JPH0257121B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0257121B2 JPH0257121B2 JP58020874A JP2087483A JPH0257121B2 JP H0257121 B2 JPH0257121 B2 JP H0257121B2 JP 58020874 A JP58020874 A JP 58020874A JP 2087483 A JP2087483 A JP 2087483A JP H0257121 B2 JPH0257121 B2 JP H0257121B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy powder
- temperature
- heat
- treated
- compact
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims description 57
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims description 56
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims description 56
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 18
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 16
- XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N Argon Chemical compound [Ar] XKRFYHLGVUSROY-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 12
- 239000002245 particle Substances 0.000 claims description 9
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 claims description 8
- 238000005245 sintering Methods 0.000 claims description 8
- 238000000748 compression moulding Methods 0.000 claims description 7
- 229910052786 argon Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 6
- 238000001816 cooling Methods 0.000 claims description 5
- 239000007789 gas Substances 0.000 claims description 5
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 17
- 238000009864 tensile test Methods 0.000 description 11
- 239000000463 material Substances 0.000 description 8
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 7
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 5
- 239000005457 ice water Substances 0.000 description 5
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 4
- 238000000889 atomisation Methods 0.000 description 3
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 3
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 3
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 3
- 239000000047 product Substances 0.000 description 3
- 239000012467 final product Substances 0.000 description 2
- 238000009689 gas atomisation Methods 0.000 description 2
