JPH0254288B2 - - Google Patents
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- JPH0254288B2 JPH0254288B2 JP57062197A JP6219782A JPH0254288B2 JP H0254288 B2 JPH0254288 B2 JP H0254288B2 JP 57062197 A JP57062197 A JP 57062197A JP 6219782 A JP6219782 A JP 6219782A JP H0254288 B2 JPH0254288 B2 JP H0254288B2
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- mortar
- hydroxyethyl cellulose
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Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、水中に直接打設するためのセメント
組成物であつて、ポンプアツプすることのできる
組成物に関する。 (従来の技術) 従来、生コンクリートをトレミー管や囲いを用
いることなく水中に直接打設すると打設時点で周
辺の水に洗われてセメントが水中に飛散したり、
打設後も硬化に至るまでに水流や波浪の作用によ
つてセメントが拡散あるいは浸蝕されて形状が崩
れたり、コンクリート中のセメント分が部分的に
消失したりして、充分な硬化が起らず、硬化後の
強度が著るしく劣るものしか得られない。 近年に至り、粘性を与えるような添加剤をセメ
ントに対し使用することにより水中を直接落下さ
せて目的とする箇所に打設することのできるコン
クリートが提案されている。 例えば、西独公告特許2326647号明細書にはセ
ルロースエーテル、ポリアクリルアミドなどを添
加することによりセメントの水中への拡散を防止
できる旨述べられており、実施例としてヒドロキ
シエチルセルロースを用いた処方が開示されてい
る。また、特開昭57−3921号は、水中コンクリー
ト打設工法に関するものであるが、コンクリート
処方としてポリアクリルアミドを用いる例が示さ
れている。 (発明が解決しようとする課題) ところで、我が国における水中打設の要求され
る現場を見た場合、その近傍においてコンクリー
ト組成物を調合し、打設箇所へ投入できるのに都
合のよい作業場と足場を確保することは一般に困
難であり、生コンクリートはポンプ移送できるこ
とが作業上必須の要件である。 セメントの水中拡散を防止するにはセメント組
成物の粘度を上げることが一つの要件であり、水
溶性高分子を添加することによつてその目的を達
するこができる。 特開昭57−3921号明細書のようにポリアクリル
アミドをセメントに添加した場合、確かに水中拡
散を有効に低下させるが、セメントの流動性が著
るしく損われ、ポンプアツプ可能の組成物を得る
ことは困難である。 セメント添加物として賞用されている高分子添
加剤にはセルロースエーテルに多数の例がある。
即ち、セルロースエーテルの添加は粘度を増大さ
せるとともに、流動性をも向上させるので、モル
タルの塗装作業性改良などに用いられている。
(例えば特開昭50−130823、特開昭56−22666)さ
らにセメントに添加できるセルロースエーテルの
種類も豊富である。即ち、エチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキ
シエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピル
セルロースなどである。しかし、これらのセルロ
ースエーテルをセメント添加剤として使用すると
空気連行性を生じ、水中拡散防止に充分な量を添
加するとモルタルあるいはコンクリート中の空気
量が多くなりすぎ、硬化後の構築物の強度が小さ
いものになつてしまう。このセメント/セルロー
スエーテル組成物の空気量を減少させるには消泡
剤の添加が有効であるが、この場合、組成物の流
動性もまた低下してしまう。セメント/セルロー
スエーテル組成物の流動性の良さは、その空気量
にも依存するからである。従つて、水中拡散が防
止できて流動性があり、しかも空気量の少ないモ
ルタルあるいはコンクリート組成物を得ることは
