JP2917999B2 - 高強度アルミニウム合金成形体の製造方法 - Google Patents

高強度アルミニウム合金成形体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度アルミニウム合金成形体の製造方法
に関するものであり、さらに詳しく述べるならば急冷凝
固アルミニウム合金を成形体に製造する方法に関するも
のである。
(従来の技術) 優れた特性をもつアルミニウム合金の製造方法とし
て、急冷凝固アルミニウム合金粉末を適当な方法で予備
成形し、最終的に熱間塑性加工を行って実質的に高密度
の成形体とする方法が知られている。この方法により製
造された成形体は、通常の溶製法によるアルミニウム合
金よりも著しく強度や耐摩耗性が優れており、自動車の
エンジン部品のように軽量化の目的で鉄系材料を代替す
る用途に使用されている。
急冷凝固アルミニウム粉末冶金合金は、粉末の急冷に
より組織が微細になりまた多量の合金元素の添加が可能
になり、鋳造法では得られないようなすぐれた性能をも
った粉末冶金合金が開発されつつある。
急冷凝固アルミニウム合金粉末はFe,Ni,Mn,Cr等の遷
移金属を3%以上多量に添加することによって強度など
を高めていることに一つの特徴がある。遷移金属は時効
硬化元素であるCu,Mg等に比較してAl中の拡散係数が非
常に小さく、これらを含む金属間化合物は高温でも安定
である。このため急冷により微細に晶出した金属間化合
物は高温に長時間加熱されても粗大に成長することがほ
とんどなく、その分散強化によりすぐれた特性を示す。
分散強化は晶出物の寸法が小さいほど大きい。したがっ
て、急冷凝固粉末冶金製品の製造法において晶出物を微
細に分散させることが重要である。
現在粉末の製造方法としては、水冷された金属ドラム
あるいは板に溶湯を接触させて凝固させるスプラット法
と、溶湯に不活性ガスあるいは乾燥した空気等を気体を
吹付けるガスアトマイズ法とが知られているが、後者が
工業的に実施されている。
一方、成形体の製造方法としては以下に述べるような
方法が行われている。
(イ)粉末をアルミニウム容器に入れ、予熱後熱間プレ
ス及び/または鍛造する方法(米国特許第4135922号参
照)。
(ロ)粉末をビレットに成形後、熱間押出をするかある
いは熱間押出後熱間鍛造または冷間鍛造する方法(「急
冷凝固粉末押出によるアルミニウム押出材「SHORIK」日
工マテリアル、2(7),1984年、第30頁参照)。
(ハ)Cr=1.5−7.0%,Zr=0.5−2.5%,Mn=0.25−2.0
%を含有する急冷凝固アルミニウム合金粉末を圧延機に
かけ熱間圧縮圧延し、次に押出する方法(特公平1−53
342号) ガスアトマイズ法によって粉末を製造する時、ガス圧
力、ガス流量などにより粉末粒径が変化し、冷却速度が
大きいほど粉末粒径が小さくなる。そのため、合金元素
を多量に添加し、粒径が大きい粉末では晶出物の微細化
が不充分になり、強度、靭性等の製品の特性が不充分に
なり、またアルミニウム基地へ強制固溶される合金元素
の量が不足し耐熱性なども不充分になることがある。し
たがって、従来は生産性、歩留まり、粉末の反応性など
を考慮して粉末の粒径ができるだけ小さくなるように定
めていた。
ところで、従来の方法(イ)、(ロ)の熱間塑性加工
は鋳造時の粗大な金属間化合物を破壊して微細化してい
ると考えられる。しかしながら、熱間加工であるために
材料の変形抵抗が小さい分金属間化合物に働く力が小さ
く、その微細化効果は十分ではない。
前掲(ハ)の特公平1−53342号公報は、Fe,Mn,Niを
8〜10重量%含有するアルミニウム合金ではこれらの遷
移元素を固溶させるには極めて高い凝固速度が必要であ
り、また粉末の圧縮性が低いことを解決するために、上
記組成のアルミニウム合金を提案し、添加元素を粉末状
態で固溶させることを教示し、すぐれた圧縮性が得られ
たことを謳っている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の急冷凝固粉末を成形体に加工する方法では、粉
末の合金元素量が多く、晶出物が粗大になった場合に
は、添加合金元素量に見合った性質が得られないばかり
か、粗大な晶出物が疲労破壊の起点になり却って耐疲労
性を阻害したり、また強度等の特性のばらつきを拡大す
る原因になっていた。特に高温での強度を向上させる目
的で多量の合金元素を添加すると晶出物が粗大化し、伸
びや靭性が低下し、さらに特性のばらつきも大きくなっ
てしまうことが、エンジン部品のような高度の信頼性と
特性の均一性が要求される部品に急冷凝固粉末冶金部品
を使用するうえでの障害になっていた。このため、比較
的安価な方法で特性を向上しかつ特性値のばらつきを減
少することができる急冷凝固粉末冶金製品の製造方法が
望まれていた。
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたもので
あって、晶出物が生成した急冷凝固粉末を加工して、強
度および靭性が高く特性値のばらつきが少ない粉末冶金
成形品を製造する方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、晶出物が生成した急冷凝固アルミニウム合
金粉末を冷間塑性加工し、最終塑性加工として熱間加工
を行うことを特徴とする高強度アルミニウム合金の製造
方法である。
冷間塑性加工の手段としては一般の冷間塑性加工法が
