の印刷画像の作成時に使用するく階調変換式〉は、本
発明のく画像特性変換式〉と−見して同じようであるが
、各項の意味や数値どりに重要な相違があることである
。この点は後述することにして、下記のく階調変換式〉
の導出過程について更に説明する。
く階調変換式〉 前記した印刷画像の作成時に用いられる網点面積パーセ
ントの数値(y)を求めるく階調変換式〉は、一般に認
められる濃度公式(写真濃度、光学濃度)、即ち D =log  / I =log7 Tから誘導した
ものである。
この濃度りに関する一般公式を、製版・印刷に適用する
と次のようになる。
本発明はこの製版・印刷に関する感度式(D′)に、前
述した連続階調画像上の任意の標本点における基礎1度
値(x)と、これに対応した網点階調画像上の標本点に
おける網点の網点面積パーセントの数値(′7)との関
連づけの要請を組込み、理論値と実測値が近似的に合致
するように、前記〈階調変換式〉を誘導したものである
前記く階調変換式〉を印刷画像を作成するときの画像の
階調変換方法に適用する場合、印刷用紙の反射率(α)
、印刷インキの表面反射率(β)、及び印刷画像濃度域
/原稿画像濃度域の比(石)の数値を基礎として、印刷
画像のHとSに置きたいと所望する網点の大きさ(yh
+ ys)を任意に選びながら、原稿画像」二の任意の
標本点(X)の基礎濃度値(x)から印刷画像上の対応
した標本点(Y)における網点の網点面積パーセントの
数値(y)を求めるように運用される。
これにより原稿画像(連続階調画像)の濃度階調を印刷
画像(網点階調画像)上に1=1に忠実に再現させるこ
とができる。
尚、多色製版(一般にシアン(C)、マゼンタ(M)、
イエロー(Y)、墨(BL)の4版で1組と考えられて
いる)の場合、基準となる版(多色製版の場合1周知の
如くシアン版(C)が基準の版となる。)の作業基準特
性曲線、即ち原稿画像の瀦度情報値を印刷画像の網点面
積値に変換するための基準となる網点階調特性曲線が決
まれば、その他の色版の網点階調特性曲線は、基準とな
った版のソの値に印刷インキ各色のグレー・バランス比
に基く適切な調整数値を乗することにより、常に、合理
的に決めることが出来る。しかも、このようにして決め
られた各色版の網点階調特性曲線は夫々が合理的な階調
を変換するための特性曲線(以下、製版分野で常用され
ている色分解曲線1色分解カーブという用語を用いる。
)であることば勿論のこと、更にはそれらの特性曲線間
の階調および色調に係る相互関係もまた合理的かつ適切
なものである。即ち画像の階調変換を前記く階調変換式
〉に基づいて行うならば、多色印刷における印刷画像の
階調と色調の調整、管理を合理的に行うことができる。
本発明者らは、以上のようにして求めたく階調変換式〉
を用いることに依り、従来の経験と勘に頼る画像の階調
変換方法から脱却して、任意かつ合理的に画像の階調の
変換を行なうことができ、ひいては階調と密接不可分の
関係にある色調についても合理的に変換することができ
ることを、先に提案した。
しかしながら、その後の研究において前記〈階調変換式
〉の運用において、一定の限界があることが判明した。
その限界とは、 ・原稿画像が非標準的品質であるもの、特に極端に悪い
品質内容のもの(例えば、写真撮像時の露光がオーバー
またはアンダーであるもの)に十分に対応することがで
きないこと。
このことを前記く階調変換式〉の運用操作の点から説明
すると、 ・石の分子に、原稿画像が標塾的品質(適正露光で撮影
され、適正な濃度特性を有する。)の場合、印刷インキ
で刺激値の大きい黄色インキのベタ刷り濃度値(その代
表的数値は、0.9〜1.0である。)を用いるときは
有効ではあるが、品質内容の悪い原稿に対応するときは
十分に満足しえないこと、 ・β値において、前記し、た非標準的品質であるものに
対応するとき、印刷インキの表面反射率以外の数値を採
用しても十分に満足しえないこと、 などである。
次に1本発明者らは、前記した非4!!準的品質内容の
原稿画像(前記従来技術とその問題点の項で説明したよ
うに、入稿される原稿の約30〜70%がこの種の非標
準なものである。)においても、十分に対応し得る方策
、即ち、品質内容の悪い原稿画像であっても濃度階調の
バランスのとれた印刷画像を得る方策について検討した
。その結果、次の条件のもとて前記〈階調変換式〉を運
用すればよいことを見い出した。
・β値=10  により求められる数値。
・β値=γ/(原稿画像の濃度域値)により求められる
数値。
・γ値=正または負の任意の数値。
以上の条件を前記く階調変換式〉に組み込むことにより
