JPH02503506A - 高温菌によるエタノール生成 - Google Patents

高温菌によるエタノール生成

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 高温菌によるエタノール生成 発明の分野 本発明は発酵によるアルコール、特にエタノールの生成に関するものである。
全般考察 糖あるいは他の炭水化物の転化によって生じた、廃棄物としてのあるいは副産物 としての糖からアルコールが生成されることは古くから知られていたが、現在そ れはますます重要になりつつある。現今では原油は安く、特定の地域では深刻な 食料不足が起こっているが、それでさえ、適切に管理すれば農業によって世界中 に食料やエネルギーを供給できるにも関わらず、再生不能なエネルギー資源に頼 っているという基本的な不健全さから注意をそらすことはできないのである。
我々は主に酵母による既知のアルコール生成過程を研究した結果、もし実施可能 ならばアルコールを発酵培地から蒸気として直接都合よく取り出すことができる 温度と利用することが、経済効率を高める上での鍵であると結論した。酵母はも ちろんそのような温度では増殖することができないので、我々は高温菌に目をむ けてきた。
酵母はブドウ糖やマルトース及びショ糖しか発酵させられないが、ある種の微生 物はセルロースの酵素的加水分解によって得られたセロビオースや、ヘミセルロ ースの加水分解によって得られたキシロースやアラビノースもまた利用すること ができる。後者の糖(五炭糖)は、製紙や、蒸気開繊や希酸加水分解などのワラ の前処理によって生じる廃棄汚水の主成分である。サトウキビから得られるエタ ノール生成の経済効率は、例えば液汁と同様に搾りカスも利用できたら大きく改 善されるであろう。
クロストリジウム サーモサラ力ロリチカム(C1osidム」」上虹賎U胚j μ」■凡す)、クロストリジウムサーモヒドロサルファリカム(吐工佳肛煕■虹 匹ユムニieum)やサーモアナエロバクター エタノリカス(The−rmo anaerobacteor ethanolieus)といったいくつかの高 1Arllが、これら全ての糖を利用してエタノールを高率に生成することが記 載されている。しかしながらそれらは偏性嫌気菌で、その報告されている性質は 下記のバチルス ステアロサーモフィラス(Bacillus stearot hermo−吐辻姐)菌株と比較して好ましくないものである。さらに我々は通 性嫌気面が、嫌気相の副産物を触媒性バイオマスを嫌気的に再生するために利用 できるようにする新しい好気−嫌気複合過程を可能にするという利点を見出して いる。
通性嫌気面は通常エタノールを多くは生成しない、以前の出願において、我々は 、Baeillus steirothermo h−ilus NC^150 3と思われる突然変異体が、エタノールを高度に生成するよう操作できるような 「代謝操縦」方略について記述した12.その方略には、L−乳酸脱水素酵素に おける突然変異を選別することによって、L−乳酸生成を抑えることが含まれて いた。得られた突然変異体は、シヨ糖1モル当たり酢酸塩、エタノール及び*v i塩を2:2:4の割合で嫌気的に生成することが期待された。驚くべきことに 、ある種の条件下、特に低poで高温においては、エタノール生成量がこの理論 的最大値よりも高く、このことはバッチ培養における最終の不増殖期の間に、シ ョ糖からエタノールと二酸化炭素への触媒的な転化が生じたためと考えられた。
我々は今回、以前に報告した結果は、記載した菌は我々が想定した( Payt onおよびHartley’) B、 5tearother−駐吐旦■のNC ^1503 (NCIB 8924)  の誘導菌ではなく、また既知の高温菌 の何れでもなかった点で誤っていたことを見出した。その代わりに、それは上述 した目的にとって、既知の菌株よりも格段に優れた性質を有する石−辻胆し■且 皿l二旦勧旦胚種の新しい菌株に由来することが明らかになってきた。特にそれ は、60℃以上の温度において好気的かつ嫌気的にもNC^1503菌株より格 段   。