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 2
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 2
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910002549 Fe–Cu Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000883 Ti6Al4V Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000611 Zinc aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- HXFVOUUOTHJFPX-UHFFFAOYSA-N alumane;zinc Chemical compound [AlH3].[Zn] HXFVOUUOTHJFPX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 238000000354 decomposition reaction Methods 0.000 description 1
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 1
- 229910001873 dinitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000001125 extrusion Methods 0.000 description 1
- 238000007654 immersion Methods 0.000 description 1
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 1
- 239000012768 molten material Substances 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 230000000754 repressing effect Effects 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 238000001291 vacuum drying Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は亜鉛−アルミニウム合金粉末の成形体
の製造方法に関し、さらに詳しくは、Zn−22Al
合金粉末を圧縮成形するに当り、予め該合金粉末
に所定の熱処理を施すことによつて、小さい成形
圧力で大きな延性を有する成形体を簡単に製造す
る方法に関するものである。 金属材料の中には、所定の温度及びひずみ速度
で変形されると加工しやすくなり、かつ伸びが著
しく増大するような材料があり、通常超塑性材料
と呼ばれている。このような超塑性材料として
は、例えばZn−22Al合金、Ti−6Al−4V合金、
Ni基合金などが一般に知られている。 前記の超塑性材料においては、これを成形加工
する場合、加工に必要な力は小さくてもよいの
で、他の材料を用いる場合に比べて装置は小型の
ものでよく、また伸びが大きいことにより成形限
が向上して、複雑形状の製品を少ない工程で成形
しうるなどの利点がある。 ところで、超塑性材料の形態としては、固体状
の溶解材、すなわち溶解した溶湯を鋳造して凝固
させたのち、これに圧延や押出加工などを施して
密度をほぼ100%対真密度の状態にしたものがほ
とんどであつて、粉体の場合は極めてまれであ
る。しかし、一般に成形加工用の原材料として粉
体を用いれば、材料歩留りが向上して省資源化の
点で有利であり、また溶解材に比べて成形が容易
であるなどの利点があるため、粉体にするのが望
ましい。 したがつて、本発明者らは、これまでZn−
22Al合金粉末の粉末成形、接合、塑性加工など
への応用を目的として研究を重ねてきたが、先に
純度99.99%以上のZnと99.9%以上のAlを用い、
その重量配合比78:22となるように混合したの
ち、590〜610℃の温度で溶解し、次いで580〜590
℃の温度で空気噴霧することによつて、44μm以
下の粒径(10〜20μmの粒径のものが全体の70%
程度を占せる)を有する合金粉末が得られ、この
合金粉末に対して第1表に示すような多数の工程
を施すことにより、最大で440%の伸びを有する
成形体が得られることを見出した。
の製造方法に関し、さらに詳しくは、Zn−22Al
合金粉末を圧縮成形するに当り、予め該合金粉末
に所定の熱処理を施すことによつて、小さい成形
圧力で大きな延性を有する成形体を簡単に製造す
る方法に関するものである。 金属材料の中には、所定の温度及びひずみ速度
で変形されると加工しやすくなり、かつ伸びが著