、本発明が前提とするく画像特性変換式〉になることは
いうまでもないことである。
(n)  本発明のく画像特性変換式〉に採用されるγ
値の決定法について。
周知のごとく、連続階調の原稿画像から網点階調の印刷
画像を作成するには、スキャナーを用いて製版が行なわ
れている。このスキャナーによる階調の変換処理(スキ
ャナー色分解、スキャナー分解)において色分解曲線(
色分解カーブ)(これは、前記したように網点階調特性
曲線といわれるものである。この色分解曲線が、前記し
たく階調変換式〉2本発明のく画像特性変換式〉に相当
することはいうまでもない。)が使用される。そして適
切な印刷画像を作成するには、該色分解曲線が予定して
いる標準の濃度特性をもつ原稿画像を用いなければなら
ない。従って、原稿の品質内容、即ち濃度特性が千差万
別であることから、理論的には原稿の濃度に係る画像情
報を適切に処理してから色分解すべきである。即ち、原
画像であるカラーフィルム原稿をスキャンニングして得
られる濃度情報1本発明の前記〈画像特性変換式〉にあ
っては工の値を適切に処理して、画像の階調変換を行な
うことが技術論的に筋の通った考え方である。
前記した方法を採用するときは、得られる複製画像の画
質は極めて良好なものであるが、その反面、階調変換の
ための処理装置の機構が精巧複雑なものとなりコスト高
に通じる。
一方、複製画像の画質が、原稿画像と比較して高い忠実
度を要求しない分野があり、そのような複製画像を作成
するための機器の開発ニーズが存在している。
本発明は、このような複製画像を作成するための機器に
適用され、画像の階調変換の処理を簡便化し、機器の低
コスト化を実現しようとするものである。
本発明の前記く画像特性変換式〉の大きな特徴点は、α
及び/又はβ(β= 1O−y)の数値を、その本来的
意義から離れて任意の数値を用いたり、α、βの数値を
固定して、別の数式等を該く階調変換式〉に加減乗算す
ることによって、γ値を変化させることができること、
即ち種々の形状を異にする色分解曲線を入手することが
できるという点である。特にγ値の値により、種々の色
分解曲線を入手することができるという特徴を有してい
る。このことの意義は極めて重要であり、画質の優れた
印刷画像を作成するうえで原稿画像の品質内容とγ値と
の相関関係を見い出し得るならば、簡便に最適な色分解
曲線を設定することができるということ、かつ色分解作
業を効率的に行ない得るということを意味する。
種々のγ値に対して、γ値(すなわち、色分解曲線)が
どのように変化するかをみたのが第1表である。第1表
は、γ値を変化させながら(第1表に示されるようにγ
値=2.OO〜−0,20を採用)。
前記く画像特性変換式〉を、ソh=5%yVs=95%
、α=1.00.β=102石=γ/(原稿画像の濃度
域値)=γ/ (2,8−0,2)の条件のもとで計算
して求めた、各濃度ステップ(第1表には、原稿画像の
濃度域を9ステツプに区分している。)における網点面
積パーセントの数値を示すものである。
(以下余白) 第1表により、γ値を変化させたとき、それぞれに対応
する個別的な色分解カーブ(以下、個別色分解カーブと
いう。)が得られる。従って、与えられた原稿画像をこ
のうちから最適なものを設定して色分解すればよいこと
になる。第1表の結果を第1図に図示する。
第1表に示される個別色分解カーブの特徴を理解するに
は、実務的上、HとSの網点の網点面積パーセントの数
値が同じであることから、例えば50%網点がどの位置
またはどの濃度ステップに置かれているかをチエツクす
ればよい。
第1表より、γ値、即ち網点面積パーセントの配列状態
を観察することにより、得られる複製画像、例えば校正
印刷画像(校正作業を経て作成されるもの。)の画質を
、事前に、的確に予見することができる。
次に、製版用原稿画像であるカラーフィルムの画質に則
して、採用すべきγ値との関連を考察する。
標準画質でないハイキー(露光オーバで撮影されたもの
。)やローキー(露光アンダーで撮影されたもの。)の
製版用カラーフィルムM稿が製版メーカーに入稿された
とき、どのような観点からγ値を決定するかが重要であ
る。
前記したような非標準画質の原稿が入稿されたとき、所
望する標準画質の校正印刷画像を作成するためにはγ値
を合理的な観点から設定しなければならないが、その設
定原理を第2図の(A)。
(B)に示す。
第2図(A)により、ハイキーな画質のカラーフィルム
原稿が入稿したときに、どのようにして所望の画質を備
えた校正印刷画像を得るのかを説明する。
標準画質の原稿の場合、その原稿のH−8に至る濃度特