に高い増殖率を示し、NC^1503菌株では増殖が停止するような70℃以上 の温度において嫌気的に増殖する。さらに、それはセロビオースやRaggおよ びFiel+(s’によって記述されたICI過程によって製造される小麦ワラ の粗希酸加水分解物に見出されるような三次糖類をも利用するのである。
従って、本発明は特定の菌だけに制限されないが、セロビオースや三次糖類を含 む広範囲の糖を、70℃以上の温度において好気的かつ嫌気的に高速に発酵させ る、し」旦とoths口咀吐旦胚のLLD−R菌株(NCIB寄託、詳細は下達 )のような通性嫌気菌に関する。このような菌は通常嫌気的に乳酸を生成するが 、この糸路はNADに連結した乳酸脱水素酵素の突然変異体を選別することによ って消去することができる。さらに酢酸塩の生成は、酸性pH1高温あるいは菌 外部に高濃度の酢酸塩を加えるなどの生理学的な制御によって、さらには酢酸塩 合成系路の酵素に遺伝的損傷を加えることによって抑えることができるであろう 、このことによって、糖をエタノールと二酸化炭素に転化するピルビン酸脱水素 酵素を介した嫌気的代謝系路を開放することになる。得られた菌は嫌気的には増 殖しないが、増殖せずに糖からエタノールへの転化を触媒することができる。
従って本発明の要点は、そのような菌に最小限の増殖で糖を与えて触媒的嫌気的 生成させるために用いられる過程である。エタノールの多くは70℃以上の蒸気 相の中に自動的に取り出されるので、生成相には菌のエタノール耐性濃度(およ そ4%、/V ’)  を越えることなしに高濃度の糖を与えることができる。
我々はこれらの性質が、遠心分離やr通によって液相の生成物を取り除いた後で 、連続的に菌を再循環することによって至適発酵生成が得られる新しい連続過程 に役に立つことを見出した。触媒生存能を維持するために必要な最低増殖率は、 再循環中に菌の一部を放出することによって達成できる。このことによって流入 する糖の同等量が新鮮なバイオマスに転化される。一方、菌や未加水分解糖、残 存微量エタノールや酢酸塩や蟻酸塩といった副産物を嫌気的「バイオマス」相へ 戻される前に、残存している液相のエタノールは取り除かれる。t&気菌はそれ から、もし必要なら間の嫌気「順応」相を介して、触媒的生成相へ戻される。こ の反応形態のおもしろい特徴は、好気的二酸化炭素を最小に嫌気的二酸化炭素を 最大にすることによって、エタノール生成が最大になる自動制御が維持されるこ とにある。
菌株の由来と性質 旺吐比駐上山:」!μj旦」菌株LLD−15(NCIB1E託、詳細は下達) は、L−乳酸脱水素酵素活性が欠落したI旺ユ胚」遣y刀l工吐吐■旦菌株NC ^1503の突然変異体を自殺基質抵抗性(PaytonおよびHartley ’ )を選択することによって得ようとした際に生じた。普通は後者の菌株の突 然変異体と想定されるが、実際は新しい超高温菌、Bacillus stea rothermo hilus菌株LLD−R由来と考えられた。LLD−R菌 株はLLD−15菌株から自発的にまた再現性をもってに生じ、プレート法、あ るいは例えば糖、酢酸塩やl1r1vi塩を含む低pnの培地といったより速く 増殖する培地で連続培養することによって選択できる。その菌は嫌気的にL−乳 酸塩を生成し、L−乳酸脱水素酵素を高濃度に含んでおり、従って明らかにLL D−15が有する遺伝子欠損の復帰突然変異「野生型」である。
突然変異菌株り一旦と凪お口型吐U旦菌株LLD−15と野生型LLD−Rは共 に、広範種Bacillus stearothermophiiusに形態と 増殖温度域の点で類似した、ダラム陽性の胞子形成桿菌である。しかしながら一 連の生化学的試験及び増殖試験(表1)では、それらはB、 stearoth ermo h−ilusNCA 1503や5harp他、ジャーナル オブ  ジェネラル マイクロバイオロジー(J、 Gen、 Mierobiol、)   117201 (1980)の広範な集団中の他の全ての関連菌株とは異な っていた。これらの性質はDonk、L、(1920)ジャーナルオブ バクチ リオール(J、 Baet−eriol )臣、373以降の旺住且」」遣μ! 山旺吐吐旦胚としての一般分類には整合するが、その増殖温度域は明らかにその 変異体の由来と思われるNC^1503菌株のそれよりも高い、従って、両歯は 新種の菌株、Bacillus stearothermo hilus LL D−R(NCIB  12403)とBacillus  5tearothe rso  hilus  LLD−15(NCIB 1242B)として、スコ ツトランドの工業および水産菌の国立寄託機関(National Co11e ction of Tndu−strial  and  Marine  B acteria、Torry  Re5earch  5tation。