非常に無理な要求と思われていた。 本発明者等は鋭意研究の結果、セルロースエー
テルのうち、特にヒドロキシエチルセルロースを
用い、これを高分子量のポリエチレンオキシドと
併用してセメントに添加することにより、良好な
流動性と水中拡散防止性を有し、空気連行性の小
さい、即ち水中打設セメントに適する組成物が得
られることを認め、本発明に到達した。 (課題を解決するための手段) 即ち、本発明はセメント100重量部に対し、ヒ
ドロキシエチルセルロース0.4〜0.8重量部、高分
子量ポリエチレンオキシド0.01〜0.2重量部を配
合してなるセメント組成物である。 本発明に用いるヒドロキシエチルセルロースは
比較的置換モル数が大きく、且つ分子量の大きい
ものが適当である。工業的に生産され、妥当な価
格で入手し得るものから、上記の条件に合致する
ものを選択すれば、グルコース単位当りのエチレ
ンオキサイド置換モル数が1.5〜4.0であり、且つ
25℃における1%水溶液粘度が1000〜7000cpsで
あるものが適当である。粘度が小さいと拡散防止
効果が小さくなり、粘度が大きすぎると流動性が
却つて悪くなる。 また、本発明に用いる高分子量ポリエチレンオ
キシドとしては高分子量ではあるが、余り分子量
の大きすぎないものが適当であつて、平均分子量
6万〜600万程度のものが使用可能であり、特に
分子量6万〜150万程度のものがよい。分子量が
6万以下の小さいもの及び150万以上の大きなも
のでは、いずれも空気量の減少、流動性向上など
に対し効果が少ない傾向がある。 セメントに対するこれらの添加量については、
ヒドロキシエチルセルロースの量が少なすぎると
水中拡散防止、流動性向上に効果がなく、多すぎ
ると空気量がどうしても多くなりすぎ、また、粘
度が上がりすぎて流動性が却つて低下し、且つセ
メント硬化をおくらせる傾向がある。従つて、適
当な範囲はセメント100重量部に対し、0.4〜0.8
重量部である。一方、これと併用する高分子量ポ
リエチレンオキシドはヒドロキシエチルセルロー
スに対し1/4〜1/20程度が適当であつて、少なす
ぎても多すぎても空気量を望ましい範囲に保つこ
とは難しくセメント100重量部に対し0.01〜0.2重
量部が適当な範囲である。 当該技術を説明するため既に述べたように、セ
メントに添加して、これに粘性と流動性を与える
ことのできるセルロースエーテルは多くの種類に
上り、それぞれ多少の差異はあつても基本的には
類似の効果を示すものである。しかしながら、高
分子量ポリエチレンオキシドと併用することによ
り、顕著に空気連行性の少ないセメント組成物が
得られるのはヒドロキシエチルセルロースのみで
ある。 分子構造の似たヒドロキシプロピルセルロース
やヒドロキシエチルセルロースとアルキルセルロ
ースやヒドロキシエチルセルロースとアルキルセ
ルロースとの混合エーテルであつてもヒドロキシ
エチルセルロース/高分子量ポリエチレンオキシ
ド系のような顕著な効果はみられない。 (実施例) 以下に実施例をあげて本発明を説明するが、測
定項目とセメント物性について簡単に説明してお
く。 「水の濁り度」は、モルタルを水中に自由落下
させたときの水の濁りの程度をみるもので、数字
の小さい方がセメントの拡散性が少ないことを示
す。 「空気量」は、硬化前のモルタル中の空気量で
ある。 「貫入深さ」は、流動性の尺度であつて、数値
が大きい方が流動性が高いことを示す。 尚、これらのほか、「ブリージング」あるいは
「浮き水」現象の起らないことが必要である。 一般にモルタルを混練した直後は組成物中の
水、砂、セメントが均一であるが、これを放置す
ると固形材料と水との比重差により上層に水分だ
けが遊離して来ることがある。これをブリージン
グと称し、混練後10〜30分で発生し、その場合概
ね使用した水の1/10程度が遊離する。このブリー
ジング現象のないことと、流動性が高いことを併
せ有することがポンプアツプのために要求され
る。なお、今回の実施例においては、比較例1の
ブランクテストモルタルにのみブリージングがみ
とめられ、高分子添加剤を入れたものは、いずれ
もブリージングをみとめなかつたので、実施例の
結果の表示には省略した。従つて、ポンプアツプ
性の判定は貫入深さのみでの判定となる。 実施例1、比較例1〜12 実施例および比較例に用いたモルタルの標準的
な作成方法は次の通りである。 ポルトランドセメントに水を加えて、水/セメ
ント比=0.56/1のペーストを作り、これに高分
子添加剤を対セメント比0.45重量%添加して混合