性曲線(以下、基準濃度特性曲線という。)と、標準画
質の原稿を色分解する色分解カーブ(以下、基準色分解
カーブ)とは、第2図(A)中に示される関係にある。
多くの実証的裏付けにより、該基準色分解カーブはγ=
0.9〜1.0の値のもとで前記〈画像特性変換式〉を
計算して設定されるものである。
同様に、ハイキーな画質のカラーフィルム原稿の濃度特
性曲線(以下、ハイキーな濃度特性曲線という6)と、
それを色分解する色分解カーブ(以下、個別ハイキー色
分解カーブ)も、第2図(A)中に示される関係にある
ものとする。
このような状況のもとで、ハイキーなカラーフィルム原
稿から基準色分解カーブによって示されている標準的画
質を備えた校正印刷画像を作成しようとすれば、基準色
分解カーブと個別ハイキー色分解カーブとの差を調整し
なければならない。
この調整を行なった結果を、第2図(A)に調整した個
別ハイキー色分解カーブとして示す。第2図(A)中に
は、その時の必要な調整量をm、、m2で示しである。
以上のようにして得られる調整した個別ハイキー色分解
カーブを使用して色分解を行なうならば、基準色分解カ
ーブによって得られるものと同じ標準的画質を備えた校
正印刷画像を作成することができる。
第2図(B)は、上記とは逆のローキーな画質のカラー
フィルム原稿の場合における、階調調整の要領を示すも
のである。
因みに、前記したハイキーまたはローキーなどの個々の
カラーフィルム原稿がもつ濃度特性曲線、即ち個別濃度
特性曲線は、写真感光材料固有の基本濃度特性曲線から
求められることは説明を要するまでもないことである。
この関係は後述する第4図に示される。第4図において
、露光条件によりハイキー(露光不足)、ローキー(露
光過多)などの原稿が入手されること、かつこれらは基
本濃度特性曲線の特定の領域(レンジ)により規定され
ることが示されている。適正露光による原稿が基準濃度
特性曲線を有している。
次に、このようにして得られた調整を加えた個別色分解
カーブと、γ値を調製(γ値を調整することにより、種
々の色分解カーブが得られることは第1表、第1図に示
した。)して得た色分解カーブを、特にカーブの形を重
点にして、その整合性をチエツクしてみたところ、極め
て良好な整合性を示した。このことを、第3図に図示す
る。第3図は、次のことを示している。
(i)現在、当業界におけるスキャナー色分解の実務を
反映させて、標準画質(fi度域り、R=0.20〜2
.80の濃度特性曲線を有する。)に対して、γ= 1
.00に設定して得られる色分解カーブを基準にして、 (ii)ハイキー画質(濃度域り、R=0.10〜2.
70の濃度特性曲線を有する。)に対して、γ=1.8
0に設定して得られる色分解カーブ、(iii)ローキ
ー画質(濃度域り、R=0.60〜3.18の濃度特性
曲線を有する。)に対して、γ=−0,20に設定して
得られる色分解カーブ、をみると、色分解カーブの形が
極めて酷似していること、即ち、原稿画像の画質により
γ値を調整することにより、最適な色分解カーブを設定
することができることを示している。本発明者らの実験
により、最明部の濃度が0.10〜0.70程度の範囲
にあるカラーフィルム原稿(この濃度レンジに、標準画
質のものはもとより、ハイキー及びローキーのもののほ
とんどが含まれる。)の印刷画像への階調変換は、γ値
を2.00から−0,40の間で変化させることによっ
て、対応できることが確認されている。
従って、次の問題は、原稿画像の画質に対応するγ値の
決定をどのようにして合理的に行なうかである。
前記したように、カラー原稿が標準的画質をもつ場合に
は、理論的に求まるγ値、即ち黄インキのベタ刷り濃度
より求めたγ値(β=10−y) 、具体的にはγ値=
0.9〜1.0の値をもって本発明のく画像特性変換式
〉を運用すると、満足すべき画質をもった印刷画像が得
られる。しかし、非標準的画質の場合、γ=0.9〜1
.0をそのまま用いると理論と実務の垂離の度合が大き
くなるため、適切なγ値を求めなければならない。
そのため、本発明者らは、前記く画像特性変換式〉を非
標準的画質のカラーフィルム原稿に対して適用すること
を困難とする基本的理由について検討した。その結果、
与えられたカラーフィルム原稿の最明部(H)から最暗
部(S)に至る濃度特性が標準のカラー原稿のものと比
較して大きく相違していることに注目した。
この状況を図を用いて説明する。と、第4図のようにな
る。第4図は露光量とカラーフィルム濃度の関係を示す
もので、露光条件により濃度特性曲線が相違する各種の
カラーフィルム原稿が得られることを示している。