P、O,Box 31.^berdeen 、^B98Dに)に寄託された。そ れぞれの寄託日は、1987年2月10日と、1987年4月9日である。
LLD−RとLLD−15菌株は、富裕なりST培地(Tryptone(Ox oid) 20.0;  酵母抽出物(Oxoid) 10.0; K2S0. 、1.3: Hg5O=4[IJ、 0.27; MnCl2・41’lz0. 0.015; FeCl5・6H20゜0.007.クエン酸、0.32; ( g/Iで表示))適当な炭素源を追加し、KOFIやH,SO,で要求されるp Hに調整する)内で良好に増殖する。しかし我々はまた、完全培地BST−88 (炭素源:に2SO4,0,3; NaJPO<、 1.0; HgSO4,0 ,4;MnCIz・4H20,0,003; CaCl2.0.005; NH ,CI、 1.0;  クエン酸、0.16.メチオニン、0.2 (g/Iで 表示);ニコチン酸、10;ビオチン、10;チアミン、10; Zn5Oa4 H20゜0.4;  硼酸、0.01: CoCl2・6B20.0.05;  CuSO4・5B20゜0.2; N;Ch・6F1.0. o、oi: ED T^、 0.25 (mg/Iで表示))を開発した。
図の説明 図1から6の説明は以下の通り。
図1 旺吐旦胚」遣yJ上旺吐吐旦■の菌株LLD−15における嫌気的系路と 理論的生成。
図2  pl+7、D=0.2hr−’におけるショ糖10g/I  (嫌気) あるいは5g/l  (好気、点線) 、0.5% トリプトン、0.25%酵 母抽出物による連続培養における定常値。
a)バイオマス:NC^1503菌株(拳) 、LLD−R菌株(■)、LLD −15菌株(0) b)LLD−15菌株による生成物 図370℃、D = 0.2hr−富、pl+7における、小麦ワラ加水分解物 の様々な濃度における菌株LLD−15の連続培養(RaggおよびField s、 1986) 。
図4 エタノール生成における連続2段反応槽図5 部分的菌再循環による連続 発酵の機械装置。
図6 部分的菌再循環による連続発酵の関係。
新しい菌株く系統)における嫌気的系踏桟々の実験は主に、2.35%(w/v )ショ糖/BST培地でのバッチ培養を、変異菌株LLD−15の原種と考えら れるNC^1503菌株の至適温度である60℃で行なった。NC^1503菌 株あるいはLLD−15菌株の嫌気的バッチ培養では、最終生成物は主にL−乳 酸塩であったのに対し、LLD−15菌株はpl+ 7.9においてシヨ!1モ ル当たりエタノール1.8モル、酢酸塩1.8モル及び蟻酸塩3.2モルを生成 した。これは突然変異によってL−乳酸脱水素酵素活性が消し去られたので、ピ ルビン酸−蟻酸塩脱炭酸酵素(PFL)糸路(図1)を介した代謝と合致する。
しかしより酸性度の強い、pl+ 6.2ではエタノールの酢酸塩に対する比は 増加して、エタノール2.9、酢酸塩0.2、蟻酸塩1.3となる。これは残余 ショ糖から2エタノール+2二酸化炭素を導く新しい糸路もまた開放されたこと を示しており、我々はこれは、通常嫌気条件下では不活性と考えられているピル ビン酸脱水素酵素(PDH)を介したものであると考えている0図1における生 成物を要約すると下記表となる。