し、ポリマー入りセメントを作成した。このポリ
マー入りセメントに対して豊浦標準砂を添加し、
1:2モルタルとした。 このモルタルにつき各種の物性を測定した。測
定方法は次の通りである。 a 水の濁り度 (a‐1) 1:2モルタルを試料とし。JISR−5201
「セメントの物理試験方法規定の機械練りの
方法に従つて練り上げる。 (a‐2) 1のメスシリンダーに水1を入れ、約
150gのモルタルをダンゴ状として一度に水
面から自然落下させる。 (a‐3) 落下後5秒経過時に約10mlの濁水をメスシ
リンダーの目盛り400ml付近よりピペツトを
用いて採取する。 (a‐4) 採取濁水をよく混合し、比色計(ハンター
比色計D25D2使用)ですばやく濁り度を測
定する。予めカオリンを用いて作成した濁り
度〜固形分濃度の関係を示す検量線を用い濁
り度を相当する固形分濃度(ppm)に換算す
る。 (a‐5) 濁り度10ppm以下を合格とする。 b 空気量 (b‐1) (a−1)と同じ方法でモルタルを作成す
る。 (b‐2) 日本住宅公団「左官用モルタル混和材料の
品質判定基準(案)」に規定された「空気量」
試験方法に準じ、空気量を測定する。 (b‐3) 空気量10%以下を合格とする。 c 貫入深さ (c‐1) (a−1)と同じ方法でモルタルを作成す
る。 (c‐2) 日本住宅公団「左官用モルタル混和材料の
品質判定基準(案)」に規定された「ワーカ
ビリチ」試験方法に準じ1.5Kgのブランジヤ
ーのモルタル中への貫入深さを測定する。 (c‐3) 75mm以上を合格とする。 第1表に使用した高分子添加剤、消泡剤等の種
類、添加量及びモルタル性状測定結果を示す。但
し、表中HECはヒドロキシエチルセルロース、
HPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロース、
MHECはメチルヒドロキシエチルセルロース、
PAAはポリアクリルアシド、PEOは高分子量ポ
リエチレンオキシドである。 その結果、実施例1の高分子添加剤としてヒド
ロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業の
HECユニセルQP−100MH、グルコース単位当
たりのエチレンオキサイド置換モル数(MS)
2.0、1%水溶液の粘度4500CPS、グリオキザー
ル架橋タイプ)と高分子量ポリエチレンオキシド
(製鉄化学のPEO−3、分子量60万〜110万)を
併用し、消泡剤を使用しないものがバランスのと
れた良好なモルタル性状を示し、水中コンクリー
ト用として適当なものであつた。 実施例2〜7、比較例13〜18 実施例1と同様にして水/セメント比=0.65/
1のペーストを作り、高分子添加剤として実施例
1で用いたヒドロキシエチルセルロース(HEC
ユニセルQP−100MH)及び高分子量ポリエチレ
ンオキシド(PEO−3)をセメントに対する添
加量を変えててポリマー入りセメントを作成し、
これに豊浦標準砂を添加して1:2モルタルとし
た。実施例1と同様の方法で物性を測定した。モ
ルタル組成及び測定結果を第2表に示す。 その結果、ヒドロキシエチルセルロースと高分
子量ポリエチレンオキシドの特定範囲量の組合せ
が水の濁り度、空気量、貫入深さとも要求を満す
ものであり、水中コンクリート組成物として適当
なものであつた。
組成物であつて、ポンプアツプすることのできる
組成物に関する。 (従来の技術) 従来、生コンクリートをトレミー管や囲いを用
いることなく水中に直接打設すると打設時点で周
辺の水に洗われてセメントが水中に飛散したり、
打設後も硬化に至るまでに水流や波浪の作用によ
つてセメントが拡散あるいは浸蝕されて形状が崩
れたり、コンクリート中のセメント分が部分的に
消失したりして、充分な硬化が起らず、硬化後の
強度が著るしく劣るものしか得られない。 近年に至り、粘性を与えるような添加剤をセメ
ントに対し使用することにより水中を直接落下さ
せて目的とする箇所に打設することのできるコン
クリートが提案されている。 例えば、西独公告特許2326647号明細書にはセ
ルロースエーテル、ポリアクリルアミドなどを添
加することによりセメントの水中への拡散を防止
できる旨述べられており、実施例としてヒドロキ
シエチルセルロースを用いた処方が開示されてい
る。また、特開昭57−3921号は、水中コンクリー
ト打設工法に関するものであるが、コンクリート
処方としてポリアクリルアミドを用いる例が示さ