しく増大するような材料があり、通常超塑性材料
と呼ばれている。このような超塑性材料として
は、例えばZn−22Al合金、Ti−6Al−4V合金、
Ni基合金などが一般に知られている。 前記の超塑性材料においては、これを成形加工
する場合、加工に必要な力は小さくてもよいの
で、他の材料を用いる場合に比べて装置は小型の
ものでよく、また伸びが大きいことにより成形限
が向上して、複雑形状の製品を少ない工程で成形
しうるなどの利点がある。 ところで、超塑性材料の形態としては、固体状
の溶解材、すなわち溶解した溶湯を鋳造して凝固
させたのち、これに圧延や押出加工などを施して
密度をほぼ100%対真密度の状態にしたものがほ
とんどであつて、粉体の場合は極めてまれであ
る。しかし、一般に成形加工用の原材料として粉
体を用いれば、材料歩留りが向上して省資源化の
点で有利であり、また溶解材に比べて成形が容易
であるなどの利点があるため、粉体にするのが望
ましい。 したがつて、本発明者らは、これまでZn−
22Al合金粉末の粉末成形、接合、塑性加工など
への応用を目的として研究を重ねてきたが、先に
純度99.99%以上のZnと99.9%以上のAlを用い、
その重量配合比78:22となるように混合したの
ち、590〜610℃の温度で溶解し、次いで580〜590
℃の温度で空気噴霧することによつて、44μm以
下の粒径(10〜20μmの粒径のものが全体の70%
程度を占せる)を有する合金粉末が得られ、この
合金粉末に対して第1表に示すような多数の工程
を施すことにより、最大で440%の伸びを有する
成形体が得られることを見出した。
【表】
しかしながら、この方法においては、第1表の
工程(3)の状態、すなわち焼結体の状態では伸びの
最大値は8%に過ぎず、満足しうる伸びを得るた
めには(3)の焼結工程以後、多数の工程を経ねはな
らないという欠点があつた。他方、Fe−Cu合金
粉末についても、その最終製品が超塑性を示すも
のとなることについては既に知られているが(特
公昭54−28826号公報)、この場合も粉末を圧縮成
形した圧粉体及びこれを焼結した焼結体の状態で
は、伸びは不十分であり、満足しうる伸びを得る
ためには、焼結体にさらに再加圧や熱処理などの
いくつかの後工程を施す必要がある。 このように、多数の工程を経て得られた成形体
が、最終的に超塑性を示すものであつてもあまり
意義がなく、粉末の圧縮成形の過程において、成
形圧力が小さくてすみ、かつ延性の大きいもので
なければ、成形装置の容量軽減や成形工程の省略
に結びつかない。 本発明者らは、このような事情に鑑み、Zn−
22Al合金粉末を用い、小さい成形圧力で大きな
延性を有する成形体を簡単に製造する方法を提供
すべくさらに研究を続けた結果、Zn−22Al合金
粉末を圧縮成形する際に、ある粒径以下の該合金
粉末を用い、これに予め所定の熱処理を施して結
晶を粒状化し、かつ微細化することによつてその
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、(イ)不活性ガス雰囲気下、
44μm(350メツシユ)以下の粒径を有するZn−
22Al合金粉末を、270〜450℃の温度に加熱した
のち急冷する工程、及び(ロ)密閉金型内において、
前記工程で得られた熱処理合金粉末を圧縮成形す
る工程を行うことを特徴とするZn−22Al合金粉
末の成形体の製造方法、及び前記の(イ)、(ロ)工程に
加えて(ハ)真空若しくは不活性ガス雰囲気下、(イ)、
(ロ)工程で得られた成形体を200〜250℃の温度で焼
結する工程を行うことを特徴とするZn−22Al合
金粉末の成形体の製造方法を提供するものであ
る。 本発明方法の(イ)工程において用いるZn−22Al
合金粉末は、前記したような空気噴霧法、もしく
はガス噴霧法により製造されたものであつて、そ
の粒径が44μm(350メツシユ)以下のものであ
る。 Zn−22Al合金の鋳塊に比べて体積の格段に小
さいZn−22Al合金の粉末は、熱処理後の冷却速
度を常に速くすることができるので、本発明の実
施例において用いている空気噴霧法により製造さ
れた44μm(350メツシユ)以下の粒径を有する
粉末は、所期の目的、効果を達成するために有効
なものである。 本発明の(イ)工程においては、前記のZn−22Al
合金粉末を、例えば窒素ガスやアルゴンガスなど
の不活性ガス雰囲気下で270〜450℃、好ましくは
300〜400℃、さらに好ましくは350〜380℃の温度
に加熱したのち、好ましくは氷水中に浸漬するな
どして急冷する。共析合金であるZn−22Alの共
析点は約270℃であり、この共析点以上で液相線
(約480℃)以下、すなわち、270〜450℃の範囲で
合金粉末を加熱した後に急冷することが必要であ
り、これによつて共析分解反応を生じさせると、
等軸で微細な二相混合組織が得られ、合金組織的
に超塑性発現の条件を満たすことができる。加熱