解糖+PDII        2.00   0.00  0.00  2. 00  2.00解糖十PFL        1.00   1.00  2 .00  0.00  3.00Entner−Doudoroff+PDH1 ,500,500,000,003,00Entner−Doudoroff+ PFL  1.00  1.00 1.00 1.00 2.0OLと≧λ: 三次糖回路十PDFI     1.67   0.00  0.00  1. 67  1.67五炭糖回路+PFL     O,830,S3  1.67   0.00  2.50ホスホケトラーゼ+PFL  O,501,501, 000,002,50PFLからPDH−糸路への切り換えはLLD−15菌株 の嫌気的バッチ発酵の後の段階において生じ、増殖速度の低下と培地中への微量 のピルビン酸の出現と一致する。効果は例えば、5%(@/v)のショ糖濃度と いった高い糖濃度でのバッチ発酵中において最も明らかで、そこでは菌の増殖は 全ての糖が利用されるよりかなり前に停止したにも関わらず、不増殖菌がショ糖 をエタノールと二酸化炭素に転化し続けている。従ってそのようなバッチ発酵に おいては、エタノール生成はシヨ糖1モル当たり3.64モル(理論値の91% )にも達する。より温度が高い(70℃)と、さらにPDH系路への切り換えに 有利となる。
バッチ発酵の早期にエタノール、酢酸塩や蟻酸塩といった生成物を培地に加える と分かるように、PFL系路からPDH系路への切り換えは培地中の酢酸塩と蟻 酸塩の蓄積によるもので、エタノールの蓄積によるものではない、PDH系路が かなり作動している時はいつでもピルビン酸の分泌が観察される。このような条 件下で増殖した菌は、野生型は非常に低い嫌気的PDH量を示すにも関わらず、 菌除去抽出液において完全好気菌よりも高いピルビン酸脱水素酵素活性を示す、 エタノールと二酸化炭素を生成するもう一方の系となる可能性のある、ピルビン 酸脱炭酸酵素やwk酸塩脱水素酵素の活性は検出できない、バイオマスが減少し てバッチ発酵の終わりに近づくと胞子が観察できるので、系路間の切り換えは前 胞予形成現象かもしれない。
系路間の切り換えが起こることの考え得る理由は以下の通りである。野生型の菌 は好気的にも嫌気的にも速く増殖するように適応しているので、糖取り込みと解 糖系路を速く活性化させる。嫌気条件下では通常り一乳酸を分泌しているが、そ の糸路が阻害されるとピルビン酸代謝はPFL系路に切り換えられる。しかし、 特に菌外部の酢酸塩や蟻酸塩の存在下、あるいは陰イオンや陽イオン勾配に対す る分泌が流出量を減少させるような酸性pH下において、酢酸塩と蟻酸塩の分泌 量はエネルギー代謝にとって量制限段階となる。従って菌内にピルビン酸が蓄積 し、完全好気菌よりも高いピルビン酸脱水素酵素の活性化が引き起こされる。ピ ルビン酸脱水素酵素を介した流れは、酢酸塩と蟻酸塩不在下におけるアルカリp Flあるいは低ショ糖濃度において観察される高速増殖率を維持するためには未 だ不適当であるが、菌は増殖なしに糖をエタノールと二酸化炭素に転化する静止 段階に達する。
単一相連続培養 野生型(LLD−R菌株)とLLD−15菌株とを比較する予備実験を、60℃ においてBT培地中2−3%ショ糖の条件で行なった(希釈率0.25hr−’ ) 、期待されたように野生型は、p)18において消費シヨ糖1モル当たり3 .13モルからp)16.35において3.50モルの幅で主にL−乳酸を生成 し、Y値(g・菌/g・ショ糖)はおよそ0.07であった。
突然変異菌株ではpH17においてエタノールが主な生成物で(2,3モル1モ ルショ糖)、Y値はより高かった゛(0,10) 、 LLD−15菌株は酸性 p)lあるいは高ショ糖濃度における連続培養条件に不安定であったが、復帰突 然変異体(LLD−15)によるし−乳酸生成への転換は普通であった。このこ とはこのような連続培養によって引き起こされたエネルギー効率の増加のための 淘汰圧が強力であり、連続過程に潜在的欠点のあることを示している。しかし、 70℃における低ショ糖濃度での連続培養においてはこの復帰は頻度が低く、非 復帰突然変異体のLLD−R菌株から再選別(PaytonおよびHartle y3の方法)によって消去することができる。
図2aは、p)17.0 、希釈率0.2hr−’で様々な温度における、1% (、/v)  で嫌気的に、あるいは0.5%ショ糖、0.5%トリプトン、0 .25%酵母抽出物で好気的に増殖するNC^1503、LLD−R及びLLD −15菌株の連続培養における定常状態のバイオマスを示している。新しい菌株 もNCAl5O3菌株も共に効率的な好気的、嫌気的代謝を示すが、野生型(L LD−R)と突然変異体(LLD−15)は共に75℃まで活発な嫌気的代謝を 行なうのにも関わらず、NCAl3O3菌株は嫌気条件70℃以上で死んでしま う、この温度は液相エタノールの沸点に近く、従ってここで記述した過程におい て重要である。