れている。 (発明が解決しようとする課題) ところで、我が国における水中打設の要求され
る現場を見た場合、その近傍においてコンクリー
ト組成物を調合し、打設箇所へ投入できるのに都
合のよい作業場と足場を確保することは一般に困
難であり、生コンクリートはポンプ移送できるこ
とが作業上必須の要件である。 セメントの水中拡散を防止するにはセメント組
成物の粘度を上げることが一つの要件であり、水
溶性高分子を添加することによつてその目的を達
するこができる。 特開昭57−3921号明細書のようにポリアクリル
アミドをセメントに添加した場合、確かに水中拡
散を有効に低下させるが、セメントの流動性が著
るしく損われ、ポンプアツプ可能の組成物を得る
ことは困難である。 セメント添加物として賞用されている高分子添
加剤にはセルロースエーテルに多数の例がある。
即ち、セルロースエーテルの添加は粘度を増大さ
せるとともに、流動性をも向上させるので、モル
タルの塗装作業性改良などに用いられている。
(例えば特開昭50−130823、特開昭56−22666)さ
らにセメントに添加できるセルロースエーテルの
種類も豊富である。即ち、エチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキ
シエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピル
セルロースなどである。しかし、これらのセルロ
ースエーテルをセメント添加剤として使用すると
空気連行性を生じ、水中拡散防止に充分な量を添
加するとモルタルあるいはコンクリート中の空気
量が多くなりすぎ、硬化後の構築物の強度が小さ
いものになつてしまう。このセメント/セルロー
スエーテル組成物の空気量を減少させるには消泡
剤の添加が有効であるが、この場合、組成物の流
動性もまた低下してしまう。セメント/セルロー
スエーテル組成物の流動性の良さは、その空気量
にも依存するからである。従つて、水中拡散が防
止できて流動性があり、しかも空気量の少ないモ
ルタルあるいはコンクリート組成物を得ることは
非常に無理な要求と思われていた。 本発明者等は鋭意研究の結果、セルロースエー
テルのうち、特にヒドロキシエチルセルロースを
用い、これを高分子量のポリエチレンオキシドと
併用してセメントに添加することにより、良好な
流動性と水中拡散防止性を有し、空気連行性の小
さい、即ち水中打設セメントに適する組成物が得
られることを認め、本発明に到達した。 (課題を解決するための手段) 即ち、本発明はセメント100重量部に対し、ヒ
ドロキシエチルセルロース0.4〜0.8重量部、高分
子量ポリエチレンオキシド0.01〜0.2重量部を配
合してなるセメント組成物である。 本発明に用いるヒドロキシエチルセルロースは
比較的置換モル数が大きく、且つ分子量の大きい
ものが適当である。工業的に生産され、妥当な価
格で入手し得るものから、上記の条件に合致する
ものを選択すれば、グルコース単位当りのエチレ
ンオキサイド置換モル数が1.5〜4.0であり、且つ
25℃における1%水溶液粘度が1000〜7000cpsで
あるものが適当である。粘度が小さいと拡散防止
効果が小さくなり、粘度が大きすぎると流動性が
却つて悪くなる。 また、本発明に用いる高分子量ポリエチレンオ
キシドとしては高分子量ではあるが、余り分子量
の大きすぎないものが適当であつて、平均分子量
6万〜600万程度のものが使用可能であり、特に
分子量6万〜150万程度のものがよい。分子量が
6万以下の小さいもの及び150万以上の大きなも
のでは、いずれも空気量の減少、流動性向上など
に対し効果が少ない傾向がある。 セメントに対するこれらの添加量については、
ヒドロキシエチルセルロースの量が少なすぎると
水中拡散防止、流動性向上に効果がなく、多すぎ
ると空気量がどうしても多くなりすぎ、また、粘
度が上がりすぎて流動性が却つて低下し、且つセ
メント硬化をおくらせる傾向がある。従つて、適
当な範囲はセメント100重量部に対し、0.4〜0.8
重量部である。一方、これと併用する高分子量ポ
リエチレンオキシドはヒドロキシエチルセルロー
スに対し1/4〜1/20程度が適当であつて、少なす
ぎても多すぎても空気量を望ましい範囲に保つこ
とは難しくセメント100重量部に対し0.01〜0.2重
量部が適当な範囲である。 当該技術を説明するため既に述べたように、セ
メントに添加して、これに粘性と流動性を与える