時間は0.5〜1.5時間で十分である。この操作によ
つて該合金粉末の結晶は粒状化し、かつ微細す
る。また氷水中に浸漬して急冷する場合、粒子表
面の酸化が危惧されるが、これは実施例に示され
るように全く支障がない。 次に本発明の(ロ)工程においては、このように熱
処理された合金粉末を、密閉金型内において好ま
しくは40〜120Kgf/mm2の成形圧力で圧縮成形す
る。この成形圧力は40Kgf/mm2程度でも成形体の
密度がほぼ100%対真密度となつて十分である。 このように、(イ)及び(ロ)工程を経て得られた成形
体は、十分に満足しうる伸びを有しているが、さ
らに目的によつては(ハ)工程を経ることによつて焼
結体とすることもできる。 この(ハ)工程においては、真空下若しくはアルゴ
ンガスなどの不活性ガス雰囲気下に、前記の(ロ)工
程で得られた成形体を200〜250℃の温度で焼結す
る。この温度が200℃未満では焼結による拡散が
促進されず、また、250℃を超えて共析温度であ
る270℃に近付くと金属組織が層状化して超塑性
を発現しなくなるため、その危険性のない250℃
以下にするべきである。焼結時間は0.5〜1.5時間
で十分である。この時間あまり長くなると焼結体
の密度の低下や結晶粒径の粗大化をもたらす原因
となつて好ましくない。 さらに、この(ハ)工程以後に、密閉金型内での再
加圧や、例えば350〜380℃の温度で加熱後に氷水
中で急冷するという操作などを繰り返せば、より
一層超塑性的となるが、実用上は前記の(イ)及び
(ロ)、若しくは(イ)、(ロ)及び(ハ)の工程のみで十分で
あ
る。また、成形体が最終的に製品となり、超塑性
的よりもむしろ強度を必要とする場合には、成形
体を例えば350〜380℃の温度で加熱を行つたの
ち、徐冷操作を行つて組織を層状化すれば、その
目的を達成することができる。 なお、結晶組織を微細化するための手段とし
て、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で、
例えば高速回転している円板上に合金の溶湯を落
下させて粉末状とし、これを急冷する、いわゆる
超急冷凝固粉末を製造する方法が知られている。
しかしながら、この場合には溶湯の温度が高く、
装置が複雑である上に、厳密な作業条件が必要と
される。 これに対し、本発明方法によれば、通常のZn
−22Al合金粉末を270〜450℃に加熱し、次いで
氷水などの中で急冷するだけでよいので、作業条
件が大幅に緩和されるという利点がある。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 空気噴霧法で製造した44μm以下の粒径を有す
るZn−22Al合金粉末をアルゴンガス雰囲気中で
380℃、0.5時間加熱したのち、氷水中に浸漬して
急冷した。この処理により合金粉末の結晶組織が
微細化する。すなわち、添附図面の第1図は、処
理を施す前の合金粉末の顕微鏡写真拡大図であ
り、第2図はそれに上記の処理を施した後の顕微
鏡写真拡大図であるが、これらを比べれば上記の
処理によつて合金粉末の結晶組織が微細化したこ
とが分る。 次に、このようにして処理した合金粉末を真空
乾燥したのち、密閉型金型を用い、成形圧力60Kg
f/mm2で圧縮成形した。得られた成形体について
温度250℃、ひずみ速度7×10-2/secの条件下で
引張試験を行つた結果(実線)を第3図に示す。
なお、比較のために上記の処理を施さない合金粉
末を同じ条件下で圧縮成形し、引張試験した結果
(破線)を併記した。 また、同じ処理を施した合金粉末及び未処理の
合金粉末を用い成形圧力100Kgf/mm2で圧縮成形
したものについて、同様に引張試験を行つた結果
を4図に示す。図中の実線は処理を施したもの、
破線は未処理のものである。 これらの図から明らかなように、熱処理を施し
た合金粉末からの成形体の変形抵抗は、熱処理を
施さないものからの成形体のほぼ1/2に低下し、
伸びは3倍以上になる。 実施例 2 実施例1で得た各成形体のそれぞれについて、
真空雰囲気中、210℃で0.5時間の焼結処理を行つ
た。 得られた焼結体について、実施例1と同様の引
張試験を行い、成形圧力60Kgf/mm2のものの結果
を第5図に、また成形圧力100Kgf/mm2のものの
結果を第6図にそれぞれ示した。各図中実線は熱
処理を施した合金粉末の場合、破線は熱処理を施
さない合金粉末の場合をそれぞれ示す。 これらの図から明らかなように、焼結体の伸び
は実施例1の非焼結体の伸びよりも増大してい
る。また熱処理を施した合金粉末からの焼結体の
変形抵抗は、熱処理を施さない合金粉末からの焼
結体のほぼ1/2であり、伸びは著しく増大してい
る。 実施例 3 アルゴンガス噴霧法で製造した25μm以下の粒
径を有するZn−22Al合金粉末を、実施例1と同
じ条件で熱処理を施した後に実施例1と同じく成