LLD45菌株の嫌気的連続培養から得られた生成物は図2bに示す、エタノー ルの生成(mmol/^、。。)は温度が上昇するにつれて高まり、ピルビン酸 の分泌と一致していることが明らかである。
NCAl5O3菌株は好気的にも嫌気的にもキシロースでは増殖しないが、LL D−RとLLD−15は増殖する。ショ糖で得られた結果は、70℃における同 様の条件での1%キシロースによる連続培養と比較できる(表2)、定常状態が 維持され、アルコール生成もまた酸性pnにおいて高くなる。
表2 70℃、])=0.2hr−’ における、キシロース10g/I 、) リプトン5g/l、酵母抽出物2.5ε/!及びBST塩によるLLD−15菌 株の連続嫌気的培養6.5 0.35 0.9  1.70(0,13)    1.79(0,17)  3.48(0,25)7.0 0.98 0.9   1.43(0,04)   2.14(0,07)  3.84(0,10>8 .0 0.67 0.9  0.82(0,03)   1.07<0.05>   2.20(0,08)pi(7における定常状態のバイオマスはショ糖濃度 の半分以下であり、従ってキシロースの代謝はエネルギー効率がより低い、ショ 糖は、一つのATPを要する適当な燐酸化酵素+ホスホリラーゼを介して2つの 燐酸六炭糖に代謝されると考えられている。対照的に、2つの燐酸三次糖分子を 生成するためには2つのATPを要すると考えられている。従って、ショ糖は本 来、よりエネルギーの高い基質である。
連続キシロース発酵の生成物は、トリプトン−酵母抽出物のかなりの部分がエネ ルギー生成のために代謝されることを示している。それにも関わらずpH8にお ける生成比は、代謝が三次糖燐酸糸路、解糖及びPFL系路を経由して進行する ことを示している。エタノール収率はショ糖による場合よりも低く、このことは PDH系路を経由する流れはほとんどないことを示唆している。しかし、高温低 pI+における高ショ糖濃度での発酵は、ショ糖と同様に後者の糸路を経由した 流れと、キシロースをエタノールと二酸化炭素に転化する不増殖菌株を生成する ような酢酸塩W酸化酵素や)オスフォトランスアセチラーゼの突然変異体を増加 させることが期待できる。
従って、その新しい菌株とその誘導菌は、リグノセルロース廃棄物の加水分解物 からエタノール生成を行なうために選別される菌である。連続培養は、Ragg およびFields’に記載されているICI加水分解過程によって生成された 小麦ワラの租加水分解物を用いて行なわれてて引き続く脱水化を促進するように 設計された短い希酸加水分解過程とによって生成されたキシロースとリグニンに 富んだ、実質的な廃棄物の流れである。原料はpl’17々な希釈率において、 新しい菌株による連続培養で試験する。廃棄物の流れは菌の連続培養にとって必 要な全ての養分を供給し、全ての糖がある程度まで利用される。
エタノールの生成は低pnにおいて増加し、生成比は三次糖燐酸糸路解糖及びP FL+PDH系路を経由し糸路謝に一致する(図1参照)。
2段好気/嫌気発酵 増殖することなしに糖からエタノールへ転化する性質は、新しい菌株の重要な利 点である。上述したように、さらに生理学的拘束を操作したり新しい突然変異を 選別することによって、最大限に高めることができる9図1は酢酸塩リン酸化酵 素あるいはアセチルCO^−フォスフオドランスアセチラーゼを欠く菌は、酢酸 塩を生成できないことを示している。酢酸塩の分泌はPFLを介した嫌気的流動 を維持するために必要であるので、PDH経路だけがエタノールと二酸化炭素を もたらすピルビン酸代謝に開放されている。そのような菌は嫌気的には増殖しな いが、好気的に繁殖し嫌気的に糖をエタノールに触媒反応で転化する。
さらに我々は、PDHがエネルギーの流動を制限するように思われるので、菌内 ピルビン酸脱水素酵素活性を増加させる突然変異がエタノールの生産性を高める ことを見出している。そのような突然変異は、連続培養による増殖、あるいは菌 内の酢酸塩や蟻酸塩の蓄積が起こった、すなわち低pnで酢酸塩と蟻酸塩を加え た条件下のプレートによって自発的にあるいは突然変異後に選別される。一方、 PDH遺伝子の複製を遺伝子工学の技術によって導入することもできる。