適用可能であるが、生産性、加工度の面および金属間化
合物を破壊するための応力としては引張応力が適当であ
るので、引張応力成分が比較的多い冷間圧延法が最も適
する。冷間圧延においては所定の粉末の変形を実現でき
るならば、一般の圧延で行われているように板の成形体
を得てもよいが、一般に高合金粉末では粉末どうしが結
合するに至らず、ばらばらの粉末を得ることが多い。
加工度は金属間化合物の破砕に大きな影響を及ぼすた
めに、使用される目的および合金の組成に応じて適切な
加工度を選択する必要がある。冷間加工を行った後に、
一般に行われているように、例えばビレット成形、脱ガ
ス、熱間押出加工という工程を経て実質的に真密度の成
形体とする。
本発明の方法はスプラット冷却法にも適用できるが、
工業的に実施されているガスアトマイズ法に適用すると
利点が大きい。ガスアトマイズ法では平均粒径が40〜50
ミクロンの粉末が一般に製造され、かかる粉末粒径が生
産性及びコストの面から有利である。本発明においては
かかる粉末を冷間加工で塑性変形することにより、金属
間化合物が微細に分散したすぐれた性能の成形体を得る
ことができる。
(作用) 本発明においては最終的に行う熱間塑性加工より前の
工程で粉末の冷間塑性加工を行い、硬くて脆い金属間化
合物に引張応力を加えることにより金属間化合物を比較
的に容易に破壊・微細化する。急冷凝固粉末を塑性変形
させた時に該粉末に働く力は、複合材料における強化繊
維あるいは分散粒子に働く力と同様に考えることができ
る。このために材料の変形抵抗が大きい冷間塑性変形を
行うことにより金属間化合物に働く力を大きくすること
ができる。
(発明の効果) 以上の方法により、実質的に真密度を有しさらに高強
度および高靭性を有するとともに、これらのばらつきが
少ない成形体を得ることができる。
また、急冷凝固粉末では粗大な晶出物が発達している
ことが許容されるようになるので、凝固速度を極めて高
くする必要かつ/または粒径を極めて小さくする必要が
無くなる。このため、粉末の成形性やコストが最適にな
るように急冷凝固法及び製造条件を選択できるようにな
る。
さらに、冷間塑性加工は例えば溶解炉の煉瓦破片等の
ような混入異物も破壊・微細化することにより、系外異
物による欠陥も無害化する効果もある。一般に、アトマ
イズ粉はこのような系外異物を除去するために60メッシ
ュあるいは100メッシュの篩いを通しているが、篩いの
目開き距離よりも小さいものは当然に除去することがで
きない。材料の組成にも依るが、高強度材料ほど切り欠
き感度が高く、篩いを通過する200μm程度の大きさの
異物の混入でも強度や靭性を大きく損なうことになる。
ところが粉末を冷間組成加工することにより、このよう
な異物も微細化されるために、有害な欠陥として働かな
いようになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。
表1の組成に調整した溶湯を空気アトマイズ法により
急冷凝固粉末とした。
この粉末を篩いにかけ、100メッシュの篩いを通過さ
せた。得られた篩下粉末の粒径分布を第3図に示す。こ
れらの粉末を冷間圧延機にかけ、ロール間隔が約200μ
mのロール間を通過させ塑性変形を行ったところ、粉末
はつぶされ、粉末同士が結合せずに個々の粉末形状は鱗
状のばらばらの粉末になった。
この粉末を冷間静水圧プレスにより成形圧力5000kg/c
m2でビレットに成形し、Ar雰囲気下で490℃×3時間加
熱による脱ガス処理を実施した後に、間接押出機により
押出比25で熱間塑性加工を行い、実質的に真密度の直径
18mmの成形体とした。
また、比較のために、−100メッシュ、−250メッシ
ュ、−350メッシュの粉末を用いて冷間塑性加工をしな
い条件で成形体を同様に成形した。
これらの成形体に時効硬化熱処理を施しT6状態とし、
平行部の直径6mm,平行部の長さ50mmの試験片形状に機械
加工し、室温で引張試験を実施した。結果を合金1につ
いては第1図に、合金2については第2図を示す。いず
れの比較例合金の成形体ついても粉末の粒径が小さいほ
うが強度及び伸びに優れ、そのばらつきが小さいことが
分かる。また、本発明により冷間圧延を施した粉末を使
用した成形体は−100メッシュの粉末を使用したにもか
かわらず、強度、伸とも−325メッシュの粉末を使用し
たものよりも優れ、そのばらつきが減少していることが
分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は合金1の引張強さ及び伸びを示すグラフ、 第2図は合金1の引張強さ及び伸びを示すグラフ、 第3図は合金1及び2の粉末の粒径分布を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 685 C22F 1/00 685 687 687 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 1/04 B22F 1/00 - 3/26 C22F 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】晶出物が生成した急冷凝固アルミニウム合
    金粉末を冷間塑性加工して晶出物を微細化し、最終塑性
    加工として熱間加工を行うことを特徴とする高強度アル
    ミニウム合金成形体の製造方法。
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