形圧力60Kgf/mm2と100Kgf/mm2で圧縮成形した。
得られた成形体について、実施例1、実施例2と
同様に温度250℃、ひずみ速度7×102/secの条
件下で引張試験を行つた。成形圧力60Kgf/mm2の
ものの結果を第7図に、また成形圧力100Kgf/
mm2のものの結果を第8図に示した。各図中実線は
熱処理を施した合金粉末の場合であり、破線は熱
処理を施さない合金粉末の場合をそれぞれ示す。 これらの図から明らかなように、熱処理を施し
た合金粉末からの成形体の変形抵抗は、熱処理を
施さないものからの成形体の1/2の近く低下し、
伸びは格段に増大している。 実施例 4 実施例3で得た各成形体のそれぞれについて、
実施例2と同じく真空雰囲気中、210℃で0.5時間
の焼結処理を行つた。 得られた焼結体について、実施例1〜実施例3
と同様の引張試験を行い、成形圧力60Kgf/mm2の
ものの結果を第9図に、また成形圧力100Kgf/
mm2のものの結果を第10図に示した。各図中実線
は熱処理を施した合金粒末の場合、破線は熱処理
を施さない合金粉末の場合をそれぞれ示す。 これらの図から明らかなように、熱処理を施し
合金粉末からの焼結体の変形抵抗は、熱処理を施
さない合金粉末からの焼結体のそれに比べて低下
しており、また伸びは著しく増大しており、熱処
理の有効性が顕著に認められる。
工程(3)の状態、すなわち焼結体の状態では伸びの
最大値は8%に過ぎず、満足しうる伸びを得るた
めには(3)の焼結工程以後、多数の工程を経ねはな
らないという欠点があつた。他方、Fe−Cu合金
粉末についても、その最終製品が超塑性を示すも
のとなることについては既に知られているが(特
公昭54−28826号公報)、この場合も粉末を圧縮成
形した圧粉体及びこれを焼結した焼結体の状態で
は、伸びは不十分であり、満足しうる伸びを得る
ためには、焼結体にさらに再加圧や熱処理などの
いくつかの後工程を施す必要がある。 このように、多数の工程を経て得られた成形体
が、最終的に超塑性を示すものであつてもあまり
意義がなく、粉末の圧縮成形の過程において、成
形圧力が小さくてすみ、かつ延性の大きいもので
なければ、成形装置の容量軽減や成形工程の省略
に結びつかない。 本発明者らは、このような事情に鑑み、Zn−
22Al合金粉末を用い、小さい成形圧力で大きな
延性を有する成形体を簡単に製造する方法を提供
すべくさらに研究を続けた結果、Zn−22Al合金
粉末を圧縮成形する際に、ある粒径以下の該合金
粉末を用い、これに予め所定の熱処理を施して結
晶を粒状化し、かつ微細化することによつてその
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、(イ)不活性ガス雰囲気下、
44μm(350メツシユ)以下の粒径を有するZn−
22Al合金粉末を、270〜450℃の温度に加熱した
のち急冷する工程、及び(ロ)密閉金型内において、
前記工程で得られた熱処理合金粉末を圧縮成形す
る工程を行うことを特徴とするZn−22Al合金粉
末の成形体の製造方法、及び前記の(イ)、(ロ)工程に
加えて(ハ)真空若しくは不活性ガス雰囲気下、(イ)、
(ロ)工程で得られた成形体を200〜250℃の温度で焼
結する工程を行うことを特徴とするZn−22Al合
金粉末の成形体の製造方法を提供するものであ
る。 本発明方法の(イ)工程において用いるZn−22Al
合金粉末は、前記したような空気噴霧法、もしく
はガス噴霧法により製造されたものであつて、そ
の粒径が44μm(350メツシユ)以下のものであ
る。 Zn−22Al合金の鋳塊に比べて体積の格段に小
さいZn−22Al合金の粉末は、熱処理後の冷却速
度を常に速くすることができるので、本発明の実
施例において用いている空気噴霧法により製造さ
れた44μm(350メツシユ)以下の粒径を有する
粉末は、所期の目的、効果を達成するために有効
なものである。 本発明の(イ)工程においては、前記のZn−22Al
合金粉末を、例えば窒素ガスやアルゴンガスなど
の不活性ガス雰囲気下で270〜450℃、好ましくは
300〜400℃、さらに好ましくは350〜380℃の温度
に加熱したのち、好ましくは氷水中に浸漬するな
どして急冷する。共析合金であるZn−22Alの共
析点は約270℃であり、この共析点以上で液相線
(約480℃)以下、すなわち、270〜450℃の範囲で
合金粉末を加熱した後に急冷することが必要であ
り、これによつて共析分解反応を生じさせると、
等軸で微細な二相混合組織が得られ、合金組織的
に超塑性発現の条件を満たすことができる。加熱
時間は0.5〜1.5時間で十分である。この操作によ
つて該合金粉末の結晶は粒状化し、かつ微細す
る。また氷水中に浸漬して急冷する場合、粒子表
面の酸化が危惧されるが、これは実施例に示され
るように全く支障がない。 次に本発明の(ロ)工程においては、このように熱
