JPH0254743B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、義肢と連結され、切断した下肢の断
端部を受ける内部漏斗状体の製造方法に関する。

［従来の技術］ 切断した下肢の断端部を直接受け、従つて当該
断端部の形状に極めて良く適合する必要がある上
記内部漏斗状体の製造は、使用材料にかかわら
ず、同様に行なわれる。すなわち上記断端部を用
いて、たとえば石コウで先ずネガチブの複製を作
り、これに適当なプラスチツクを充填して断端部
のポジチブの複製が作られる。このポジチブの複
製の上に、例えば適当な発泡プラスチツクを流し
込み、又は熱可塑性プラスチツク板の深絞りを行
なうことによつて、内部漏斗状体に被覆が施され
る。この方法は明らかに極めて多くの時間を要
し、高価につく。しかも切断した後には断端部に
変化が生ずるため、切断後しばらくすると新しい
内部漏斗状体を備えた骨幹部が必要になるという
難点がある。又患者の手当（仮手当）にもかなり
の時間がかかり、型とり操作が何回も行われるの
で、内部漏斗状体の製造が最適の精度で行なわれ
るのは困難である。

［発明が解決するべき問題点］ 本発明が解決するべき問題点は、上記従来の技
術によつては、時間がかかりかつ高い精度で行な
われなかつた、上記内部漏斗状体の製造方法の欠
点の除去にあり、本発明の目的は短時間で正確な
内部漏斗状体の製造を行なう方法を提供すること
にある。

［問題を解決する手段］ 本発明に於ては、上記目的は義肢と連結され、
切断した下肢の断端部を受ける内部漏斗状体の製
造方法に次の工程を用いることによつて達成され
る。すなわち、外的影響の作用で収縮するプラス
チツクを内部漏斗状体のために選定する工程、製
造される内部漏斗状体より小さな直径及び小さな
長さを有し、少くとも片側が開放したプラスチツ
クの管を拡張及び延伸して、製造される内部漏斗
状体より各方向に大きい寸法を持たせる工程、及
び拡張及び延伸された成形品を断端部の上にかぶ
せ、適当な影響を局部的に働かせて収縮させ、胴
体が断端部の全面に所望のように接するようにす
る工程、である。

［実施例及び作用］ 第１図は大腿切断患者用の義足を示す。該義足
には大腿の断端部を受ける内部漏斗状体１が設け
られている。内部漏斗状体１の上側開放縁に沿つ
て折曲げた端縁２が、周知のシートリング３に懸
架されている。シートリング３はフレーム状架枠
４によつて周知の標準的形状の義肢５（以下規格
義肢と記す）と連結される。規格義肢５は人工膝
関節と人工足を有し、その間に義肢管８が取付け
られている。

第２図はややだ円形に形成され、大腿断端部の
外周に係合して該断端部を保持するシートリング
３を、斜め後方から見た図である。上縁９は外側
へ拡張し、柔軟に形成されている。内部漏斗状体
１を形成するために、上側が開放された成形品１
０がシートリング３の中に上から懸架される。こ
のために成形品１０は、上側の開放端に沿つて外
側へ折曲げた縁端１１を有し、縁端はシートリン
グ３の縁端９に適合する。

第４図は吹込成形型１２中で行なわれる成形品
１０の製造を示す。吹込成形型１２に設けられた
型穴の輪郭１３の寸法は、形成される内部漏斗状
体１の寸法より、各方向とも大きく形成されてい
る。第４図では、吹込成形型の中に吊された大形
の試験管状のプラスチツク製素材１４（破線で描
かれている）は吹込成形型の中で加熱され、その
内部に圧縮空気が送り込まれる。上記工程によ
り、素材１４は吹込成形型の輪郭１３の形をとる
ので、第３図に示した成形品１０が製造される。
従つてその後吹込成形型１２を２つの半型１５，
１６に分離すれば、成形品１０を型から取出すこ
とができる。

第５図は、成形品１０がシートリング３の中に
懸架され、このように配列された成形品１０とシ
ートリング３が切断した下肢の断端部１７上に嵌
め込まれることを示している。拡張して製造され
た成形品１０は断端部１７又は製造される内部漏
斗状体１に比べて全面的に大きな寸法を有する。
従つて断端部１７はシートリング３の上部区域で
のみ成形品１０に接触するにすぎない。シートリ
ング３は対応する断端部１７に合わせて形成され
ており、成形品１０はシートリング３の形状に適
合するため、成形品１０は断端部１７の上部区域
は環状に嵌込まれる。そこでたとえばヘアドライ
ヤのような乾燥機を用いて、加熱された空気を成
形品１０に作用させ、上記嵌込みを良好なものに
することができる。この場合、成形品１０は局部
的に加熱された収縮する。こうして成形品１０を
断端部１７の形状に次第に適合させることがで
き、断端部１７に対して適切な形状の内部漏斗状
体１が形成される。