実際、製版メーカーには、この種の雑多な品質内容のも
のが入稿され、これが製版作業を困難なものにしている
のである。
ここで注目しなければならないことは、カラーフィルム
原稿の濃度特性曲線(第4図に基本濃度特性曲線が示さ
れている。)は、現像条件を一定にした場合、基本的に
は一つしかないということである。この点は現在の写真
業界において、カラーフィルムの現像処理は各フィルム
メーカーの指定した現像条件のもとで行なわれているの
が常態であることから首骨されるところである。そして
、カラーフィルム原稿の画質、特に濃度階調が一定しな
い本質的理由は、写真撮影時の露光量の多寡によって個
別濃度特性曲線が前記した唯一の感材固有の濃度特性曲
線上において占める位置と範囲が異なるということに基
づくものである。さらに、カラー写真の撮影時における
露光量はカラー原稿の最明部濃度値(H値)と直接的関
係をもっていることは自明のことである。
以上の点から、所定の最明部濃度値Hnを有するカラー
フィルム原稿から印刷画像を作成するとき、本発明のく
画像特性変換式〉を運用うするうえで、γ値として採用
されるべきγn値を合理的に設定する原点は、H値とγ
値との相関関係に置かれなければならない。
前記した考え方に立脚し、実際に種々のカラー原稿をス
キャナー分解と色校正を行ない、複製画像の画質を人間
の視覚感覚により評価、判定してH値とγ値の相関を求
めた。このような実験を繰返し行なった結果、第5図〜
第8図に示されるように原稿の最明部濃度値(H値)と
γ値との間に合理的な相関関係があることが確かめられ
た。なお、下記第2表に、これらの実験試料の一部を示
す。
第2表 原稿の最明部濃度値と最暗部濃度値を示す。
第2表において、 (i)  実験No2に用いたカラーフィルム原稿の画
質は標準的なものである。NolとNo3は非標準的な
ものである。
(n)  実験NolおよびNo3で得られた複製画像
の画質は、実験No2と殆んど同等であり、極めて満足
すべきものである。
(止)カラーフィルム原稿のHlとじて0.12〜0.
50の値のものと選択したのは、当業界において通常使
用されているカラーフィルム原稿の現状、及びカラーフ
ィルム原稿の濃度特性曲線における足の部分の形を考慮
に入れたものである。
前記第2表及び第5図〜第8図↓こ示される実験試料か
ら、最明部濃度値がHnである非標準的画質のカラーフ
ィルム原稿に本発明のく画像特性変換式〉を適用して、
理論と実務が整合する複製画質の画質を得るための、H
値とγ値の相関関係を検討した。
く相関関係〉(その上) ・標準的画質をもつカラー原稿であれば、常に理論と実
務が整合した所望の画質の複製画像が得られること、こ
のときのγ値は前記実験No2より0.9〜1.0の値
であること(以下、これをγn値とする。)、また最明
部濃度値が0.20近傍であること(以下、これをH8
値とする。−)、 ・γ値、H値の物理量は、 どちらも12ogスケール
に関係すること(γ値は、理論的には印刷画像の濃度域
に関係するもの、H値は最明部の濃度値からみて自明の
ことである。)、・γ値は、γnを中心にして、lH,
−Hlの差に対応して相関されれば便利であること、を
念頭にH値とγ値の相関関係を検討した。
その結果、第5図に示される相関関係を求めることがで
きた。
第5図は、縦軸をγn値(基準となる画質をもつ原稿画
像から所望の画像をもつ複製画像を作成したときに使用
したγ値)を含む任意の数値を対数目盛で表わしたγ軸
とし、横軸を前記γn値を原点としH8値(基準となる
画質をもつ原稿画像の最明部濃度値)を含む任意の数値
を対数目盛で表わしたH軸として、前記γ−H直交座標
系(両対数グラフ)に、第2表に示される実験結果をプ
ロットしたものである。
第5図に示される如く、H値とγ値の間に直線的相関関
係が成立しているという事実は驚くべきことであり、か
つ、このことは濃度領域における画像特性の変換処理技
術を合理的に簡素化するために、極めて有用なことであ
る。
第5図より、どのような品質のカラー原稿が製版メーカ
ーに入稿されても、その原稿(最明部濃度値がHnのも
の。)に採用すべきγn値を、γn=γn±I Dn 
!  ・tanaにより、合理的に決定することができ
る。
く相関関係〉(その2,3.4) 本発明において、H値とγ値の相関関係式は前記したも
の(その1)に限定されず、第6〜第8図に示されるも
のであってもよい。
なお、第6図は全対数グラフを用いてH値とγ値の相関
関係を示したものであり(F社製カラーポジフィルムを
使用、基準濃度特性曲線の濃度域0.20〜2.80.