処理された合金粉末を、密閉金型内において好ま
しくは40〜120Kgf/mm2の成形圧力で圧縮成形す
る。この成形圧力は40Kgf/mm2程度でも成形体の
密度がほぼ100%対真密度となつて十分である。 このように、(イ)及び(ロ)工程を経て得られた成形
体は、十分に満足しうる伸びを有しているが、さ
らに目的によつては(ハ)工程を経ることによつて焼
結体とすることもできる。 この(ハ)工程においては、真空下若しくはアルゴ
ンガスなどの不活性ガス雰囲気下に、前記の(ロ)工
程で得られた成形体を200〜250℃の温度で焼結す
る。この温度が200℃未満では焼結による拡散が
促進されず、また、250℃を超えて共析温度であ
る270℃に近付くと金属組織が層状化して超塑性
を発現しなくなるため、その危険性のない250℃
以下にするべきである。焼結時間は0.5〜1.5時間
で十分である。この時間あまり長くなると焼結体
の密度の低下や結晶粒径の粗大化をもたらす原因
となつて好ましくない。 さらに、この(ハ)工程以後に、密閉金型内での再
加圧や、例えば350〜380℃の温度で加熱後に氷水
中で急冷するという操作などを繰り返せば、より
一層超塑性的となるが、実用上は前記の(イ)及び
(ロ)、若しくは(イ)、(ロ)及び(ハ)の工程のみで十分で
あ
る。また、成形体が最終的に製品となり、超塑性
的よりもむしろ強度を必要とする場合には、成形
体を例えば350〜380℃の温度で加熱を行つたの
ち、徐冷操作を行つて組織を層状化すれば、その
目的を達成することができる。 なお、結晶組織を微細化するための手段とし
て、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で、
例えば高速回転している円板上に合金の溶湯を落
下させて粉末状とし、これを急冷する、いわゆる
超急冷凝固粉末を製造する方法が知られている。
しかしながら、この場合には溶湯の温度が高く、
装置が複雑である上に、厳密な作業条件が必要と
される。 これに対し、本発明方法によれば、通常のZn
−22Al合金粉末を270〜450℃に加熱し、次いで
氷水などの中で急冷するだけでよいので、作業条
件が大幅に緩和されるという利点がある。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 空気噴霧法で製造した44μm以下の粒径を有す
るZn−22Al合金粉末をアルゴンガス雰囲気中で
380℃、0.5時間加熱したのち、氷水中に浸漬して
急冷した。この処理により合金粉末の結晶組織が
微細化する。すなわち、添附図面の第1図は、処
理を施す前の合金粉末の顕微鏡写真拡大図であ
り、第2図はそれに上記の処理を施した後の顕微
鏡写真拡大図であるが、これらを比べれば上記の
処理によつて合金粉末の結晶組織が微細化したこ
とが分る。 次に、このようにして処理した合金粉末を真空
乾燥したのち、密閉型金型を用い、成形圧力60Kg
f/mm2で圧縮成形した。得られた成形体について
温度250℃、ひずみ速度7×10-2/secの条件下で
引張試験を行つた結果(実線)を第3図に示す。
なお、比較のために上記の処理を施さない合金粉
末を同じ条件下で圧縮成形し、引張試験した結果
(破線)を併記した。 また、同じ処理を施した合金粉末及び未処理の
合金粉末を用い成形圧力100Kgf/mm2で圧縮成形
したものについて、同様に引張試験を行つた結果
を4図に示す。図中の実線は処理を施したもの、
破線は未処理のものである。 これらの図から明らかなように、熱処理を施し
た合金粉末からの成形体の変形抵抗は、熱処理を
施さないものからの成形体のほぼ1/2に低下し、
伸びは3倍以上になる。 実施例 2 実施例1で得た各成形体のそれぞれについて、
真空雰囲気中、210℃で0.5時間の焼結処理を行つ
た。 得られた焼結体について、実施例1と同様の引
張試験を行い、成形圧力60Kgf/mm2のものの結果
を第5図に、また成形圧力100Kgf/mm2のものの
結果を第6図にそれぞれ示した。各図中実線は熱
処理を施した合金粉末の場合、破線は熱処理を施
さない合金粉末の場合をそれぞれ示す。 これらの図から明らかなように、焼結体の伸び
は実施例1の非焼結体の伸びよりも増大してい
る。また熱処理を施した合金粉末からの焼結体の
変形抵抗は、熱処理を施さない合金粉末からの焼
結体のほぼ1/2であり、伸びは著しく増大してい
る。 実施例 3 アルゴンガス噴霧法で製造した25μm以下の粒
径を有するZn−22Al合金粉末を、実施例1と同
じ条件で熱処理を施した後に実施例1と同じく成
形圧力60Kgf/mm2と100Kgf/mm2で圧縮成形した。
得られた成形体について、実施例1、実施例2と
同様に温度250℃、ひずみ速度7×102/secの条
件下で引張試験を行つた。成形圧力60Kgf/mm2の
ものの結果を第7図に、また成形圧力100Kgf/
