JPH025516Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は、道路照明灯などの照明灯や表示灯の
輝度を自然光の強さに応じて制御する自動調光装
置に関する。 従来から、自動調光装置として、自然光の照度
を検出する受光器出力と設定照度との比較によつ
て照明灯（表示灯も含む）の点灯と消灯のオン・
オフ制御するものが知られている。例えば、自然
光が2000ルクス以下で照明灯を点灯させ、4000ル
クス以上で消灯させる。このような従来装置は、
街灯のように単なる補助照明の場合には何ら問題
ないし、その制御の精度上もラフなもので十分で
あるが、自動車道路照明灯や船舶動静灯・航空障
害・橋梁灯などには高い精度及び確実でしかも広
範囲にわたる輝度制御が要求されるし、照明効率
上からも要求される。 このためには、受光器として検出精度、測定範
囲共に優れたものを必要とするし、受光器の検出
信号と比較する設定値に多数段設定するための整
定手段及び照明灯の輝度制御に複雑な制御装置を
必要とし、高価で大形の装置になる問題があつ
た。 本考案の目的は、比較的少ない構成要素による
コンパクト構成にして精度、確度、制御範囲等に
優れる自動調光装置を提供するにある。 本考案は、測定可能範囲の異なる複数の受光器
で照度検出する受光器部と、各受光器の検出照度
から該照度に適合した測定範囲を持つ受光器から
の検出信号を照度検出信号として照度設定値と比
較して時間要素を含む正誤判別をした制御出力を
得る装置部とで構成したことを特徴とする。 第１図は本考案の一実施例を示す装置構成図で
ある。受光器部１は３つの受光器１₁，１₂，１₃
を具え、各受光器は互いに測定可能範囲の異なる
ものにされる。この測定可能範囲は調光制御に必
要な測定範囲をカバーできるよう夫々の受光特性
が選ばれる。例えば、受光器１₁は０〜200ルク
ス、１₂は０〜1500ルクス、１₃は０〜6000ルクス
を測定可能範囲とする。 各受光器１₁〜１₃の検出信号は信号線２₁，２
_２，２₃によつて装置部３に取込まれる。装置部３
は３₁〜３₁₀から構成される。信号変換器３₁，３
_２，３₃は夫々受光器１₁〜１₃からの信号を受け、
直線性を高める特性に修正して制御に便なる信号
に変換する。自動選択器３₄は信号変換器３₁〜３
_３の出力をその大きさに応じて自動選択して１つ
の信号を照度信号として選択出力する。これによ
り、現在の照度に対して最も精度の高い検出を可
能にする。例えば、照度が5000ルクス、1000ルク
ス、500ルクス、100ルクスのとき、受光器として
０〜6000ルクスの測定可能範囲を持つ受光器１₃
を具えれば全ての測定が可能であるが、100ルク
スの測定では6000ルクスの約1.7％となつて精度
が悪くなる。そこで、受光器１₁〜１₃を設けれ
ば、5000ルクスの測定出力は受光器１₃の出力を
選択すれば精度が最も良いものになるし、1000ル
クス、500ルクスでは受光器１₂の出力選択を、
100ルクスでは受光器１₁の出力選択をすれば良好
な測定精度になる。 設定値照合器３₅は、自動選択器３₄の選択出力
を比較入力とし照度設定器３₆の設定値との大小
比較判定をする。この判定結果は制御対象の照明
灯の点灯、消灯の判定信号になる。設定器３₆は
任意に設定変更可能にされるもので、デイジタル
スイツチなどによつて制御対象別にさらに時間帯
によつて設定変更可能にされる。例えば、航空障
害灯と道路灯の２つを制御するには夫々に設定用
デイジタルスイツチを設け、夫々を時間帯によつ
て設定値切換もしくは自動切換えを行なう。

【表】

【表】 このように、制御対象別にかつ時間帯別に設定
値を任意に設定可能として多用途に使用できまた
設置後の調整を容易にする。 誤制御防止器３₇は、設定値照合器３₅の判定出
力からの制御対象のオン・オフ切換制御又は輝度
制御の指令を入力し、現在時刻に対する照度の傾
向から一定時限後の照度との突合わせによつて指
令の正誤を判定し、誤つた指令と判定するときに
は該指令を無視し、正しい指令のみ調光器３₈を
通して制御対象を調光制御させる。この時間要素
による誤制御防止器３₇は、時計３₉から現在時刻
データを取込んで現時刻からの照度増減傾向を該
時刻後のデータ（又は設定）から読取り、このデ
ータと時限設定器３₁₀で設定される一定時限後の
判別指令の輝度増減傾向が一致するか否かで指令
の正誤を判定する。すなわち、一時的な照度変化
によつて調光制御出力の誤つた変更を行なわない
ように、またオン・オフ制御が頻繁にならないよ
うにする。 例えば、第２図Ａに示すように、照度Ｌの傾向
が時間と共に上昇する照度上昇時間帯には設定照
度L_Sを越える判定出力が入力（時刻t₁）されるも
一定時限Ｔ後（時刻t₂）に判定出力が反転すると
きは該時刻t₁の判定出力を無視し、時刻t₃の判定
入力には時刻t₄も同じ判定入力があることから初
めて制御を行なわせる。同様に、第２図Ｂに示す
ように照度Ｌの傾向が照度下降時間帯にあつても
一定時限後の確認により一時的な照度減少に対し
ては制御指令を無視する。なお、時限設定器３₁₀
の設定は設定器３₆と同様に任意に設定又は調整
しうるものとし、制御対象及び時間帯に応じて適
宜変更される。 以上のとおり、本考案によれば、測定範囲の異
なる複数の受光器を有してそのうちの現在照度に
適合した測定範囲を持つ受光器の出力を測定値と
して採用するため、測定精度が高くなるし測定可
範囲を広くするにも比較的低廉な受光器によつて
実現される。また、受光部の検出信号と比較する
設定値を可変にして装置の汎用性を高めることが
できる。また、比較判定結果に時間要素を含む正
誤判別をして制御出力を得るため徒らに輝度変更
することのない適確な制御になるし制御状態を頻
繁に変更することなく照明灯の寿命や調光器３₈
が持つ出力リレー等の寿命を延ばすの効果があ
る。また、構成上は装置部、受光部共に比較的低
コストで少ない回路構成にし得てコンパクト設計
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す装置構成図、
第２図Ａ及び第２図Ｂは誤制御防止器３₇の制御
動作説明のための信号波形図である。 １……受光部、３………装置部、１₁，１₂，１
_３……受光器、３₁，３₂，３₃……信号変換器、３₄
……自動選択器、３₅……設定値照合器、３₆……
照度設定器、３₇……誤制御防止器、３₈……調光
器、３₉……時計、３₁₀……時限設定器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自然光による照度を検出して照明灯や表示灯の
   輝度を制御する自動調光装置において、測定可能
   範囲の異なる複数の受光器で夫々照度検出する受
   光器部と、上記各受光器の検出照度から現在照度
   に適合する測定範囲を持つ受光器からの検出信号
   を照度検出信号として照度設定値と比較及び比較
   結果を時間要素を含む正誤判別して正しいものと
   判別した出力で調光制御する装置部とを備えたこ
   とを特徴とする自動調光装置。