最大エタノール生成能は増殖の停止と関連しているので、従来の嫌気的バッチ培 養はこの菌株によるエタノール生成には不適当である。バッチ生成は、嫌気的反 応槽の中で嫌気的に増殖した菌の大きな接種物を用いるか、全バイオマスが供給 される酸素の量に依存しているような部分的嫌気生活の条件下でバッチ発酵を行 なうことによって達成できるかもしれない。
さらに増殖しない菌によって触媒する不定連続過程も明らかに不可能である。な ぜなら菌の生存力を維持するためには、最小限の糖の取り込み(維持係数、動) が要求されるからである。我々はこれが図5に示したような、再循環や放出を行 なわずに部分釣菌再循環をしながら一般嫌気反応槽の中で達成されることを見出 した。その装置は量制御装置を介して従来の一般連続培養機のように稼働する。
これが阻害され再循環が始まると、バイオマス量は維持係数によって指定される 最大値まで上昇する。
それから全ての基質は生成物に転化される。これは生産のためには明らかに有利 であるが、実際には確実に反応生産性が減少(−)するであろう、しかし、もし 反応槽から少量(F8)を放出させ九ζキ、安定な増殖がμ=F8/V (V= 反応槽容積)の率で起こる。これは反応生産性の減少に釣り合うように最小にす ることができる9図中、糖と養分が率F1で注入される。一定の放出量Fつ、( F、<<F、)によって、菌増殖速度(μ=F、/V、■=発酵器容量)が決定 される。残りのスープは、最大容量で稼働される中空の繊維の限外PMを通して 再循環される。その炉液F、は量制御装置によって制御され、適量の炉液は発酵 槽に戻される。
図6はLLD−15菌株の1%シ911/BST  AM70℃、pH7におけ るモデル系の結果を示している。区はエタノールの生産容量、菌濃度及び全希釈 率D=F、/Vとの関係を示している。 Soは1%、温度70℃、400回転 /分、pl+7.0 、使用菌はBacillus 5tearothervo  hilusである。
菌増殖率μ=Fx /V=0.1h−’である。成長率は、流出率Fxを固定す ることによって一定(0,1h−’ )に保った。
全体にわたる希釈率りは、糖と養分の流入率F、を増加させることによって増加 させた。ショ糖消費量(図示せず)は常に系の安定性の高さを示す97%以上で あった。
エタノール生産容量は従来の単相連続発酵(例えば0.6エタノール/1−h) よりも有意に高かった。このことは第一に、高い希釈率において生じた菌濃度の 比例した増加によるものである。
このような反応槽はこれらの菌株によるエタノール生成に適したものであるが、 我々は通性嫌気菌の特殊な性質によって、図4に示した形態の新しい反応槽にお いてエタノール生成が最大となることを見出した。要約すると、糖は嫌気反応槽 Aに流速V/2で注入される。蒸気相のエタノールが水の吸収作用によって二酸 化炭素から分離される。使用した菌の一部が遠心分! (C)によって取り除か れ、流出流からエタノールの蒸留される。!りの糖とエタノールには養分(N) を混合率V、で追加し好気的に触媒性バイオマスを作るのに用いられる(B)、 得られた菌は遠心分離後反応槽Aに戻す、より詳細に説明すると、サトウキビ液 汁、糖蜜、ワラ加水分解物等の糖を、率■、で菌を供給した嫌気反応槽に率■お で加える。
図を説明すると、反応槽Aはエタノールの生産性が最大になるように温度やpH を制御できる簡単な撹拌槽(容積■A)である、蒸気相のエタノールは連続蒸留 を行なう前に、水によって二酸化炭素から分離する。しかし高温菌による発酵の 主な利点の一つは、水性エタノールの沸点が近づいてくると、水相からエタノー ルが連続的かつ安価に取り出せ、エタノールによる増殖や生産性の阻害が取り除 かれることである( LLD−15の場合には60℃においてエタノール濃度が 4%以上(、/V)で成長が停止する)、このことによって高い濃度の糖、例え ば糖蜜の供給原料としての使用が可能になる。従って嫌気的反応槽は、再循環二 酸化炭素を散布したり、真空気化蒸発装置を介して連続再循環させる真空発酵の ように、蒸気相へのエタノールの取り出し率を最大にできる利点がある。