mm2のものの結果を第8図に示した。各図中実線は
熱処理を施した合金粉末の場合であり、破線は熱
処理を施さない合金粉末の場合をそれぞれ示す。 これらの図から明らかなように、熱処理を施し
た合金粉末からの成形体の変形抵抗は、熱処理を
施さないものからの成形体の1/2の近く低下し、
伸びは格段に増大している。 実施例 4 実施例3で得た各成形体のそれぞれについて、
実施例2と同じく真空雰囲気中、210℃で0.5時間
の焼結処理を行つた。 得られた焼結体について、実施例1〜実施例3
と同様の引張試験を行い、成形圧力60Kgf/mm2の
ものの結果を第9図に、また成形圧力100Kgf/
mm2のものの結果を第10図に示した。各図中実線
は熱処理を施した合金粒末の場合、破線は熱処理
を施さない合金粉末の場合をそれぞれ示す。 これらの図から明らかなように、熱処理を施し
合金粉末からの焼結体の変形抵抗は、熱処理を施
さない合金粉末からの焼結体のそれに比べて低下
しており、また伸びは著しく増大しており、熱処
理の有効性が顕著に認められる。
第1図はZn−22Al合金粉末の結晶組織の顕微
鏡写真拡大図、第2図はそれを熱処理したものに
ついての顕微鏡写真拡大図、第3図と第4図は本
発明の実施例1及びその比較例の引張試験の結果
を示すグラフ、第5図と第6図とは実施例2及び
その比較例の引張試験の結果を示すグラフ、第7
図と第8図は実施例3及びその比較例の引張試験
の結果を示すグラフ、第9図と第10図は実施例
4及びその比較例の引張試験の結果を示すグラフ
である。
鏡写真拡大図、第2図はそれを熱処理したものに
ついての顕微鏡写真拡大図、第3図と第4図は本
発明の実施例1及びその比較例の引張試験の結果
を示すグラフ、第5図と第6図とは実施例2及び
その比較例の引張試験の結果を示すグラフ、第7
図と第8図は実施例3及びその比較例の引張試験
の結果を示すグラフ、第9図と第10図は実施例
4及びその比較例の引張試験の結果を示すグラフ
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (イ)不活性ガス雰囲気下、44μm(350メツシ
ユ)以下の粒径を有するZn−22Al合金粉末を、
270〜450℃の温度に加熱したのち急冷する工程及
び(ロ)密閉金型内において、前記工程で得られた熱
処理合金粉末を圧縮成形する工程から成ることを
特徴とするZn−22Al合金粉末の成形体の製造方
法。 2 (イ)不活性ガス雰囲気下、44μm(350メツシ
ユ)以下の粒径を有するZn−22Al合金粉末を、
270〜450℃の温度に加熱したのち急冷する工程、
(ロ)密閉金型内において、前記工程で得られた熱処
理合金粉末を圧縮成形する工程、及び(ハ)真空若し
くはアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下、(ロ)
工程で得られた成形体を200〜250℃の温度で焼結
する工程から成ることを特徴とするZn−22Al合
金粉末の成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58020874A JPS59157201A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | 亜鉛−アルミニウム合金粉末の成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58020874A JPS59157201A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | 亜鉛−アルミニウム合金粉末の成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59157201A JPS59157201A (ja) | 1984-09-06 |
JPH0257121B2 true JPH0257121B2 (ja) | 1990-12-04 |
Family
ID=12039318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58020874A Granted JPS59157201A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | 亜鉛−アルミニウム合金粉末の成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59157201A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6144107A (ja) * | 1984-08-07 | 1986-03-03 | Seiko Instr & Electronics Ltd | 時計用地板の製造方法 |