第５図は更に成形品の円形開口１９を示してい
る。この開口は、成形品１０のプラスチツクが断
端部１７の表面に粘着せぬように、断端部１７に
着せるトリコツトストツキングの下端を通すため
に用いられる。

従来の経験によれば、種々の断端部１７を保持
するために、比較的少数のシートリング３で足り
る。従つて、すべての断端部１７に対して必要な
内部漏斗状体１を作製するために、対応する数の
成形品１０を予め製造しておけばよい。内部漏斗
状体１を作製した後、別のプラスチツクの層を被
着することによつて完成義肢胴体を容易に製作す
ることができる。その場合、残余の義肢部材のた
めの適当な固定手段を設けてもよい。

［効果］ 本発明の方法を用いれば内部漏斗状体は切断し
た下肢の断面で直接製造される。従つて誤差を招
き、多大の時間消費を必要とする、従来慣用の多
数回の複製を省略することができる。断端部に対
する内部漏斗状体の合わせは、予め拡大したプラ
スチツク部材を収縮させることによつて行われ、
この作業は慣用の収縮性プラスチツクを使用し、
例えばヘアドライヤ等の乾燥機から噴出される高
温の空気を用いて局部的加熱を施すことによつて
実現される。その場合収縮は、人体にとつて快適
な温度で行われる。上記のような局部的加熱によ
つて、患者の協力の下に、断端部と内部漏斗状体
との極めて正確な適合が可能となる。

プラスチツク管の拡張と延伸には、特に吹込成
形法が適している。その場合、プラスチツク管を
熱し、圧縮空気を吹込んで吹込型の輪郭まで拡張
するのである。

収縮性プラスチツクから成り、製造される内部
漏斗状体より小さな直径を有し、少くとも片側が
開放された管を予め製作し、該管を製造される内
部漏斗状体に比べて各方向で大きな内法を有する
形状に拡大すれば、断端部と内部漏斗状体の嵌合
を容易に行なうことができる。上記成形品を用い
て、最終的な義肢も仮義肢も整形外科の専門作業
場で、たとえばヘアドライヤを用いて容易に作製
することができる。

成形品が開口を有する上縁に折曲げた縁端を有
し、該縁端をその形状に適合するように予め作製
したシートリングに懸架すれば、内部漏斗状体
は、義肢着用時に断端部が必要とする要件に特に
好適に適合することができる。シートリングは多
数のサイズの中から当該の断続部の大きさに合わ
せて選択する。吹込成形品はシートリングに適合
するので、成形品をシートリングと共に断端部の
上にはめ込むことができる。又シートリングに
は、例えば膝関節を含む義肢のために必要な中間
固定部を容易に設けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による内部漏斗状体を有する義
肢の図、第２図は義肢を形成する１部材であるシ
ートリングの斜視図、第３図は第１図の構成部材
である成形品の斜視図、第４図は上記成形品を製
造するための吹込成形型の断面図、第５図はシー
トリングの中に保持された断端部と上記成形品と
の結合状態を示す図である。 １……内部漏斗状体、３……シートリング、１
０……成形品、１２……吹込成形型、１３……輪
郭、１４……管（素材）、１７……断端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 義肢に連結され、切断した下肢の断端部を受
   ける内部漏斗状体１を製造する方法であつて、外
   的影響によつて収縮可能なプラスチツクを使用
   し、製造される内部漏斗状体１より小直径かつ短
   かい長さを有し、少くとも片側が開口したプラス
   チツク製の管１４を拡張及び延伸し、製造される
   内部漏斗状体１に比べて各方向に於て大きい寸法
   に形成された成形品１０に適切な外部影響を与え
   て収縮させる工程を含む製造方法において、拡張
   及び延伸して形成された上記成形品１０を断端部
   １７の上にかぶせ、適当な影響を局部的に与えて
   収縮させ、内部漏斗状体１を断端部１７の全面に
   確実に接触させることを特徴とする製造方法。 ２ 上記の管１４の拡張と延伸を吹込型１２の中
   で行い、プラスチツクを吹込型の中で加熱し、吹
   込型の輪郭１３と一致する外形をとるまで吹込成
   形することを特徴とする、特許請求の範囲第１項
   に記載の方法。 ３ 上記プラスチツクの収縮を局部的熱作用によ
   つて行なわせることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載の方法。 ４ 上記局部的熱作用を加熱した空気を用いて行
   なうことを特徴とする、特許請求の範囲第３項に
   記載の方法。