基準γn値1.00)、第7図は片対数グラフを用いて
H値とγ値の関係を示したものであり(同0.20〜2
.80.1.00) 。
第8図は通常のクロスセクションペーパーを用いてH値
とγ値の関係を示したものである(同0.20〜2.8
0,1.00)  。
第6〜第8図から1.カラーフィルム原稿の最明部濃度
値がHnのとき、採用すべきγn値は次の関係式から求
めることができる。
(i)  γn=1.70−2.2961(QogHn
+1)(第6図の関係より) (x1)  γ、=1.70−2.3(Rog)(y1
+ 1 ) (第7図の関係より) (第8図の関係より) 以上に説明した如く、本発明の合理的に決定されたγn
値のもとでく画像特性変換式〉を運用することにより、
標準的及び非標準的品質内容の原稿原稿から濃度階調の
再現性に優れた印刷画像に作成することができる。なお
、前記した各種の相関関係式のもとて所定のHn値に対
するγ1値を計算すると、多少の相違がみられる。しか
しながら、γn値として計算値±0.05の範囲では、
実務上、製品の画質に差異を認めることは難しい。
以上のようにして、本発明は1本来的には前記く画像特
性変換式〉中のカラーフィルム原稿の濃度値(あるいは
基礎濃度値)を適切に処理して画像の階調変換を行なう
べきところ、該濃度値と直接的には技術的関係をもたな
いγ値を操作することにより、標準的画質の原稿画像は
勿論のこと非標準的画質をもつ原稿画像を合理的に階調
変換させることができる。従って、画像処理の合理化、
画像処理機構部の省力化、操作の簡便化、製作コストの
低減化などにおいて、大きな効果を発揮することができ
る。
次に、本発明の前記〈画像特性変換式〉の各項の意味、
運用面、応用面の特質などについて説明する。
本発明の前記く画像特性変換式〉の運用において、濃度
情報値とは原画像(本発明は、前記したように印刷画像
を作成するときのカラー写真原稿に限定されない。)の
各画素のもっている濃度に関する物理量を反映するもの
であればいずれでも良く、最広義に解釈されるべきであ
る。同義語としては、反射濃度、透過濃度、輝度、強度
、光量。
振幅、電流・電圧値、印刷画像の網点面積パーセントの
数値などがある。
本発明の前記く画像特性変換式〉の運用において1次の
ように変形して利用することはもとより、任意の加工、
変形、誘導するなどして使用することも自由である。
前記の変形例は、α=1としたものである。これは、例
えば印刷画像を表現するために用いられる印刷用紙(基
材)の表面反射率を100%としたものである。αの値
としては、任意の値を取り得るが、実務上1.0として
構わない、 このことはビデオ画像などの輝度画像にお
いても同じである。
また、前記変形例(α=1.0)によれば、印刷画像上
の最明部HにVsを、最暗部Sにν5を予定した通りに
設定することができ、大きな特徴をなしている。このこ
とは、原稿画像上の最明部HにおいてはX:〇となるこ
と、また最暗部Sにおいては工=〔原稿画像濃度域〕と
なること、即ち、(工=−γとなることから明らかであ
る。 このように、本発明のく画像特性変換式〉(α=
1の変形例ンを利用するに当り、常に予定した通りのソ
Hとソ、を設定することができることは、利用者が作業
結果を考察する上で極めて重要なことである。
また、本発明の前記く画像特性変換式〉をベースとした
画像特性の変換処理法は、原画像の階調や色調の再現、
即ち原画像の調子を複製画像に1:lに再現させるうえ
で極めて有用であるが、その有用さはこれに限定される
ものではない7本発明の前記く両像特性変換式〉は、原
画像の特性の忠実な再現性以外にも、α、β、γ値、さ
らにはVHI?。値を適宜選択することにより原画像の
特性を合理的に変更したり修正したりするうえで極めて
有用なものである。本発明においては、「画像特性の変
換」をこのように広義に解すべきである。
本発明の前記く画像特性変換式〉は、これまで特に印刷
画像の作成との関連で説明してきたが、その応用面は、
こと印刷画像の作成に限定されるものではない。
即ち9本発明の〈画像特性変換式〉の応用面としては、 (i)  既に詳しく説明した凸版、平版、網点グラビ
ヤ、シルク・スクリーンなどの印刷画像、あるいは、ド
ツトの大きさを変えることができる溶融転写型感熱転写
画像などにみられる網点(ドツト)の大きさで複製画像
の階調や色調を表現しようとする場合(これは面積階調
法ともいわれる。)はもとより、 (ii)  昇華転写型感熱転写画像、(銀塩利用)熱
現像転写画像、コンベンショナル・グラビヤ画像などに
もみられる一定面積の画素当り(例えば1ドツト当り)
に付着させる印刷インキなどの顔料、染料(色素)など
の濃淡により階調や色調を表現しようとする場合(これ
は濃度階調法ともいわれる。)、 (川)  デジタル式の複写機(カラーコピーなど)、
プリンター(インキジェット式、バブルジッユニット式
など)、あるいはファクシミリなどにみられる一定面積
