JPH02573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は放熱器に温水を供給して室内の暖房
を行うもので、温水を作り出す湯沸器の安全装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の温水暖房器に於て重大なトラブル
は湯沸器の空焚と、湯沸器から熱エネルギーを取
出し放熱器で採暖する為の循環ポンプの故障であ
る。そしてこの様なトラブルが発生した時には警
報器を作動させたり、湯沸器用バーナを停止する
などの構成となつている。

ところで湯沸器の空焚の検出はフロートスイツ
チを湯沸器に取付け水位を監視する方法、また循
環ポンプの故障は管路にオリフイスを設け、オリ
フイスの前後の圧力差でもつて水流を監視する方
法が一般的である。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のこの構造は、精度は優れているものの高
価な検出装置が２セツト必要で温水暖房器のコス
トが高くなることはさけることができなかつた。
この為いずれか一方、例えば湯沸器の水位検出だ
け実施するといつた簡易なやり方で安全装置を構
成する場合がほとんどであり、簡単に空焚と循環
ポンプ故障に対応する安全装置が望まれる。

〔課題を解決する為の手段〕

この考案は空焚と循環ポンプ故障を１個の検出
装置で検出し、安全作動を行うもので、バーナ７
で加熱される湯沸器１と、湯沸器１からオーバー
フローした温水が貯えられるストレージタンク２
と、ストレージタンク２の温水が放熱器４を介し
て湯沸器１に供給する循環ポンプ３とを備えた温
水暖房器に於て、湯沸器１とストレージタンク２
とを連通するオーバーフロー配管５′に温度検出
器６を取付け、温度検出器の異常高温信号で警報
器を作動もしくはバーナ７を停止する温水暖房器
の安全装置に関する。

〔作用の説明〕

温水暖房器への給水はストレージタンク２へ注
水しながら循環ポンプ３を回転すると、水はスト
レージタンク２・循環ポンプ３・放熱器４・湯沸
器１・ストレージタンク２へ送られ、はじめは空
気まじりの水がストレージタンク２へ戻されるが
やがて全部水で満たされ、注水をストレージタン
ク２の規定水位で中止する。

而してバーナ７に点火すると湯沸器１で温水が
得られるので、循環ポンプ３を回転することによ
つて温水が移動して放熱器４を高温とし、室内を
暖房することができる。

ところで管路５などが水漏れを起して湯沸器１
の水位が下がつたり、空になつた状態でバーナ７
に点火すると、循環ポンプ３が回転していても湯
沸器１の水位を上げることができず、空焚状態と
なる。この時残つていた水は沸騰し、また空にな
つていた時でも壁面に付着していた水が加熱し、
多量の高温蒸気がオーバーフロー配管５′からス
トレージタンク２に送られる。この為配管５′は
異常高温となり、この配管５′に取付けられた温
度検出器６が異常温度を検出して警報器を作動さ
せたりバーナ７を停止することができた。

一方、循環ポンプ３が故障して温水の循環がで
きない時は、やはり湯沸器１が沸騰して高温蒸気
が配管５′からストレージタンク２へ送られるも
のであり、湯沸器１の空焚と同様温度検出器６が
異常温度を検出して警報器を作動させたりバーナ
７を停止することができた。

〔実施例の説明〕

１は湯沸器、２は湯沸器で加熱した温水を貯え
るストレージタンク、３は強制循環ポンプ、４は
放熱器であり、これらの構成部品は管路５で接続
されている。９はストレージタンク２の給水口で
あり、キヤツプ８を取外してストレージタンク２
に注水する。該ストレージタンク２の水は循環ポ
ンプ３によつて放熱器４へ供給し、一方、放熱器
４と湯沸器１下部とを接続して放熱器４で放熱冷
却した水を湯沸器１へ戻している。湯沸器１の上
部とストレージタンク２は配管５′にて連結して
おり、循環ポンプ４によつて湯沸器１に送られた
水は加熱され、湯沸器１からオーバーフローして
ストレージタンク２貯められ、温水循環器が形成
される。

６は湯沸器１からオーバーフローしてストレー
ジタンク２へ流れる温水が通過する配管５′に取
付けた温度検出器であり、例えば温度検出器は通
常時開路となつており、異常高温時閉路となつて
警報器の回路を導通させ、警報器を嗚らすもので
ある。

７は湯沸器１のバーナ、１０は湯沸器１の内部
の燃焼室に取付けた邪魔板であり、バーナ７の燃
焼ガスが湯沸器１の内缶壁にそつて上昇できる様
にしており、熱効率を高める働きがある。

１１は排気口であり、排気ガスをそのまま排出
したり、また排気口１１に取付けられた煙突で任
意の場所へ排気する。

〔考案の効果〕

この考案は温水暖房器の空焚は新規設置の時に
は充分注意しているので空焚はほとんど起り得
ず、ドレン抜き操作で循環液を入換える時や管路
から循環液が漏れた時に空焚が起り、この時の空
焚は高温蒸気が発生することに着目し、一方ポン
プ故障の時も湯沸器は異常加熱されて沸騰して高
温蒸気が発生するので、この高温蒸気を温度検出
器で検出して空焚とポンプ故障を一度に検出でき
る様になつた。具体的な実施例としても湯沸器１
とストレージタンク２との間のオーバーフロー配
管５′に温度検出器６を取付ける極めて簡単な構
成であるから安価に製造でき、温水暖房器の安全
性向上に優れた効果が生れた。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案品の断面図である。 １……湯沸器、２……ストレージタンク、３…
…強制循環ポンプ、４……放熱器、５……管路、
５′……湯沸器とストレージタンクとの間のオー
バーフロー配管、６……温度検出器、７……バー
ナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ７で加熱される湯沸器１と、湯沸器１か
   らオーバーフローした温水が貯えられるストレー
   ジタンク２と、ストレージタンク２の温水を放熱
   器４を介して湯沸器１に供給する循環ポンプ３と
   を備えた温水暖房器に於て、湯沸器１とストレー
   ジタンク２とを連通するオーバーフロー配管５′
   に温度検出器６を取付け、温度検出器の異常高温
   信号で警報器を作動もしくはバーナ７を停止する
   ことを特徴とする温水暖房器の安全装置。