反応槽Aから流出する菌の多くは、連続遠心分離によって濃縮され再循環される 。それから連続蒸留によって、エタノールが上清から取り除かれる。好気的反応 槽Bに入る流れは菌(や胞子)、残余エタノール、未分解糖及び酢酸塩や蟻酸塩 のような副産物を含む、これらの多くはLLD−R菌株には嫌気的基質として与 えることができる。
従って流れはこれらの廃棄炭素源をバイオマスに最大限に転化するために必要な 養分が補充される。
そのバイオマスは遠心分離によって濃縮され、嫌気反応系に戻される(容積■、 )、好気菌が嫌気的代謝に順応するまでに遅延期間が認められるという問題があ る。
従って酸素制限下で反応槽Bを稼働するか、菌が触媒相に戻る前に最適pH下で 低濃度の糖を与える中間「嫌気的順応」反応槽に暴露させるのが好ましいと思わ れる。
このような反応槽の形態での過程の変数は複雑であるが、系は自動修復できる特 徴を有している。任意の原料組成と率(V、)における最適エタノール生成は、 嫌気的二酸化炭素の生成(=エタノール)が最大で好気的二酸化炭素生成(糖が 完全に酸化されたと仮定)が最小の時に生じる。最適生産性はV、を最大にする ことによって得られる。従って、二酸化炭素感知装置を用いて各容器の注入率、 pH及び温度を制御することにより、系は自動的に最適状態になっていく、この ことはある特定の基質を用いる装置を試験的にr#4発する際の労力を最小限に とどめる上でかなり有利であり、さらに可変の組成の原料を扱うような装置には より有利である。
要約 ここで、本発明の好ましい形態について請求項から外れることなく要約すると、 本発明は、リグノセルロースの加水分解物から得られた三次糖やセロビオースを 含む広範囲の糖を用いて好気的かつ嫌気的に高速に増殖でき、かつ/または70 ℃以上の温度で代謝することのできる、新しい■住旦ヨ」遣μ!±虹吐吐ユヨの LLD−R菌株(NCT812428)のような非常に好熱性の通気嫌気菌の突 然変異体を用いる。I吐出上5tearotherμ朴旦■のLLD−R菌株( MCI812428)のような突然変異体を、主にエタノールを生成する嫌気的 系路に切り換えるように選別する。これらは本文中に参照されている寄託菌株で ある。
LLD−R菌株は75℃以上の温度で広範囲の糖を利用して高速に増殖するが、 主な嫌気的生成物はL−乳酸である。
突然変異菌株LLD−15は二つの主な糸路、すなわちブドウw残渣1七ル当た り1モルのエタノール、1モルの酢酸塩及び2モルの蟻酸塩を生成するピルビン 酸−蟻酸脱炭酸酵素(PFL)糸路と、ブドウ糖1モル当たり2モルのエタノー ルと2モルの二酸化炭素を生成する、従来は確認されていなかったピルビン酸脱 水素酵素(PDH)を経由して同様に高速に増殖する。
LLD45菌株における代謝の流れは、生理学的条件、特に酸性pnでの増殖に よって引き起こされるピルビン酸の蓄積、あるいは培地中の酢酸塩と゛W1酸塩 の濃度を操作することによってPDH系路を経由して振り向けることができる。
より高温にすることもPDH系路には好都合である。菌はこのような条件では増 殖しないかもしれないが、糖をエタノールに転化し続ける。一方、PDHの流れ はさらに、突然変異、例えば酢酸塩の生成を抑制するような突然変異を起こさせ ることによって増加させることができる。他に好ましい突然変異としては、嫌気 的ピルビン酸脱水素酵素の活性がエタノール生成の律速条件であるので、その全 活性を高めるような突然変異が挙げられる。
そのような菌株は、触媒性のバイオマスを最初に好気的に種まき段階で増殖させ 、次に増殖させずに嫌気的にエタノール生成をさせる、2段発酵、には最適であ る。これは、濃縮された糖yKfIを利用させるために蒸気相のエタノールを取 り除き続ける、単相バッチあるいは原料供給バッチ反応槽において達成できる。
ブドウ糖、ショ糖あるいはマルトースのような従来の原料も用いることができる が、三次糖やセロビオースを含むリグノセルロース廃棄物の加水分解物から得ら れる糖も用いることができる。