当りの記録密度、例えばトノ1〜数、インキの粒の数や
大小などを変化させることにより階調を表現しようとす
る場合(これは、前記(i)の面積階調と類似したもの
である。) (iv )  ビデオ信号、テレビ信号、ハイビジョン
信号などの画像情報電気信号より、単位面積の輝度の強
弱を調整して画像を表現するCRT画像やこれらから階
調のある印刷物やハードコピーを得ようとする場合、 (v)  前記したほぼ同等の濃度(tR度、照度)領
域における原画像と複製画像との間の画像の変換処理の
場合だけでなく、空間的、輝度的、波長的および時間的
不可視域における撮像、例えば原画像のコントラストが
極めて低いため原画像と複製画像との間に大きな濃度領
域差のある、低照度領域における画像情報の入力変換(
高感度カメラによる撮像など)の場合(このような場合
、画像の階調の変換というより画像のコントラストの強
調変換に力点がある。)、(vi )  この他、濃度
表示とともに網点面積%などをも表示させるようにした
濃度・階調変換機構つき濃度計、色分解事前点検用(例
えば校正用カラープルーフ)や色分解教育用シミュレー
タなどの印刷関連機器など、 に応用することができる。
本発明のく画像特性変換式〉を用いた画像特性の変換処
理法を、前記した種々の応用分野に適用する際、連続階
調の原画像(ハードな原稿もソフトな原稿も含む。)か
ら入手される画像濃度に関する画像情報及び/又は画像
情報電気信号(アナログでもデジタルでもいずれでも良
い。)を、前記した各種応用分野の機器の画像変換処理
部(階調変換部)で行ない、その処理値であるγ値(階
調強度値)に対応させて機器の記録部(記録ヘッド)の
電流値や電圧値、あ逃いはその印加時間などを制御し、
網点面積、一定面積(x画素)当りのドツト数、一定面
積(例えば1ドツト)当りの濃度などを変化させて原画
像の濃度階調を1:1に対応させた網点階調などの複製
画像を出力するようにすれば良い。
例えば1本発明のく画像特性変換式〉をベースとした画
像特性の変換処理法を用いて、網点階調画像である印刷
画像の原版、すなわち印刷用原版を製作するには、当業
界において周知である既存システムを利用すればよく、
市販の電子的色分解装置(カラー・スキャナー、トータ
ル・スキャナー)等の色分解・網かけ機構に1本発明の
画像の変換処理法を組み込むことにより達成される。よ
り具体的には、カラー写真などの連続階調画像である原
稿画像に対して小さなスポット光を照射し、この反射光
あるいは透過光(画像情報信号)を光電変換部(フォト
マル)で受光し、光の強弱を電圧の強弱に変換し、得ら
れた画像情報電気信号(電気値)をコンピュータによっ
て所要の整理・加工を行ない、コンピュータからアウト
プットされる加工した画像情報電気信号(電圧値)に基
づいて露出用光源光の制御を行ない、次いで生フィルム
にレーザーのスポット光をあて印刷用原版を作成する周
知の既存システムにおいて、例えば原稿画像の画像情報
電気信号を整理・加工するためのコンピュータの計算処
理機構部に、本発明のく画像特性変換式〉を利用して連
続階調の画像情報電気信号を網点階調の画像情報電気信
号となすことができるソフトを組み込めば良いだけであ
る。
このようなソフトとしては、本発明のく関係式〉のアル
ゴリズムをソフトウェアとして保有しかつA/D (ア
ナログ−デジタル変換)、D/AのI/F(インターフ
ェース)を有する汎用コンピュータ。
アルゴリズムをロジックとして汎用ICにより具現化し
た電気回路、アルゴリズムの演算結果を保持したROM
を含む電気回路、アルゴリズムを内部ロジックとして具
現化したPAL、ゲートアレイ、カスタムIC等4種々
の形態をとることができる。特に最近においてはモジュ
ール化が発達しており、本発明の前記〈画像特性変換式
〉をベースとして濃度領域における画像特性の変換処理
を行なうことができる演算実現機構は、専用のIC1L
SI、マイクロプロセッサ−、マイクロコンピュータ−
などのモジュールとして容易に製作することができる。
そして、光電走査用のスポット光を順次、点に分割しな
がら進行させ、一方、レーザー露光部もこれと同期する
ように行えば、前記く画像特性変換式〉により導き出さ
れる網点面積パーセントの数値(y)を持つ網点階調の
印刷用原版を容易に作成することができる。
また、本発明による画像の濃度領域における画像特性の
変換処理は、入力変換の過程で行なわれるのが通常であ
るが、出力変換、記録、伝送、解析、表示など何れの過
程で処理されることを妨げない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明する。
本発明のく画像特性変換式〉に採用されるγ値の合理的
な設定法は、発明の詳細な説明の項で説明したように、
経験的合理性に基礎を置くものである。具体的には第7
図で示される、 からγnを設定しようとするものである。
従って、標準的画質をもつカラーフィルムHmを含めて
、出来るだけ数多くの実験例によりその妥当性が検証さ