ことのできるセルロースエーテルは多くの種類に
上り、それぞれ多少の差異はあつても基本的には
類似の効果を示すものである。しかしながら、高
分子量ポリエチレンオキシドと併用することによ
り、顕著に空気連行性の少ないセメント組成物が
得られるのはヒドロキシエチルセルロースのみで
ある。 分子構造の似たヒドロキシプロピルセルロース
やヒドロキシエチルセルロースとアルキルセルロ
ースやヒドロキシエチルセルロースとアルキルセ
ルロースとの混合エーテルであつてもヒドロキシ
エチルセルロース/高分子量ポリエチレンオキシ
ド系のような顕著な効果はみられない。 (実施例) 以下に実施例をあげて本発明を説明するが、測
定項目とセメント物性について簡単に説明してお
く。 「水の濁り度」は、モルタルを水中に自由落下
させたときの水の濁りの程度をみるもので、数字
の小さい方がセメントの拡散性が少ないことを示
す。 「空気量」は、硬化前のモルタル中の空気量で
ある。 「貫入深さ」は、流動性の尺度であつて、数値
が大きい方が流動性が高いことを示す。 尚、これらのほか、「ブリージング」あるいは
「浮き水」現象の起らないことが必要である。 一般にモルタルを混練した直後は組成物中の
水、砂、セメントが均一であるが、これを放置す
ると固形材料と水との比重差により上層に水分だ
けが遊離して来ることがある。これをブリージン
グと称し、混練後10〜30分で発生し、その場合概
ね使用した水の1/10程度が遊離する。このブリー
ジング現象のないことと、流動性が高いことを併
せ有することがポンプアツプのために要求され
る。なお、今回の実施例においては、比較例1の
ブランクテストモルタルにのみブリージングがみ
とめられ、高分子添加剤を入れたものは、いずれ
もブリージングをみとめなかつたので、実施例の
結果の表示には省略した。従つて、ポンプアツプ
性の判定は貫入深さのみでの判定となる。 実施例1、比較例1〜12 実施例および比較例に用いたモルタルの標準的
な作成方法は次の通りである。 ポルトランドセメントに水を加えて、水/セメ
ント比=0.56/1のペーストを作り、これに高分
子添加剤を対セメント比0.45重量%添加して混合
し、ポリマー入りセメントを作成した。このポリ
マー入りセメントに対して豊浦標準砂を添加し、
1:2モルタルとした。 このモルタルにつき各種の物性を測定した。測
定方法は次の通りである。 a 水の濁り度 (a‐1) 1:2モルタルを試料とし。JISR−5201
「セメントの物理試験方法規定の機械練りの
方法に従つて練り上げる。 (a‐2) 1のメスシリンダーに水1を入れ、約
150gのモルタルをダンゴ状として一度に水
面から自然落下させる。 (a‐3) 落下後5秒経過時に約10mlの濁水をメスシ
リンダーの目盛り400ml付近よりピペツトを
用いて採取する。 (a‐4) 採取濁水をよく混合し、比色計(ハンター
比色計D25D2使用)ですばやく濁り度を測
定する。予めカオリンを用いて作成した濁り
度〜固形分濃度の関係を示す検量線を用い濁
り度を相当する固形分濃度(ppm)に換算す
る。 (a‐5) 濁り度10ppm以下を合格とする。 b 空気量 (b‐1) (a−1)と同じ方法でモルタルを作成す
る。 (b‐2) 日本住宅公団「左官用モルタル混和材料の
品質判定基準(案)」に規定された「空気量」
試験方法に準じ、空気量を測定する。 (b‐3) 空気量10%以下を合格とする。 c 貫入深さ (c‐1) (a−1)と同じ方法でモルタルを作成す
る。 (c‐2) 日本住宅公団「左官用モルタル混和材料の
品質判定基準(案)」に規定された「ワーカ
ビリチ」試験方法に準じ1.5Kgのブランジヤ
ーのモルタル中への貫入深さを測定する。 (c‐3) 75mm以上を合格とする。 第1表に使用した高分子添加剤、消泡剤等の種
類、添加量及びモルタル性状測定結果を示す。但
し、表中HECはヒドロキシエチルセルロース、
HPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロース、
MHECはメチルヒドロキシエチルセルロース、
PAAはポリアクリルアシド、PEOは高分子量ポ
リエチレンオキシドである。 その結果、実施例1の高分子添加剤としてヒド
ロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業の
HECユニセルQP−100MH、グルコース単位当
たりのエチレンオキサイド置換モル数(MS)
