JPH025709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は草刈機等の操作桿構造に関するもの
で、操作桿を伸縮自在とすることにより梱包、輸
送、保管等を経済的に行い、その取扱いの容易化
を図り、さらに駆動軸の高速回転時にも振動等が
生じないように構成したものである。

〔従来の技術〕

草刈機は動力用発動機から延長された駆動軸及
び該駆動軸を内蔵した操作桿の先端に刈刃を回転
自在に設けて構成されている。

そして、作業に際しては動力用発動機部を肩か
ら吊下げ、あるいは背負つた状態とし、駆動軸が
内蔵された操作桿を手にもつて先端の刈刃部を上
下左右に揺動させて草刈りを行うものであつた。

したがつて、草刈機は作業者が起立状態で操作
する長さ、すなわち、作業者の身長に近い長さに
構成されているため、製造後の梱包、輸送、保管
等に手数と場所を必要とし不経済であつた。

それらは枝打ちを可能とした刈払機（実開昭60
−27621号公報）の場合も同様であつた。そこで、
本件出願人は操作桿を製造段階で二分割し、ユー
ザーの手元に行つた時あるいは販売店で一体に連
結することを提案した（実開昭60−38525号公
報）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記操作桿を二分割する方式は製造後の梱包、
輸送、保管等を経済的に行うことができるが、組
立てて一体にした後の移動、保管等にはいちいち
分解しなければならないものであつた。

本考案は操作桿を伸縮自在とすることにより、
梱包、輸送、保管等を経済的に行うとともに駆動
軸の高速回転時にも振動等が生じないように構成
したものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決するため、大小径の
中空パイプにより伸縮及び固定自在に構成した操
作桿内部にスプライン係合により伸縮自在とされ
た駆動軸を内蔵し、上記操作桿内部と駆動軸間に
適数の軸受を設け、大径の操作桿内部に設けた軸
受をスライド自在とするとともに、小径の操作桿
と反対側に設けたスプリングにより常時大径の操
作桿内の略中央部に位置するよう構成したもので
ある。

〔作用〕

本考案によれば、操作桿が大小中空パイプで伸
縮及び固定自在に構成され、該操作桿内部にスプ
ライン係合により伸縮自在とされた駆動軸が内蔵
されている。

したがつて、操作桿及び駆動軸を自由に伸縮さ
せることができるとともに、駆動軸は伸縮にかか
わらず常に一体に回転駆動させられる。

また、上記操作桿内部と駆動軸間には適数の軸
受が設けられる。

これは、駆動軸を定位置で回転させ、高速回転
時にも芯ぶれによる振動が生じないようにするた
めのものであるが、大径の操作桿内部に軸受を設
けると、操作桿及び駆動軸の伸縮の邪魔になつ
た。そこで大径の操作桿内部には軸受を設けない
ことも考えられるが、本考案では振動防止のため
軸受を設け、それをスライド自在としたものであ
る。

そして、さらに、操作桿の伸張時にはスプリン
グにより最適位置、すなわち、大径の操作桿内の
略中央部に自動復帰するよう構成したものであ
る。

〔実施例〕

図面実施例には前記草刈機、刈払機と同様に動
力用発動機から延長された駆動軸を内蔵した操作
桿の先端にアタツチメントを設けた果実収獲等装
置が示されている。

上記アタツチメントは後に詳細に述べるが、枝
掛具であり、梅、栗等の収獲時に枝に掛けて枝を
往復動させて果実をふり落すためのものである。

詳細を説明すると、１は内燃機関からなる動力
用発動機であり、そこには伸縮自在の駆動軸２，
２ａを内蔵した伸縮及び固定自在の操作桿３，３
ａが連結されている。

そして、操作桿３ａの先端に歯車室４が設けら
れる。

該歯車室４は第３図示のごとく、後端に操作桿
３ａ先端の受入れ部５が構成され、その先端方向
に操作桿３，３ａと直線状になるように傘歯車６
が設けられ、軸受７で支持されている。