れなければならない。
(実験条件) (υ Hn(カラーフィルム原稿の最明部濃度値)とS
n(カラーフィルムM稿の最暗部濃度値)は通常使用さ
れているマクベス社製透過型カラー濃度計で測定した。
■ γn値は、第7図に示したH−γ 相関関係図より
求めた。
■ 発明の詳細な説明の項で述べたようにスキャナーに
よる色分解により製版し、得られた校正印刷画像の画質
によって、その良否を評価した。
なお、色分解用スキャナーとしてHELL社のDC−3
60ER1色校正としてデュポン社のクロマリン校正法
を採用した。
(実験結果) 実験結果を第3表に示す。
(以下余白) 第3表に示されるように、作成された複製カラー原稿(
校正印刷画像)は、何れも十分に満足すべきものであっ
た。
これは、カラー原稿の品質内容がどのようなものであれ
、第5図〜第8図に示される同じH−γ相関関係図のも
とで決定した γn値を利用できることを意味するもの
である。
即ち、 γn値の設定法が極めて簡便かつ合理的なもの
であり、現在の色分解作業(画像特性の変換処理作業)
を、非標準画質をもつカラー原稿を処理する場合を含め
て大幅に合理化するものである。
〔発明の効果〕
本発明により、画像処理の最初の工程にある画像の濃度
領域における画像特性の変換処理技術を、科学的かつ合
理的技術に改めることが出来たことにより、次の効果を
収めることが出来る。
■ 生産技術や製品品質に不安定さと混乱を生起させて
きた人間の経験と勘にもとづ〈従来の画像特性の変換処
理技術、即ち、画像の階調や色調などの変換、ならびに
それらの変更、修正、調整。
管理などの技術を、科学的かつ合理的な技術に置き換え
ることができる。
■ 画像特性の変換処理技術、即ち画像の階調や色調な
どの変換、ならびにこれらの変更、修正、調整、管理な
どのすべての技術に、作業的規則性を与えることを可能
とする。
このために、技術、生産性、コスト、品質などの高度化
かつ安定化に対する貢献は大きなものがある。その具体
例を列挙すれば、次の通りである。
■ スキャナーやシミュレーターの機構を簡単なものに
することができ、そのコストを低減することができる。
現在のスキャナーにおいては、必須の機構である、人間
の経験と勘にもとづいて設定された色分解特性曲線や網
点階調特性曲線などを数式化するための電子計算機等の
計算機構や、それら特性曲線の記憶装置を不用としたり
、あるいは極めて簡素なものにすることができる。
■ 印刷画像形成のための製版工程で必須の作業であっ
た、時間と労力とコストを要する煩られしい色分解特性
曲線や網点階調特性曲線などの設定手続きそのものを不
用とする。
■ さらに、現在の印刷画像の形成工程では、一般に必
須であると理解されている校正手続きを不用にすること
ができる。
また、現在必要あるいは利便であると考えられている画
像形成シミュレーターを使用せずに1品質の良い製品が
安定的に作られるようになる。
■ 印刷画像の形成においては、原画像の品質が標準的
なもの、あるいは非標準的なものであるとに拘らず、常
に、同じ作業手続き、同じ作業時間で、安定的に良い製
品を作ることが可能となる。
このため、製版時間は大幅に短縮され、資材の節約が図
られ、さらに従来30〜40%にも及ぶやり直し作業を
少なくとも5%にまで減少させることができ、製版にお
ける瞬発力を大きくすることができる。
■ 印刷画像などにおける画像の調子、すなわち画像の
階調と色調とを、常に、人間の視覚感覚にとって、適切
かつ自然であると感じられる画質をもつ画像を安定的に
うろことができるようになる。
■ すべての画像処理技術の教育・訓練課程を、科学的
かつ合理的な内容に変革することができる。
■ すべての画像処理において、その画像特性や画像の
階調1画像のコントラストの変換、変更、調整、管理な
どの日常作業が合理的で科学的、計画的かつ規則的とな
る。
■ 低照度領域で画像のコン1−ラストが不足する場合
の撮像(画像情報の入力変換)において、コントラスト
を増すために必要であった光量子数積分撮影時間の制約
から解放されるため、撮像対象物の変動速度の如何にか
かわらず、低照度域における撮像においても鮮明な画像
を得ることが可能となる。
■ 画像情報処理用ICあるいはLSIなどのアーキテ
クチャ−において1画像情報の演算回路の設計を合理的
に簡素化することができ、かつその機能を高度化するこ
とが容易となる。
また、このことは、デジタル画像などの処理用ソフトウ
ェアの内容を、少く°とも濃度領域における画像の変換
処理においては、機能を高度化しながら設計を簡単にし
、ソフトウェアのハードウェア化を容易にし、ソフトウ
ェアコストを著しく低減させることができるようになる
■ 画像情報処理用シミュレーター、濃度計などの機器
の類に、本発明の技術を採り入れることによって、その
機能の質を高度化するとともに。
画像処理システムの中におけるそれらの機器類の位置づ
けと役割とを、システム全体の技術と、より一層緊密な
整合性が得られるようにする。