2.0、1%水溶液の粘度4500CPS、グリオキザー
ル架橋タイプ)と高分子量ポリエチレンオキシド
(製鉄化学のPEO−3、分子量60万〜110万)を
併用し、消泡剤を使用しないものがバランスのと
れた良好なモルタル性状を示し、水中コンクリー
ト用として適当なものであつた。 実施例2〜7、比較例13〜18 実施例1と同様にして水/セメント比=0.65/
1のペーストを作り、高分子添加剤として実施例
1で用いたヒドロキシエチルセルロース(HEC
ユニセルQP−100MH)及び高分子量ポリエチレ
ンオキシド(PEO−3)をセメントに対する添
加量を変えててポリマー入りセメントを作成し、
これに豊浦標準砂を添加して1:2モルタルとし
た。実施例1と同様の方法で物性を測定した。モ
ルタル組成及び測定結果を第2表に示す。 その結果、ヒドロキシエチルセルロースと高分
子量ポリエチレンオキシドの特定範囲量の組合せ
が水の濁り度、空気量、貫入深さとも要求を満す
ものであり、水中コンクリート組成物として適当
なものであつた。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 セメント100重量部に対し、ヒドロキシエチ
ルセルロース0.4〜0.8重量部、高分子量ポリエチ
レンオキシド0.01〜0.2重量部を配合したものを
主剤とする水中打設用セメント組成物。 2 ヒドロキシエチルセルロースがグルコース単
位当りのエチレンオキサイド置換モル数が1.5〜
4.0であり、且つ25℃における1%水溶液の粘度
が1000〜7000cpsである特許請求範囲第1項記載
の水中打設用セメント組成物。 3 高分子量ポリエチレンオキシドが平均分子量
で6万〜600万である特許請求範囲第1項記載の
水中打設用セメント組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6219782A JPS58181754A (ja) | 1982-04-13 | 1982-04-13 | 水中打設用セメント組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6219782A JPS58181754A (ja) | 1982-04-13 | 1982-04-13 | 水中打設用セメント組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58181754A JPS58181754A (ja) | 1983-10-24 |
JPH0254288B2 true JPH0254288B2 (ja) | 1990-11-21 |
Family
ID=13193176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6219782A Granted JPS58181754A (ja) | 1982-04-13 | 1982-04-13 | 水中打設用セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58181754A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62100469A (ja) * | 1985-10-25 | 1987-05-09 | 五洋建設株式会社 | 深海工事用の水中打設セメント組成物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2326647A1 (de) * | 1973-05-25 | 1974-12-12 | Sicotan Kunststoff | Baustoffmischung |
-
1982
- 1982-04-13 JP JP6219782A patent/JPS58181754A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2326647A1 (de) * | 1973-05-25 | 1974-12-12 | Sicotan Kunststoff | Baustoffmischung |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58181754A (ja) | 1983-10-24 |
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