本菌株は従来の単相連続培養にはあまり適当ではないが、部分的に直を再循環さ せる単相系や、蒸気中のエタノールを取り除きながら糖を嫌気的触媒反応槽に加 える2相連続系では有利になると思われる。Wっだエタノールはこの反応槽から 出る流出液から除去し、残った炭素源は好気的バイオマス段階における新しい触 媒性バイオマスを作るために使用する。それによって原料中に存在する全ての基 質が、嫌気的にも、好気的にも効率的に利用される。さらにこの系は嫌気的に生 成される二酸化炭素(バイオマス生成と同等量)を最大にすることによって、自 動的にエタノール生成のための最適状態に復帰することができる。これは様々な 原料を用いたり混合する時に特に有利である。
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a)バイオマス:NCAl3O3菌株(@) 、LLD−R菌a(III)、エ タノール 補正書の翻訳文提出書く特許法第184条の8)平成 1年11月27日

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.好気的かつ嫌気的に糖を発酵させ、70℃以上の温度において嫌気的発酵の 活動性が高まるような特徴を有するバチルス ステアロサーモフィラス(Bac illusstearothermophilus)菌株や他の高温通性嫌気菌 の選別を含む工程によるエタノールの生成法で、さらに(i)嫌気的発酵は、7 0℃以上の温度においてエタノールを連続的に取り除きながら行ない、 (ii)菌の発酵活性は、連続的に嫌気的発酵培地の一部をできればエタノール も共に取り除き、菌を嫌気的発酵に戻す前に、培地中に存在する残余糖や代謝産 物を用いて菌を好気的に分裂させることによって維持される、 エタノールの生成法。
  2. 2.好気的あるいは嫌気的増殖期の後、分裂はしないが基本的にエタノールのみ を生成する代謝の活発な嫌気相に入れるような特徴を有する菌を選別し、実質的 にこの相において嫌気的発酵が行なわれる、請求の範囲第1項記載のエタノール の生成法。
  3. 3.工程の条件は、二酸化炭素が好気的に生成された量に対して嫌気的に生成さ れた量が最大となるように調節してエタノール生成が最大となるようにする、請 求の範囲第1項または第2項記載のエタノールの生成法。
  4. 4.特に、NAD連関乳酸脱水素酵素活性を欠く菌が選別される、請求の範囲第 1項乃至第3項のいずれかに記載のエタノールの生成法。
  5. 5.特に、基本的にヒルピン酸脱水素酵素系路の働きによってエタノールを生成 する菌が選別される、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載のエタノー ルの生成法。
  6. 6.特に、発酵中にピルビン酸−蟻酸脱炭酸酵素系路が突然変異あるいは代謝産 物の菌内蓄積を引き起こすような条件によって抑制される菌が選別される、請求 の範囲第5項記載のエタノールの生成法。
  7. 7.糖には五炭糖あるいはセロビオースが含まれることを特徴とする、請求の範 囲第1項乃至第6項のいずれかに記載のエタノールの生成法。
  8. 8.特にBacillus stearothermophilusによる、請 求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記載のエタノールの生成法。
  9. 9.特にB.stearothermophilus LLD−R(NCIB  12403)あるいはB.stearothermophilus LLD−1 5(NCIB 12428)あるいはそれらの変異菌や誘導菌が使用される、請 求の範囲第8項記載のエタノールの生成法。
  10. 10.Bacillus steraothermophilus LLD−R (NCIB 12403)、Bacillus stearothermoph ilus LLD−15(NCIB 12428)及びそれらの変異菌や誘導菌 。
  11. 11.請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかの工程を用いるか否かにかかわら ず、糖の嫌気的発酵によるエタノール生成のために用いられる、Bacillu s stearoth−ermophilus LLD−R(NCIB 124 03)、Bacillus stear−othermophilus LLD −15(NCIB 12428)及びそれらの変異菌や誘導菌。
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