(8)すべての画像処理機器が、構造や機構が合理的に
簡素化されて、使い易さが著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図はγ値の変動量とγ値(色分解的、W、)の形状
変化の関係を図示したものである。第2図(A)はハイ
キーな画質の原稿画像の階調変換要領を、第2図(B)
はローキーな画質の原稿画像の階調変換要領を説明した
ものである。第3図はγ値と各種の画質を持つ原稿画像
の色分解カーブとの関係を示すものである。第4図はカ
ラーフィルム原稿の露光量と濃度との相関関係が基本濃
度特性曲線で表わされることを示したものである。第5
図は両対数グラフを使用して表ねしたγ値−H値の相関
関係を示し、第6図は両対数グラフを使用して別の態様
で表わしたγ値−H値の相関関係を示し、第7図は対数
グラフを使用して表わしたγ値−H値の相関関係を示し
、さらに、第8図は通常目盛のグラフを使用して表わし
たγ値−H値の相関関係を示すものである。 特許出願人  株式会社 ヤマトヤ商会代理人  弁理
士  水 野 喜 夫 第2図(A) ハイキーな画質の原稿画像の 階調置換要領の原理 第  1   図 r値の変動量と色分解曲線の形状変化との関係(7’ 
ニー0.20〜2.001 連続階調濃度ステ、/プ 9+ 第  3  図 r値の調整による種々の画質をもつ原稿画像に対する色
分解カーブの設定について 週投F@調、展榎スア/プ 図 図 CI”−H相関関係図、 全対数クラン) 図 (r−H相関関係図、片対数グラフ) 第  8  図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、最明部濃度値がH_nである原画像から、下記濃度
    領域における<画像特性変換式>を用いて複製画像を作
    成するにあたり、下記<画像特性変換式>中のγ値とし
    て採用するγ_n値を、最明部濃度値(H値)が相違す
    る複数の原画像から所望の画質の複製画像を与えるとき
    のγ値を求め、前記H値とγ値の相関関係よりH_n値
    に対応するγ_nを設定すること、 を特徴とする原画像から複製画像を作成するときの画像
    特性の変換処理法。 <画像特性変換式> ▲数式、化学式、表等があります▼ [前記<画像特性変換式>において、 x:原画像上の任意の点Xにおける基礎濃度情報値。即
    ち、点Xにおいて測定した濃度情報値から原画像上の最
    明部における濃度情報値を差し引いた値。 y:原画像上の点Xに対応した複製画像上の点Yにおけ
    る濃度情報値。 y_H:複製画像上の最明部に設定する、所望の濃度情
    報値。 y_S:複製画像上の最暗部に設定する、所望の濃度情
    報値。 α:複製画像を表現するために用いる基材の表面反射率
    。 β:β=10^−^γにより求められる数値。 k:γ/(原画像の濃度域情報値)により求められる数
    値。 γ:任意の係数。 を表わすものとする。] 2、H値とγ値の相関関係よりγ_n値を決定するに際
    して、 縦軸を対数目盛で表わしたγ軸とし、横軸を対数目盛で
    表わしたH軸としたγ−H直交座標系に実験的に求めた
    所望の画質の複製画像を与えるγ値とH値の相関関係を
    求め、該相関関数よりH_n値に対応するγ_n値を決
    定するものである請求項1に記載の画像特性の変換処理
    法。 3、H値とγ値の相関関係よりγ_n値を決定するに際
    して、 縦軸をγ軸とし、横軸をH軸としたγ−H直交座標系に
    実験的に求めた所望の画像の複製画像を与えるγ値とH
    値の相関関係を求め、該相関関係よりH_n値に対応す
    るγ_n値を決定するものである請求項1に記載の画像
    特性の変換処理法。 4、H値とγ値の相関関数よりγ_n値を決定するに際
    して、 縦軸を通常目盛のγ軸、横軸を対数目盛のH軸としたγ
    −H直交座標系に実験的に求めた所望の画質の複製画像
    を与えるγ値とH値の相関関係を求め、該相関関係より
    H_n値に対応するγ_n値を決定するものである請求
    項1に記載の画像特性の変換処理法。 5、原画像から複製画像を作成する機器において、請求
    項1に記載の設定されたγ_n値のもとで<画像特性変
    換式>を運用することにより、原画像の基礎濃度情報値
    (x)を複製画像の濃度情報値(y)に変換処理する画
    像変換処理機構を設けたことを特徴とする原画像から複
    製画像を作成する機器。 6、原画像から複製画像を作成する機器が、印刷製版用
    機器、複写機器、転写式などのプリンター機器、ビデオ
    映像機器、画像伝送・再生機器、低照度撮像機器である
    請求項5に記載の原画像から複製画像を作成する機器。
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