そして、上記受入れ部５に適合された操作桿
３，３ａに内蔵された駆動軸２ａの先端に傘歯車
８が設けられ、該傘歯車８が前記傘歯車６と噛み
合わされる。

そしてさらに、傘歯車６の偏心位置にピン９に
よりクランク１０が止着され、該クランク１０の
先端が直線運動するようガイドされた枝掛具１１
にピン１２で止着される。

なお、枝掛具１１は第１図示のごとく、鈎状に
構成され、枝Ｘに掛けられる構成となつている。

本考案は上記駆動軸２，２ａと操作桿３，３ａ
部の構造に関する。

すなわち、上記果実収獲等装置は梅の木の高所
の枝Ｘに掛けられて使用されるため、操作桿３，
３ａは長尺に構成される。

そしてその結果、取扱いが面倒である。そこで
伸縮自在に構成したものである。

すなわち、操作桿３が大径の中空パイプとさ
れ、操作桿３ａが上記操作桿３内に適合する小径
の中空パイプとされ、その間が伸縮自在とされる
とともに、クサビ１３及び袋ナツト１４により適
当長さに固定自在とされる。

もつとも、クサビ１３及び袋ナツト１４にかえ
て適当な固定具を使用してもよいものである。さ
らに、上記操作桿３，３ａ内にはスプライン係合
された駆動軸２，２ａが設けられる。

図面実施例の場合、第２図、第４図示のごと
く、動力発動機１から遠心クラツチ等を介して設
けられた駆動軸２に縦溝１５が構成され、駆動軸
２ａを中空パイプとして、上記駆動軸２がその内
部に侵入する形態とし、駆動軸２ａの開口部に上
記駆動軸２の縦溝１５に適合する凸部１６を内部
に構成した継手１７を固着して行つている。

そして、さらに、操作桿３，３ａ内部と駆動軸
２，２ａ間には適数の軸受１８，１８ａ，１８ｂ
が設けられる。

それらは操作桿３，３ａの長さに応じて適数と
されるが操作桿３ａとその内部の駆動軸２ａとの
間に設けた軸受１８ａ，１８ｂは一般的な定位置
静止形とされる。

これに対し、本考案では大径の操作桿３内部に
設けた軸受１８がスライド自在とされ、さらに該
軸受１８の小径の操作桿３ａと反対側に設けたス
プリング１９により、該軸受１８が常時大径の操
作桿３内の最適位置である略中央部に位置するよ
うに構成される。

それらはスプリング１９の伸張時の長さ調整に
より容易である。

図中２０は駆動軸２，２ａ間に設けた軸受であ
り、高速回転時の振動防止に極めて有効である。

上記構成の本考案は、第２図の状態で使用され
る。

すなわち、操作桿３から操作桿３ａを引き出し
て伸長し、袋ナツト１４で固定すれば操作桿３，
３ａは必要とする長さに構成され、作業を行うこ
とができる。

つぎに、作業終了後には袋ナツト１４をゆる
め、小径の操作桿３ａを大径の操作桿３内に押し
込めば、小径の操作桿３ａの内部端が大径の操作
桿３内の軸受１８に当接し、さらに押圧する。

その結果、スプリング１９が押縮され、軸受１
８が動力用発動機１側へスライドさせられ、第１
図示のごとく、操作桿３ａが操作桿３内に格納さ
れ、全体が略半分の長さに短縮される。

そして袋ナツト１４を締付ければ、自然に伸長
することがなく、運搬、保管等その取扱いが極め
て容易である。

さらに、再使用等、操作桿３，３ａの伸長時に
はスプリング１９の力で軸受１８が大径の操作桿
３の略中央部に自動的にスライドするため、芯ぶ
れによる振動も防止されるものである。

〔考案の効果〕

上記のごとく、本考案によれば、梱包、輸送、
保管等に手数と場所を必要とせず、経済的であ
り、さらに駆動軸の高速回転時にも芯ぶれ等によ
る振動が生ずることがない草刈機等の操作桿を提
供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は操作桿の収縮状態を示す正面図、第２図は伸張
状態を示す操作桿部の断面図、第３図は歯車室の
断面図、第４図は第２図Ｙ−Ｙ線断面図である。 １……動力用発動機、２，２ａ……駆動軸、
３，３ａ……操作桿、１５……縦溝、１６……凸
部、１７……継手、１８，１８ａ，１８ｂ……軸
受、１９……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大小径の中空パイプにより伸縮及び固定自在に
   構成された操作桿内部にスプライン係合により伸
   縮自在とされた駆動軸が内蔵され、上記操作桿内
   部と駆動軸間には適数の軸受が設けられ、大径の
   操作桿内部に設けた軸受をスライド自在とすると
   ともに、小径の操作桿と反対側に設けたスプリン
   グにより常時大径の操作桿内の略中央部に位置す
   るよう構成したことを特徴とする草刈機等の操作
   桿構造。