JPS6144108A (ja) * | 1984-08-07 | 1986-03-03 | Seiko Instr & Electronics Ltd | 時計用ケ−スの製造方法 |
JPS62149801A (ja) * | 1985-12-24 | 1987-07-03 | Agency Of Ind Science & Technol | Zn−22Al合金粉末を用いた金型の製作法 |
JPS62209805A (ja) * | 1986-03-10 | 1987-09-16 | Agency Of Ind Science & Technol | Zn−22A1超塑性合金粉末を用いた複合磁性材料の成形方法 |
JPS63238239A (ja) * | 1987-03-26 | 1988-10-04 | Agency Of Ind Science & Technol | Zn−22A1超塑性材料−チタン酸カリウム複合材料及びその成形方法 |
-
1983
- 1983-02-10 JP JP58020874A patent/JPS59157201A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59157201A (ja) | 1984-09-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5561829A (en) | Method of producing structural metal matrix composite products from a blend of powders | |
US3950166A (en) | Process for producing a sintered article of a titanium alloy | |
US3639179A (en) | Method of making large grain-sized superalloys | |
JP3367269B2 (ja) | アルミニウム合金およびその製造方法 | |
JPS61104002A (ja) | 焼結方法 | |
JPH0130898B2 (ja) | ||
US5384087A (en) | Aluminum-silicon carbide composite and process for making the same | |
US4534808A (en) | Method for refining microstructures of prealloyed powder metallurgy titanium articles | |
JPH0257121B2 (ja) | ||
US4655855A (en) | Method for refining microstructures of prealloyed titanium powder compacted articles | |
JPH05117800A (ja) | 酸化物分散強化鉄基合金の製造法 | |
US4808250A (en) | Method for refining microstructures of blended elemental titanium powder compacts | |
US4536234A (en) | Method for refining microstructures of blended elemental powder metallurgy titanium articles | |
US3301671A (en) | Aluminous sintered parts and techniques for fabricating same | |
US4832760A (en) | Method for refining microstructures of prealloyed titanium powder compacts | |
JP2588889B2 (ja) | Ti−Al系金属間化合物部材の成形法 | |
JPS5884901A (ja) | 粉末治金法による耐熱超合金の製造方法 | |
JPH05148568A (ja) | 高密度粉末焼結用チタン合金 | |
JPH0643628B2 (ja) | アルミニウム合金部材の製造方法 | |
JP2803455B2 (ja) | 高密度粉末焼結チタン合金の製造方法 | |
JP2535789B2 (ja) | 超塑性過共晶アルミニウム−シリコン系粉末冶金合金の製造方法 | |
JPS62199703A (ja) | A1−Si系粉末合金の熱間静水圧圧縮成形法 | |
JPH0617486B2 (ja) | 粉末製Ni基超耐熱合金の鍛造方法 | |
JP3113893B2 (ja) | 塑性加工用材の製造法並びに塑性加工材の製造法 | |
JP2917999B2 (ja) | 高強度アルミニウム合金成形体の製造方法 |